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番外編 忍の溺愛に悶絶。完全にR-18
しおりを挟む「あ、あ、はぁ、だめ………! 忍!」
華奢な白い肢体がベットのシーツの上で悶絶していた。
黒髪の少女は、その瞳に興奮と困惑な色を浮かべ吐息を漏らしていた。
白銀の忍の頭が自分の下部を占領していた。
彼のがっちりした肩を押すが、びくともしない。
卑猥な音が自分の女性の部分からでていることには間違いがない。
それ以上に、下から込み上げてくる熱が自分の口から、恥ずかしいほどの嬌声を生み出してしまう。
なんで、こうなっちゃたか、もうよく覚えていない。
舌の動きがぺろぺろとカナの秘所の蕾を舐め回す。
こんなイヤらしくて、こんな恥ずかしい行為がみんな、大人は行っているのだろうかと疑問になる。
そんな考えも許さないように激しく攻めてくる忍によって奪われる。
「他の事なんて、考えないで……。僕だけを……見て、感じて……」
ドロドロとした液体が本人の意思に関係なく流れ出し、それをこの美丈夫の元兄が全て美味しそうに飲み干してしまう。
身体も心も溶かされていく。
「ああ……美味しい。こんなに美味しいものは世の中にないよ」
顔を上げて見上げる忍の顔は、いままでの兄の姿ではない。
舌をペロリと舐めまわし、味を確かめる姿はなぜか神々しいぐらいセクシーだ。
白銀の長い髪を優雅にたらし、その間から垣間見る紫紺の瞳は、欲情を露わにしながら、カナを追い詰めていく。
こ、こんな忍の顔……知らない……。
もちろん、カナの言いたいことは見かけの違いではなかった。
忍が男として、猛烈なフェロモンを放ちながら、自分に向けているのを見たことがなかったのだ。
──────
数時間前 (もしかしたら、数日前)
ちょっと前まで、フェリスとケヴィンと一緒に信じられないこの世界の真実を聞かされた。
それによって自分の塞がれた記憶さえも蘇った。
パニックに動揺する私を忍はやさしく包み込んでくれた。
今まで忍は自分の兄だと思い込んでいたが、五歳のときの記憶がフラッシュバックのように浮かんでくると、なぜか胸が熱くなった。
懐かしい思い出が、彼の優しさの記憶までをも呼び起こし、忍の愛がだんだんと身に沁みてきた。
いつも一緒にいてくれた。
それは確かだった。
忍のお母さんもお父さんもとってもいい両親だけど、やっぱり仕事のせいで、家を空けがちだった。
運動会のときも、いつも忍がお弁当が作ってくれた。
学校休んでまで! 一緒に運動会を見に来てくれた。
すごい恥ずかしいけれど、初潮のときもナプキンと痛み止めを買ってきてくれて、やさしくお風呂にいれてくれたのもやっぱり忍だった。
ご飯もいつも一緒だった。
やさしくいつも頭を撫でてくれる忍。
「カナちゃん。いつもぼくは味方だから」
「いつも一緒にいるよ、大好き、カナ」
頭にキスを落とされていた日々。
でもある時から、そんな忍がうざくなった。
たぶん、忍がすごい周りの女の子にちやほやされるのが嫌だったんだと思う。
自分だけの忍でいて欲しかった。
でも、そんなことブサイクで出来の悪い私が言うことではない。
妹だし。
おかしい感情だ。
自分の感情すべてに鎧をかけた。
腐女子という世界は自分に安らぎを与えた。
そして、現在。
でも、いまなぜかその忍が、自分の肌に唇を落とすことをやめない。
全てを脱がされて、滴る愛液を忍がいやらしい手つきで確かめながら、話している。
「あ……でも、少し残さないとこの後、きついかな?」
なんかちょっと怖くなるようなことを囁かれる。
忍に触られると、敏感になっていた自分の身体はびくんっと大きく震えた。
何度でも言う。さっきまで、フェリスの執務室でフェリス殿下とケヴィンがいたのだ。
でも、それは時間の感覚をなくしている私たちにはわからない。
正確に言えば、この神的なチートの力をもっている忍……ことシルクが、時を止めてしまったのだ。
もしかしたら、数日前なのかもしれない。
あの衝撃の忍の告白後、パニックを起こしている私を忍は抱いて、そのまま私の寝室へと運んでくれた。
やさしく寝台に体を寝かせてくれると、忍自身もその上に覆いかぶさるように四つん這いになった。
「カナ、もうこれからは君の兄じゃなくていいかな?」
そんな甘い声に言われてしまうと、記憶が戻ったばかりの私としては、ダメとは言えなくなる。
「え、忍は……もうわたしのお兄ちゃんじゃ嫌なの?」
ちょっと声をつまらせながら、答える私。
こんな訳わかんない状況になりながらも、忍が離れてしまうのかと思って、ちょっとまたパニックになる。
「僕的にはね、どっちでもいいの。でも、カナは、お兄ちゃんとエッチなことできないでしょ?」
は?
ええええ!!
そんなはっきりと……。
頭に血が上ってきた。
赤くなる頬。
「……例えば、こんなこと……」
自分の耳をぺろっと舌でなめられたと思ったら、カプッと甘咬みされ、ビクっとしたら、「かわいいね。感じる?」と囁かれた。
そして、そのままそれ自体が生きている生き物のようにカナの白い首筋を舐めていく。
ゾクゾクとする感覚が身体を支配した。
ふ、ふざけないでっと言っているのに、忍はただ、甘く耳元で囁くのだ。
「こんなこと、お兄ちゃんとできる?」
振り向くと、またその色気のある流し目を受ける。
忍の格好はまだ、あの魔術師の正装の白装束であり、異世界モノも好きななカナにとってはかなり好物な装いだ。
しかも、その間から垣間見せる、筋肉がついている腕はそれだけでセクシーだった。
「えええ、これは、ちょっとお兄ちゃんとはできないかも……」
おびえながら、答える。
忍が作り出す甘い感覚が自分を無力化させていた。
「そうでしょう? カナ。こんなことお兄ちゃんと出来ないよね……」
諦めるのかと思いきや、そのままカナの顎を片手で押さえつけ、あっという間に軽いキスから舌を侵入させてきた。そのまま、上唇と下唇、そして、自分の舌まですべてが忍の生温かい、柔らかくて、ねちっこい唇に奪われる。しまいには口内の歯茎から頬の内側まで、忍の熱い吐息と一緒に侵食されていく。
「待って……」
と懇願するが、その言葉でさえ忍に食べられてしまう。
自分の下半身が熱く疼いてきた。
あのフェリスにキスをされてしまった時のようだった。
でも、あの時はクセスボイと言う名の淫乱を呼び起こす魔物に襲われていたのだ……。
身体に快感を呼び起こす毒物はないはずだった。
忍は絶対にキスが上手い……。
ちょっとその上手さに嫉妬さえ生まれそうだった。
熱いキスを猛烈に受けながら、そんな理不尽な考えがよぎっていたら、忍がようやく唇を離した。
いやらしい透明な糸が忍とカナの唇を結んで、また離れた。
あくまでも甘くて切ない声で忍はささやく。
「カナちゃん、もう妹と兄の関係は終わりだよ。僕はこれ以上待っていられないんだ。フェリスが君の初キスを奪ったって聞いて、彼を殺さなかった僕を褒めて欲しい」
「こ、殺すって物騒な……」
息も途絶え途絶えにカナが話す。
キスだけなのに、なぜか百メートル走を全力で走ったような倦怠感が生まれた。
「だ、大丈夫……。怖がらないで、カナが嫌がることは絶対にしないよ。カナ、そういうの、嫌いでしょ?でも、僕がいつまでも君のためにいることは変わらない。だから、前にも言ったけどね、そ、その、カナの全てを最初に欲しいんだ。僕が君の特別になるために……」
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