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泡ん玉
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「ガッハッハッハ!!中々いいマッスルだ!!」
「あははは!!いいぞいいぞもっとやれー!!」
海賊船を倒した後霧を抜け「火の国」に向かっている最中、船の上では相撲大会が行われていた。もちろん僕は参加しておらず傍観しているだけだが。
「来い!プライド!あの時の決着を今つけてやる!!」
「ふ、お前とこうして戦うのは実に千年ぶりだな。いいだろう!受けて立つ!」
よく分からない設定が入ってるが今準決勝の幕が斬り落とされた。成人組は皆酒を飲みながらそれを楽しそうに観戦している。
「はぁああ!!無刀流「シールドバッシュ」!!」
「はぁああ!!無刀流「魔爆剣」!!」
二人は張り手をしながらスキルを発動させ二人の手がぶつかり合った瞬間小さな爆発が起こる。というか武器なしでもスキルッて使えたんだな。威力はかなり小規模になっているが、知らなかった。
「く、お前はあの時から何も変わってない!いい加減目を覚ませ!「疾風突き」!」
「お前の話はもう聞き飽きた!お前には分からないんだ!俺の気持ちなんか!「剛剣」!」
二人は激しくぶつかり合い、そして二人とも後ろに吹き飛び土俵の外に出ていしまう。
「「どっちが勝った!?」」
「んー引き分け!!」
「「はぁあああ!?」」
審判のアイリスの判定で二人は引き分けとなってしまった。つまり決勝戦はなくなりドンが不戦勝で優勝となる。
「ガッハッハ!!つまり俺の優勝か!悪いな皆!!」
「そんなのねぇよ!ここまで来て引き分けなんて!」
「くっ、悔しいがここは認めるしかねぇよオリバー。つまりドンがこの後……」
「ああ!優勝した俺がついに!ついに!「カンパニー」最強の男!ウィルとの決闘のチケットを手に入れたことになる!!」
「「「「うぉおおおお!!」」」」
「……は?いやいや待て待て!聞いてないぞ僕は!?」
皆は盛り上がりすでにその気のようだ。僕の背をレイとライリーが押して土俵入りさせる。
「僕だって戦いたかったんだからね!ドンなんかに負けるなウィル!」
「俺だって戦いたいぞ!だが二回戦敗退した俺にはその資格はない。く、一生の不覚!」
お前たちはどれだけ相撲がしたいんだ。これファンタジーゲームだぞ……。
「さぁこいウィル!今こそ俺が「カンパニー」最強のマッスルになってやる!」
「最強のマッスルってなんだ。まぁやるけどさ……」
僕とドンは向き合い睨みあって腰を落とす。ドンは騎士職だ。防御力には自信があるはず、だったらスピードで何とかしないと。
「はっけよーい!のこった!!」
「「魔力拳」!」
「「マジックシールド」!」
アイリスの掛け声で始めり僕は正面からドンにぶつつかるが、ドンはシールドで僕の攻撃を上手く逸らし勢いで土俵の外に出てしまいそうになる。
「ガッハッハッハ!そのまま土俵の外に出てくれたら楽だったんだがな!」
「そんなかっこ悪い負け方するか。「雷神衣威」「俊足」」
「あ!?ウィルそれはきたないぞ!!」
僕は雷に身を纏い土俵の上を素早く動き回る。ドンは何とか僕を見失わないようにするが次第に視線は僕を捕らえられなくなる。
「「剛力」「魔爆掌底」!!」
「うぉ!?」
ドンは急いで「マジックシールド」を張るが攻撃に耐えられず吹き飛ぶ。だが何とか土俵際で踏みとどまりニヤリとこちらを見る。
「ガッハッハッハ!まだまだぁ!!マッスル!!」
「いや、終わりだよ。「俊足斬り」」
ドンが土俵際から中に入ってこようとした瞬間「俊足斬り」で一気に距離を詰め「マジックシールド」を張らせる前に攻撃し土俵から追い出す。
「そこまで!!勝者お兄ちゃん!!」
「「「「は、はえぇ」」」」
全員が僕のスピードに驚く。まぁ前回のクエストでかなりLVが上がったしなによりこの指輪がある。
「ガッハッハッハ!!相変わらず強いな!参った!!」
「ふぅ。勝ててよかったよ。家族の前ではかっこつけないといけないからね」
僕らがお互いを讃えあい皆で宴会を再開したとき船室からエリザベスとエリーゼ、クリスが出てくる。
「ほら皆!ばか騒ぎはそこまでよ!舵を取りなさい!」
「ん。百八十度方向転換」
「霧の中へ戻るのよ!急いで!」
「「「「は?」」」」
すでに霧を抜け一時間、航海は順調にすすんでいるが突然戻れとの指示が飛ぶ。
「いやいや、あと二時間もあれば「火の国」にたどり着くのに?」
「だまらっしゃい。先の戦いで手に入れたこの海図。見て、普通に見ればただの海図なんだけど、こうして太陽に透けさせると……」
エリザベスは皆の中心に来て太陽に海図をかざす。が、ただ海図が明るくなるだけで特に変わったところはなかった。
「ん?エリザベスよ。特に変わらないみたいだが?」
「ん。見るのは地図じゃなくて影」
「「「「影?」」」」
皆が足元を見て海図が作る影を見ると海図にかかれた地図とは明らかに違う地図と文字が浮かび上がってきた。
「何々?「俺たちは海賊。宝は隠すのが基本だ。海賊島の奴らには渡さない。ここに場所を記そう」だと?」
「そう。ここに書いてあるキーワードは二つ。「海賊島」そして「宝を隠した場所を記す」この二つよ」
「ん。前者は記されてなかったから今回は考えない。問題は後者」
「そう。海賊島はこの世界のどこかにある、という事しかわからない。そして地図は海賊船のあった真下を指しているわ」
「「「「真下!?」
「そう!さっきの海賊船の宝は海の中にある!!」
「おい野郎共!!酒飲んでる場合じゃねぇ!主舵一杯だ!!」
「急げ!!海の底に行くぞ!!」
「下舵いっぱーい!!」
宝が海の中にあると聞いて皆が慌てて舵をとる。確かに海の中に何があるのか、どんな宝があるのかは考えるだけでわくわくする。
「ねぇねぇ、所でどうやって海の中に行くの?」
「「「「あ……」」」」
アイリスの一言で皆が固まる。皆どうやって海の中に行くかは考えてなかったようだ。
「それの答えはさっきの海賊の宝の中にあったわ。これよ」
エリザベスが取り出したのは一本のガラクタの筒のような物だった。
「それは?」
「これは「泡ん玉」これのボタンを押すと……」
エリザベスが筒の端のボタンを押すと泡が噴き出て皆を包み込みどんどん大きくなって船を包み込んだ。
「「「「おお!!」」」」
「ん。使い方についても書いてあった。これで海の中へ行ける」
「でもこれ割れないのー?なんか不安」
「む?割れるのか?海の中で割れたらどうなるんだ?」
「そりゃ皆死ぬんじゃない?」
「こわいな!?しかし意外としっかりしてるんだな。これならマッスルしても割れないかも」
「マッスルが何なのかわかんねぇが尖ったもので刺さない限り大丈夫か?」
皆で泡の強度を確かめに触ってみるがぶよぶよとした薄い餅のような弾力があり泡は半透明で向こう側がしっかり見えるようになっていた。
「一度泡を出したらもう一度泡を出すまでに半日はかかるそうよ」
「え?じゃあこのまま海の中に潜らないと割れてしまうのでは?」
「そうよ。少し慣れてから本番の方がいと思ってね。じゃあ皆帆を下に向けて!海の中に入るわよ!」
「「「「おーー!!」」」」」
エリザベスの指示でにな帆を下に向け風を上から下に受ける状態にする。すると船は勢いよく海の中に沈んでいいく。
「「「「おお!!」」」」
不思議な感覚だった。海の中にいながら呼吸ができる、そして日の光によって照らされた水中は思いのほか明るくまるで水族館の中にいるような光景だった。泡の外では小魚達が優雅に泳いだり泡が珍しいのか一緒に泳ぎ楽しんでいる魚たちがいた。皆その光景に見とれ言葉を失う。
「綺麗ね」
「本当。綺麗な光景だわ」
「ん。水族館ではここまでの世界は表現できない」
「そうだねー。なんだか神秘的な感じー」
海底の方は暗かったがそれでも十分明るい海の中は本当に神秘的だった。
「ぬ!?ウィル!あの魚珍しい色してるぞ!?食べれるのか!?」
「おお!?本当だ!海に見とれて気づかなかった!ウィル、釣りしようぜ!」
「んん!?男ならマッスルに銛でついて来ようぜ!ウィル!泳ぐぞ!」
「兄貴!こっからスキルで魚攻撃して何匹取れるか勝負しようぜ!」
「全部却下だ。泡が割れたらどうするんだ」
皆は肩を落としがっかりする。何故泡が割れることを想定できないんだ。僕はエリザベス達と一緒に進路の確認をする。あと一時間とかからずに目的地にはたどり着けそうだ。
「うぉおおお!!みろ!!青くてでかい魚が食いついたぞ!!」
「っよし!!そのまま離すなよ!俺らが泳いで倒してくる!行くぞ!」
「よっしゃ!俺たちの実力見せてやる!!」
「「「「は?」」」」
進路確認しているときにレイ達のはしゃいだ声を聞きそちらを見るとすでにレイが大きな魚を釣り竿で捕まえオリバーとプライドが海に飛び出し魚と戦っていた。
・ビッグブルーフィッシュ LV66
魚の大きさは船の二倍ほどありオリバー達はヒレに当たり吹き飛ばされ帰ってくる。
「「「「ば、馬鹿野郎!!」」」」
「くそ!?海の中だと力が出ないな!?」
「あれ?なんだか船が動いていないか?」
「おお?この魚中々のマッスルがあるな……ってうぉ!?」
魚は釣り竿を咥えたまま船の進行方向にすごい勢いで泳いでいく。
「レイ!釣り竿を離せ!船が持っていかれる!」
「いやだ!折角釣り上げた魚だ!離すもんか!」
「よし!皆でレイを掴むんだ!マッスルの見せ所だ!野郎共!!」
「「「「おう!!」」」」
「ダブルナイツ」「鋼鉄騎士団」「悪魔結社」の皆はレイと掴み皆で船に捕まり魚を引き上げようと奮闘する。だが魚の力は強く船ごと一気に深海に引きづりこまれていく。
「皆船に捕まって!泡から出ないように!!」
「あはははは!!ジェットコースターみたいだねお兄ちゃん!!」
「言ってる場合か!?本当にやばいぞこれ!!」
「ん。あ、魚が食べられた」
「「「「え?」」」」
ブルーフィッシュはさらにでかい魚に丸呑みされてしまった。
・ビッグビッグウナギLV105
「「「「あああああああ!?」」」」
「俺の魚が!?」
「言ってる場合か!?このままじゃあああ!?」
「引きづりこまれる!?」
「きゃああああああ!?」
僕らは船ごと海の底に引きづりこまれてしまう。こんな所で死に戻りはしたくないなと考えながらも船の視界はだんだん暗闇に消えて行ってしまった……。
「あははは!!いいぞいいぞもっとやれー!!」
海賊船を倒した後霧を抜け「火の国」に向かっている最中、船の上では相撲大会が行われていた。もちろん僕は参加しておらず傍観しているだけだが。
「来い!プライド!あの時の決着を今つけてやる!!」
「ふ、お前とこうして戦うのは実に千年ぶりだな。いいだろう!受けて立つ!」
よく分からない設定が入ってるが今準決勝の幕が斬り落とされた。成人組は皆酒を飲みながらそれを楽しそうに観戦している。
「はぁああ!!無刀流「シールドバッシュ」!!」
「はぁああ!!無刀流「魔爆剣」!!」
二人は張り手をしながらスキルを発動させ二人の手がぶつかり合った瞬間小さな爆発が起こる。というか武器なしでもスキルッて使えたんだな。威力はかなり小規模になっているが、知らなかった。
「く、お前はあの時から何も変わってない!いい加減目を覚ませ!「疾風突き」!」
「お前の話はもう聞き飽きた!お前には分からないんだ!俺の気持ちなんか!「剛剣」!」
二人は激しくぶつかり合い、そして二人とも後ろに吹き飛び土俵の外に出ていしまう。
「「どっちが勝った!?」」
「んー引き分け!!」
「「はぁあああ!?」」
審判のアイリスの判定で二人は引き分けとなってしまった。つまり決勝戦はなくなりドンが不戦勝で優勝となる。
「ガッハッハ!!つまり俺の優勝か!悪いな皆!!」
「そんなのねぇよ!ここまで来て引き分けなんて!」
「くっ、悔しいがここは認めるしかねぇよオリバー。つまりドンがこの後……」
「ああ!優勝した俺がついに!ついに!「カンパニー」最強の男!ウィルとの決闘のチケットを手に入れたことになる!!」
「「「「うぉおおおお!!」」」」
「……は?いやいや待て待て!聞いてないぞ僕は!?」
皆は盛り上がりすでにその気のようだ。僕の背をレイとライリーが押して土俵入りさせる。
「僕だって戦いたかったんだからね!ドンなんかに負けるなウィル!」
