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御曹司はご乱心
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「那月、お前俺の婚約者になってくれないか?」
今朝方、いつものようにまだ人影がまばらなオフィスに入り、通常業務のように机を拭き、今日やるべき書類にさっと目を通し、またいつものように自分の上司、この木原グループの御曹司、木原海斗社長に彼のお気に入りのコーヒー専門店でローストされたコーヒーの豆を挽いて、淹れたてのブレンドコーヒーをそのテーブルに置いた直後だった。
「はぁ?」
目が点になるということを実感しながら、目の前の男を見つめる。
お互いの視線が初めてはっきりと交差した。
業界でも時々有名女優やタレントの本命彼氏としても、ゴシップ雑誌を賑わしている切れ長の色っぽい目尻をもつこの男は、社内外でも完璧男子と言われるくらいに、仕事面では完璧だ。
木原海斗。三十一歳。木原グループの御曹司。
現在木原株式会社の社長でもある。
木原社長は、祖母がイギリス人というだけあって、少し柔らかい印象の甘栗色の髪を少し揺らしながらこちらをじっと見ていた。
これは何かの業務命令の一部なのだろうか?
まるでこれから常務を呼び出してくれっ的な勢いで言われた言葉を思い出す。
いや、どっかの物産の社長とのアポをとってくれ的な言い方かな…っとも思う。だが、口からはおうむ返しのような言葉しか出てこなかった。
「こ、婚約者?」
「…そうだ。俺の婚約者だ」
社長、御乱心?
何気に見ると、いつも100パーセント完璧である髪型が何気にぼさっとしている。
スーツももちろん某高級店のカリスマテーラーの手によるフルオーダーメイドでピシッとしているはずなのだが、若干よれている気がする。
社長、なにか悩み過ぎて突然変な病気を起こしたのかもしれないと…様子を伺いながら彼を覗き見る。
しかし、彼の表情は真剣だ。
なんて答えていいのかがわからなくなり、朝一番のまだ回転がゆるい自分の頭の中のネジ巻きを一緒懸命にフル回転させていく。沈黙が耳に痛い。
あっと自分の中の頭に考えが浮かんだ。
朝電車の中吊り広告を思い出したのだ。
『有名女優Y結婚秒読みか。お相手は某財閥の御曹司K氏』
ああそうか。この前、ゲストとして参加した高級車の新車発表のイベントで知り合った柳原渚という人気女優がこの前会社にわざわざ電話をよこしてきたことを思い出した。
また社長。お愛想を振り撒きすぎてストーキングされてる?
今日は思っていたよりも早く社長が出勤したため、まだ朝の日課、経済紙やエンターテイメントの記事について目を通していなかった。
あの中吊りが出るのを心配してこの有様か…。
それとも本命にバレるのが怖くてこの醜態なのだろうか?
結構鉄仮面とか言われているわりには意外に繊細なんだからと思慮しつつ、この社長にしては珍しいこともあるものだとマジマジと自分をずっと見続ける男を眺め見る。
これから自分がやらなくてはならないことを整理した。
なぜなら、自分はこの御曹司の秘密を知っているからだ。
この報道が真実であるはずがない。
これはもうちょっとエンターテイメントの欄を読まないといけないのかな?と思っていると、急に現実の世界に戻されるように木原が唸るように声を出した。
「返事は?」
彼のイライラしている様子が、お気に入りのコーヒーが美しいラインのモダンな白いカップの中でどんどん冷えていく様子でわかる。
彼はコーヒーを飲んでいる間は、ソーサーにカップをあまり間をおかずにどんどんと飲んでいくのだ。それがどうだろうか。まだ一口も飲んでいない様子だ。
いや手さえつけていない。
嫌な予感しかしない。
「え? あ、返事って…」
相手はまだブスッとした尊大な顔で、腕を前に組んでこちらを見ている。御曹司様はなぜかいるだけで高貴そうに見えるから、徳なのか損なのかがよくわからない。
ただそういう人にお仕えする身としては、始終下僕扱いのような気にさせられるが、この御曹司の幼少期を知る数少ない人間としては、彼が見た目ほど冷徹ではないことは知っている。
ただ考えが読みにくいのだ。
ああそうか。偽婚約者のふりをしろと頼まれたのかと思って、その返事をしなくてはいけないと心を入れ変えた。
「─ありえません」
完結にはっきりと答えた。
あちらが目をハッと見開いた。
きちんと言えた自分を清々しく思えるくらいだ。
他の課の女の子だったら、きっと「お願いします!!」と願ったりなチャンスだっただろう。偽装だとはいえ、きっと美味しい食事とか洋服とか貰っちゃってウハウハな展開を期待するかもしれない。
だけれど、こういう人を欺くような小芝居とかは自分には向いていないし、それに、このような男女の問題に秘書としては一切関わりたくないとこの会社に入ってからすぐに心に決めていたのだ。
だが、目の前のハンサム御曹司はその答えをものすごく意外だという顔をしてこちらを見ている。しかも、「…え! なぜだ」とか言っている。
こんなに動揺を表している社長はあまり見たことがない。
かなり珍しいと言ってもいい。
いや超久しぶりなのかもしれない。
小学生以来?
