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新たな目的地
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タッタッタッ・・・・・・・・。
ジィジ大丈夫かな・・・?
タッタッタッ・・・・・・・・。
ハァハァハァ・・・・・・・・。
結局あの後酔っぱらっちゃってばあちゃんに殴られてダイブアウトしちゃったもんな。
皆ばあちゃんにドン引きしてたな・・・。
タッタッタッ・・・・・・・・・・タン!!
ハァハァハァ・・・・・・・・。
まぁしょうがないか。
皆が一時間かけて勝てなかった相手に片手で勝っちゃうんだもんな。
しかも笑顔で・・・・・。
「おぉ、お早う弥生。」
「お早うジィジ。昨日はあの後平気だった?」
「・・・・・・。」
「・・・ま、まぁ、あまり飲みすぎはよくないよね・・・・・。」
「…‥そうじゃな。あの後こっちに戻ってきて目を開けたら化け物がいたんじゃ・・・。こっちを見て微笑んでて・・・。気がついたら庭の池に飛ばされておったわい・・・・・。」
「・・・・うん。聞きたくなかったかも・・・・。」
ジィジは遠い目をしながら話す。
昨日飲みすぎを止めなかった僕らにも責任はあるからな・・・・。
「と、とにかく昨日はありがとう。ジィジ達が来てくれてうれしかったよ。ユイなんてうれしすぎて、夜中までジィジ達の話して全然寝かせてくれなかったくらいにね。」
「ガッハッハッハ!!お互い女には苦労させられておるの・・・・・。」
「ほんとだね・・・。女は大変だっていうけど男もつらいよね・・・・。」
僕らは二人して遠い目をする。
なんて僕らはちっぽけな存在なんだろう・・・。
「あら弥生お早う。なんだい二人して、間抜けな顔をして。変顔の練習かい?」
「お、お早うばあちゃん。朝からそんなことしないよ。」
「や、弥生は昨日のお礼を言いに来てくれたんじゃよ。」
「あぁ。そういうことかい。昨日はありがとね。それとこのアホが迷惑かけたね。」
ジィジの頭を箒でポンポンと叩くばあちゃん。
何も言えずに悔しそうにしているジィジが哀れに見えた・・・。
「こっちこそありがとう。それにそんなことないよ。ジィジのおかげで、皆「トッププレイヤーだからってうぬぼれてた」って。「目が覚めた」って喜んでたよ。」
今日から皆修行の旅に出るそうだ。
僕らの装備が揃わないうちに他のクランが新しいエリアボスを倒し新しいエリアに入っている。
それでも装備一式は僕らを越える物は出ていない。
しばらく出ないだろう・・・。
「そうかい。それならよかったわね。それとあなた。さっき「目を開けたら化け物が」って聞こえたけどその辺について詳しく聞きましょうか?」
う、嘘だろ・・・。
あの時ばあちゃんは見当たらなかったはずだ・・・。
「じゃあ僕はお参りして帰るよ。学校もあるし・・・・。」
「そうね。本当に昨日はありがとね。とっても楽しかったわ。他の方々にもお礼を言っておいて?」
「良かった。みんなには今日お礼を言っておくよ。じゃあまた明日!!」
「ま、待て弥生。待つんじゃ!ばあさん・・・いつから聞いていた・・・。いや、なぜ聞こえた!!やはりお主の正体は化け物だったのか!!??・・・・・・何故箒を握りつぶす!?何故箒が砂のように粉々なっているんじゃ!!や、やめてく、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
箒を砂状になるくらい粉々に握りつぶすって・・・・。
よくジィジあの年まで生きてるよな・・・・。
昨日見た逞しい背中はもしかしたら、ばあちゃんから生き残る為についた筋肉だったのかもしれないな・・・。
さて、帰りますか。
「おに~ちゃん~。おふぁよ~~。」
「おふぁよ~や~ちゃん。」
「お早う、早く顔洗ってきなさい。」
いつもより眠そうにしている二人。
さては僕が寝た後も昨日の事を話していたな・・・。
