79 / 104
国のことは国王に任せておきましょう
結界 1
しおりを挟む
「おや、あれはレティシア様ですね」
ヘルムートの声で空を見上げれば、一色で染め抜いたような青空の中に浮かび上がる若草色の龍。その体は徐々に大きさを増し、城のバルコニーへと近寄っていった。
「直接執務室へと降り立つなんて、何かあったのかしら」
「気になりますか?」
「そうね。でも、レティシア様はわたくしに用があればこちらへ来られるわ。もうしばらく……いいかしら」
ベルンハルトとの距離が縮もうとも、庭でヘルムートの淹れるお茶を飲む時間は無くならなかった。ベルンハルトの気持ちや、ロイスナーの事情がわからずに相談するような必要はなくなったが、このひと時を無くすことができなかった。
「私は構いませんよ。奥様がどこに居ようとも、それを止める権利はございませんから」
「よく言うわ。何度も追い返されたのに」
夏の日差しが少々きつくても、雪や討伐の待ち受ける冬に比べ、ロイスナーにとっては平和な時間が流れる。リーゼロッテもベルンハルトと夫婦として様々な話をすることができ、穏やかな時を過ごしていた。
「それにしても、この時期にレティシア様がお見えになるのは珍しいですね」
「そうなの?」
「そもそも、これまでレティシア様が城に来られることは少なかったのですよ。奥様とご結婚されるまでは、討伐の前後に数回。それぐらいだったかと思います」
リーゼロッテがロイスナーに来てからはレティシアの姿を城内で見かけることも多く、ヘルムートの話が信じられなくもあった。
だが、やはりそれは結婚相手であるリーゼロッテを牽制しようとしていたのかもしれない。ただしレティシアの言う『龍族の相手』がいるのであれば、今更その必要はない。
それならば、今日の訪問は一体、何のためだろうか。
「わたくし、やはり一度執務室へお伺いします」
「かしこまりました。お茶は、またいつでもご用意いたしますから」
「ありがとうございます」
ヘルムートの淹れてくれたお茶に後ろ髪をひかれながらも、リーゼロッテは軽く頭を下げると執務室へと向かって歩き出した。
「ベルンハルト様。失礼しても、よろしいでしょうか?」
「リ、リーゼロッテ? 何かあったのか?」
執務室の扉の前で、部屋の中へと声をかければ、少し慌てたような声が返ってくる。
「レティシアがいらっしゃっているようでしたので、ご挨拶に参りました」
「リーゼロッテ。わざわざありがとう。さぁ、入って」
ベルンハルトの返事よりも早く、扉を開けてくれたのはレティシアだ。いつもと何ひとつ変わらない様子のレティシアに、リーゼロッテは安堵の息を吐く。
「失礼、いたします」
招き入れられたリーゼロッテを見ながら、一瞬硬直したような様子を見せたのはベルンハルトだ。
「リーゼロッテ。せっかく会いに来てくれたのに、私ももうそろそろ戻らないといけなくて。時間がなくてごめんなさい」
「そうでしたの。レティシア様がお見えになったのが庭から見えて、何かあったのかと。お急ぎのところ申し訳ありません」
時間がない中で、ベルンハルトに伝えなければならないことがあったということか。やはり、執務室にまで押しかけるべきではなかった。貴族らしくない自分の失態に、思わず下を向いた。
「気にする必要ないわ。私が直接ベルンハルトのところへ乗り込んで来れば、気になるのも仕方ないもの。そんなリーゼロッテも可愛らしい」
図星を突かれた恥ずかしさと、レティシアの整った顔に見つめられた照れくささで、リーゼロッテの顔に熱が上がる。
人間の姿をしている時のレティシアは、女性のリーゼロッテから見ても魅力的で、妖艶で。直視することが躊躇われる。
そんなレティシアがベルンハルトの元へと向かったとなれば、気にならないわけがない。ヘルムートと共に庭に居続けようとしたが、我慢できなくなった。
「す、すいません」
「いいえ。私こそごめんなさいね。ちょっと焦っていたみたい。私らしくないわ」
「そんなこと、ないです」
小さな声で呟くリーゼロッテの手を取り、レティシアが応接セットの椅子へと通してくれる。
「私はね、ベルンハルトに今の山の状況を伝えに来たの」
「山?」
「えぇ。山といっても、シュレンタットの国境の外になるから、直接関係があるとは言い難いけど」
「そんなことはない」
執務室の奥にいたはずのベルンハルトもいつの間にか側に寄ってきて、レティシアの話に口を挟む。レティシアが話を始めたことで、リーゼロッテにも打ち明ける覚悟が決まったらしい。
「そう? 結界の外のことだもの。国王はどう判断するかしら」
国王というのは、やはりバルタザールのことだろうか。突然聞かされる家族の話に、リーゼロッテの体が見る見るうちに固まっていく。
「国外のこととはいえ、冬の討伐対象に影響があるのであれば、無視することなどできはしない」
「魔獣ですか?」
「もしかしたらね、今年は冬を待たずに魔獣の討伐に向かう必要があるかもしれないの」
「討伐……それは、この間のような危険はないのですか?」
ベルンハルトやレティシアが大けがを負った討伐は、まだつい最近のことのようで、あんな思いはもうたくさんだった。
「それは、約束できないわ。いつだって、対面するまでわからないから」
倒すべき相手もわからないまま、その場へと向かっていた二人。それも、リーゼロッテに心配をかけまいと笑顔で出発していた。
ベルンハルトに課された仕事がどれだけ過酷なものだったかを、リーゼロッテは改めて知った。