いや大学生になった時に確かこんな顔を見た記憶があったけど、なんだったのかよく覚えていなかった。
問題はそこではないと回顧している自分に言い聞かせた。
こんな不愛想顔の社長だが、イケメン御曹司の言葉にはかなりの威力がある。
これが私でなかったら、みんなコロってストーカー並みに恋に落ちちゃうでしょ!!と言いたくなった。
まあそれを見越されて彼の秘書になったことを思い出して心を落ち着かせた。
あの女優対策なのか、それとも他のしつこい女性がつきまとう身代わり対策なのか、どちらかは知らないが、まだ驚き過ぎて空中に浮かんでいたコーヒーを載せていたお盆を横に持つ。
そのいつ見ても微動だにしないはず美しい眉毛の下に切れ長の甘い瞳を持つ男を凝視する。
あれ、ちょっとその美しい眉が歪んでる?
普通の秘書だったら、ころっと恋に落ちてしまいそうなくらいの眉目秀麗な男だ。じっとこちらを見てくる木原を反対に睨み返す。
あちらがちょっとビクついている。
これまた珍しい。
木原財閥は元をたどれば、昔は海運業、造船業、鉄道や貿易で大きな利益を生み、今日の木原グループの基礎を作り出していた。現在はホテルや商業施設、またはイベントの運営の管理を主な仕事としている。最近ではエンターテイメントや文化面の分野での進出を広げようとネット上での情報発信にも力を入れていた。
だから、顔も肩書きもセレブ的には美味しい優良物件である我が上司は、社名をかけてそのようなセレブが集まるパーティーには顔を出すようにスケジュールも組まれていた。
PRの方からも、できれば社長を出してくださいとお願いされることが多いのだ。社長が出れば何らかの宣伝になることは確かだ。メディアが好みそうな人物なのだから。
でも、ビジネスとプライベートの境があまりないくらいに忙しく働く木原社長のスケジュール管理は大変だ。社長のビジネス上の交際相手に建前としてお礼にお花やプレゼント、お礼のお手紙を出すのは秘書の仕事として割り切っている。が、一夜限りの恋人たちの別れ話に仲裁に入ったりするほど、この島崎那月、お人好しというかバカではない。
「…あの社長。朝からそういう偽装工作の相談、やめてもらえますか? 今日もお仕事いっぱい入っておりますから…」
「…偽装工作ってお前…」
話が伸ばされては困ると思い、持っていたお盆をそばに一度置き、今日のスケジュールですと言いながら、脇に抱えていた書類を差し出して、詳細を口頭でし始める。一応プリントしてある関連書類は彼のデスクにおいた。
最初は固まっていた木原社長だったが、やっとその長い綺麗な指でコーヒーに手をつける。
「何がいけないんだ…」
コーヒーと一口の飲みながら、ブツブツと文句を言っている。いつも仕事以外では不機嫌そうな顔しかしない木原の眉間にさらに皺がよっている。出した資料に不手際があったのかと思って、「どの辺ですか?」と聞いて見ると、まるで世界の終わりの様な顔をしてこちらを見ながら、「さっきの話だ…」と言ってくる。
ああ、また偽造の婚約のことか…。
そりゃー、秘書に恋人代わり作戦だなんて、どっかのチープな漫画のような展開だけど、いろんな意味でアウトだからじゃないかと思う。
少し世間擦れしている社長に、幼馴染の妹としてこれは苦言しておかなければならないと思った。
「社長。普通にそれを秘書に言ったら、本当ならセクハラですから! 気を付けてください」
社長がビクッと肩を震わせて、コーヒーを溢しそうになっている。
「せ、セクハラなのか? こ、これが…」
「そうです。立派なセクハラになります。だから、気をつけてください」
退室しようとした。
目の端には明らかに落胆の表情を浮かべる木原社長の顔が見えた。
ああ本当。
これはまじ自分でなかったらヤバイ状況だったわと胸を撫で下ろしながら、自分の席に着く。
ここは社長室からは見えない。
一応自分だけの聖域のデスクでふと思う。
なんだったの?
