196 / 215
次の目的地
しおりを挟む
いつもの街並み、いつもの道を風を切りながら走り階段を上がっていく。季節はすっかり夏になりもうすぐ夏休みだ。早朝だというのに蝉はうるさく泣き太陽は僕らを攻撃するかのように強く輝いていた。
「おお、弥生お早う。もうすっかり夏じゃのう」
「お早うジィジ。ちゃんと水分取ってる?倒れないように気を付けてね」
「ガッハッハッハ!!サハラ砂漠で3週間生き延びた儂にとってこんな日差しなんともないわい」
相変わらず訳の分からない体験をしていたジィジはいつものように神社の掃除をしながら僕を迎え入れてくれた。
「今年の夏はどこか行くのかの?」
「んーどうだろう。皆夏は外出したがらないしもしかしたらAOLばかりしてるかもなぁ」
「それはいかん。学生の夏休みといったら皆で山に、海に行き楽しむものじゃ。青春の一ページをゲームの中で過ごすなどもったいなさすぎるわい」
「でもゲームの中なら皆でどこでも行けるよ?そうだ、ジィジ達もAOLの中で海に行かない?そのあとまた皆で温泉とかも。AOLの中なら一瞬で移動できるし」
「ぬ?確かに海と温泉を一瞬で移動できるのはいいのぉ。むう、少し考えてみるか」
「あはは。考えてみて」
僕は日課のお参りをすませて再びジィジの元に駆け寄る。
「そう言えばジィジ達のおかげで前回引き分けたっていう相手に勝つことが出来たよ」
「おお!そうか。うんうん。神代家に敗北の二文字は許されんからの」
「いつの時代の武将だよ。でも今回のクエストは本当に大変だったな……」
ジィジに今回のクエストで感じたことを簡単に説明する。
「ふーむ。国とは、か。確かに難しいテーマじゃのう。時代あの流れ人の考えは日々変化するものじゃしの。じゃが確かにそこには変わらない答えは存在するの」
「変わらない答え?」
「そうじゃ。人が人であること。そして人は愛を、優しさを持っている事じゃ。人はいつの世も愛に生き、そして人である限り愛に苦しむのじゃよ。それは歴史が変わろうと変わらない答えじゃ」
「んー、よく分からないなぁ」
「ガッハッハ!まぁ今は分からなくてもよい。頭の片隅にでも入れて覚えておいてくれれば」
「うん。分かった」
人が人である限り、か。その答えは歴史を学び感じ人生を必死に生きたジィジだからこそわかる答えなのかもしれないな。
「哲二はきっと今回のクエストではこう言いたかったのじゃろう。「歴史を学べ、国とは人、システムは補助でしかない。独裁政権の果ては孤独な死、人を知れ、個人を見ろ、自らを知れ。手を取り合う必要はない。だが同じ未来をイメージしろ。国とはその先に存在する。」とな」
「それは爺ちゃんが言ってたの?」
「うむ。酒の席でな。あ奴はあ奴なりに国をこの時代を先の時代を考え行動していた。あ奴らしいテーマのクエストだったんじゃろう。恐らくそのクエストはやったプレイヤーが違えばそれだけの沢山の答えを見せてくれるんだと思うぞ?」
確かに今回のクエストは沢山の選択肢があった。というより選択肢が多すぎた。もしあの時こうしていたら、なんていうのは常々考えできるだけ後悔しない道を必死に考えながら進んでいた。
「しかしお主らはまだあの国から出ておらなんだな。あの世界は地球よりも広いんじゃろ?速く遷都死ぬまでクリアできぬかもしれんぞ?」
「クリアかぁ。あるのかな完全クリアって。人生にクリアがないようにあれにもクリアなんてない気がするなぁ」
「どうなんじゃろうな。そう言われたらそうなのかもしれん。じゃがゲームなんじゃ。ある程度の区切りのいい所でクリアはありそうじゃがのぉ」
「んー。そうなのかも。一度それを探してみるのもういいかもね」
ゲームクリアか。確かにどこかには存在するのかもしれない。だけど世界が壮大すぎて次はどちらに進めばいいのかさえ分からない状況だ。そろそろ次の国には行きたいけど。
「しかし人生のクリアと言えば「死」になるのかの……。「成人」「結婚」色々なゴールがあるが最終的にはそこに行きつくわけだし」
「それを言ったらゲームだってそうじゃん。でも「死」がゴールなんて悲しすぎるな。確かに皆が通る道だけど……」
「分からんぞ?ばあさんなんか化け物じゃから一生死なんかもしれんしな。1000年後とかも生きてる可能性すらある。まさに妖怪ばばあじゃな!!ガッハッハ!!」
その瞬間先ほどまで泣いていた蝉が一斉に鳴きやみ辺りが静かになる。
今の僕なら、命がけの戦闘を何度も経験した僕ならわかる。これは殺気だ!
