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問題は皿の上に山積しているようです

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 全ての団員さんと話し終わって、どわーーと疲れが出てきた。

 これが毎日ってかなりきつい。
 基本こちらは週5日の出勤?体制にしてもらったから、あと4日働けばお休みだ。

 たぶん、殿下の膝枕事件のあと、シモンの想い人の話、そして、あのジンとの約束でげっそりとやつれてしまった感がある。

 部屋についたのは早めの夕方だった。
 早く終わるだけありがたい。

 もう疲れすぎて、パンダの着ぐるみを浴室で脱ぎ捨て、軽くシャワーを浴びてそのままベットに潜り込んだ。

 体が思うように動かないくらいに睡魔に取り憑かれていた私は、誰かが、また自分の戸をどんどんと叩いているのに気が付いたが無視をしていた。
 ちょっと放って置いて……ください。
 それくらいに疲れたのだ。

 だが、それは良くないことだった。
 鍵が開ける音がした。

「え? なに?」

 思わず、怖くて、布団の中に潜った。

「ぱ、パンティさん、寝ていたのか? すまん、ドアをマスターキーで開けた」
「!!!」

 まずい。リュークだ。
 布団の中から、声をだした。
 だって、布団の中は咲、そのままだからだ。

「どうした? 風邪か? ちょっと見せろ」
「だめです!! 覗かないでください!!」
「!!!」
「なぜだ?」
「だって!!!」

 恥ずかしいからです! とは言えない。
 もちろん、パンダでもないからだとも言えない。

 正直、自分が自分のままでリュークの前に出て見たいという気持ちはあった。
 だけれど、彼の反応を確かめるのは怖い。
 これが本当の咲なの……っと言いたかったけど。

 でも、このままではまずい。
 騎士団から追い出されてしまう。

「ごめんなさい。どうしても嫌なんです……」

 最低だ。最低。
 なんてわがままな自分なんだと自己嫌悪に陥る。
 すこし軽いため息が聞こえた。

「……わかった。なにかとても疲れた足取りだったと、最後に確認したジークが言っていたから。夕食はもちろん届けるつもりではいたが……なにも言ってこないし。届けた団員が一回また食堂に戻ってきたんだ。それを俺が聞いて駆けつけてきたんだ……」
「すいません。初日で、緊張していて……」
「……そっか。わかった。だったら、今ここに夕食を置いていくから、そのまま寝てろ」

「……ありがとうございます」

 急にぐっと布団の中の空間が狭くなる。
 え?っと思っていたら、どうやら、かけ布団の上から、リュークが抱きしめているらしかった。

「たくさん寝ろよ……」

 きっと顔が赤くなっている私が答える。

「……はい、ありがとうございます」

 帰り際のリュークの言葉に度肝をぬかれた。

「あ、パンティさんは意外と細いんだな。今びっくりした」

 バタンとドアが閉まり、足音が遠のくのを聞いてから飛び起きた。
 掛け布団など、勢いがあり過ぎて床に落ちたくらいだ。
 自分の目で確認した。

 浴室のドアは!!

 ビバ私!!
 えらい私!
 最高!!

 なぜなら、浴室をあけたら、すぐにパンダの着ぐるみがあるのだ。

 本当はこちらの部屋におこうかと思っていたが、なぜか嫌な予感がしてまた浴室におき戻したのだ。
 もうあれだな、浴室が定位置にさえしようと思ってきた。

 よかった。

 が、問題がここで増えた。
 リュークがマスターキーを持っているという恐ろしい事実を聞かされて、この寄宿舎に隠れてするのはなかなか難しくなってきているように感じた。

 もう一回、鍵がかかっているのを確かめて、ご飯をいただく。

 ああ、やっぱりご飯。
 美味しい。

 でもご飯後にすることは決まった。
 図書館に行こう!
 レオさんに連絡しなければ……。

 ただ、まだご飯をもぐもぐ食べながら、考えた。

 あれ?
 おかしいな?
 でもなんでリューク、ハグしたの?

 疑問がさらに疑問を呼ぶ。

 ああ、わかんない!

 片山咲。
 苦手な食べ物、最後まで皿に残すタイプです。
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