やっぱりご乱心?
今朝方、いつものようにまだ人影がまばらなオフィスに入り、通常業務のように机を拭き、今日やるべき書類にさっと目を通し、またいつものように自分の上司、この木原グループの御曹司、木原海斗社長に彼のお気に入りのコーヒー専門店でローストされたコーヒーの豆を挽いて、淹れたてのブレンドコーヒーをそのテーブルに置いた直後だった。
「はぁ?」
目が点になるということを実感しながら、目の前の男を見つめる。
お互いの視線が初めてはっきりと交差した。
業界でも時々有名女優やタレントの本命彼氏としても、ゴシップ雑誌を賑わしている切れ長の色っぽい目尻をもつこの男は、社内外でも完璧男子と言われるくらいに、仕事面では完璧だ。
木原海斗。三十一歳。木原グループの御曹司。
現在木原株式会社の社長でもある。
木原社長は、祖母がイギリス人というだけあって、少し柔らかい印象の甘栗色の髪を少し揺らしながらこちらをじっと見ていた。
これは何かの業務命令の一部なのだろうか?
まるでこれから常務を呼び出してくれっ的な勢いで言われた言葉を思い出す。
いや、どっかの物産の社長とのアポをとってくれ的な言い方かな…っとも思う。だが、口からはおうむ返しのような言葉しか出てこなかった。
「こ、婚約者?」
「…そうだ。俺の婚約者だ」
社長、御乱心?
何気に見ると、いつも100パーセント完璧である髪型が何気にぼさっとしている。
スーツももちろん某高級店のカリスマテーラーの手によるフルオーダーメイドでピシッとしているはずなのだが、若干よれている気がする。
社長、なにか悩み過ぎて突然変な病気を起こしたのかもしれないと…様子を伺いながら彼を覗き見る。
しかし、彼の表情は真剣だ。
なんて答えていいのかがわからなくなり、朝一番のまだ回転がゆるい自分の頭の中のネジ巻きを一緒懸命にフル回転させていく。沈黙が耳に痛い。
あっと自分の中の頭に考えが浮かんだ。
朝電車の中吊り広告を思い出したのだ。
『有名女優Y結婚秒読みか。お相手は某財閥の御曹司K氏』
ああそうか。この前、ゲストとして参加した高級車の新車発表のイベントで知り合った柳原渚という人気女優がこの前会社にわざわざ電話をよこしてきたことを思い出した。
また社長。お愛想を振り撒きすぎてストーキングされてる?
今日は思っていたよりも早く社長が出勤したため、まだ朝の日課、経済紙やエンターテイメントの記事について目を通していなかった。
あの中吊りが出るのを心配してこの有様か…。
それとも本命にバレるのが怖くてこの醜態なのだろうか?
結構鉄仮面とか言われているわりには意外に繊細なんだからと思慮しつつ、この社長にしては珍しいこともあるものだとマジマジと自分をずっと見続ける男を眺め見る。
これから自分がやらなくてはならないことを整理した。
なぜなら、自分はこの御曹司の秘密を知っているからだ。
この報道が真実であるはずがない。
これはもうちょっとエンターテイメントの欄を読まないといけないのかな?と思っていると、急に現実の世界に戻されるように木原が唸るように声を出した。
「返事は?」
彼のイライラしている様子が、お気に入りのコーヒーが美しいラインのモダンな白いカップの中でどんどん冷えていく様子でわかる。
彼はコーヒーを飲んでいる間は、ソーサーにカップをあまり間をおかずにどんどんと飲んでいくのだ。それがどうだろうか。まだ一口も飲んでいない様子だ。
いや手さえつけていない。
嫌な予感しかしない。
「え? あ、返事って…」
相手はまだブスッとした尊大な顔で、腕を前に組んでこちらを見ている。御曹司様はなぜかいるだけで高貴そうに見えるから、徳なのか損なのかがよくわからない。
ただそういう人にお仕えする身としては、始終下僕扱いのような気にさせられるが、この御曹司の幼少期を知る数少ない人間としては、彼が見た目ほど冷徹ではないことは知っている。
ただ考えが読みにくいのだ。
ああそうか。偽婚約者のふりをしろと頼まれたのかと思って、その返事をしなくてはいけないと心を入れ変えた。
「─ありえません」
完結にはっきりと答えた。
あちらが目をハッと見開いた。
きちんと言えた自分を清々しく思えるくらいだ。
他の課の女の子だったら、きっと「お願いします!!」と願ったりなチャンスだっただろう。偽装だとはいえ、きっと美味しい食事とか洋服とか貰っちゃってウハウハな展開を期待するかもしれない。
だけれど、こういう人を欺くような小芝居とかは自分には向いていないし、それに、このような男女の問題に秘書としては一切関わりたくないとこの会社に入ってからすぐに心に決めていたのだ。
だが、目の前のハンサム御曹司はその答えをものすごく意外だという顔をしてこちらを見ている。しかも、「…え! なぜだ」とか言っている。
こんなに動揺を表している社長はあまり見たことがない。
かなり珍しいと言ってもいい。
いや超久しぶりなのかもしれない。
小学生以来?
いや大学生になった時に確かこんな顔を見た記憶があったけど、なんだったのかよく覚えていなかった。
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こんな不愛想顔の社長だが、イケメン御曹司の言葉にはかなりの威力がある。
これが私でなかったら、みんなコロってストーカー並みに恋に落ちちゃうでしょ!!と言いたくなった。
まあそれを見越されて彼の秘書になったことを思い出して心を落ち着かせた。
あの女優対策なのか、それとも他のしつこい女性がつきまとう身代わり対策なのか、どちらかは知らないが、まだ驚き過ぎて空中に浮かんでいたコーヒーを載せていたお盆を横に持つ。
そのいつ見ても微動だにしないはず美しい眉毛の下に切れ長の甘い瞳を持つ男を凝視する。
あれ、ちょっとその美しい眉が歪んでる?
普通の秘書だったら、ころっと恋に落ちてしまいそうなくらいの眉目秀麗な男だ。じっとこちらを見てくる木原を反対に睨み返す。
あちらがちょっとビクついている。
これまた珍しい。
木原財閥は元をたどれば、昔は海運業、造船業、鉄道や貿易で大きな利益を生み、今日の木原グループの基礎を作り出していた。現在はホテルや商業施設、またはイベントの運営の管理を主な仕事としている。最近ではエンターテイメントや文化面の分野での進出を広げようとネット上での情報発信にも力を入れていた。
だから、顔も肩書きもセレブ的には美味しい優良物件である我が上司は、社名をかけてそのようなセレブが集まるパーティーには顔を出すようにスケジュールも組まれていた。
PRの方からも、できれば社長を出してくださいとお願いされることが多いのだ。社長が出れば何らかの宣伝になることは確かだ。メディアが好みそうな人物なのだから。
でも、ビジネスとプライベートの境があまりないくらいに忙しく働く木原社長のスケジュール管理は大変だ。社長のビジネス上の交際相手に建前としてお礼にお花やプレゼント、お礼のお手紙を出すのは秘書の仕事として割り切っている。が、一夜限りの恋人たちの別れ話に仲裁に入ったりするほど、この島崎那月、お人好しというかバカではない。
「…あの社長。朝からそういう偽装工作の相談、やめてもらえますか? 今日もお仕事いっぱい入っておりますから…」
「…偽装工作ってお前…」
話が伸ばされては困ると思い、持っていたお盆をそばに一度置き、今日のスケジュールですと言いながら、脇に抱えていた書類を差し出して、詳細を口頭でし始める。一応プリントしてある関連書類は彼のデスクにおいた。
最初は固まっていた木原社長だったが、やっとその長い綺麗な指でコーヒーに手をつける。
「何がいけないんだ…」
コーヒーと一口の飲みながら、ブツブツと文句を言っている。いつも仕事以外では不機嫌そうな顔しかしない木原の眉間にさらに皺がよっている。出した資料に不手際があったのかと思って、「どの辺ですか?」と聞いて見ると、まるで世界の終わりの様な顔をしてこちらを見ながら、「さっきの話だ…」と言ってくる。
ああ、また偽造の婚約のことか…。
そりゃー、秘書に恋人代わり作戦だなんて、どっかのチープな漫画のような展開だけど、いろんな意味でアウトだからじゃないかと思う。
少し世間擦れしている社長に、幼馴染の妹としてこれは苦言しておかなければならないと思った。
「社長。普通にそれを秘書に言ったら、本当ならセクハラですから! 気を付けてください」
社長がビクッと肩を震わせて、コーヒーを溢しそうになっている。
「せ、セクハラなのか? こ、これが…」
「そうです。立派なセクハラになります。だから、気をつけてください」
退室しようとした。
目の端には明らかに落胆の表情を浮かべる木原社長の顔が見えた。
ああ本当。
これはまじ自分でなかったらヤバイ状況だったわと胸を撫で下ろしながら、自分の席に着く。
ここは社長室からは見えない。
一応自分だけの聖域のデスクでふと思う。
なんだったの?
やっぱりご乱心?
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