軌跡旅行

2キセイセ

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第2章 エルフ編

54.帰還

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マダラがそう言うとみんな船に乗り始めた。

「目指すは人間の大陸だな。」

ドスラーがそういった。

「船乗るの時間かかるな…何しよ?」

タイラドが言った。

「私だってめんどくさいよ…金でどうにかできたらね…」

オッゴーンはダルそうな顔をしながら言った。

「おい!お前たち!ドスラーがせっかく船を出してやったんだから、そんな会話するな、多少は我慢しろ。」

サッチャーはそう言いながら、タイラドに向かってきた。

「はーい」

オッゴーンが適当に返事をした。

「ヤバイもう我慢できない」

タイラドは時間つぶしである、船の木にある、線をなぞり始めた。

「あきた、早く行こ。」

タイラドは飽き性であった。

「マダラーあれやっていい?」

「許可する。」

「ういー」

タイラドは、右手を上にあげて、左手で支えるような構えをとった。

「さ、さっ、サッチャーさん…なんかすごいですけど今から何が始まるんです?」

マリンが恐る恐る、サッチャーさんに聞いてみた。

「ああ…追い風を発生させるんだな、船酔いある人もない人も、船酔い注意な」

サッチャーさんはそう答えた。

「え、それだけですか?」

マリンは疑問に思ったようだ。……追い風ぐらいならなんとかっ……………

ボンッ!

タイラドが風を発生させた瞬間!この船が高速で移動し始めた…視界に島が見えて…まだ消えて…島が見えて…また消えて。早すぎるって!

俺は目を閉じていた……そして、ゆっくりと目を開けると、もう目の前には海が広がっていた……速いって!こんな速さで進んでたら船壊れるんじゃない?

「あのー……マダラさん……速すぎませんか?」

俺は恐る恐る聞いた。

「ああ、大丈夫だ、この船は使い捨てだ」

マダラさんは平然と答えた。なんで余裕なんだよ!

「そそそそ、そうなんんですすねねぇ………」

移動速度が早すぎて、口に風を受け、声が震えている…

「着いたぞ、ここが人間の大陸だ。」

ドスラーがそう言った。長かったような短かったような……俺らは船から降りた。

「おっ!カッテス村!久しぶりだ!」

俺は感動した。こんな濃い旅を経験したんだから、数日前に来た村も、懐かしいように感じてしまう。

「フレイン、なんか嬉しそうだね、どうしたの?」

マリンが不思議そうな顔をしながら聞いてきた。

「いや、別になんでもないよ」
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