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ミミズ文字でもよく読みましょう
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頭の中で整理する。よくわからないがこういうことらしい。
忘れん坊の御曹司に自分の交友関係を教えなかったら、なにかの罰を被るらしい。おかしくないですか? もしかして、大原家ってヤ○ザさんですか?
頭の中の妄想が止まらない。
(妄想男その一)おい、あの大原組の美代が、松山組のチーさん(勝手なヤーさん的な名前を想像、がその割には弱そうな名前だ)と組んでいるらしいぞ。しかも、親分に内緒でな・・・
(妄想男その二)やべーな。美代。親分に言わないで初詣行っちゃったらしいぞ。
(妄想男その一)埋められるな。そりゃー。
(妄想男その二)美代はバカだな。あのアリンコ文字の契約書を最後まで読まなかったばかりに・・・
(妄想男その一)美代はバカだ。あんなミミズのような契約書を細かく最後まで読まなかったからな。
(妄想男その一とその二)美代!お前はバカだ。やっぱり、あの耳くそよりチッさい文字の契約書を最後まで読まなかったお前は売られるぞ。
ーーひぃぃぃ!!! 耳くそか!!わかってます!!あんなアリンコより小さな字の説明を最後まで読まなかった私がいけないんです。
恐れのあまり、声が早口になる。
「あ、あの最近学校で知り合った花の大学生なのに、趣味が将棋と天体観測という、親父好みの趣味をもつ歩美ちゃんです」
自分でもよくわからないけど、めっちゃ歩美ちゃんの情報を一行に詰めてみた。
「そ、そうか……彼女はどこに住んでいる?」
「え?歩美ちゃんですか? あー、学校の寮暮らしですから、学校の近くです」
「それなら近くて問題がないな。彼女に連絡してくれるか? いまから初詣に行かないかって……?」
「一緒に行く……と?」
難聴がいや……ここで起きるのか? いつもは真田さんのはずだ……
肝心の真田は二日酔いでテーブルの椅子に座っているが、ボサボサの髪で顔が見えない。たぶん、死んでいる……座りながら……
「え、あのどうぞ蓮司組長、いえ、会長がいつも行かれる神社にどうぞ行ってください。私達は自分たちで参りますので、バスや電車などの公共機関を使ってまいります!!」
「お前は何を願掛けするんだ?」
「はぁ?」
「元旦だ。神社で健康やらなんやら願掛けをするだろう。その中に、お前の仕事やら上司の忘れ物が無くならないようにとか願わないのか?」
「な、な、そんなこと!」
心の中で罵倒する!
ーーあ、あんたに言われたくないよ。神様に上司が忘れ物で大後悔するようなイベントを頼んじゃうよ!とか思う。
「まあお前のことだ。嫌味もあるだろうから、神様の御前で、まあその対象物がいたほうが神様も助かるだろう」
え……神様って万能だよね。そんなわざわざ連れて行かないとダメだなんてよくわからない。神様GPS機能あるでしょ。
「あと、一時間後出られるか?はやくその歩美っていう友人に聞いてくれないか?」
「え、あ、まあ、いや、ちょっと待ってください」
「あ、あとお前高いとこ平気か?」
なんだろう。このデジャブ。質問をしようとする暇がない!!
いままで死んでいた真田が動き出し、苦しそうな顔をして話す。
「ただいま連絡して参ります。申し訳ありません。私の付き添いは無理そうです。美代さま……」
「大丈夫だ。真田。お前はゆっくり今日は休め。俺は自分で出来るから心配するな……」
「………」
絶句をしながら真田は蓮司を凝視する。そして、『大丈夫です。いますべてご用意しますので、どうぞこちらでお待ちください』と言って、真田は退出した。ああ、かわいそう。かなりやられている。二日酔いの経験のない美代だが、こんな具合の悪そうな真田は初めてだ。
そして、一時間後。
ほとんど、疑問を口にする間もなくなぜか美代は歩美と蓮司と一緒に東京上空にいた。あれよあれよと近くの大原のビルの屋上まで連れて行かれて、バリバリバリバリっとものすごいヘリコプターのメインローターが回転し始める音に驚いているうちに、このヘリコプターに乗せられたのだ。
仰天した顔の歩美ちゃんもそこですでに待っていた。
真田は消え去っていくヘリコプターを見ながら、つぶやく。
「あとは、あの布石がどう動いてくれるか……」
忘れん坊の御曹司に自分の交友関係を教えなかったら、なにかの罰を被るらしい。おかしくないですか? もしかして、大原家ってヤ○ザさんですか?
