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Act 3
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なんでこんなことになってるんだろうか?
目の前で起こってる出来事と、自分の身に起きてる出来事に思考回路がついていかず俺は現実逃避を始めたくなった。
ことの出来事は数時間前。
俺は数人の生徒に追われていた。理由もわからず、追いかけられて怖くて逃げてた。
逃げて、逃げて、廊下の角を曲がったところで誰かとぶつかり、そこからの記憶がキレイさっぱりと消えた。
目を覚ませば見知らぬ場所で俺の両腕は後ろで拘束されていた。
「やぁ、起きたかい」
そんな声が飛んできて声のした方を見ればこれまた見知らぬ人物。
「誰だ?」
誰かわからず聞けば
「僕かい?僕は戌東圭都3年だよ」
にっこりと、でもどこか胡散臭い笑みを浮かべる。
「先輩が俺になんのようですか?しかもこんな拘束までして」
眉間に皺を寄せながら問えば
「君に関して言い噂を聞いたんでね。ちょっと試してみたくてさ」
なんて胡散臭い笑みを浮かべたままで言ってくる。なんだかイヤな予感がして冷や汗が出てきた。
「試すって何を?」
俺が聞くと先輩はニヤァって笑い
「漫画みたいな恋がしたいんだろ?ならこういうのも経験したいんじゃないのかなぁって」
言いながら、引きずり出してきたのは気を失ってるのかピクリとも動かない矢岳だった。
「や…矢岳。おい、矢岳」
俺が声をかければ
「いっ、つつ。って埜上と誰だ?」
目を覚ましたのか矢岳が言ってくる。
「君はそこで見学してるといいよ。親友が目の前で犯されていく術をね」
なんて言いながら先輩が覆い被さってくる。
「やめろ、俺はこんなの望んじゃない」
先輩から逃れようと動くけどびくともしない。
「うるさい口だ」
なんて言いながら顎を掴まれ唇を奪われた。
ッ、キモチワルイ、キモチワルイ、
「やめろ、そいつに触れるな」
後ろで矢岳が叫んでる。
「いいねぇ、ゾクゾクするよ。君の悲痛な叫びと自分の下で恐怖で歪む顔が見えるなんて」
先輩から出てくる言葉に俺の顔が青ざめていく。
「さぁ、もっと、もっと、僕に見せてくれ」
なんて言いながら俺のネクタイに手が延び外されていく。ブチブチいいながら引き裂かれるワイシャツ。
「やめろ、離せよ」
触れられた場所が気持ち悪くて、今ここから逃げ出したい。
「やめろ、やめろー」
俺の見えない場所で矢岳が叫んでる。
「ふふふ、楽しいなぁこれ」
なんて言いながら先輩の手が素肌に触れてくる。俺は気持ち悪くて、唇を噛み締めた。
切れたってかまわない。
俺はぎゅっと切れるんじゃないかってぐらい噛み締めた。声なんか出すものか。
「やめろー、なんて言うと思ったか?」
急にそんな冷めた声がしたと思ったら俺の上に覆い被さっていた先輩の身体が飛んだ。
「えっ?」
「はっ?」
俺と先輩の言葉が重なった。
「あー、頭いてぇー。しかも血が出てやがる」
なんて言いながら首をゴキゴキ鳴らしながら俺の前に座り、先輩と向き合う。
「なんで、動ける!ちゃんと縛ったはずだ!」
先輩が驚きながら叫んでる。
「うるせぇ。叫ぶな。あんな簡単な縛り方、俺にはきかねぇんだよ。縛るならもっと、ちゃんと縛らねぇとなぁ」
なんて、顔は笑ってるのに目が笑ってない。
あっ、これヤバいヤツ。あいつ無茶苦茶怒ってる。
そこからはあっという間だった。
「いた、痛い痛い。外したまえ。なぁ」
なんて先輩が悲鳴をあげる。
「うるせぇなぁ。外すわけねぇだろ。現行犯逮捕だ。あんたは風紀委員室に連行だよ」
矢岳の言葉に反応するように扉が開き、副委員長と他数人の風紀委員が来て先輩を連れて行った。
帰り際に副委員長が矢岳に何かを渡してた気がするけどなんだろう?
「さて、気分はどうよ?」
なんて俺と向き合う様に座り直して聞いてくる。
「いいわけないだろ!気持ち悪かったし、怖かったし!」
半ギレしながら言えば
「自分で撒いた、種だ」
なんて冷たく言われた。グッと唇を噛み締めた。唇が切れるのも気にしないぐらいに強く噛み締めた。
「噛み締めんな、切れて血が出てる」
グイって親指で唇を強引に開かせる。口の中に広がる鉄の味。
「うるさい。離せよ、腕のヤツとれよ」
色んな意味で悔しくて八つ当たりしてた。
「うるせぇなぁ、このままお前を外に放り出せば色んなヤツが可愛がってくれるぜ」
なんてとんでもないことを言ってくれやがる。
「お前にとって俺はそんだけの価値なんだろ。気まぐれで助けただけで本当はどうでもいんだろ」
本当はそんなこと思ってないけど勝手に言葉となって出た。
この男がまだ怒ってるっていうのを忘れて…。
「ふざけんな。お前がいつもバカやるからこっちも毎度大変なんだよ!」
珍しく怒鳴られた。
「知るかよ!お前が勝手に大変なだろ!」
売り言葉に買い言葉って言うんだろうな。
「はっ、じゃぁこのままお前に本当の恐怖ってヤツを教えてやるよ」
「なっ、んっ、ふぅ、ぁ」
そんな言葉と共に俺の唇は矢岳によって奪われた。
「んっ、ふぅ、ぁ、やぁ、んっ、ぁ」
顎を掴まれてて逃げられない。強引に舌が入り込んできて絡めていく。
「んっ、ふぅ、ぁ、ん、や、たぁ、んんっ、ぁ」
執拗に攻められて、息苦しいとか、気持ちいいとか、訳のわからない感情が支配していく。
先輩の時はあんなにも気持ち悪かったのに。
キスをしたまま押し倒されて動けない状態で首筋に唇が寄せられ、少し熱い唇が首筋にキスを落とす。
「んっ、ちょっ、待って、拓海、待って、ホント、待って」
これ以上は感情が付いてこない。
「ちったぁ、わかったか」
顔を上げた矢岳の瞳はいつになく冷たくて、怖いと思った。小さく頷けば小さな溜め息をつきながら俺を抱き起すと後ろで拘束されてる腕を開放してくれた。
「ごめん」
小さく謝れば
「お前に何もなくてよかった。悪かったな嫌な思いさせて」
ふわりと優しく頭を撫でていく大きな手。ドキリと胸が高めく。
「ったく、唇が思いっきり切れてんじゃねぇか」
親指で唇を拭っていく。それも自然な動きで。
「っ、っ、っ」
マジでこいつ何?こいつなんで俺のツボ押しまくりなわけ?
「ほら、これに着替えろ。シャツのボタン吹っ飛んでるからな」
そう言いながら差し出されたのは新しいシャツ。
「いつの間に?」
それを受け取りながら聞けば
「副に頼んどいたからな。あー、やべぇ、血が止まってねぇ」
なんて言いながらクルリと後ろを向き自分の頭を触っている。
俺が他人に着替えを見られるのを嫌うのを知ってるからこその行動。俺は矢岳の言葉を気にしつつ新しいシャツに急いで着替えた。
「あいつに殴られたってことだよな?」
着替え終えてから声をかければ
「ん?あぁ、ガードしてはいたけどな。ピンチの時に助けてもらうのはお姫様の特権だぞ?」
なんて急に言われて
「っ、っ」
今までのことを思い出して
「なんでだよぉ…思い出させるなよぉ」
キスされた首筋を押さえて蹲った。
マジでヤダこいつ。なんでこうも俺のツボを押しまくりなんだよ…。
ドキドキと高鳴った胸がやっと治まりかけてたのに…。
「もぉやだぁ心臓痛いぃ」
胸が高鳴りすぎて心臓痛い。もうほんと勘弁してくれよ。
「まぁ、慣れることだな。その痛みに」
なんて言いながら蹲った俺の隣に倒れるように横になった矢岳の顔を見て俺は真っ蒼になった。
「ちょっ、矢岳。お前血が…」
額からタリーっと鮮血が流れ落ちていた。さっき血が止まってないって…。
俺は半泣き状態で柚木に電話して助けを呼んだのだった。
ホントなんでこんなことになったんだろう?
マジで訳が分かんないよ。
Fin
目の前で起こってる出来事と、自分の身に起きてる出来事に思考回路がついていかず俺は現実逃避を始めたくなった。
ことの出来事は数時間前。
俺は数人の生徒に追われていた。理由もわからず、追いかけられて怖くて逃げてた。
逃げて、逃げて、廊下の角を曲がったところで誰かとぶつかり、そこからの記憶がキレイさっぱりと消えた。
目を覚ませば見知らぬ場所で俺の両腕は後ろで拘束されていた。
「やぁ、起きたかい」
そんな声が飛んできて声のした方を見ればこれまた見知らぬ人物。
「誰だ?」
誰かわからず聞けば
「僕かい?僕は戌東圭都3年だよ」
にっこりと、でもどこか胡散臭い笑みを浮かべる。
「先輩が俺になんのようですか?しかもこんな拘束までして」
眉間に皺を寄せながら問えば
「君に関して言い噂を聞いたんでね。ちょっと試してみたくてさ」
なんて胡散臭い笑みを浮かべたままで言ってくる。なんだかイヤな予感がして冷や汗が出てきた。
「試すって何を?」
俺が聞くと先輩はニヤァって笑い
「漫画みたいな恋がしたいんだろ?ならこういうのも経験したいんじゃないのかなぁって」
言いながら、引きずり出してきたのは気を失ってるのかピクリとも動かない矢岳だった。
「や…矢岳。おい、矢岳」
俺が声をかければ
「いっ、つつ。って埜上と誰だ?」
目を覚ましたのか矢岳が言ってくる。
「君はそこで見学してるといいよ。親友が目の前で犯されていく術をね」
なんて言いながら先輩が覆い被さってくる。
「やめろ、俺はこんなの望んじゃない」
先輩から逃れようと動くけどびくともしない。
「うるさい口だ」
なんて言いながら顎を掴まれ唇を奪われた。
ッ、キモチワルイ、キモチワルイ、
「やめろ、そいつに触れるな」
後ろで矢岳が叫んでる。
「いいねぇ、ゾクゾクするよ。君の悲痛な叫びと自分の下で恐怖で歪む顔が見えるなんて」
先輩から出てくる言葉に俺の顔が青ざめていく。
「さぁ、もっと、もっと、僕に見せてくれ」
なんて言いながら俺のネクタイに手が延び外されていく。ブチブチいいながら引き裂かれるワイシャツ。
「やめろ、離せよ」
触れられた場所が気持ち悪くて、今ここから逃げ出したい。
「やめろ、やめろー」
俺の見えない場所で矢岳が叫んでる。
「ふふふ、楽しいなぁこれ」
なんて言いながら先輩の手が素肌に触れてくる。俺は気持ち悪くて、唇を噛み締めた。
切れたってかまわない。
俺はぎゅっと切れるんじゃないかってぐらい噛み締めた。声なんか出すものか。
「やめろー、なんて言うと思ったか?」
急にそんな冷めた声がしたと思ったら俺の上に覆い被さっていた先輩の身体が飛んだ。
「えっ?」
「はっ?」
俺と先輩の言葉が重なった。
「あー、頭いてぇー。しかも血が出てやがる」
なんて言いながら首をゴキゴキ鳴らしながら俺の前に座り、先輩と向き合う。
「なんで、動ける!ちゃんと縛ったはずだ!」
先輩が驚きながら叫んでる。
「うるせぇ。叫ぶな。あんな簡単な縛り方、俺にはきかねぇんだよ。縛るならもっと、ちゃんと縛らねぇとなぁ」
なんて、顔は笑ってるのに目が笑ってない。
あっ、これヤバいヤツ。あいつ無茶苦茶怒ってる。
そこからはあっという間だった。
「いた、痛い痛い。外したまえ。なぁ」
なんて先輩が悲鳴をあげる。
「うるせぇなぁ。外すわけねぇだろ。現行犯逮捕だ。あんたは風紀委員室に連行だよ」
矢岳の言葉に反応するように扉が開き、副委員長と他数人の風紀委員が来て先輩を連れて行った。
帰り際に副委員長が矢岳に何かを渡してた気がするけどなんだろう?
「さて、気分はどうよ?」
なんて俺と向き合う様に座り直して聞いてくる。
「いいわけないだろ!気持ち悪かったし、怖かったし!」
半ギレしながら言えば
「自分で撒いた、種だ」
なんて冷たく言われた。グッと唇を噛み締めた。唇が切れるのも気にしないぐらいに強く噛み締めた。
「噛み締めんな、切れて血が出てる」
グイって親指で唇を強引に開かせる。口の中に広がる鉄の味。
「うるさい。離せよ、腕のヤツとれよ」
色んな意味で悔しくて八つ当たりしてた。
「うるせぇなぁ、このままお前を外に放り出せば色んなヤツが可愛がってくれるぜ」
なんてとんでもないことを言ってくれやがる。
「お前にとって俺はそんだけの価値なんだろ。気まぐれで助けただけで本当はどうでもいんだろ」
本当はそんなこと思ってないけど勝手に言葉となって出た。
この男がまだ怒ってるっていうのを忘れて…。
「ふざけんな。お前がいつもバカやるからこっちも毎度大変なんだよ!」
珍しく怒鳴られた。
「知るかよ!お前が勝手に大変なだろ!」
売り言葉に買い言葉って言うんだろうな。
「はっ、じゃぁこのままお前に本当の恐怖ってヤツを教えてやるよ」
「なっ、んっ、ふぅ、ぁ」
そんな言葉と共に俺の唇は矢岳によって奪われた。
「んっ、ふぅ、ぁ、やぁ、んっ、ぁ」
顎を掴まれてて逃げられない。強引に舌が入り込んできて絡めていく。
「んっ、ふぅ、ぁ、ん、や、たぁ、んんっ、ぁ」
執拗に攻められて、息苦しいとか、気持ちいいとか、訳のわからない感情が支配していく。
先輩の時はあんなにも気持ち悪かったのに。
キスをしたまま押し倒されて動けない状態で首筋に唇が寄せられ、少し熱い唇が首筋にキスを落とす。
「んっ、ちょっ、待って、拓海、待って、ホント、待って」
これ以上は感情が付いてこない。
「ちったぁ、わかったか」
顔を上げた矢岳の瞳はいつになく冷たくて、怖いと思った。小さく頷けば小さな溜め息をつきながら俺を抱き起すと後ろで拘束されてる腕を開放してくれた。
「ごめん」
小さく謝れば
「お前に何もなくてよかった。悪かったな嫌な思いさせて」
ふわりと優しく頭を撫でていく大きな手。ドキリと胸が高めく。
「ったく、唇が思いっきり切れてんじゃねぇか」
親指で唇を拭っていく。それも自然な動きで。
「っ、っ、っ」
マジでこいつ何?こいつなんで俺のツボ押しまくりなわけ?
「ほら、これに着替えろ。シャツのボタン吹っ飛んでるからな」
そう言いながら差し出されたのは新しいシャツ。
「いつの間に?」
それを受け取りながら聞けば
「副に頼んどいたからな。あー、やべぇ、血が止まってねぇ」
なんて言いながらクルリと後ろを向き自分の頭を触っている。
俺が他人に着替えを見られるのを嫌うのを知ってるからこその行動。俺は矢岳の言葉を気にしつつ新しいシャツに急いで着替えた。
「あいつに殴られたってことだよな?」
着替え終えてから声をかければ
「ん?あぁ、ガードしてはいたけどな。ピンチの時に助けてもらうのはお姫様の特権だぞ?」
なんて急に言われて
「っ、っ」
今までのことを思い出して
「なんでだよぉ…思い出させるなよぉ」
キスされた首筋を押さえて蹲った。
マジでヤダこいつ。なんでこうも俺のツボを押しまくりなんだよ…。
ドキドキと高鳴った胸がやっと治まりかけてたのに…。
「もぉやだぁ心臓痛いぃ」
胸が高鳴りすぎて心臓痛い。もうほんと勘弁してくれよ。
「まぁ、慣れることだな。その痛みに」
なんて言いながら蹲った俺の隣に倒れるように横になった矢岳の顔を見て俺は真っ蒼になった。
「ちょっ、矢岳。お前血が…」
額からタリーっと鮮血が流れ落ちていた。さっき血が止まってないって…。
俺は半泣き状態で柚木に電話して助けを呼んだのだった。
ホントなんでこんなことになったんだろう?
マジで訳が分かんないよ。
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