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事件の全貌
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「はっはっは!!あの塔は裏技があってな、知力の問題で進むか帰るかって選択肢があっただろ?あの帰る方に進むと出口に出るんだが、そこからも入れるんだ。そしてあの暗い部屋には隠し扉があってそこから一気に頂上へ行けるんだ」
うそ……だろ……。
そんな抜け道があったなんて……。
「あっはっはっは!!!あそこは昔本物ダンジョンだったんだが攻略した後当時の国王の命令で魔力が定期的にたまるようにし、そこを騎士団訓練場にしたんだ。そして試練の塔をクリアした兵士が初めて一人前に認められるんだ」
つまり僕たちの今のレベルは新米兵士くらいしかないわけだ。
「だがよくあいつ相手に生き残ったもんだ。さっきも言ったがあいつは王国では指名手配中の「双剣のリムル」帝国でも屈指の実力を持つ「何でも屋」だ」
「何でも屋?」
「ああ、あいつは金次第でたいてい何でもやるって話だ。盗みに殺しに誘拐、何でもだ。だから帝国内でも結構恨まれているってはなしだ」
「だが聞けば帝国上層部との繋がりが強く恨みを持つ帝国内の人間も、大国でもなかなか手出しができなかったんだ。くそ。今回取り逃がしたのが悔やまれるな」
酔っぱらっていたからな。
場所は僕らのクランホーム。
昨日は疲れと時間の関係で駐屯地でダイブアウト。夕食も簡単にすまし、皆すぐに寝てしまった。
だがその前にみんなに抱き着かれお礼を言われた。香織さんが涙目だったのが本当に驚いた。だが同時に頑張ってよかった。負けたけど、今回は家族を傷つけさせずに終われた。
今日は月曜日。学校が終わり、買い物や家事を済ませ、今日は武器のメンテナンスとジャックの話を聞くためにダイブした。
「でもそんな相手に圧倒的だった二人はすごいんだね!!」
「はっはっはっは!!当然だアイリス!これでも四番隊隊長だからな!!」
謙遜することなく誇るジャック。
だが確かに強かった。二日酔いで僕が勝てなかった相手に二人がかりとはいえ圧倒していたからな。
「だがあれはウィルのおかげでもある。あいつは俺達が到着した頃にはかなり疲労していたからな。流石伝説の流れ人ってとこか……」
「違うよ!!お兄ちゃんだからだよ!」
「ん。弥生だから」
「はっはっはっは!!うらやましいな、おい!こんな美女たちに信頼されてて!一人くらいくれよ!」
「あら、確かにあなたもいい男だけどウィルの足元にも及ばないわ」
「そういうこと。私酒におぼれる人嫌いだし」
「はっはっはっは!!そうか、嫌いか!はっはっはっは!!」
ジャックは気のいい奴だった。そして器がでかい。こういう性格だから隊長が務まり部下がついてくるのかもしれない。僕も彼の下なら働いてもいいと感じてしまうほどだ。
「それで、あの王子様は大丈夫なの?」
「ああ、アレクサンドラ様は今朝目覚められた。どうやらプププとやらの幻術魔法にかかっていたみたいだ」
「そういえば昨日も言ってたわね。そんなこと。幻術魔法って何なの?」
「その名の通り、相手に幻術、つまり幻覚のようなものだな。を、見せる魔法だ。あれは妖精族の種族魔法だからあいつらにしか使えないな。まぁ近いものなら森のエルフたちが使えるって話を聞いたことがあるが」
「あら、それは興味あるわね。幻覚魔法って消えるだけなの?」
「いや、他にも相手を魅了したり混乱させたり眠らしたり様々だ。あいつらは戦闘力はほとんどない。だからそうやって戦わずに逃げるのさ」
「へぇ、魅了ね……」
エリザベスが唇をなめ、こちらを見る。思わず前かがみになってしまった。
「ま、まぁエルフのお前なら森に入って教えてもらえるかもな。今地図を書いてやるよ」
ジャックが少し前かがみのまま立ち上がり近くにあった紙に書きだす。
お前もかいっ。
何ちゃっかり興奮してんだよ……。
「ほらよ」
「ふふっ。ありがと」
ジャックはすでに少し魅了されているようだ。さすが女王様。
「ん。私も覚える。」
「そうね。エリーゼも一緒に魅了覚えて楽しみましょう?」
「ん。さすがお姉ちゃん」
何を楽しむのでしょうか?僕にはわかりません。だからジャックそんなうらやましそうな顔でこっち見ないで。ちょっと顔気持ち悪くなってるから。
「ねえねえ!!それより事件の全貌はわかったの?」
「あ、ああ。昨日のお前たちの話で大体はわかった」
「事はなかなか計画されていることだった。アメリア第一王女、つまり君たちが助けた金髪の少女だが、がよくアレクサンドラ第二王子を城から連れ出し、もう一人の少女、ミア、とよく遊んでいたそうだ。何度もな。そこを誘拐された。まぁそういう事件だった」
全く迷惑な話だ。兵士の人たちも何度も城を抜けだされていては大変だったろうな。
「でもそんな簡単に抜け出せるものなの?」
「ふつうは無理だ。知っての通り城は浮いている。簡単には抜け出せない。が、見張りの一人が毎回きづかないふりをして王女様たちが出かける時間を帝国に流していたんだ。そして攫われた。王女様は慰め物のため、王子さまは血の為に」
「慰め物なんてひどい……」
「ほんと、最低。女性をなんだと思っているの?」
「ん。死ねばいい」
「そうね、それで?血の為にって?」
「あぁ。ひどい話だ。血の為っていうのは、まぁお前らなら・・・。いいか?この世界のどこかに勇者、つまり初代国王の装備一式があるといわれている。どんな姿形かは知らんがな。そしてそれは今は光を失っている、つまり封印されているといわれている。その封印を解くカギが二つ。勇者の血を引くものの存在。そして女神フィリア様とのつながりを持つ流れ人、つまりお前たちの存在だ」
「私たち?」
「ああ、お前たちの世界は魔法がないんだろ?そしてフィリア様に直接魔法を使えるようにしてもらった。つまりフィリア様の魔力がお前たちの魔力の根源だ」
「つまりどちらかがあればその勇者の装備が復活すると?」
「まぁ伝説の話だからな。本当のとこはわからないが」
「ならなぜ王子を?私たちをだまして協力させることだって……」
「無理だな。流れ人は死なない、そしていつでも元の世界に帰れる。つまり操り切れないのさ。なら王子を攫った方が現実的だ。そしてそんなお前らが本当に現れた」
「なるほどね。帝国は焦っていたのね」
「そういうことだ。まだ装備は見つかっていないのに、とりあえずカギとなる王子を攫った。そしてその担当がリムル。そして今日の昼過ぎにあの塔に迎が来て引き渡す根端だったらしい。四番隊の演習にまぎれて、な」
「そいつらは?」
「もちろんもう捕まえたさ、情報を流していた奴らも、王女様を攫ったやつらもな。ただ、リムル達だけは逃がした。相変わらず逃げ足の速い奴だ」
「以前にも?」
「あぁ。といっても直接じゃないがな。部隊で何度か追い詰めたんだがいつもギリギリで逃げやがる。
おそらくあのプププってやつの仕業だったんだろうな。それが分かっただけでも今回は収穫ありだ。これで国王様に怒られずに済む。というかお前ら。俺たちが二日酔いだったことは黙っててくれ!頼む」
怒られてしまえ。
だが命の恩人だ。承諾してやろう。
「まぁだが悪い話ばかりじゃないんだ。今回の事件のおかげでミアが聖女に選ばれた。めでたいことだ」
「ミアって王女様と一緒に攫われた少女だよね?」
「ああ。ミアは貧民街の出身らしくてな。だがなぜか王女様たちと仲がいいらしくてな。身寄りがないらしく、追い返すわけにもいかなくなってな。魔力の適性検査をしたところ、とんでもない光魔法の使い手ってことがわかってな。教会で聖女として育てられることになったんだ」
人生何があるかわからないものだ。とジャックはつぶやく。
「で?いつ城に来てくれるんだ?」
「明日かな。また同じ時間に」
「そうか。助かる。王様たちも早く会いたがっていたからな」
なんか大きな話になってしまったな。今頃ほんとはホームの掃除でもしていただろうに。
ジャックは立ち上がり、ドアに手をかけたところで手が止まる。
「そうそう。忘れてた。ウィル。お前剣が折れたろ?これやるよ。お前なら扱えるはずだ」
そう言って一本の刀身が透き通るような青い剣をくれる。
ーーーーーーーー
ムーンナイトソード
ミスリルでできた剣。その透き通るような青い色からこの名がついた。魔力を通しやすく、魔力に強い。ミスリル鉱石でできている。
STR+21・AGI+28・装備時MP消費二分の一
ーーーーーーーーー
「……いいの?こんないい剣」
「ああ。友達のお前ならそいつを託せる。折れちまった剣の代わりに使ってくれ。そいつは隊長になる前に俺が使っていた剣だ。確かに思い入れはあるが剣は使われてなんぼだ」
「……そういうことなら。大事に使わせてもらうよ」
ああ、そうしてやってくれ。ジャックはは笑顔でそう言い、出ていった。
ーーーーーーーーーーー
・クエスト【英雄を夢見る少年】クリア!!
・報酬
1万G
星降りのネックレス
・シークレットボーナス
ムーンナイトソード
ーーーーーーーーーーーー
「シークレットボーナス??」
「ん。おそらく「ジャックとフレンド登録してる、夢見る少年のクエストをうける、途中で武器破損」この三つが重ならないと得られないんだと思う。データが少ないから正確にはわからないけど。あとお姉ちゃん邪魔」
「知的なちーちゃんかわいすぎ!!お姉ちゃん何言われても離れない!!」
エリザベスがエリーゼに抱き着き頬をこすりつける。
「でもその剣間違いなく今のところ最強の剣だよお兄ちゃん!!あーあ。私も剣壊しておけばよかったよー」
足をぶらぶらさせながらすねるアイリス。
「しょうがないんじゃない?リムル相手に私たちは動くことすらできなかったんだから。アイツ、ほんとに怖かったもの」
思い出しながら顔をしかめるクリス。
それを眺めながら、また僕は生きててよかったと実感した。
「大丈夫よー。私にとって聖女はエリーゼだから。むしろ女神よ!!もっとなでさしてぇ!!」
「ん。ウィル。その剣でこの人切って。真っ二つに。スパッと。おもいきって」
やっぱり僕は戦闘よりこういう日常の方が好きだな、と感じた……。
名前 ウィル
性別 男
年齢15
誕生日2月1日
LV.26
HP.192(+2)
VIT.162(+2)
INT.89(+1)
CRI.86(+1)
STR.112(+2)
DEF.110(+1)
MND.51(+1)
DEX.65(+1)
AGI.142(+2)
MP.76(+2)
LUK.73
ジョブ【 剣士LV4】
サブジョブ【見習い武闘家7】
予備ジョブ【見習い釣り師2】
スキル【身体強化18】【観察18】【投擲8】【ダッシュ18】【剛力14】【見切り14】【夜目10】【聞き耳6】【遠目5】【気配察知7】
予備スキル
【採取2】【採掘4】【釣り6】【料理8】【スコープ1】
パッシブスキル【魔力操作】【集中】
職業スキル【スラッシュ】【早斬り】【チャージ】【兜割り】【魔力剣】【挑発】 【魔力拳】【魔力脚り】 【一本釣り】
装備
・光を失ったリング
・フォレストキャットのリング(AGI+5)
・ブラックウルフの籠手(AGI・STR+3)
・ムーンナイトソード(STR+21.AGI+28 装備時MP消費1/2)
・鱗付きクマさんのローブーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮のローブ。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。フードにクマ耳が付いてる
・鱗付きクマさん手袋ーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の手袋。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。)
・鱗付きクマさん服ーー(カバうさぎの
・鱗が付いた黒い毛皮の服。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。
・鱗付きクマさんズボンーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の服。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。)
・鱗付きクマさん靴下ーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の靴下。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。
・鱗付きクマさんブーツーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮のブーツ。水と火に強く常に涼しい。AGI+5)
・クマさんのタンクトップーー(黒いタンクトップ。着心地は凄くいい。DEF+5)
クマさんのボクサーパンツーー(黒いボクサーパンツ。着心地は凄くいい。DEF+5)
称号
【フィリアの心の友】【森のクマさん討伐隊】【モブの敵】【ジャイアントキリング】【ウルフの敵】
ーーーーーーーーーー
所持金10050G
うそ……だろ……。
そんな抜け道があったなんて……。
「あっはっはっは!!!あそこは昔本物ダンジョンだったんだが攻略した後当時の国王の命令で魔力が定期的にたまるようにし、そこを騎士団訓練場にしたんだ。そして試練の塔をクリアした兵士が初めて一人前に認められるんだ」
つまり僕たちの今のレベルは新米兵士くらいしかないわけだ。
「だがよくあいつ相手に生き残ったもんだ。さっきも言ったがあいつは王国では指名手配中の「双剣のリムル」帝国でも屈指の実力を持つ「何でも屋」だ」
「何でも屋?」
「ああ、あいつは金次第でたいてい何でもやるって話だ。盗みに殺しに誘拐、何でもだ。だから帝国内でも結構恨まれているってはなしだ」
「だが聞けば帝国上層部との繋がりが強く恨みを持つ帝国内の人間も、大国でもなかなか手出しができなかったんだ。くそ。今回取り逃がしたのが悔やまれるな」
酔っぱらっていたからな。
場所は僕らのクランホーム。
昨日は疲れと時間の関係で駐屯地でダイブアウト。夕食も簡単にすまし、皆すぐに寝てしまった。
だがその前にみんなに抱き着かれお礼を言われた。香織さんが涙目だったのが本当に驚いた。だが同時に頑張ってよかった。負けたけど、今回は家族を傷つけさせずに終われた。
今日は月曜日。学校が終わり、買い物や家事を済ませ、今日は武器のメンテナンスとジャックの話を聞くためにダイブした。
「でもそんな相手に圧倒的だった二人はすごいんだね!!」
「はっはっはっは!!当然だアイリス!これでも四番隊隊長だからな!!」
謙遜することなく誇るジャック。
だが確かに強かった。二日酔いで僕が勝てなかった相手に二人がかりとはいえ圧倒していたからな。
「だがあれはウィルのおかげでもある。あいつは俺達が到着した頃にはかなり疲労していたからな。流石伝説の流れ人ってとこか……」
「違うよ!!お兄ちゃんだからだよ!」
「ん。弥生だから」
「はっはっはっは!!うらやましいな、おい!こんな美女たちに信頼されてて!一人くらいくれよ!」
「あら、確かにあなたもいい男だけどウィルの足元にも及ばないわ」
「そういうこと。私酒におぼれる人嫌いだし」
「はっはっはっは!!そうか、嫌いか!はっはっはっは!!」
ジャックは気のいい奴だった。そして器がでかい。こういう性格だから隊長が務まり部下がついてくるのかもしれない。僕も彼の下なら働いてもいいと感じてしまうほどだ。
「それで、あの王子様は大丈夫なの?」
「ああ、アレクサンドラ様は今朝目覚められた。どうやらプププとやらの幻術魔法にかかっていたみたいだ」
「そういえば昨日も言ってたわね。そんなこと。幻術魔法って何なの?」
「その名の通り、相手に幻術、つまり幻覚のようなものだな。を、見せる魔法だ。あれは妖精族の種族魔法だからあいつらにしか使えないな。まぁ近いものなら森のエルフたちが使えるって話を聞いたことがあるが」
「あら、それは興味あるわね。幻覚魔法って消えるだけなの?」
「いや、他にも相手を魅了したり混乱させたり眠らしたり様々だ。あいつらは戦闘力はほとんどない。だからそうやって戦わずに逃げるのさ」
「へぇ、魅了ね……」
エリザベスが唇をなめ、こちらを見る。思わず前かがみになってしまった。
「ま、まぁエルフのお前なら森に入って教えてもらえるかもな。今地図を書いてやるよ」
ジャックが少し前かがみのまま立ち上がり近くにあった紙に書きだす。
お前もかいっ。
何ちゃっかり興奮してんだよ……。
「ほらよ」
「ふふっ。ありがと」
ジャックはすでに少し魅了されているようだ。さすが女王様。
「ん。私も覚える。」
「そうね。エリーゼも一緒に魅了覚えて楽しみましょう?」
「ん。さすがお姉ちゃん」
何を楽しむのでしょうか?僕にはわかりません。だからジャックそんなうらやましそうな顔でこっち見ないで。ちょっと顔気持ち悪くなってるから。
「ねえねえ!!それより事件の全貌はわかったの?」
「あ、ああ。昨日のお前たちの話で大体はわかった」
「事はなかなか計画されていることだった。アメリア第一王女、つまり君たちが助けた金髪の少女だが、がよくアレクサンドラ第二王子を城から連れ出し、もう一人の少女、ミア、とよく遊んでいたそうだ。何度もな。そこを誘拐された。まぁそういう事件だった」
全く迷惑な話だ。兵士の人たちも何度も城を抜けだされていては大変だったろうな。
「でもそんな簡単に抜け出せるものなの?」
「ふつうは無理だ。知っての通り城は浮いている。簡単には抜け出せない。が、見張りの一人が毎回きづかないふりをして王女様たちが出かける時間を帝国に流していたんだ。そして攫われた。王女様は慰め物のため、王子さまは血の為に」
「慰め物なんてひどい……」
「ほんと、最低。女性をなんだと思っているの?」
「ん。死ねばいい」
「そうね、それで?血の為にって?」
「あぁ。ひどい話だ。血の為っていうのは、まぁお前らなら・・・。いいか?この世界のどこかに勇者、つまり初代国王の装備一式があるといわれている。どんな姿形かは知らんがな。そしてそれは今は光を失っている、つまり封印されているといわれている。その封印を解くカギが二つ。勇者の血を引くものの存在。そして女神フィリア様とのつながりを持つ流れ人、つまりお前たちの存在だ」
「私たち?」
「ああ、お前たちの世界は魔法がないんだろ?そしてフィリア様に直接魔法を使えるようにしてもらった。つまりフィリア様の魔力がお前たちの魔力の根源だ」
「つまりどちらかがあればその勇者の装備が復活すると?」
「まぁ伝説の話だからな。本当のとこはわからないが」
「ならなぜ王子を?私たちをだまして協力させることだって……」
「無理だな。流れ人は死なない、そしていつでも元の世界に帰れる。つまり操り切れないのさ。なら王子を攫った方が現実的だ。そしてそんなお前らが本当に現れた」
「なるほどね。帝国は焦っていたのね」
「そういうことだ。まだ装備は見つかっていないのに、とりあえずカギとなる王子を攫った。そしてその担当がリムル。そして今日の昼過ぎにあの塔に迎が来て引き渡す根端だったらしい。四番隊の演習にまぎれて、な」
「そいつらは?」
「もちろんもう捕まえたさ、情報を流していた奴らも、王女様を攫ったやつらもな。ただ、リムル達だけは逃がした。相変わらず逃げ足の速い奴だ」
「以前にも?」
「あぁ。といっても直接じゃないがな。部隊で何度か追い詰めたんだがいつもギリギリで逃げやがる。
おそらくあのプププってやつの仕業だったんだろうな。それが分かっただけでも今回は収穫ありだ。これで国王様に怒られずに済む。というかお前ら。俺たちが二日酔いだったことは黙っててくれ!頼む」
怒られてしまえ。
だが命の恩人だ。承諾してやろう。
「まぁだが悪い話ばかりじゃないんだ。今回の事件のおかげでミアが聖女に選ばれた。めでたいことだ」
「ミアって王女様と一緒に攫われた少女だよね?」
「ああ。ミアは貧民街の出身らしくてな。だがなぜか王女様たちと仲がいいらしくてな。身寄りがないらしく、追い返すわけにもいかなくなってな。魔力の適性検査をしたところ、とんでもない光魔法の使い手ってことがわかってな。教会で聖女として育てられることになったんだ」
人生何があるかわからないものだ。とジャックはつぶやく。
「で?いつ城に来てくれるんだ?」
「明日かな。また同じ時間に」
「そうか。助かる。王様たちも早く会いたがっていたからな」
なんか大きな話になってしまったな。今頃ほんとはホームの掃除でもしていただろうに。
ジャックは立ち上がり、ドアに手をかけたところで手が止まる。
「そうそう。忘れてた。ウィル。お前剣が折れたろ?これやるよ。お前なら扱えるはずだ」
そう言って一本の刀身が透き通るような青い剣をくれる。
ーーーーーーーー
ムーンナイトソード
ミスリルでできた剣。その透き通るような青い色からこの名がついた。魔力を通しやすく、魔力に強い。ミスリル鉱石でできている。
STR+21・AGI+28・装備時MP消費二分の一
ーーーーーーーーー
「……いいの?こんないい剣」
「ああ。友達のお前ならそいつを託せる。折れちまった剣の代わりに使ってくれ。そいつは隊長になる前に俺が使っていた剣だ。確かに思い入れはあるが剣は使われてなんぼだ」
「……そういうことなら。大事に使わせてもらうよ」
ああ、そうしてやってくれ。ジャックはは笑顔でそう言い、出ていった。
ーーーーーーーーーーー
・クエスト【英雄を夢見る少年】クリア!!
・報酬
1万G
星降りのネックレス
・シークレットボーナス
ムーンナイトソード
ーーーーーーーーーーーー
「シークレットボーナス??」
「ん。おそらく「ジャックとフレンド登録してる、夢見る少年のクエストをうける、途中で武器破損」この三つが重ならないと得られないんだと思う。データが少ないから正確にはわからないけど。あとお姉ちゃん邪魔」
「知的なちーちゃんかわいすぎ!!お姉ちゃん何言われても離れない!!」
エリザベスがエリーゼに抱き着き頬をこすりつける。
「でもその剣間違いなく今のところ最強の剣だよお兄ちゃん!!あーあ。私も剣壊しておけばよかったよー」
足をぶらぶらさせながらすねるアイリス。
「しょうがないんじゃない?リムル相手に私たちは動くことすらできなかったんだから。アイツ、ほんとに怖かったもの」
思い出しながら顔をしかめるクリス。
それを眺めながら、また僕は生きててよかったと実感した。
「大丈夫よー。私にとって聖女はエリーゼだから。むしろ女神よ!!もっとなでさしてぇ!!」
「ん。ウィル。その剣でこの人切って。真っ二つに。スパッと。おもいきって」
やっぱり僕は戦闘よりこういう日常の方が好きだな、と感じた……。
名前 ウィル
性別 男
年齢15
誕生日2月1日
LV.26
HP.192(+2)
VIT.162(+2)
INT.89(+1)
CRI.86(+1)
STR.112(+2)
DEF.110(+1)
MND.51(+1)
DEX.65(+1)
AGI.142(+2)
MP.76(+2)
LUK.73
ジョブ【 剣士LV4】
サブジョブ【見習い武闘家7】
予備ジョブ【見習い釣り師2】
スキル【身体強化18】【観察18】【投擲8】【ダッシュ18】【剛力14】【見切り14】【夜目10】【聞き耳6】【遠目5】【気配察知7】
予備スキル
【採取2】【採掘4】【釣り6】【料理8】【スコープ1】
パッシブスキル【魔力操作】【集中】
職業スキル【スラッシュ】【早斬り】【チャージ】【兜割り】【魔力剣】【挑発】 【魔力拳】【魔力脚り】 【一本釣り】
装備
・光を失ったリング
・フォレストキャットのリング(AGI+5)
・ブラックウルフの籠手(AGI・STR+3)
・ムーンナイトソード(STR+21.AGI+28 装備時MP消費1/2)
・鱗付きクマさんのローブーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮のローブ。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。フードにクマ耳が付いてる
・鱗付きクマさん手袋ーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の手袋。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。)
・鱗付きクマさん服ーー(カバうさぎの
・鱗が付いた黒い毛皮の服。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。
・鱗付きクマさんズボンーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の服。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。)
・鱗付きクマさん靴下ーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮の靴下。水と火に強く常に涼しい。DEF.MID+5。
・鱗付きクマさんブーツーー(カバうさぎの
鱗が付いた黒い毛皮のブーツ。水と火に強く常に涼しい。AGI+5)
・クマさんのタンクトップーー(黒いタンクトップ。着心地は凄くいい。DEF+5)
クマさんのボクサーパンツーー(黒いボクサーパンツ。着心地は凄くいい。DEF+5)
称号
【フィリアの心の友】【森のクマさん討伐隊】【モブの敵】【ジャイアントキリング】【ウルフの敵】
ーーーーーーーーーー
所持金10050G
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