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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
377 大氷結の間 Part 5
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「ちょ、待て! たかが三百年放置プレイされてた間に愛読BL本がクソエンドを迎えてたぐらいで、世界の破滅を願うな! 落ち着け!」
「たかが、ですって! あなたにあの二人の何がわかるって言うのよ!」
シャラはもはや我慢の限界という表情だった。再び俺たちに向けて魔法を使ってきた。
ただ、それはさっきの氷の刃を飛ばす魔法ではなかった。シャラの手から飛んできたのは、一陣の冷たい風だけだった。
だが、直後、俺以外の他の連中の様子は一変した。なんとみんな、その風が吹き抜けたと同時に動きをぴたっと止めてしまったのだ。
「え……?」
一瞬、何が起こったのかまったくわからなかった。シャラは氷の魔法使いだし、みんな凍らされたのか? しかし、見た感じ氷漬けにはなっていないし、冷たさも感じない。みんな、その場で彫像のように硬直しているだけだ。ただ、なんとなくその色合いはくすんでいるように見えた。まるでSLGの行動を終了したユニットみたいだ。
「お前、一体こいつらに何したんだよ?」
「これは凍結時間の術。彼らの周りの空間ごと、時を凍らせたのよ」
「時を……凍らせるだと!」
そんなのありなのかよ!
「ちょ……待て? お前は氷の魔法使いであって、時空を自在に操る魔法使いじゃねえだろ? なんで氷魔法で時間停止なんてことできるんだよ?」
「私が天才だからよ。言ったでしょう、氷結系最強にして超有能の魔術師だと」
「いや、だからってそんな……」
おかしい。氷は氷であって、時空とは何の関係もないだろうがよ。時を凍らせる、みたいなしょうもない言葉遊びでそんなことできちゃっていいのかよ!
「言っておくけど、私のこの術は誰であろうと逃れることはできないのよ。なんせ、空間そのものを凍らせて停止させるんですからね。どんなに魔法の耐性が高くたって、自分がいる空間への攻撃は防ぎようがないものね!」
シャラは高笑いしながら言う。なるほど、それで魔法耐性相当高いであろう変態女と呪術バカにもばっちり効いているのか。
「じゃあ、なんで俺だけそのままなんだよ?」
「そりゃあ当然でしょう。時が止まっている相手には何の攻撃も効かないもの。まず最初にあなたを始末しようと思って、あえてあなただけを残したってわけ」
「ああ、そういうタイプの時間停止か」
そうそう、時間停止にもいろいろタイプあるよね。時間が止まっている相手にイタズラできるやつと、できないやつ。これはイタズラできないほうなのか。
俺はそこで、試しに変態女の乳をつかんでみた。コチコチに固かった。別に特別ありがたい乳でもなかったが、むしょうにさみしい気持ちになった。よりによって、夢がないほうの時間停止なんだからな。
「つまり、お前のこの術は、直接の攻撃には使えないってことか。天才とか自分で言う割に、たいしたことねえなー」
「なにを言うの! 現にこうして、四人の敵のうち三人を戦闘不能にしてるじゃない! 複数の敵を各個撃破するときにはすごく使えるわよ!」
「なんだ、お前、相手が俺一人なら勝てると思ってるのかよ?」
「そ、そうに決まってるでしょ!」
「うーん、どうかなー」
お前に俺が倒せるかなあ?
「あんたなんて、いかにも剣を振ることしか能がない戦闘バカじゃないの。そんなやつ、私の氷魔法の敵じゃないわっ!」
シャラはそこで、さっきと同じように氷の刃をこっちに飛ばしてきた。俺は当然、それを余裕でよけた。すると、今度は俺の真上にゴツいツララを出して落としてきた。これも余裕でよけた。さらに、猛吹雪をぶつけてきたり、氷でできた狼をけしかけたりしてきたが、やはりすべてノーダメで回避余裕だった。
「な、なんで、私の魔法が効かないのよ!」
「はは、相手が俺一人なら、各個撃破できるんじゃなかったのかよ」
俺は笑った。時間停止の魔法を使われたときにはさすがにびびったが、どうやら、この女、魔術師としての技術はすごくても根本的に魔法の火力が足りてないようだ。ようするにエリータイプなんだ。
まあ、エリーみたいな付与魔術のスペシャリストならそれでも十分脅威だが、攻撃魔法がメインの属性魔法使いじゃなあ。さすがに俺の敵じゃないかなって。
「お前、そんなに氷ばっかり出してるんだし、そろそろ頭も冷えたころか?」
何度目かの猛吹雪攻撃をゴミ魔剣で払いながら、俺は改めてシャラに話しかけた。いい加減、無駄な争いは終わりにしたかった。
しかし、シャラは、
「まだまだよ!」
なんかもう意地になって、ひたすら氷をこっちにぶつけてくる。どうしよう。やっぱ一発殴るしかないかな。これだけ攻撃されてるんだし、俺もちょっとぐらい反撃してもいいよね?
「いいから、俺の話を聞けって言ってるだろっ!」
と、そこで俺は殴ってみた。シェラの顔を……ではなく、顔すれすれに拳を前に突き出し、後ろの壁を殴った。ようは壁ドンだ。まあ、いきなり弱い女の顔面を殴るのもな。
そこまで力を込めたわけじゃないが、俺が殴った壁はひび割れ、大きくへこんだ。
「い……いきなり、何するの……」
そして、シャラは後ろの壁のそんな惨状を見て、真っ青になってその場にへたり込んでしまった。お、戦意喪失か?
「お前じゃ俺に勝てないってことはよくわかっただろ。とっとと、家に帰るんだ――」
「い、言っておくけど、私を殴ったり殺したりしたら、あなたの仲間は永遠にこのままなんだからねっ!」
「え」
「この術を解けるのは私しかいないんだからね! 私に手を出すなんて、絶対許さないんだから!」
「ちょ、待て……」
男二人はどうでもいいが、変態女がこのままだとユリィが悲しむんだが! いったい俺、どうすりゃいいんだよ?
「たかが、ですって! あなたにあの二人の何がわかるって言うのよ!」
シャラはもはや我慢の限界という表情だった。再び俺たちに向けて魔法を使ってきた。
ただ、それはさっきの氷の刃を飛ばす魔法ではなかった。シャラの手から飛んできたのは、一陣の冷たい風だけだった。
だが、直後、俺以外の他の連中の様子は一変した。なんとみんな、その風が吹き抜けたと同時に動きをぴたっと止めてしまったのだ。
「え……?」
一瞬、何が起こったのかまったくわからなかった。シャラは氷の魔法使いだし、みんな凍らされたのか? しかし、見た感じ氷漬けにはなっていないし、冷たさも感じない。みんな、その場で彫像のように硬直しているだけだ。ただ、なんとなくその色合いはくすんでいるように見えた。まるでSLGの行動を終了したユニットみたいだ。
「お前、一体こいつらに何したんだよ?」
「これは凍結時間の術。彼らの周りの空間ごと、時を凍らせたのよ」
「時を……凍らせるだと!」
そんなのありなのかよ!
「ちょ……待て? お前は氷の魔法使いであって、時空を自在に操る魔法使いじゃねえだろ? なんで氷魔法で時間停止なんてことできるんだよ?」
「私が天才だからよ。言ったでしょう、氷結系最強にして超有能の魔術師だと」
「いや、だからってそんな……」
おかしい。氷は氷であって、時空とは何の関係もないだろうがよ。時を凍らせる、みたいなしょうもない言葉遊びでそんなことできちゃっていいのかよ!
