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修行編中編
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水曜日。
学校の出来事と言えばやっとタクが来たことくらいだ。
先生に「なんで学校を休んだ?」と聞かれ「冒険が俺を呼んでいた!!」と、寒いことを言い、宿題10倍の刑を受けていた。
アホである。
救いようのないアホである。
あれが僕の親友だぜ?泣きたくなる。
だが、パーティメンバーの勧誘は成功。人数は8人になりLV上げも順調。
タク以外は女性ということもあり、タクはモテ期が来たと勘違いしているが、実はタクに惚れているユリ応援隊みたいな感じらしい。
皆が幼稚園からの片思いのツンデレギャルというのが、とても可愛らしく参加したとのことだった。
タク、哀れなり。なぜお前はそうなんだ。何故イケメンなのに色々残念なのだろう。
すぐに女の子に目移りしてはユリに蹴られ、相手の女の子からは「顔はいいんだけどねぇ。」とか「優しいんだけどねぇ。」お決まりの言葉を貰う。
タク、哀れなり。
なぜお前はそうなんだ。
中学の卒業式、親が泣いて「よくお前なんかが卒業できた。先生に感謝しろ。」と本気で泣かれていた。高校の目標も卒業することである。
残念な男タク、あれ僕の親友でっせ?
はぁ、しまった。余計なことを思い出してしまった。皆が待ってる。さっさと行こう。
「ダイブイン」
「おぉ来たの。では始めるとしようかの」
「お兄ちゃん遅いよ!!もう二年も待ったよ?」
リアルとここでは時間軸が違うみたいだ。
「ウィル?約束の時間は守らないとだめよ?お姉ちゃんそんな子に育てたつもりはありません」
お世話された記憶がございません。
「ん。待ちくたびれた。キスを所望する」
さっきから君たちの夕食づくりと、君たちの洗濯物をしまっていたんだからね?
「私を待たせるとはいい度胸ね。あとで覚えていなさい?」
「本当にすみませんでした。許してください」
エリザベスには逆らってはいけない。
それが世の理なのだから。
「ふひゃひゃひゃ!!仲がいいのぉ。儂も昔は仲のいい兄弟がいてのぉ」
あ、これ長くなる奴だ。
「いや、よく考えたら儂一人っ子じゃった!!ふひゃひゃひゃ!!」
「「「「「……」」」」」
大丈夫かな?心配になってきた。
「さて、冗談はここまでにして………なんじゃったかな?」
「「「「「……」」」」」
冗談ではなかったようだ。この爺さん本当に危ないかもしれない。
「あっ!!思い出したわ!!儂の妹の話じゃったか?」
「「「「「あなたに兄弟はいません」」」」」
「おぉ!!そうじゃった!!ふひゃひゃひゃ!!」
進まねぇ。
だんだん腹立ってきたな。
「さてさて、では儂のねぇさんの話でも。」
「あんた一人っ子何でしょう!!??「空間把握」の修行からだからね?」
「あぁ!!そうじゃ!!「空間把握」じゃな?ふひゃひゃひゃ!!それではフガフガフガ。」
「アランさんや。入れ歯が落ちましたよ?ちょうどいいから歯わないけど歯を食い押しばれや!!」
「いたたた。さて、「空間把握」じゃったか。まずは基本の「身体強化」を見せてはくれんかのぉ?」
僕らは体全体に魔力をめぐらし維持する。
「ふむ。中々にきれいな「身体強化」じゃな。うむ。合格じゃ。そしてその魔力をだんだん膨らませ、体の周りの大きな円をつくるんじゃ」
言われた通り自分の周りに少しづつ魔力を膨らませる。が、これが中々難しい。膨らませると、周囲の物の感覚が伝わってきて、情報量が多くなる。
人間は自分の体を触られるとき、時として違う場所を触られていると勘違いすることがある。
つまり、体の周りすら人間には、その情報を100%把握できていないということになる。それがどんどん円形に広がっていく感覚は変な感じがする。
「ふむ。皆中々苦戦しとるようじゃのう。まぁ普通は1週間はかかるからの」
今さらっとすごいこと言いませんでしたか?一週間ですと?そんなにやってられるか!!必ず今日成功させてやる。
「ふむ、なら一つ助言をしてやろう。お主らは考えすぎじゃ。普段体の全体の感覚を全て意識しているか?いいやしていないじゃろう。つまり意識しすぎなのじゃ。それが当たり前。円形に広がる魔力は当たり前。考えるよりも感じろ。これは何も考えない方ができる。」
「あっ!!できたよーー!!」
アイリスが一番乗りだ。
しかし悲しきかな。
何も考えない方ができると瞬間できてしまった。
この子は普段何も考えてはいないのかもしれない。
この修行はエリーゼとエリザベスが一番苦労していた。二人は天才だ。故に考えすぎてしまうのだろう。
こんな二人は初めて見た。
僕は深く深呼吸をする。目を閉じ意識していたものを無意識にしてみる。感覚は当たり前のようにそこらへんに漂うんだ。
魔力は空気。
すると自分の周りの物が目をつむっているのに手に取るように感じた。魔力は風船のように勢いよく広がり自分の周りにまとっている。
そんな感じがする。
「で、できた!!わっぷ!?」
風船は破裂し、自分の体に戻ってくる。
「皆中々筋がいいの。あとは維持する。実際これが一番難しい。」
確かに。
だがMPが切れるまで何度も挑戦する。
30分後。
・空間把握スキルを手に入れた。
目の前に文字が浮かぶ。
「で、できた……」
MPはのこり2割。
何とか間に合った。
「お兄ちゃんお疲れ!!」
「お疲れウィル。時間かかったわね」
「ん。待ちくたびれた」
「ふふ。お仕置きが増えたわね」
この天才どもが。
「いやはや驚いたわい。この短時間で皆覚えることができたとは」
アランも驚いていた。
「驚きすぎて何か食べたくなってきてしまった。ウィル。食事にするぞ」
それ、僕の作ったのを食べたいってことだよね。
仕方ないので食事にする。僕も疲れたし。
今日は恐竜肉を使ったすき焼きにする。
鍋にみりんと酒を同量入れ火にかける。アルコールが飛んだら中火にし、酒に対して6割のしょうゆと3割の砂糖を入れる。これで割り下は完成。後は土鍋で肉と野菜を軽く焼いて割り下を注げば完成。
皆に好評のようだ。
最後に〆の雑炊ををやる。
これもとても好評で鍋の中には何も残らなかった。
尚、アランが熱くて「ふーふー」と冷ましているのと同時に入れ歯が飛び、エリザベスに2度殴られていた。
入れ歯が鍋に入らなくてよかった。
爺さんの入れ歯入り鍋なんて、ホラーでしかない。
「さてお主ら。この紙にそれぞれ手をかざしてみなさい」
僕らは一枚ずつ大き目な紙を渡される。
そこにはびっしりと細かい字で魔法陣が描かれていた。
「これは?」
「それは重力魔法を覚えるための魔法陣じゃ」
「えぇ!?いいの?こんな貴重な物」
魔法を覚える魔法陣は一人が使うとなぜか二度と使えなくなってしまう。アラン曰く、その人の色になってしまうから、他の人の色にはもうなれない。だそうだ。
しかも初級魔法で100万Gもする世界だ。
古代魔法なんて一体いくらなんだ。
「でもお金が」
「よいよい。それは昨晩儂が書いたものだからの」
「えぇ!!??全員分?大変だったでしょ?字細かいし」
「ふひゃひゃひゃ!!これくらいなんともないわ。それに普通に覚えたらお主らでも半年以上かかるじゃろう。そこまでここにいられても迷惑じゃからな!!」
確かにこんなとこに半年もいたくない。
谷底で割と暗くて寒いんだここ。しかも周りは土の壁のみ。殺風景すぎる。こんなところに何年も住んでいるこの爺さんはきっと変態なんだろう。
「ならありがたく使わせてもらうね!!」
「ありがとう。これで楽になったわ」
「ん。半年もここは嫌」
「感謝しますわ。ではお言葉に甘えて」
僕らは魔法陣に魔力を流す。
すると体の中の魔力が何か変化した感じがした。質が変わった……という感じだ。
・古代魔法、重力魔法を手に入れた。
インフォメーションが流れる。
「ではさっそく使ってみるがいい」
僕らは言われた通り使ってみる。
ズズズズズズ。
「おぉ!!」
「これは」
石が動いた。
小さな石が動いた。
爪ほど小さい石がちょっと地面にめり込んだ。
「。これだけ?」
「みたいね」
「ふひゃひゃひゃふひゃひゃひゃ!!ゲホゲホっっ。フガフガフガ」
笑いすぎだジジイ。
入れ歯また落ちてるぞ。
っというか「フガフガフガ」ってわざと言ってるだろう。
最初はそんなんじゃなかったぞ。
気に入ってんじゃねぇよ。
僕らの修行はまだ続きそうだ
学校の出来事と言えばやっとタクが来たことくらいだ。
先生に「なんで学校を休んだ?」と聞かれ「冒険が俺を呼んでいた!!」と、寒いことを言い、宿題10倍の刑を受けていた。
アホである。
救いようのないアホである。
あれが僕の親友だぜ?泣きたくなる。
だが、パーティメンバーの勧誘は成功。人数は8人になりLV上げも順調。
タク以外は女性ということもあり、タクはモテ期が来たと勘違いしているが、実はタクに惚れているユリ応援隊みたいな感じらしい。
皆が幼稚園からの片思いのツンデレギャルというのが、とても可愛らしく参加したとのことだった。
タク、哀れなり。なぜお前はそうなんだ。何故イケメンなのに色々残念なのだろう。
すぐに女の子に目移りしてはユリに蹴られ、相手の女の子からは「顔はいいんだけどねぇ。」とか「優しいんだけどねぇ。」お決まりの言葉を貰う。
タク、哀れなり。
なぜお前はそうなんだ。
中学の卒業式、親が泣いて「よくお前なんかが卒業できた。先生に感謝しろ。」と本気で泣かれていた。高校の目標も卒業することである。
残念な男タク、あれ僕の親友でっせ?
はぁ、しまった。余計なことを思い出してしまった。皆が待ってる。さっさと行こう。
「ダイブイン」
「おぉ来たの。では始めるとしようかの」
「お兄ちゃん遅いよ!!もう二年も待ったよ?」
リアルとここでは時間軸が違うみたいだ。
「ウィル?約束の時間は守らないとだめよ?お姉ちゃんそんな子に育てたつもりはありません」
お世話された記憶がございません。
「ん。待ちくたびれた。キスを所望する」
さっきから君たちの夕食づくりと、君たちの洗濯物をしまっていたんだからね?
「私を待たせるとはいい度胸ね。あとで覚えていなさい?」
「本当にすみませんでした。許してください」
エリザベスには逆らってはいけない。
それが世の理なのだから。
「ふひゃひゃひゃ!!仲がいいのぉ。儂も昔は仲のいい兄弟がいてのぉ」
あ、これ長くなる奴だ。
「いや、よく考えたら儂一人っ子じゃった!!ふひゃひゃひゃ!!」
「「「「「……」」」」」
大丈夫かな?心配になってきた。
「さて、冗談はここまでにして………なんじゃったかな?」
「「「「「……」」」」」
冗談ではなかったようだ。この爺さん本当に危ないかもしれない。
「あっ!!思い出したわ!!儂の妹の話じゃったか?」
「「「「「あなたに兄弟はいません」」」」」
「おぉ!!そうじゃった!!ふひゃひゃひゃ!!」
進まねぇ。
だんだん腹立ってきたな。
「さてさて、では儂のねぇさんの話でも。」
「あんた一人っ子何でしょう!!??「空間把握」の修行からだからね?」
「あぁ!!そうじゃ!!「空間把握」じゃな?ふひゃひゃひゃ!!それではフガフガフガ。」
「アランさんや。入れ歯が落ちましたよ?ちょうどいいから歯わないけど歯を食い押しばれや!!」
「いたたた。さて、「空間把握」じゃったか。まずは基本の「身体強化」を見せてはくれんかのぉ?」
僕らは体全体に魔力をめぐらし維持する。
「ふむ。中々にきれいな「身体強化」じゃな。うむ。合格じゃ。そしてその魔力をだんだん膨らませ、体の周りの大きな円をつくるんじゃ」
言われた通り自分の周りに少しづつ魔力を膨らませる。が、これが中々難しい。膨らませると、周囲の物の感覚が伝わってきて、情報量が多くなる。
人間は自分の体を触られるとき、時として違う場所を触られていると勘違いすることがある。
つまり、体の周りすら人間には、その情報を100%把握できていないということになる。それがどんどん円形に広がっていく感覚は変な感じがする。
「ふむ。皆中々苦戦しとるようじゃのう。まぁ普通は1週間はかかるからの」
今さらっとすごいこと言いませんでしたか?一週間ですと?そんなにやってられるか!!必ず今日成功させてやる。
「ふむ、なら一つ助言をしてやろう。お主らは考えすぎじゃ。普段体の全体の感覚を全て意識しているか?いいやしていないじゃろう。つまり意識しすぎなのじゃ。それが当たり前。円形に広がる魔力は当たり前。考えるよりも感じろ。これは何も考えない方ができる。」
「あっ!!できたよーー!!」
アイリスが一番乗りだ。
しかし悲しきかな。
何も考えない方ができると瞬間できてしまった。
この子は普段何も考えてはいないのかもしれない。
この修行はエリーゼとエリザベスが一番苦労していた。二人は天才だ。故に考えすぎてしまうのだろう。
こんな二人は初めて見た。
僕は深く深呼吸をする。目を閉じ意識していたものを無意識にしてみる。感覚は当たり前のようにそこらへんに漂うんだ。
魔力は空気。
すると自分の周りの物が目をつむっているのに手に取るように感じた。魔力は風船のように勢いよく広がり自分の周りにまとっている。
そんな感じがする。
「で、できた!!わっぷ!?」
風船は破裂し、自分の体に戻ってくる。
「皆中々筋がいいの。あとは維持する。実際これが一番難しい。」
確かに。
だがMPが切れるまで何度も挑戦する。
30分後。
・空間把握スキルを手に入れた。
目の前に文字が浮かぶ。
「で、できた……」
MPはのこり2割。
何とか間に合った。
「お兄ちゃんお疲れ!!」
「お疲れウィル。時間かかったわね」
「ん。待ちくたびれた」
「ふふ。お仕置きが増えたわね」
この天才どもが。
「いやはや驚いたわい。この短時間で皆覚えることができたとは」
アランも驚いていた。
「驚きすぎて何か食べたくなってきてしまった。ウィル。食事にするぞ」
それ、僕の作ったのを食べたいってことだよね。
仕方ないので食事にする。僕も疲れたし。
今日は恐竜肉を使ったすき焼きにする。
鍋にみりんと酒を同量入れ火にかける。アルコールが飛んだら中火にし、酒に対して6割のしょうゆと3割の砂糖を入れる。これで割り下は完成。後は土鍋で肉と野菜を軽く焼いて割り下を注げば完成。
皆に好評のようだ。
最後に〆の雑炊ををやる。
これもとても好評で鍋の中には何も残らなかった。
尚、アランが熱くて「ふーふー」と冷ましているのと同時に入れ歯が飛び、エリザベスに2度殴られていた。
入れ歯が鍋に入らなくてよかった。
爺さんの入れ歯入り鍋なんて、ホラーでしかない。
「さてお主ら。この紙にそれぞれ手をかざしてみなさい」
僕らは一枚ずつ大き目な紙を渡される。
そこにはびっしりと細かい字で魔法陣が描かれていた。
「これは?」
「それは重力魔法を覚えるための魔法陣じゃ」
「えぇ!?いいの?こんな貴重な物」
魔法を覚える魔法陣は一人が使うとなぜか二度と使えなくなってしまう。アラン曰く、その人の色になってしまうから、他の人の色にはもうなれない。だそうだ。
しかも初級魔法で100万Gもする世界だ。
古代魔法なんて一体いくらなんだ。
「でもお金が」
「よいよい。それは昨晩儂が書いたものだからの」
「えぇ!!??全員分?大変だったでしょ?字細かいし」
「ふひゃひゃひゃ!!これくらいなんともないわ。それに普通に覚えたらお主らでも半年以上かかるじゃろう。そこまでここにいられても迷惑じゃからな!!」
確かにこんなとこに半年もいたくない。
谷底で割と暗くて寒いんだここ。しかも周りは土の壁のみ。殺風景すぎる。こんなところに何年も住んでいるこの爺さんはきっと変態なんだろう。
「ならありがたく使わせてもらうね!!」
「ありがとう。これで楽になったわ」
「ん。半年もここは嫌」
「感謝しますわ。ではお言葉に甘えて」
僕らは魔法陣に魔力を流す。
すると体の中の魔力が何か変化した感じがした。質が変わった……という感じだ。
・古代魔法、重力魔法を手に入れた。
インフォメーションが流れる。
「ではさっそく使ってみるがいい」
僕らは言われた通り使ってみる。
ズズズズズズ。
「おぉ!!」
「これは」
石が動いた。
小さな石が動いた。
爪ほど小さい石がちょっと地面にめり込んだ。
「。これだけ?」
「みたいね」
「ふひゃひゃひゃふひゃひゃひゃ!!ゲホゲホっっ。フガフガフガ」
笑いすぎだジジイ。
入れ歯また落ちてるぞ。
っというか「フガフガフガ」ってわざと言ってるだろう。
最初はそんなんじゃなかったぞ。
気に入ってんじゃねぇよ。
僕らの修行はまだ続きそうだ
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