「僕、そろそろ帰るね!!じゃあね!!」
「ん?どうした弥生いきなり。気をつけて帰るんじゃぞ?お?ばあさんなんじゃ?もう朝ごはんの時間か?あ……待て待て待て!!なんか体から魔力が溢れてるぞ?何故雷を纏っているんじゃ!?や、弥生助けぎゃあああああああ!?」
どうやらばあちゃんは「雷神衣威」をリアルで覚えたようだ。本当にばけも、いや、止めておこう。
いつも通り学校に行き放課後、今日はAOLを休み家の事や勉強に精を出す。最近はゲームに入り浸りだったので家事が溜まっていたためだ。勉強も最近はあまり手に着かずさぼりがちだったので今日は念入りにやっておく。
「ぬあああ!もう勉強は疲れた!!戦いたいぞ弥生!!」
「いや、まだ勉強初めて15分くらいでしょ?さっきまでユイとゲームして遊んでたじゃん」
「ぬ?何故知っている?まさかストーカーか?」
「いやな言い方するな。声が丸聞こえだったんだよ」
「ああ、なるほどな。しかしユイが強くてな。何故ユイも美和もあんなにゲームが上手いんだ?」
「まぁ小さいころからやってたからね」
「クソ!今からと特訓だ!弥生付き合え!」
「いや、勉強しなさい」
全くなんで家の皆はゲームばかりするのだあろうか。
「ん。弥生。洗濯とお風呂掃除終わった」
「今日の夕食の支度も終わったわ」
「ありがとう二人とも」
二人はそのままレイの隣に座りレイの勉強を見てあげる。うん、この二人がいれば大丈夫だな。
「げ!お兄ちゃん何で一階にいるの?勉強は?」
「や、やーちゃん勉強は?」
「なんだ「げ」って。二人ともゲーム誌に来ただろう?」
「あばばば!!違うんだよお兄ちゃんユイはちょっと息抜きに……」
「わ、私はちょっと気分転換に……」
「それはどっちも同じ意味だからな?」
全く少し目を離したらこれだ。なんでこんなので成績学年トップ何だろう。理不尽だ。
「そう言えば弥生。LVはいくつに上がったの?」
「ん?AOLの話?85まで上がったよ。やっぱり最後のボーナスが大きかったみたいだね」
最後の謁見のまでの戦い、リムル討伐、そしてイベントクリア報酬。イベントクリア時にボーナス報酬としてかなりの経験値を貰い僕らは最低5以上のLVが上がった。さらに最後の戦いに参加した姉妹クランの皆もボーナスを多少貰いLVが一気に上がったそうだ。
「それにしても長い戦いだったわね。もうすぐ夏休みだものね」
「そうだね。本当に終わってよかったよ。それに色々考えさせられたし」
「ん。人の脆さに強さ。両方見た気がする」
「確かにねー。貴族の上からの圧力の弱さはなんだかリアルの組織のようあったしねー」
「そうかもしれないわね。私は白うさぎの死が印象的だったわ。人の死ぬ瞬間をああやってみることはあまりないもの」
「確かにな。俺も色々学んだ気がする。何を学んだか聞かれたら困るが」
レイは放っておいて皆それぞれ今回のクエストには考えさせられたようだ。
「でもいつ版安心したのはやっぱりお兄ちゃんがまた元気になった事かな!!それが一番うれしい!」
「本当ね。最初は泣きそうな顔してプレイしてたからどうしようかと思ったわ」
「う、ごめんよ」
「ん。でも最後リムルを倒した時の弥生はかっこよかった」
「確かにね。あのクエストはある意味あの国での最終クエストみたいな感じだったから、ラストアタックを決めた弥生はなんだか勇者そのものだったわ」
「ぬ!?勇者は俺がなる!!いや、俺の場合は聖騎士か?」
確かにあのクエストでもうあの国は持ち直しいい国になっていくだろう。
「しかし皆にはこっぴどく怒られたね。あれがある意味一番大変だったよ」
「あはは!!そうだね!でもしょうがないもんね。クエスト中は転移ポータルもメールもできずに連絡手段はなかったんだもん!」
「そうよ。なのにみんなして「何で教えてくれなかったんだこんな楽しそうなクエスト」だもんね。こっちは大変だったのに」
「ん。でもそのあとのキルが弥生に「再戦だ!!」って聞かなかったのが一番鬱陶しかった」
「ふふ。たしかにあれは鬱陶しかったわ。本気で斬りかかってきてたものね」
「うむ。俺もキルと戦ってみたいぞ!弥生次は俺だからな!」
もう今後キルはレイに全て押し付けようか。うん。それがいい。
「さてさて、問題は次はどこに行くかだよな。あの国でやれることはもうやった気がするし」
「そうだねー!出来れば獣人の国に行きたいな!!もふもふ天国!!」
「ん。賛成ニャ。猫族天国!」
「んー私はやっぱりエルフの集落に行ってみたいわ。確か獣国の近くにあるのよね」
「私もエルフの国かしら。そこならきっと私達の知らない魔法が沢山あるだろうし」
「俺は強い奴が要る所ならどこでもいい!!」
意見がバラけてしまったな……。王宮に出入り自由になったからそこで調べてから出発でもいいが。
今までの情報だと、エルフの国には「闇魔法」を扱える者や知らない魔道具など様々な魔法に特化したものものがあるそうだ。だがそこに行くには「迷いの森」という迷宮のような盛を抜けていかなければならないらしい。
獣国には強い戦士が沢山いる。そしてアイリスにとっては「獣化」を覚える為に行くという意味もある。もちろん僕もモフモフには興味がある。
皆であれこれ話しているときに僕の携帯に電話が鳴り響く。
「おい弥生!!どこにいるんだ!?「火の国」行くぞ準備しろ!!」
いきなりタクからの電話で僕らの次の行先が決まってしまった……。
「おお、弥生お早う。もうすっかり夏じゃのう」
「お早うジィジ。ちゃんと水分取ってる?倒れないように気を付けてね」
「ガッハッハッハ!!サハラ砂漠で3週間生き延びた儂にとってこんな日差しなんともないわい」
相変わらず訳の分からない体験をしていたジィジはいつものように神社の掃除をしながら僕を迎え入れてくれた。
「今年の夏はどこか行くのかの?」
「んーどうだろう。皆夏は外出したがらないしもしかしたらAOLばかりしてるかもなぁ」
「それはいかん。学生の夏休みといったら皆で山に、海に行き楽しむものじゃ。青春の一ページをゲームの中で過ごすなどもったいなさすぎるわい」
「でもゲームの中なら皆でどこでも行けるよ?そうだ、ジィジ達もAOLの中で海に行かない?そのあとまた皆で温泉とかも。AOLの中なら一瞬で移動できるし」
「ぬ?確かに海と温泉を一瞬で移動できるのはいいのぉ。むう、少し考えてみるか」
「あはは。考えてみて」
僕は日課のお参りをすませて再びジィジの元に駆け寄る。
「そう言えばジィジ達のおかげで前回引き分けたっていう相手に勝つことが出来たよ」
「おお!そうか。うんうん。神代家に敗北の二文字は許されんからの」
「いつの時代の武将だよ。でも今回のクエストは本当に大変だったな……」
ジィジに今回のクエストで感じたことを簡単に説明する。
「ふーむ。国とは、か。確かに難しいテーマじゃのう。時代あの流れ人の考えは日々変化するものじゃしの。じゃが確かにそこには変わらない答えは存在するの」
「変わらない答え?」
「そうじゃ。人が人であること。そして人は愛を、優しさを持っている事じゃ。人はいつの世も愛に生き、そして人である限り愛に苦しむのじゃよ。それは歴史が変わろうと変わらない答えじゃ」
「んー、よく分からないなぁ」
「ガッハッハ!まぁ今は分からなくてもよい。頭の片隅にでも入れて覚えておいてくれれば」
「うん。分かった」
人が人である限り、か。その答えは歴史を学び感じ人生を必死に生きたジィジだからこそわかる答えなのかもしれないな。
「哲二はきっと今回のクエストではこう言いたかったのじゃろう。「歴史を学べ、国とは人、システムは補助でしかない。独裁政権の果ては孤独な死、人を知れ、個人を見ろ、自らを知れ。手を取り合う必要はない。だが同じ未来をイメージしろ。国とはその先に存在する。」とな」
「それは爺ちゃんが言ってたの?」
「うむ。酒の席でな。あ奴はあ奴なりに国をこの時代を先の時代を考え行動していた。あ奴らしいテーマのクエストだったんじゃろう。恐らくそのクエストはやったプレイヤーが違えばそれだけの沢山の答えを見せてくれるんだと思うぞ?」
確かに今回のクエストは沢山の選択肢があった。というより選択肢が多すぎた。もしあの時こうしていたら、なんていうのは常々考えできるだけ後悔しない道を必死に考えながら進んでいた。
「しかしお主らはまだあの国から出ておらなんだな。あの世界は地球よりも広いんじゃろ?速く遷都死ぬまでクリアできぬかもしれんぞ?」
「クリアかぁ。あるのかな完全クリアって。人生にクリアがないようにあれにもクリアなんてない気がするなぁ」
「どうなんじゃろうな。そう言われたらそうなのかもしれん。じゃがゲームなんじゃ。ある程度の区切りのいい所でクリアはありそうじゃがのぉ」
「んー。そうなのかも。一度それを探してみるのもういいかもね」
ゲームクリアか。確かにどこかには存在するのかもしれない。だけど世界が壮大すぎて次はどちらに進めばいいのかさえ分からない状況だ。そろそろ次の国には行きたいけど。
「しかし人生のクリアと言えば「死」になるのかの……。「成人」「結婚」色々なゴールがあるが最終的にはそこに行きつくわけだし」
「それを言ったらゲームだってそうじゃん。でも「死」がゴールなんて悲しすぎるな。確かに皆が通る道だけど……」
「分からんぞ?ばあさんなんか化け物じゃから一生死なんかもしれんしな。1000年後とかも生きてる可能性すらある。まさに妖怪ばばあじゃな!!ガッハッハ!!」
その瞬間先ほどまで泣いていた蝉が一斉に鳴きやみ辺りが静かになる。
今の僕なら、命がけの戦闘を何度も経験した僕ならわかる。これは殺気だ!
「僕、そろそろ帰るね!!じゃあね!!」
「ん?どうした弥生いきなり。気をつけて帰るんじゃぞ?お?ばあさんなんじゃ?もう朝ごはんの時間か?あ……待て待て待て!!なんか体から魔力が溢れてるぞ?何故雷を纏っているんじゃ!?や、弥生助けぎゃあああああああ!?」
どうやらばあちゃんは「雷神衣威」をリアルで覚えたようだ。本当にばけも、いや、止めておこう。
いつも通り学校に行き放課後、今日はAOLを休み家の事や勉強に精を出す。最近はゲームに入り浸りだったので家事が溜まっていたためだ。勉強も最近はあまり手に着かずさぼりがちだったので今日は念入りにやっておく。
「ぬあああ!もう勉強は疲れた!!戦いたいぞ弥生!!」
「いや、まだ勉強初めて15分くらいでしょ?さっきまでユイとゲームして遊んでたじゃん」
「ぬ?何故知っている?まさかストーカーか?」
「いやな言い方するな。声が丸聞こえだったんだよ」
「ああ、なるほどな。しかしユイが強くてな。何故ユイも美和もあんなにゲームが上手いんだ?」
「まぁ小さいころからやってたからね」
「クソ!今からと特訓だ!弥生付き合え!」
「いや、勉強しなさい」
全くなんで家の皆はゲームばかりするのだあろうか。
「ん。弥生。洗濯とお風呂掃除終わった」
「今日の夕食の支度も終わったわ」
「ありがとう二人とも」
二人はそのままレイの隣に座りレイの勉強を見てあげる。うん、この二人がいれば大丈夫だな。
「げ!お兄ちゃん何で一階にいるの?勉強は?」
「や、やーちゃん勉強は?」
「なんだ「げ」って。二人ともゲーム誌に来ただろう?」
「あばばば!!違うんだよお兄ちゃんユイはちょっと息抜きに……」
「わ、私はちょっと気分転換に……」
「それはどっちも同じ意味だからな?」
全く少し目を離したらこれだ。なんでこんなので成績学年トップ何だろう。理不尽だ。
「そう言えば弥生。LVはいくつに上がったの?」
「ん?AOLの話?85まで上がったよ。やっぱり最後のボーナスが大きかったみたいだね」
最後の謁見のまでの戦い、リムル討伐、そしてイベントクリア報酬。イベントクリア時にボーナス報酬としてかなりの経験値を貰い僕らは最低5以上のLVが上がった。さらに最後の戦いに参加した姉妹クランの皆もボーナスを多少貰いLVが一気に上がったそうだ。
「それにしても長い戦いだったわね。もうすぐ夏休みだものね」
「そうだね。本当に終わってよかったよ。それに色々考えさせられたし」
「ん。人の脆さに強さ。両方見た気がする」
「確かにねー。貴族の上からの圧力の弱さはなんだかリアルの組織のようあったしねー」
「そうかもしれないわね。私は白うさぎの死が印象的だったわ。人の死ぬ瞬間をああやってみることはあまりないもの」
「確かにな。俺も色々学んだ気がする。何を学んだか聞かれたら困るが」
レイは放っておいて皆それぞれ今回のクエストには考えさせられたようだ。
「でもいつ版安心したのはやっぱりお兄ちゃんがまた元気になった事かな!!それが一番うれしい!」
「本当ね。最初は泣きそうな顔してプレイしてたからどうしようかと思ったわ」
「う、ごめんよ」
「ん。でも最後リムルを倒した時の弥生はかっこよかった」
「確かにね。あのクエストはある意味あの国での最終クエストみたいな感じだったから、ラストアタックを決めた弥生はなんだか勇者そのものだったわ」
「ぬ!?勇者は俺がなる!!いや、俺の場合は聖騎士か?」
確かにあのクエストでもうあの国は持ち直しいい国になっていくだろう。
「しかし皆にはこっぴどく怒られたね。あれがある意味一番大変だったよ」
「あはは!!そうだね!でもしょうがないもんね。クエスト中は転移ポータルもメールもできずに連絡手段はなかったんだもん!」
「そうよ。なのにみんなして「何で教えてくれなかったんだこんな楽しそうなクエスト」だもんね。こっちは大変だったのに」
「ん。でもそのあとのキルが弥生に「再戦だ!!」って聞かなかったのが一番鬱陶しかった」
「ふふ。たしかにあれは鬱陶しかったわ。本気で斬りかかってきてたものね」
「うむ。俺もキルと戦ってみたいぞ!弥生次は俺だからな!」
もう今後キルはレイに全て押し付けようか。うん。それがいい。
「さてさて、問題は次はどこに行くかだよな。あの国でやれることはもうやった気がするし」
「そうだねー!出来れば獣人の国に行きたいな!!もふもふ天国!!」
「ん。賛成ニャ。猫族天国!」
「んー私はやっぱりエルフの集落に行ってみたいわ。確か獣国の近くにあるのよね」
「私もエルフの国かしら。そこならきっと私達の知らない魔法が沢山あるだろうし」
「俺は強い奴が要る所ならどこでもいい!!」
意見がバラけてしまったな……。王宮に出入り自由になったからそこで調べてから出発でもいいが。
今までの情報だと、エルフの国には「闇魔法」を扱える者や知らない魔道具など様々な魔法に特化したものものがあるそうだ。だがそこに行くには「迷いの森」という迷宮のような盛を抜けていかなければならないらしい。
獣国には強い戦士が沢山いる。そしてアイリスにとっては「獣化」を覚える為に行くという意味もある。もちろん僕もモフモフには興味がある。
皆であれこれ話しているときに僕の携帯に電話が鳴り響く。
「おい弥生!!どこにいるんだ!?「火の国」行くぞ準備しろ!!」
いきなりタクからの電話で僕らの次の行先が決まってしまった……。
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる