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4章 最終章 勇者の剣と世界の秘密

スルガ天空の塔

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俺達のいる超大艦隊上空には、長い長い塔が雲の中から下に向かって伸びていた。

塔は海と雲のまんなかで崩れて空中に浮いている。おそらく大陸が沈んだために、地面に接していた部分が崩れ去ったのだろう。

しかし、何故落ちずに空中に浮いているのか、俺は雲をみつめ、ある事に気づいた。

「なぁ、あの雲の中に女神がいるんじゃないか?」
「「「えっ!?」」」
「あぁ……なるほど」

皆おどろき、おっさん勇者の田中は納得した様な表情で答えた。

「確かに、ダンジョンに邪神がいるなら、天空の塔には女神がいてもおかしくないですね。天空の塔には【天の使いエンジェル】という頭のおかしい集団が占拠して守っていて、誰も最上層まで行った事がないので、塔のボスが女神という可能性もありますね」

天の使いエンジェル】か……はじめての村でゾンビみたいに襲い掛かってきた村人達を思い出すな。

「間違いない!あの雲の中にクソ女神がいる!早く剣を海から回収してぶった切ってやる!」

俺は、手に持っていた骨付き肉を雲に向けて叫んだ。

「塔から何か来ます」

クルゥリーは目を細めて崩れた塔の先端をみている。

「何が来ている?」
「分かりません、水晶が反応しなくなりました」
「はっ?」

クルゥリーの【占術】が妨害されている?そういえば、恐怖の大魔王がどうのって占った時も詳細が分からなかったよな。女神が占術を妨害しているのか?

敵機エネミーロックオン!チートシースパローミサイル全弾発射ファイヤーニャ~!」

ババババババババババシュッ!!!ドドド!ド!ドガガガガガガガガーーーンッ!!

超大艦隊の駆逐艦全てから大量のミサイルが飛んですぐ敵影に着弾し大爆発をおこした。

「ゲホゲホゲホ!!」
「ケムリで何もみえないですわっ!」

空も煙で何も見えない。全部倒せたのか?

「ダークウィンド」

クルゥリーが水晶をかかげ風魔法を放った。
水晶から放たれた黒い光が天へと昇り、上空の大気が大きな渦を巻き煙を吹き飛ばした。

魔法か、この世界で初めて見たかもしれない。皆チートスキルしか使わないもんな。勇者ビームも必殺技で魔法じゃないし。

あぁ、ダンジョンで高橋がサウザンドファイヤーとかいうのを使ってたな、すっかり忘れてた。

「オールグリーンにゃ~!」
「やったか!?」

空に、敵らしき物はなくなっていた。

「まだですポン!」

見ると、また塔の中からゾワゾワと敵らしき物が大量にでてきた。今更だけどあれは敵なんだよな?もし普通の人間だったら大量殺戮になっちゃうけど。

「ミレニアムファイヤー」
「クマソボンバー!」
「アイスバーン!」
「ソニックサンダー!」
「ロケットアニマル!」

おっさん勇者達が魔法で謎の敵を次々と倒していく!俺も負けてられないぜ!

「えーっと、魔法ってどうやって使うんだ?」
「Lvアップした時に聞こえた魔法名を叫ぶだけで使えます。ウィンドホール!」

クルゥリーが風魔法で敵をグルグルとかき回しながら教えてくれた。
敵の群れは回されながら一か所に集められて、団子状の塊になっていく。

よし!あの団子を狙って撃つか。

「確か、Lv1万になった時に覚えた魔法が……何だったけ?クリム……?クリムゾン?あっ!思い出した!クリムゾンフレア!!」

カッ!……ドッ!!ゴォオーーーーーーン!!!!!!

「うわぁ!!」
「「「きゃあぁぁぁー!」」」
「「「うおぉぉぉー!」」」

一瞬光ったかと思ったら、とてつもない大きさの大爆発がおこり、塔もろとも焼き尽くしてしまった。数秒後、爆風が甲板まで届き俺達を吹き飛ばす。

「火力高すぎだポン!もうちょっと弱い魔法を使ってほしいポン!」
「兄ちゃん!魔法は下手すると味方殺しになるから気をつけろよ!」
「ご、ごめん……」

怒られた……。

「高火力でも効果範囲の狭い物を使うといいですよ!敵と味方の距離や敵の数や強さに合わせて使い分けてください!」

田中がアドバイスをくれた。
魔法って火力が高ければ良いわけじゃないのか、中々難しいな……。

「涼様!あれを見てください!」

エーコが、燃え尽きた塔の先端にあった雲を指をさす。

小さくてよく見えないが、間違いない!

そこには光り輝くクソ女神が居た。
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