「俺だって戦いたいぞ!だが二回戦敗退した俺にはその資格はない。く、一生の不覚!」
お前たちはどれだけ相撲がしたいんだ。これファンタジーゲームだぞ……。
「さぁこいウィル!今こそ俺が「カンパニー」最強のマッスルになってやる!」
「最強のマッスルってなんだ。まぁやるけどさ……」
僕とドンは向き合い睨みあって腰を落とす。ドンは騎士職だ。防御力には自信があるはず、だったらスピードで何とかしないと。
「はっけよーい!のこった!!」
「「魔力拳」!」
「「マジックシールド」!」
アイリスの掛け声で始めり僕は正面からドンにぶつつかるが、ドンはシールドで僕の攻撃を上手く逸らし勢いで土俵の外に出てしまいそうになる。
「ガッハッハッハ!そのまま土俵の外に出てくれたら楽だったんだがな!」
「そんなかっこ悪い負け方するか。「雷神衣威」「俊足」」
「あ!?ウィルそれはきたないぞ!!」
僕は雷に身を纏い土俵の上を素早く動き回る。ドンは何とか僕を見失わないようにするが次第に視線は僕を捕らえられなくなる。
「「剛力」「魔爆掌底」!!」
「うぉ!?」
ドンは急いで「マジックシールド」を張るが攻撃に耐えられず吹き飛ぶ。だが何とか土俵際で踏みとどまりニヤリとこちらを見る。
「ガッハッハッハ!まだまだぁ!!マッスル!!」
「いや、終わりだよ。「俊足斬り」」
ドンが土俵際から中に入ってこようとした瞬間「俊足斬り」で一気に距離を詰め「マジックシールド」を張らせる前に攻撃し土俵から追い出す。
「そこまで!!勝者お兄ちゃん!!」
「「「「は、はえぇ」」」」
全員が僕のスピードに驚く。まぁ前回のクエストでかなりLVが上がったしなによりこの指輪がある。
「ガッハッハッハ!!相変わらず強いな!参った!!」
「ふぅ。勝ててよかったよ。家族の前ではかっこつけないといけないからね」
僕らがお互いを讃えあい皆で宴会を再開したとき船室からエリザベスとエリーゼ、クリスが出てくる。
「ほら皆!ばか騒ぎはそこまでよ!舵を取りなさい!」
「ん。百八十度方向転換」
「霧の中へ戻るのよ!急いで!」
「「「「は?」」」」
すでに霧を抜け一時間、航海は順調にすすんでいるが突然戻れとの指示が飛ぶ。
「いやいや、あと二時間もあれば「火の国」にたどり着くのに?」
「だまらっしゃい。先の戦いで手に入れたこの海図。見て、普通に見ればただの海図なんだけど、こうして太陽に透けさせると……」
エリザベスは皆の中心に来て太陽に海図をかざす。が、ただ海図が明るくなるだけで特に変わったところはなかった。
「ん?エリザベスよ。特に変わらないみたいだが?」
「ん。見るのは地図じゃなくて影」
「「「「影?」」」」
皆が足元を見て海図が作る影を見ると海図にかかれた地図とは明らかに違う地図と文字が浮かび上がってきた。
「何々?「俺たちは海賊。宝は隠すのが基本だ。海賊島の奴らには渡さない。ここに場所を記そう」だと?」
「そう。ここに書いてあるキーワードは二つ。「海賊島」そして「宝を隠した場所を記す」この二つよ」
「ん。前者は記されてなかったから今回は考えない。問題は後者」
「そう。海賊島はこの世界のどこかにある、という事しかわからない。そして地図は海賊船のあった真下を指しているわ」
「「「「真下!?」
「そう!さっきの海賊船の宝は海の中にある!!」
「おい野郎共!!酒飲んでる場合じゃねぇ!主舵一杯だ!!」
「急げ!!海の底に行くぞ!!」
「下舵いっぱーい!!」
宝が海の中にあると聞いて皆が慌てて舵をとる。確かに海の中に何があるのか、どんな宝があるのかは考えるだけでわくわくする。
「ねぇねぇ、所でどうやって海の中に行くの?」
「「「「あ……」」」」
アイリスの一言で皆が固まる。皆どうやって海の中に行くかは考えてなかったようだ。
「それの答えはさっきの海賊の宝の中にあったわ。これよ」
エリザベスが取り出したのは一本のガラクタの筒のような物だった。
「それは?」
「これは「泡ん玉」これのボタンを押すと……」
エリザベスが筒の端のボタンを押すと泡が噴き出て皆を包み込みどんどん大きくなって船を包み込んだ。
「「「「おお!!」」」」