昨日はダイブアウトした後簡単な山下哲二の埋葬をした。
「脳」についてはおじさんは知っていた。
そのため「葬式は一度したからいらない」と聞いていたらしいが、さすがに「脳」をそのままにしておくわけにもいかず簡単な埋葬だけして、手を合わせてきた。
「聞いてやーちゃん、昨日ユイったら全然寝かせてくれなかったのよ?」
「だって~。楽しかったんだもん。おじいちゃんにも会えたしAOLすごいよねー。」
まぁ違法なんだけどね。
普通は。
のんきな奴だ・・・。
今日はオムライスが朝ごはんだ。
トマトやコンソメ、刻んだ玉ねぎ人参をご飯と一緒に炊飯器で炊き、朝は卵を焼くだけだ。
もちろんふわとろにする。
「うわ~おいしぃ!!」
「ほんと、ふわふわ卵は最強ね。」
好評で何よりだ。
「お早う二人とも。」
「ん。お早う。」
「おはよう。そっちの二人は眠そうね。」
「ははは。それより、4人に相談があるんだけど・・・。」
「あら、何かしら。AOL関係?」
「うん。今日から北に行こうと思うんだ。もちろん嫌だったら僕一人で行くけど・・・。」
「北?魔の森のことかしら?」
「無謀だよお兄ちゃん。あそこは桁違いに魔物が強いらしいよ。」
「そうよ。恐らく後半に行くところだわ。」
「ん。その前に理由要求。」
僕らは学校に向かいながら話す。
「魔の森」。
そこは大国騎士団でも踏み込まない魔物の大群が潜むエリアだ。
大国の北側には山脈がありそこより北はほとんどがそれだ。
では何故魔物は攻めてこないか。
それは魔の森が異常なほど魔力が多く渦巻いているからだ。
魔物は魔力を食料にし、魔力が高い所に多く生息する。
つまり山を挟んだ王国側は強い魔物にとってほとんど価値のないエリアということになる。
では何故そんな、万が一魔物が流れ込んできたら危険な場所に大国は繁栄したのか。
いや、魔の森があったから繁栄できたともいえる。
まず大国の北側はほとんどがそれだ。
つまり北側から国が攻めてくることはまずない。
まぁ過去に魔の森を越えて攻めてこようとした国があったらしいが、その10万にも及ぶ兵は魔の森に踏み込んだ後、だれ一人帰ってこなかったという・・・。
もちろん大国側にそんな人たちを見たという記録は残っていない。
国にとって東西南北の一カ所だけでも守らなくて済むとなるとそれはかなりのアドバンテージになる。
そして大国は南東もほとんどが海。
それも大きな理由だ。
そして西に存在する、戦争大好きな帝国。
そことの境界にも魔の森は存在し、一カ所だけ空いた道のみが唯一国境を越えてこれる場所となっている。
そのためそこさえ守れば、大国は帝国から身を守ることができる。
これで大国は3か所守らずとも自然と守られていることになるということだ。
こうして大国は大陸一大きく、安全な国と呼ばれるようになった。
大分話がそれた。
だが北には一カ所だけ魔の森とは違う名前で呼ばれている場所がある。
「知っての通り、北にはレベルの高い魔の森が大きく広がっている。だけど、じゃぶじゃぶの里の北にはもう一カ所があったろ?」
「ん。天龍山脈。」
「そう。4大聖獣の「銀龍王」が住んでいたといわれる天龍山脈。そこの谷底に行きたいんだ。」
AOLには聖獣と呼ばれる魔物が100体いる。
そしての上に4大聖獣が存在する。
聖獣とは女神フィリア様が昔魔物から人間を守りために造られた存在であり、4大聖獣はその頂点にいる聖獣だ。
4匹のうち一匹でも一晩暴れれば、一つの大陸がなくなるといわれている。
では何故それを使って魔物を蹂躙しないのか。
それは以前フィリアが言っていた「自分の力は光、それを使った分だけ闇ができる。」そういうことだろう。
また話が逸れた。
「以前フィリアとスーパーマルオをやった時の会話を思い出したんだ。「天龍山脈の麓の谷底に重力魔法を教えてくれる人がいる」って。」
「何それ!!かっこいい!!絶対ユイも行く!」
「そうね「女王様」として知らない魔法があるのはいただけないわね。」
「ん。面白そう。」