「そんなことに、レティシア様はなぜ……」
「それは、前にも話したわ」
『命尽きるまで』そう話してくれたレティシアの顔を忘れることなんてできない。たった一人への想いの為に、その体が傷つくことも、もしかしたら命を投げ出すことも覚悟してるのかもしれない。
レティシアの想いの前に、リーゼロッテはもう何も言えなかった。
そんな想いを知ってもなお、ベルンハルトへの気持ちを抑えることはできないし、今更手放すことなんてできない。
「リーゼロッテが気に病む必要ないわ。私もただ盲目的にロイエンタールに尽くしてるわけじゃないもの。ちゃんと龍族にとって利益があること、長として考えるべきことを考えた結果よ」
「ほんとう、ですか?」
レティシアの言葉を受けてなお、不安そうな顔をするリーゼロッテに、レティシアは更に言葉を続ける。
「本当よ。リーゼにも何をお願いしようかしらね」
ヘルムートの声で空を見上げれば、一色で染め抜いたような青空の中に浮かび上がる若草色の龍。その体は徐々に大きさを増し、城のバルコニーへと近寄っていった。
「直接執務室へと降り立つなんて、何かあったのかしら」
「気になりますか?」
「そうね。でも、レティシア様はわたくしに用があればこちらへ来られるわ。もうしばらく……いいかしら」
ベルンハルトとの距離が縮もうとも、庭でヘルムートの淹れるお茶を飲む時間は無くならなかった。ベルンハルトの気持ちや、ロイスナーの事情がわからずに相談するような必要はなくなったが、このひと時を無くすことができなかった。
「私は構いませんよ。奥様がどこに居ようとも、それを止める権利はございませんから」
「よく言うわ。何度も追い返されたのに」
夏の日差しが少々きつくても、雪や討伐の待ち受ける冬に比べ、ロイスナーにとっては平和な時間が流れる。リーゼロッテもベルンハルトと夫婦として様々な話をすることができ、穏やかな時を過ごしていた。
「それにしても、この時期にレティシア様がお見えになるのは珍しいですね」
「そうなの?」
「そもそも、これまでレティシア様が城に来られることは少なかったのですよ。奥様とご結婚されるまでは、討伐の前後に数回。それぐらいだったかと思います」
リーゼロッテがロイスナーに来てからはレティシアの姿を城内で見かけることも多く、ヘルムートの話が信じられなくもあった。
だが、やはりそれは結婚相手であるリーゼロッテを牽制しようとしていたのかもしれない。ただしレティシアの言う『龍族の相手』がいるのであれば、今更その必要はない。
それならば、今日の訪問は一体、何のためだろうか。
「わたくし、やはり一度執務室へお伺いします」
「かしこまりました。お茶は、またいつでもご用意いたしますから」
「ありがとうございます」
ヘルムートの淹れてくれたお茶に後ろ髪をひかれながらも、リーゼロッテは軽く頭を下げると執務室へと向かって歩き出した。
「ベルンハルト様。失礼しても、よろしいでしょうか?」
「リ、リーゼロッテ? 何かあったのか?」
執務室の扉の前で、部屋の中へと声をかければ、少し慌てたような声が返ってくる。
「レティシアがいらっしゃっているようでしたので、ご挨拶に参りました」
「リーゼロッテ。わざわざありがとう。さぁ、入って」
ベルンハルトの返事よりも早く、扉を開けてくれたのはレティシアだ。いつもと何ひとつ変わらない様子のレティシアに、リーゼロッテは安堵の息を吐く。
「失礼、いたします」
招き入れられたリーゼロッテを見ながら、一瞬硬直したような様子を見せたのはベルンハルトだ。
「リーゼロッテ。せっかく会いに来てくれたのに、私ももうそろそろ戻らないといけなくて。時間がなくてごめんなさい」
「そうでしたの。レティシア様がお見えになったのが庭から見えて、何かあったのかと。お急ぎのところ申し訳ありません」
時間がない中で、ベルンハルトに伝えなければならないことがあったということか。やはり、執務室にまで押しかけるべきではなかった。貴族らしくない自分の失態に、思わず下を向いた。
「気にする必要ないわ。私が直接ベルンハルトのところへ乗り込んで来れば、気になるのも仕方ないもの。そんなリーゼロッテも可愛らしい」
図星を突かれた恥ずかしさと、レティシアの整った顔に見つめられた照れくささで、リーゼロッテの顔に熱が上がる。
人間の姿をしている時のレティシアは、女性のリーゼロッテから見ても魅力的で、妖艶で。直視することが躊躇われる。
そんなレティシアがベルンハルトの元へと向かったとなれば、気にならないわけがない。ヘルムートと共に庭に居続けようとしたが、我慢できなくなった。
「す、すいません」
「いいえ。私こそごめんなさいね。ちょっと焦っていたみたい。私らしくないわ」
「そんなこと、ないです」
小さな声で呟くリーゼロッテの手を取り、レティシアが応接セットの椅子へと通してくれる。
「私はね、ベルンハルトに今の山の状況を伝えに来たの」
「山?」
「えぇ。山といっても、シュレンタットの国境の外になるから、直接関係があるとは言い難いけど」
「そんなことはない」
執務室の奥にいたはずのベルンハルトもいつの間にか側に寄ってきて、レティシアの話に口を挟む。レティシアが話を始めたことで、リーゼロッテにも打ち明ける覚悟が決まったらしい。
「そう? 結界の外のことだもの。国王はどう判断するかしら」