「言っておくけど、私のこの術は誰であろうと逃れることはできないのよ。なんせ、空間そのものを凍らせて停止させるんですからね。どんなに魔法の耐性が高くたって、自分がいる空間への攻撃は防ぎようがないものね!」
シャラは高笑いしながら言う。なるほど、それで魔法耐性相当高いであろう変態女と呪術バカにもばっちり効いているのか。
「じゃあ、なんで俺だけそのままなんだよ?」
「そりゃあ当然でしょう。時が止まっている相手には何の攻撃も効かないもの。まず最初にあなたを始末しようと思って、あえてあなただけを残したってわけ」
「ああ、そういうタイプの時間停止か」
そうそう、時間停止にもいろいろタイプあるよね。時間が止まっている相手にイタズラできるやつと、できないやつ。これはイタズラできないほうなのか。
俺はそこで、試しに変態女の乳をつかんでみた。コチコチに固かった。別に特別ありがたい乳でもなかったが、むしょうにさみしい気持ちになった。よりによって、夢がないほうの時間停止なんだからな。
「つまり、お前のこの術は、直接の攻撃には使えないってことか。天才とか自分で言う割に、たいしたことねえなー」
「なにを言うの! 現にこうして、四人の敵のうち三人を戦闘不能にしてるじゃない! 複数の敵を各個撃破するときにはすごく使えるわよ!」
「なんだ、お前、相手が俺一人なら勝てると思ってるのかよ?」
「そ、そうに決まってるでしょ!」
「うーん、どうかなー」
お前に俺が倒せるかなあ?
「あんたなんて、いかにも剣を振ることしか能がない戦闘バカじゃないの。そんなやつ、私の氷魔法の敵じゃないわっ!」
シャラはそこで、さっきと同じように氷の刃をこっちに飛ばしてきた。俺は当然、それを余裕でよけた。すると、今度は俺の真上にゴツいツララを出して落としてきた。これも余裕でよけた。さらに、猛吹雪をぶつけてきたり、氷でできた狼をけしかけたりしてきたが、やはりすべてノーダメで回避余裕だった。
「な、なんで、私の魔法が効かないのよ!」
「はは、相手が俺一人なら、各個撃破できるんじゃなかったのかよ」
俺は笑った。時間停止の魔法を使われたときにはさすがにびびったが、どうやら、この女、魔術師としての技術はすごくても根本的に魔法の火力が足りてないようだ。ようするにエリータイプなんだ。
まあ、エリーみたいな付与魔術のスペシャリストならそれでも十分脅威だが、攻撃魔法がメインの属性魔法使いじゃなあ。さすがに俺の敵じゃないかなって。
「お前、そんなに氷ばっかり出してるんだし、そろそろ頭も冷えたころか?」
何度目かの猛吹雪攻撃をゴミ魔剣で払いながら、俺は改めてシャラに話しかけた。いい加減、無駄な争いは終わりにしたかった。
しかし、シャラは、
「まだまだよ!」
なんかもう意地になって、ひたすら氷をこっちにぶつけてくる。どうしよう。やっぱ一発殴るしかないかな。これだけ攻撃されてるんだし、俺もちょっとぐらい反撃してもいいよね?
「いいから、俺の話を聞けって言ってるだろっ!」
と、そこで俺は殴ってみた。シェラの顔を……ではなく、顔すれすれに拳を前に突き出し、後ろの壁を殴った。ようは壁ドンだ。まあ、いきなり弱い女の顔面を殴るのもな。
そこまで力を込めたわけじゃないが、俺が殴った壁はひび割れ、大きくへこんだ。
「い……いきなり、何するの……」
そして、シャラは後ろの壁のそんな惨状を見て、真っ青になってその場にへたり込んでしまった。お、戦意喪失か?
「お前じゃ俺に勝てないってことはよくわかっただろ。とっとと、家に帰るんだ――」
「い、言っておくけど、私を殴ったり殺したりしたら、あなたの仲間は永遠にこのままなんだからねっ!」
「え」
「この術を解けるのは私しかいないんだからね! 私に手を出すなんて、絶対許さないんだから!」
「ちょ、待て……」
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