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大問題の結婚式
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それから一時間後、式は始まった。まず初めに、誓いの言葉。この国のしきたりではこうなっているらしい。
「健やかなるときも病める時も……」
という感じになっている。
次に指輪の交換、これは普通に指輪を交換するだけ。特に問題もなく進んだ。次は結婚宣言。
これは……大問題だったな。私にとっては良かったけど。
「それじゃあ、誓いのキスを……」
「……父上、すみません!」
シュン王子が言った、なぜ…?
「ん?なんだ?」
「やっぱり僕は……この人と結婚なんて……」
え?どうして……?シュン様が結婚したく無いってこと……?
「まあよい、話してみよ。」
「はい、実は……ディスア令嬢は、リリアーナ令嬢に虐待のようなことをしていたんです!」
……えっ?令嬢……?
「ほぉ……詳しく話せ」
私がされたことをシュン王子は淡々と話していく。
「僕も最初は信じていませんでした。でも……彼女のこっぴどく働かされる様子を見て確信しました。」
シュン様が話している様子はとても真剣だった。本当に私を助けてくれようとしているのか……
「なるほどな……わかった。そういう事だったら!私は息子の言うことを承認しよう!ディスア令嬢との婚約は破棄だ!」
「本当ですか!?」
「ああ、勿論だ。息子の頼みだもの。」
そしてシュン様はこちらを見て、微笑んでくれた。とても嬉しかった。
「まって!私は認めないわ!」
ディスアのあがきだ。非常に醜い、いつも以上に醜いディスアは王子の足にすがりついた。
「やめろ、気持ち悪い!」
王子はそれを振り払った。
「ひどい……酷いわ!」
「何が酷くて、どこが酷いんだ?自分の罪を認めないほうが酷い思うが。」
「なんでよ!私は…私はシュン王子と結婚したいだけなのよ!」
はぁ…結局、涙に頼るのか。本当にこいつはクズだなぁ。
「恨むなら自分の性格を恨むんだな。」
「そ、そんな……」
ディスアは絶望した表情を浮かべている。
「それじゃあな」
「まて!それじゃあ外交はどうなる!」
父が慌てて止めに入る。そうだ、政略結婚だ。相手が嫌がっていてもできるものだ。
「はぁ…誰かが嫌な思いをして成り立つ国家は、とっくに滅んでますよ。」
全く、その通りだ。
「あと、リリアーナ令嬢は俺の国で暮らすことにしたんで。」
え……?
「どういうことだ……?」
父は唖然としながら聞く。
「そのままの意味ですよ、彼女は我が国で幸せになるんです。あなたにはもう関係のないことですから。」
シュン王子はそのまま部屋を出ていった。
「待ってくれ!リリアーナ!頼む!お前がいたから、この城の家事は全て出来ていたんだ!だから……」
私は無言で立ち去ってやった。何かを言う価値もない。
「お、おい、リリアーナ、どこにいくんだ……?」
「さようなら、父上。」
私はそう言い残し、その場を去った。
これでやっと解放された、ここから始まる第二の人生、楽しみますか!
「健やかなるときも病める時も……」
という感じになっている。
次に指輪の交換、これは普通に指輪を交換するだけ。特に問題もなく進んだ。次は結婚宣言。
これは……大問題だったな。私にとっては良かったけど。
「それじゃあ、誓いのキスを……」
「……父上、すみません!」
シュン王子が言った、なぜ…?
「ん?なんだ?」
「やっぱり僕は……この人と結婚なんて……」
え?どうして……?シュン様が結婚したく無いってこと……?
「まあよい、話してみよ。」
「はい、実は……ディスア令嬢は、リリアーナ令嬢に虐待のようなことをしていたんです!」
……えっ?令嬢……?
「ほぉ……詳しく話せ」
私がされたことをシュン王子は淡々と話していく。
「僕も最初は信じていませんでした。でも……彼女のこっぴどく働かされる様子を見て確信しました。」
シュン様が話している様子はとても真剣だった。本当に私を助けてくれようとしているのか……
「なるほどな……わかった。そういう事だったら!私は息子の言うことを承認しよう!ディスア令嬢との婚約は破棄だ!」
「本当ですか!?」
「ああ、勿論だ。息子の頼みだもの。」
そしてシュン様はこちらを見て、微笑んでくれた。とても嬉しかった。
「まって!私は認めないわ!」
ディスアのあがきだ。非常に醜い、いつも以上に醜いディスアは王子の足にすがりついた。
「やめろ、気持ち悪い!」
王子はそれを振り払った。
「ひどい……酷いわ!」
「何が酷くて、どこが酷いんだ?自分の罪を認めないほうが酷い思うが。」
「なんでよ!私は…私はシュン王子と結婚したいだけなのよ!」
はぁ…結局、涙に頼るのか。本当にこいつはクズだなぁ。
「恨むなら自分の性格を恨むんだな。」
「そ、そんな……」
ディスアは絶望した表情を浮かべている。
「それじゃあな」
「まて!それじゃあ外交はどうなる!」
父が慌てて止めに入る。そうだ、政略結婚だ。相手が嫌がっていてもできるものだ。
「はぁ…誰かが嫌な思いをして成り立つ国家は、とっくに滅んでますよ。」
全く、その通りだ。
「あと、リリアーナ令嬢は俺の国で暮らすことにしたんで。」
え……?
「どういうことだ……?」
父は唖然としながら聞く。
「そのままの意味ですよ、彼女は我が国で幸せになるんです。あなたにはもう関係のないことですから。」
シュン王子はそのまま部屋を出ていった。
「待ってくれ!リリアーナ!頼む!お前がいたから、この城の家事は全て出来ていたんだ!だから……」
私は無言で立ち去ってやった。何かを言う価値もない。
「お、おい、リリアーナ、どこにいくんだ……?」
「さようなら、父上。」
私はそう言い残し、その場を去った。
これでやっと解放された、ここから始まる第二の人生、楽しみますか!
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