マインドファイターズ

2キセイセ

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仮入団編(一章)

5.溜まり場入り①

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アルスは少し考えたが、答えは決まっていたかのように、自然と口が動いていた。

「…乗ります」

彼の目線は一直線に、未来を見つめていた。

「ありがとう…では仮入団という形で調査に協力してくれ。よいな?」

「もちろんです……」

アルスはそう決意したように見えたが…顔には不安げな表情を浮かべていた。もちろん、ボスたるものはそれを察知して、声をかけた。

「なにか不安があるのか?アルスには心物があるだろう?」

「いえ…先程のナットさんが言っていた事件に巻き込まれた時に、紛失してしまいました…」

「?」
 
レイは疑問を抱いている様子を示し、アルスの右を見つめていた。

「それが心物では無いのか?」

「え?」

アルスもレイに言われて、同じ場所を見つめた。
そこには先程、狼の群れに投げた変形する棒が、壁を支えに立っていた。

そしてアルスは、何回目か分からない、今日腰を抜かした回数を1回増やした。

「うわ!?こわっ!?」 

「それはどんな能力があるんだ?」

「え!?これさっき投げたはずだぞ!?」

「心物は心の写し身だ、紛失はしない」

アルスはそれを聞いて、「そっか……?」と疑問符を浮かべながら、状況的に違和感の残る形で納得するしか無かった。

「あっ、能力ですよね…」

アルスは自分の心物を持ちながら、斧に変形させたり、剣に変形させたり、人の等身大人形などなど色んなものに変形させた

「まあ…これっすね」

「なかなかにいい能力だ。とりあえず、私は先程の事件の犯人を捉えるために動く。それまでは、ここに来るまでに通った、大きい部屋で仲間と雑談でもしておいてくれ」
 
さっき、仮のボスとなった人に言われた。
お言葉に甘えて、ドアを開けて、さっき通った部屋にもう一度入ることにした。

「おっつかれー、仮入団したんだろぉ?」

入った瞬間、だる絡みをしてくる輩がいた。ナットだ
ナットはそのまま、爆速でソファに腰掛けた。

「ナット、ご飯できそうだからみんな呼んでおいて。アルス君の分もしっかりあるからねー」

奥のキッチンから、若いがしっかりとしていて芯のある声が聞こえた。

アルスが目を向けると、そこには茶色のエプロンをつけて料理をしている、オレンジの髪色をしたポニーテールの女性の後ろ姿が見えた。

「えっ、いつの間に俺の分まで…」

アルスは気遣いに少ししんみりしていた。

「あいつ、客人にもご馳走振る舞うぐらい良い奴なんだ。ほかのメンバーも昼飯食いながら説明するわ。」
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