国王というのは、やはりバルタザールのことだろうか。突然聞かされる家族の話に、リーゼロッテの体が見る見るうちに固まっていく。
「国外のこととはいえ、冬の討伐対象に影響があるのであれば、無視することなどできはしない」
「魔獣ですか?」
「もしかしたらね、今年は冬を待たずに魔獣の討伐に向かう必要があるかもしれないの」
「討伐……それは、この間のような危険はないのですか?」
ベルンハルトやレティシアが大けがを負った討伐は、まだつい最近のことのようで、あんな思いはもうたくさんだった。
「それは、約束できないわ。いつだって、対面するまでわからないから」
倒すべき相手もわからないまま、その場へと向かっていた二人。それも、リーゼロッテに心配をかけまいと笑顔で出発していた。
ベルンハルトに課された仕事がどれだけ過酷なものだったかを、リーゼロッテは改めて知った。
「そんなことに、レティシア様はなぜ……」
「それは、前にも話したわ」
『命尽きるまで』そう話してくれたレティシアの顔を忘れることなんてできない。たった一人への想いの為に、その体が傷つくことも、もしかしたら命を投げ出すことも覚悟してるのかもしれない。
レティシアの想いの前に、リーゼロッテはもう何も言えなかった。
そんな想いを知ってもなお、ベルンハルトへの気持ちを抑えることはできないし、今更手放すことなんてできない。
「リーゼロッテが気に病む必要ないわ。私もただ盲目的にロイエンタールに尽くしてるわけじゃないもの。ちゃんと龍族にとって利益があること、長として考えるべきことを考えた結果よ」
「ほんとう、ですか?」
レティシアの言葉を受けてなお、不安そうな顔をするリーゼロッテに、レティシアは更に言葉を続ける。
「本当よ。リーゼにも何をお願いしようかしらね」
0
お気に入りに追加
872
あなたにおすすめの小説
【一話完結】追放された偽聖女は、辺境の地で力を開花します!〜私を捨てるならもう知りません。王国の守護は切らせていただきます。さようなら〜
酒本 アズサ
恋愛
「ナディア! お前はこれまでこの国が平和だったのをいい事に、己を聖女だといつわっていただろう! こうして本物の聖女が現れた以上、このままにはしておけない! 偽聖女ナディア、お前を国外追放とする!」
そう私に告げたのは、この国の王太子であり、私の婚約者のレオナール様。
十八歳の生誕祭のお祝いに来たというのに、耳を疑うような事をパーティーの参加者の前で言われた。
ちなみにその隣にいるお色気たっぷりの女性はだれですか。
国のためにずっと神聖力を使ってきたのに、もう知らない!
神聖力を祈りを込める神像から切り離して森をさまよう、お腹が空いてもう動けない。
そんな私を救ってくれたのは、隣国の辺境伯。
幼いころに私の聖女としての力に助けられて以来、私を好きだった!?
私は隣国で幸せになります!
レオナール様は今さら私を探しにきても、もう遅いんですよ!
そんなレオナール様の末路とは……!?
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
辺境伯令嬢、婚約破棄されたから戦場を駆ける。そしてなぜか敵国の皇太子と結婚した。
うめまつ
恋愛
黄色みの強い金髪に赤みのかかった琥珀の瞳。目付きは鋭く狼を彷彿とさせる顔立ちと女性にしては背が高く、細くしなやかとは言えがっしりと鍛えた体つき。次期王妃に相応しくないと婚約破棄された。だけど大人しく泣く令嬢ではない。見かけ通りの肉食獣は火の粉を払うために牙をむく。
※設定は緩め、女の子の戦闘が書きたかったので行き当たりばったりです。
【短編】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ、赤ちゃんが生まれる。
誕生を祝いに、領地から父の辺境伯が訪ねてくるのを心待ちにしているアリシア。
でも、夫と赤髪メイドのメリッサが口づけを交わしているのを見てしまう。
「なぜ、メリッサもお腹に赤ちゃんがいるの!?」
アリシアは夫の愛を疑う。
小説家になろう様にも投稿しています。
溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。
両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。
ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。
そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。
だが、レフーナはそれに激昂した。
彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。
その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。
姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。
しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。
戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。
こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる