梯子の街のニーナ ~婚約破棄から始まる底辺貴族のダンジョン成り上がり冒険譚~

 三代前の武勲によって貴族の末席に加えられ、今も声望あるドゥ・シュヴァリエ家。
 現当主の三男であるテオドールは、自分を婿にと声をかけてくれた子爵家の令嬢アナスタシアを、日々甲斐甲斐しくエスコートしていた。

 だがある日、些細なことが原因で彼は婚約を破棄されてしまう。王立学院での学業も沙汰やみ、実家にもどったものの、子爵家からの支援が打ち切られたため居場所はないに等しい。意気消沈するテオドールのもとに、幼馴染で二つ年上の旧友から手紙が届く。

 それはかつて王国を救った勇者でさえ攻略を完遂出来なかった巨大な地下迷宮、『梯子(ラダー)』の探索への誘いであった。
『梯子』を擁するのは王国の北方、ユーレジエン州の古都エスティナ。
 テオドールはその街で、高級娼婦を名のる知的で奔放な美女・ニーナと出会う――
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