「私も行くわ。重力魔法なんて面白そうじゃない。」
こうして僕らの次の目的地が決まった。
「どうしてそんな面白そうなイベント誘ってくんなかったのよ!?」
「だって「私はBLのイベントがある。腐った女達が私を呼んでいるわ。」とか言ってただろ?かっこつけながら。かっこつけながらさ。」
「二回言わないで!!恥ずかしいじゃない!」
恥ずかしがるならやるなよ・・・。
学校の昼休み。
僕らが昨日の話をしていたらナギが突然怒りだした。
「腐るたるもの常にカッコつけたがるものなの!!」
知らんがな。
「ところでタクはどうした?」
「あいつはさぼりよ。今頃新規プレイヤーの勧誘にでも行ってるわよ。」
「学校休んでまでか・・・。アイツらしいといえばアイツらしいが・・・。」
「ふん!!どうせ「鋼鉄の騎士団」のドンの話に感化されたんでしょ。嫁探しの話に。どうでもいいわ。あんな奴。トイレ行ってくる!!」
ユリさんはそれはもうお怒りだった・・・。
激おこぷんぷんぷんぷんぷんぷん丸さんだった・・・・。
・・・懐かしいな。このネタ。
「なぁ、ユリのやつ機嫌悪すぎじゃないか?」
隣でバクバクお弁当を食べていた加奈に聞いた。
「ん~~?あぁ最近ずっとあんな感じだよ?僕も迷惑してるんだ。「古代の島」に行くときユリが船から落ちそうになった時タクが助けたでしょ?あの時から二人はなんか変なんだ。目とか合わせたがらないし。」
「ふ~ん。ついにタクのやつユリに恋心が芽生えたとか?」
「う~ん。どうなんだろ。僕恋とかわかんないし。」
「だろうな。じゃぁ加奈はタクに恋心が芽生えたりしないのか?」
「絶対ないね。あんな浮気しそうな男。僕はどっちかっていうと弥生の方が好きかな?」
「そういう冗談は心臓に悪いからやめなさい。」
「ん~冗談じゃないんだけどな。もし僕が他の男の事好きにならなかったら弥生にもらってもらうつもりだし。ユイユイには許可得てるよ?3人でエッチしようねって。」
・・・・あいつ何許可してんだ。
僕の許可も得ないで・・・。
「あら、なら私も入れてよ。私もどうせ貰い手いないだろうし、弥生なら安心だわ。」
「いいよー!!ナギもハーレム仲間になろー!!」
お前ら結婚を軽く見すぎじゃないか・・・・?
「というかナギ結婚とか興味あったんだな。」
「そりゃ私だって乙女よ。あるに決まっているじゃない。まぁ私が一番幸せになれるのは「タク×弥生」が結婚して私が弥生にもらってもらう。・・・・・あっ、鼻血出てきた・・・。」
「お前は・・・。たまには普通のこと考えられないのか?」
「普通って何?BL普通のことよ?世の中には3種類の人間しかいないわ。攻める男、受ける男。それを見て幸せになる女。それで世界は綺麗に回りつずけるの。「この世。攻めあらば、受けがある。地雷は私の主食。全ての男は我らの主食!!マナーあるボーイズ・ラブ人生を!!ビバ!!腐女子!!ビバ!!腐り!!ああ!!801!!」」
「「・・・・・・・・・・・・・。」」
声高々に語るナギ。
なんだその合言葉は・・・。
クラスの皆は何も聞こえなかったかのように食事を楽しむ。
皆したたかだな。
というか助けてくれ。
この変態に「どう?」みたいな顔を向けられている僕を・・・。
そしてこいつを助けてやってくれ。
こいつはもう助からないのか・・・。
「というかよく、タクとユリがギクシャクしてるところに一緒にいられるな。めんどくさくないか?」
「ん~もう慣れたよ?それに僕、普段から何も考えてないから特に気にならないし。」
「すごいなお前・・・。」
「でしょ~?それにユリは誰かが近くで支えててあげないと、だめになっちゃうからね。」
・・・ちゃんと考えてんじゃん。
まぁそうだよな。
僕も何か力になってあげたいが・・・・・・。
「腐腐腐。それなら皆我が従者となり、世の中を変えて「「うるさい。」」・・・ちっ。もう少しだったんだが・・・。」
全然だめだよ。
何、お前の宗教に入れようとしてんだ。
そして、なぜ今いけると思った?
僕はノーマルだ。
洗脳しないでくれ・・・。
ジィジ大丈夫かな・・・?
タッタッタッ・・・・・・・・。
ハァハァハァ・・・・・・・・。
結局あの後酔っぱらっちゃってばあちゃんに殴られてダイブアウトしちゃったもんな。
皆ばあちゃんにドン引きしてたな・・・。
タッタッタッ・・・・・・・・・・タン!!
ハァハァハァ・・・・・・・・。
まぁしょうがないか。
皆が一時間かけて勝てなかった相手に片手で勝っちゃうんだもんな。
しかも笑顔で・・・・・。
「おぉ、お早う弥生。」
「お早うジィジ。昨日はあの後平気だった?」
「・・・・・・。」
「・・・ま、まぁ、あまり飲みすぎはよくないよね・・・・・。」
「…‥そうじゃな。あの後こっちに戻ってきて目を開けたら化け物がいたんじゃ・・・。こっちを見て微笑んでて・・・。気がついたら庭の池に飛ばされておったわい・・・・・。」
「・・・・うん。聞きたくなかったかも・・・・。」
ジィジは遠い目をしながら話す。
昨日飲みすぎを止めなかった僕らにも責任はあるからな・・・・。
「と、とにかく昨日はありがとう。ジィジ達が来てくれてうれしかったよ。ユイなんてうれしすぎて、夜中までジィジ達の話して全然寝かせてくれなかったくらいにね。」
「ガッハッハッハ!!お互い女には苦労させられておるの・・・・・。」
「ほんとだね・・・。女は大変だっていうけど男もつらいよね・・・・。」
僕らは二人して遠い目をする。
なんて僕らはちっぽけな存在なんだろう・・・。
「あら弥生お早う。なんだい二人して、間抜けな顔をして。変顔の練習かい?」
「お、お早うばあちゃん。朝からそんなことしないよ。」
「や、弥生は昨日のお礼を言いに来てくれたんじゃよ。」
「あぁ。そういうことかい。昨日はありがとね。それとこのアホが迷惑かけたね。」
ジィジの頭を箒でポンポンと叩くばあちゃん。
何も言えずに悔しそうにしているジィジが哀れに見えた・・・。
「こっちこそありがとう。それにそんなことないよ。ジィジのおかげで、皆「トッププレイヤーだからってうぬぼれてた」って。「目が覚めた」って喜んでたよ。」
今日から皆修行の旅に出るそうだ。
僕らの装備が揃わないうちに他のクランが新しいエリアボスを倒し新しいエリアに入っている。
それでも装備一式は僕らを越える物は出ていない。
しばらく出ないだろう・・・。
「そうかい。それならよかったわね。それとあなた。さっき「目を開けたら化け物が」って聞こえたけどその辺について詳しく聞きましょうか?」
う、嘘だろ・・・。
あの時ばあちゃんは見当たらなかったはずだ・・・。
「じゃあ僕はお参りして帰るよ。学校もあるし・・・・。」
「そうね。本当に昨日はありがとね。とっても楽しかったわ。他の方々にもお礼を言っておいて?」
「良かった。みんなには今日お礼を言っておくよ。じゃあまた明日!!」
「ま、待て弥生。待つんじゃ!ばあさん・・・いつから聞いていた・・・。いや、なぜ聞こえた!!やはりお主の正体は化け物だったのか!!??・・・・・・何故箒を握りつぶす!?何故箒が砂のように粉々なっているんじゃ!!や、やめてく、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
箒を砂状になるくらい粉々に握りつぶすって・・・・。
よくジィジあの年まで生きてるよな・・・・。
昨日見た逞しい背中はもしかしたら、ばあちゃんから生き残る為についた筋肉だったのかもしれないな・・・。
さて、帰りますか。
「おに~ちゃん~。おふぁよ~~。」
「おふぁよ~や~ちゃん。」
「お早う、早く顔洗ってきなさい。」
いつもより眠そうにしている二人。
さては僕が寝た後も昨日の事を話していたな・・・。
昨日はダイブアウトした後簡単な山下哲二の埋葬をした。
「脳」についてはおじさんは知っていた。
そのため「葬式は一度したからいらない」と聞いていたらしいが、さすがに「脳」をそのままにしておくわけにもいかず簡単な埋葬だけして、手を合わせてきた。
「聞いてやーちゃん、昨日ユイったら全然寝かせてくれなかったのよ?」
「だって~。楽しかったんだもん。おじいちゃんにも会えたしAOLすごいよねー。」
まぁ違法なんだけどね。
普通は。
のんきな奴だ・・・。
今日はオムライスが朝ごはんだ。
トマトやコンソメ、刻んだ玉ねぎ人参をご飯と一緒に炊飯器で炊き、朝は卵を焼くだけだ。
もちろんふわとろにする。
「うわ~おいしぃ!!」
「ほんと、ふわふわ卵は最強ね。」
好評で何よりだ。
「お早う二人とも。」
「ん。お早う。」
「おはよう。そっちの二人は眠そうね。」
「ははは。それより、4人に相談があるんだけど・・・。」
「あら、何かしら。AOL関係?」
「うん。今日から北に行こうと思うんだ。もちろん嫌だったら僕一人で行くけど・・・。」
「北?魔の森のことかしら?」
「無謀だよお兄ちゃん。あそこは桁違いに魔物が強いらしいよ。」
「そうよ。恐らく後半に行くところだわ。」
「ん。その前に理由要求。」
僕らは学校に向かいながら話す。
「魔の森」。
そこは大国騎士団でも踏み込まない魔物の大群が潜むエリアだ。
大国の北側には山脈がありそこより北はほとんどがそれだ。
では何故魔物は攻めてこないか。
それは魔の森が異常なほど魔力が多く渦巻いているからだ。
魔物は魔力を食料にし、魔力が高い所に多く生息する。
つまり山を挟んだ王国側は強い魔物にとってほとんど価値のないエリアということになる。
では何故そんな、万が一魔物が流れ込んできたら危険な場所に大国は繁栄したのか。
いや、魔の森があったから繁栄できたともいえる。
まず大国の北側はほとんどがそれだ。
つまり北側から国が攻めてくることはまずない。
まぁ過去に魔の森を越えて攻めてこようとした国があったらしいが、その10万にも及ぶ兵は魔の森に踏み込んだ後、だれ一人帰ってこなかったという・・・。
もちろん大国側にそんな人たちを見たという記録は残っていない。
国にとって東西南北の一カ所だけでも守らなくて済むとなるとそれはかなりのアドバンテージになる。
そして大国は南東もほとんどが海。
それも大きな理由だ。
そして西に存在する、戦争大好きな帝国。
そことの境界にも魔の森は存在し、一カ所だけ空いた道のみが唯一国境を越えてこれる場所となっている。
そのためそこさえ守れば、大国は帝国から身を守ることができる。
これで大国は3か所守らずとも自然と守られていることになるということだ。
こうして大国は大陸一大きく、安全な国と呼ばれるようになった。
大分話がそれた。
だが北には一カ所だけ魔の森とは違う名前で呼ばれている場所がある。
「知っての通り、北にはレベルの高い魔の森が大きく広がっている。だけど、じゃぶじゃぶの里の北にはもう一カ所があったろ?」
「ん。天龍山脈。」
「そう。4大聖獣の「銀龍王」が住んでいたといわれる天龍山脈。そこの谷底に行きたいんだ。」
AOLには聖獣と呼ばれる魔物が100体いる。
そしての上に4大聖獣が存在する。
聖獣とは女神フィリア様が昔魔物から人間を守りために造られた存在であり、4大聖獣はその頂点にいる聖獣だ。
4匹のうち一匹でも一晩暴れれば、一つの大陸がなくなるといわれている。
では何故それを使って魔物を蹂躙しないのか。
それは以前フィリアが言っていた「自分の力は光、それを使った分だけ闇ができる。」そういうことだろう。
また話が逸れた。
「以前フィリアとスーパーマルオをやった時の会話を思い出したんだ。「天龍山脈の麓の谷底に重力魔法を教えてくれる人がいる」って。」
「何それ!!かっこいい!!絶対ユイも行く!」
「そうね「女王様」として知らない魔法があるのはいただけないわね。」
「ん。面白そう。」
「私も行くわ。重力魔法なんて面白そうじゃない。」
こうして僕らの次の目的地が決まった。
「どうしてそんな面白そうなイベント誘ってくんなかったのよ!?」
「だって「私はBLのイベントがある。腐った女達が私を呼んでいるわ。」とか言ってただろ?かっこつけながら。かっこつけながらさ。」
「二回言わないで!!恥ずかしいじゃない!」
恥ずかしがるならやるなよ・・・。
学校の昼休み。
僕らが昨日の話をしていたらナギが突然怒りだした。
「腐るたるもの常にカッコつけたがるものなの!!」
知らんがな。
「ところでタクはどうした?」
「あいつはさぼりよ。今頃新規プレイヤーの勧誘にでも行ってるわよ。」
「学校休んでまでか・・・。アイツらしいといえばアイツらしいが・・・。」
「ふん!!どうせ「鋼鉄の騎士団」のドンの話に感化されたんでしょ。嫁探しの話に。どうでもいいわ。あんな奴。トイレ行ってくる!!」
ユリさんはそれはもうお怒りだった・・・。
激おこぷんぷんぷんぷんぷんぷん丸さんだった・・・・。
・・・懐かしいな。このネタ。
「なぁ、ユリのやつ機嫌悪すぎじゃないか?」
隣でバクバクお弁当を食べていた加奈に聞いた。
「ん~~?あぁ最近ずっとあんな感じだよ?僕も迷惑してるんだ。「古代の島」に行くときユリが船から落ちそうになった時タクが助けたでしょ?あの時から二人はなんか変なんだ。目とか合わせたがらないし。」
「ふ~ん。ついにタクのやつユリに恋心が芽生えたとか?」
「う~ん。どうなんだろ。僕恋とかわかんないし。」
「だろうな。じゃぁ加奈はタクに恋心が芽生えたりしないのか?」
「絶対ないね。あんな浮気しそうな男。僕はどっちかっていうと弥生の方が好きかな?」
「そういう冗談は心臓に悪いからやめなさい。」
「ん~冗談じゃないんだけどな。もし僕が他の男の事好きにならなかったら弥生にもらってもらうつもりだし。ユイユイには許可得てるよ?3人でエッチしようねって。」
・・・・あいつ何許可してんだ。
僕の許可も得ないで・・・。
「あら、なら私も入れてよ。私もどうせ貰い手いないだろうし、弥生なら安心だわ。」
「いいよー!!ナギもハーレム仲間になろー!!」
お前ら結婚を軽く見すぎじゃないか・・・・?
「というかナギ結婚とか興味あったんだな。」
「そりゃ私だって乙女よ。あるに決まっているじゃない。まぁ私が一番幸せになれるのは「タク×弥生」が結婚して私が弥生にもらってもらう。・・・・・あっ、鼻血出てきた・・・。」
「お前は・・・。たまには普通のこと考えられないのか?」
「普通って何?BL普通のことよ?世の中には3種類の人間しかいないわ。攻める男、受ける男。それを見て幸せになる女。それで世界は綺麗に回りつずけるの。「この世。攻めあらば、受けがある。地雷は私の主食。全ての男は我らの主食!!マナーあるボーイズ・ラブ人生を!!ビバ!!腐女子!!ビバ!!腐り!!ああ!!801!!」」
「「・・・・・・・・・・・・・。」」
声高々に語るナギ。
なんだその合言葉は・・・。
クラスの皆は何も聞こえなかったかのように食事を楽しむ。
皆したたかだな。
というか助けてくれ。
この変態に「どう?」みたいな顔を向けられている僕を・・・。
そしてこいつを助けてやってくれ。
こいつはもう助からないのか・・・。
「というかよく、タクとユリがギクシャクしてるところに一緒にいられるな。めんどくさくないか?」
「ん~もう慣れたよ?それに僕、普段から何も考えてないから特に気にならないし。」
「すごいなお前・・・。」
「でしょ~?それにユリは誰かが近くで支えててあげないと、だめになっちゃうからね。」
・・・ちゃんと考えてんじゃん。
まぁそうだよな。
僕も何か力になってあげたいが・・・・・・。
「腐腐腐。それなら皆我が従者となり、世の中を変えて「「うるさい。」」・・・ちっ。もう少しだったんだが・・・。」
全然だめだよ。
何、お前の宗教に入れようとしてんだ。
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