軌跡旅行

2キセイセ

文字の大きさ
上 下
77 / 169
第三章 ゼロマジック編

75,勇者の本

しおりを挟む
「勇者……ですか」

俺は少し驚いた。

「あぁ、お前も知っての通り、勇者は今から200年前の人間だからな。俺も少し興味があって読んでみたんだ」

彼はそう答えた。

「へぇ~、そうなんですね」

俺はそう答えた。……確かに、勇者について知ることは今後の戦いにおいて役に立つかもな。

「フレインも興味があるのか?」

マダラさんは俺にそう聞いた。

「ええ、まあ……」

俺はそう答えた。すると、

「そうか…この本、貸してやろうか?」

マダラさんはそう言った。

「あ、いえ!そんな申し訳ないですし……」

俺は慌てて首を振った。

「遠慮するな。暇つぶしに読んでいるだけだからな」

そう言うと、彼は机の引き出しを開け、一冊の本を取り出した。

「これは同じ、勇者の本だ。」

マダラさんはそう言うと、本を差し出してきた。

「はい、ではお借りします。」

俺はそう言って本を受け取った。

「……失礼します。」

俺はそう言って部屋を出た。

マダラさん……いつ仮面とるんだろう……。てかこの本、何が書いているんだろう…そう思いながら自室に戻り、ベッドの上に座ると、本を開いた。

~~~~~~~~~~~~

勇者の伝説とは 200年前

この世界は邪神と神々が争いを始めていた。

結果は神々の敗北、しかし神々は最後の抵抗として、勇者を生み出した。

そして、勇者は願いの神を母体として、作られた存在。

勇者は力、時、願い。この3つの神の魂を宿していた。

勇者の生まれた時代には、邪神が世界を支配していた。

そこで、勇者は世界の平和を守る為、

神々の魂に授けられた力を使い戦いを始めた。最初は苦戦したものの、勇者は次第に仲間を増やしていき、ついには、邪神との決戦が始まった。邪神との戦いの末、勇者達は敗北した。が、邪神を封印することに成功した………。

その後、勇者は姿を消した。

そして、邪神に作られたであろう、魔族は人間と戦争を始めた。

結果は人間の敗北。魔族はそのまま人間を滅亡させるつもりだった。

しかし、突如としてできた結界によりそれは不可能となった。
私はこの結界は勇者が作ったと思っている。

そして、時は流れて………98年後、人類と魔族は和解した。魔族の新たな王が戦争や支配を好まない性格だった。

その名はクァーナ。

先祖の関係を切り、友好関係を結ぼうと。魔王はそう言った。

「うわ……一ページでこれかよ…情報おおすぎんだよ…」

俺は思わず声が出た。

「さて…次のページ…っと」

そう言って、俺はページをめくった。

~~~

勇者の力は凄まじく、その力は計り知れなかった。

能力は3つ、1つは時を逆行する,

2つは、すべての魔法を使える能力。

3つは、衝撃波を出す能力。~~~

「ふーん……なるほど……」

俺はそう言った。

「じゃあ、次のページ……」

そう言って、俺はページをめくる。

「えっ……」

それは…衝撃的な事実が判明した…

「何も…書いてない?」

そこには、白紙のページが広がっていた……

「……どういうこと?」

私はそう呟きながら、本を閉じた。カモフラージュなのか?

「……」

俺は黙ってベッドに寝転がった。

「……」

この分厚い本…実質的なページは2ページ…勇者伝説についてだ。……勇者……邪神……歴史……

俺にはわからないことが多すぎる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

処理中です...