「ん。使い方についても書いてあった。これで海の中へ行ける」
「でもこれ割れないのー?なんか不安」
「む?割れるのか?海の中で割れたらどうなるんだ?」
「そりゃ皆死ぬんじゃない?」
「こわいな!?しかし意外としっかりしてるんだな。これならマッスルしても割れないかも」
「マッスルが何なのかわかんねぇが尖ったもので刺さない限り大丈夫か?」
皆で泡の強度を確かめに触ってみるがぶよぶよとした薄い餅のような弾力があり泡は半透明で向こう側がしっかり見えるようになっていた。
「一度泡を出したらもう一度泡を出すまでに半日はかかるそうよ」
「え?じゃあこのまま海の中に潜らないと割れてしまうのでは?」
「そうよ。少し慣れてから本番の方がいと思ってね。じゃあ皆帆を下に向けて!海の中に入るわよ!」
「「「「おーー!!」」」」」
エリザベスの指示でにな帆を下に向け風を上から下に受ける状態にする。すると船は勢いよく海の中に沈んでいいく。
「「「「おお!!」」」」
不思議な感覚だった。海の中にいながら呼吸ができる、そして日の光によって照らされた水中は思いのほか明るくまるで水族館の中にいるような光景だった。泡の外では小魚達が優雅に泳いだり泡が珍しいのか一緒に泳ぎ楽しんでいる魚たちがいた。皆その光景に見とれ言葉を失う。
「綺麗ね」
「本当。綺麗な光景だわ」
「ん。水族館ではここまでの世界は表現できない」
「そうだねー。なんだか神秘的な感じー」
海底の方は暗かったがそれでも十分明るい海の中は本当に神秘的だった。
「ぬ!?ウィル!あの魚珍しい色してるぞ!?食べれるのか!?」
「おお!?本当だ!海に見とれて気づかなかった!ウィル、釣りしようぜ!」
「んん!?男ならマッスルに銛でついて来ようぜ!ウィル!泳ぐぞ!」
「兄貴!こっからスキルで魚攻撃して何匹取れるか勝負しようぜ!」
「全部却下だ。泡が割れたらどうするんだ」
皆は肩を落としがっかりする。何故泡が割れることを想定できないんだ。僕はエリザベス達と一緒に進路の確認をする。あと一時間とかからずに目的地にはたどり着けそうだ。
「うぉおおお!!みろ!!青くてでかい魚が食いついたぞ!!」
「っよし!!そのまま離すなよ!俺らが泳いで倒してくる!行くぞ!」
「よっしゃ!俺たちの実力見せてやる!!」
「「「「は?」」」」
進路確認しているときにレイ達のはしゃいだ声を聞きそちらを見るとすでにレイが大きな魚を釣り竿で捕まえオリバーとプライドが海に飛び出し魚と戦っていた。
・ビッグブルーフィッシュ LV66
魚の大きさは船の二倍ほどありオリバー達はヒレに当たり吹き飛ばされ帰ってくる。
「「「「ば、馬鹿野郎!!」」」」
「くそ!?海の中だと力が出ないな!?」
「あれ?なんだか船が動いていないか?」
「おお?この魚中々のマッスルがあるな……ってうぉ!?」
魚は釣り竿を咥えたまま船の進行方向にすごい勢いで泳いでいく。
「レイ!釣り竿を離せ!船が持っていかれる!」
「いやだ!折角釣り上げた魚だ!離すもんか!」
「よし!皆でレイを掴むんだ!マッスルの見せ所だ!野郎共!!」
「「「「おう!!」」」」
「ダブルナイツ」「鋼鉄騎士団」「悪魔結社」の皆はレイと掴み皆で船に捕まり魚を引き上げようと奮闘する。だが魚の力は強く船ごと一気に深海に引きづりこまれていく。
「皆船に捕まって!泡から出ないように!!」
「あはははは!!ジェットコースターみたいだねお兄ちゃん!!」
「言ってる場合か!?本当にやばいぞこれ!!」
「ん。あ、魚が食べられた」
「「「「え?」」」」
ブルーフィッシュはさらにでかい魚に丸呑みされてしまった。
・ビッグビッグウナギLV105
「「「「あああああああ!?」」」」
「俺の魚が!?」
「言ってる場合か!?このままじゃあああ!?」
「引きづりこまれる!?」
「きゃああああああ!?」
僕らは船ごと海の底に引きづりこまれてしまう。こんな所で死に戻りはしたくないなと考えながらも船の視界はだんだん暗闇に消えて行ってしまった……。
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