頭の中の妄想が止まらない。
(妄想男その一)おい、あの大原組の美代が、松山組のチーさん(勝手なヤーさん的な名前を想像、がその割には弱そうな名前だ)と組んでいるらしいぞ。しかも、親分に内緒でな・・・
(妄想男その二)やべーな。美代。親分に言わないで初詣行っちゃったらしいぞ。
(妄想男その一)埋められるな。そりゃー。
(妄想男その二)美代はバカだな。あのアリンコ文字の契約書を最後まで読まなかったばかりに・・・
(妄想男その一)美代はバカだ。あんなミミズのような契約書を細かく最後まで読まなかったからな。
(妄想男その一とその二)美代!お前はバカだ。やっぱり、あの耳くそよりチッさい文字の契約書を最後まで読まなかったお前は売られるぞ。
ーーひぃぃぃ!!! 耳くそか!!わかってます!!あんなアリンコより小さな字の説明を最後まで読まなかった私がいけないんです。
恐れのあまり、声が早口になる。
「あ、あの最近学校で知り合った花の大学生なのに、趣味が将棋と天体観測という、親父好みの趣味をもつ歩美ちゃんです」
自分でもよくわからないけど、めっちゃ歩美ちゃんの情報を一行に詰めてみた。
「そ、そうか……彼女はどこに住んでいる?」
「え?歩美ちゃんですか? あー、学校の寮暮らしですから、学校の近くです」
「それなら近くて問題がないな。彼女に連絡してくれるか? いまから初詣に行かないかって……?」
「一緒に行く……と?」
難聴がいや……ここで起きるのか? いつもは真田さんのはずだ……
肝心の真田は二日酔いでテーブルの椅子に座っているが、ボサボサの髪で顔が見えない。たぶん、死んでいる……座りながら……
「え、あのどうぞ蓮司組長、いえ、会長がいつも行かれる神社にどうぞ行ってください。私達は自分たちで参りますので、バスや電車などの公共機関を使ってまいります!!」
「お前は何を願掛けするんだ?」
「はぁ?」
「元旦だ。神社で健康やらなんやら願掛けをするだろう。その中に、お前の仕事やら上司の忘れ物が無くならないようにとか願わないのか?」
「な、な、そんなこと!」
心の中で罵倒する!
ーーあ、あんたに言われたくないよ。神様に上司が忘れ物で大後悔するようなイベントを頼んじゃうよ!とか思う。
「まあお前のことだ。嫌味もあるだろうから、神様の御前で、まあその対象物がいたほうが神様も助かるだろう」
え……神様って万能だよね。そんなわざわざ連れて行かないとダメだなんてよくわからない。神様GPS機能あるでしょ。
「あと、一時間後出られるか?はやくその歩美っていう友人に聞いてくれないか?」
「え、あ、まあ、いや、ちょっと待ってください」
「あ、あとお前高いとこ平気か?」
なんだろう。このデジャブ。質問をしようとする暇がない!!
いままで死んでいた真田が動き出し、苦しそうな顔をして話す。
「ただいま連絡して参ります。申し訳ありません。私の付き添いは無理そうです。美代さま……」
「大丈夫だ。真田。お前はゆっくり今日は休め。俺は自分で出来るから心配するな……」
「………」
絶句をしながら真田は蓮司を凝視する。そして、『大丈夫です。いますべてご用意しますので、どうぞこちらでお待ちください』と言って、真田は退出した。ああ、かわいそう。かなりやられている。二日酔いの経験のない美代だが、こんな具合の悪そうな真田は初めてだ。
そして、一時間後。
ほとんど、疑問を口にする間もなくなぜか美代は歩美と蓮司と一緒に東京上空にいた。あれよあれよと近くの大原のビルの屋上まで連れて行かれて、バリバリバリバリっとものすごいヘリコプターのメインローターが回転し始める音に驚いているうちに、このヘリコプターに乗せられたのだ。
仰天した顔の歩美ちゃんもそこですでに待っていた。
真田は消え去っていくヘリコプターを見ながら、つぶやく。
「あとは、あの布石がどう動いてくれるか……」
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