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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
363 ベルガド封印窟へ
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封印窟へ続く洞穴は咆哮の滝の激しい水流の向こうにあったが、変態女が魔法で一時的に滝を真っ二つに割ったので、俺たちは問題なくそこに入ることができた。亀妖精も俺たちについてきた。案内役だろうか。
洞穴の中の空気はひんやりしていて、真っ暗だった。変態女の出した照明魔法の光を頼りに俺たちは奥に進んだ。今のところ特に変わったところのない普通の洞穴だ。本当に、この先にヤバイ魔物たちが封印されているんだろうか?
「……そういや、あんたらどういう知り合いなんだ?」
歩きながら、ふと気になったので、変態女とリュクサンドールに尋ねた。
「ああ。サキさんは、何年か前に、僕に呪い鑑定アプリ開発への協力を依頼してきたんですよ」
「ああ、あれか」
どうりでリュクサンドールの謎器具とエフェクトが似てるわけだ。開発者同じなんだからな。
「サンディーのおかげで、アプリの開発もずいぶんスムーズにできたわ。さすが呪術の専門家ね」
「いやー、それほどでも」
「きっとあれは、サンディーが呪術師として唯一人に誇れる功績ね」
「いやー、それほどでも」
と、皮肉ともとれるサキの発言も笑って流す男だった。呪術師として唯一人に誇れる功績ってなんだよ。唯一のって。まあ、どの通りすぎるけどさ。
「なーなー、サキちゃんっていっつもそんなエロい格好してるの?」
と、今度はバカが変態女に尋ねた。
「そうね。私はいつもこんな感じよ」
「マジか! すげーな! おっぱいさわってもいい?」
「だーめ」
「うーん、さわるのはダメかあ……」
と、何やら本気で落ち込んでいるバカだった。なぜこいつは、知り合ったばかりの女にこうもストレートに乳を触らせろと言えるのか。いくら格好が変態そのものだからってさあ。
やがて、そんなこんなで俺たちは洞穴の行き止まり、封印窟とやらの入り口らしきところに到着した。
そこの洞穴の岩肌には分厚い扉がはめ込まれていた。また、そのすみっこに小さく「必ず四人で入ること!」と注意書きが書かれていた。やはりここは四人でないとまずいらしい。
「よし、じゃあいくか!」
俺はただちにその扉を拳でぶち破り、みんなと一緒に中に入った。
中は、むき出しの岩肌が続いていた今までの洞穴とは違って、しっかりとした壁と天井があるようだった。また、俺たちが足を踏み入れた当初は真っ暗だったが、数歩進むと、急にあちこちに設置されている燭台に光がともった。人の気配を察知して作動するマジックアイテムだろうか。まるでスマート家電だぜ。
扉からはしばらくは狭い通路が続いていたが、やがて開けた場所に出た。丸いホールのようなところで、その中央には青白く光る奇妙な玉が置かれていた。また、ホールの壁には四つの扉が等間隔に設置されていた。
「……なんだ、ここは?」
と、俺が辺りを見回しながら言うと、
「ここはベルガド封印窟、第一の間。通称、怨念の間じゃ」
亀妖精が答えた。
「怨念? そういう恨めしい気持ちを抱いたやつが、ここに封印されているのか?」
「さよう。あれじゃ」
亀妖精はさらに中央の青白く光る玉を指さした。
と、その直後、その光は大きく揺らぎ、人の姿に形を変えた。
「……憎い。ああ、なんて憎いのだろう……」
突如俺たちの目の前に現れたその男は、膝を抱えてうずくまった態勢で床をじっと見つめながら、何やらブツブツつぶやいている。その体はやはり青白く光っている。
「はーん? こいつがここに封印されてる魔物ってやつか。ようは、これを倒せばいいんだな?」
俺はすぐにゴミ魔剣でその男に斬りかかった――が、その刃はむなしく男の体をすり抜けるだけだった。くそ、こいつ実体がないのかよ。
「おい、こいつには武器は効かねえ。魔法使いチームなんとかしてくれ」
「それは無理よ、勇者様」
「え」
「生半可な魔法でなんとかできる存在なら、こんなところに封印されていないと思うの」
と、サキは男を指さしながら言う。
「そうじゃ。こやつは、この世に残した恨みの念が強すぎるあまり、いかなる浄化の魔法も受け付けない存在となった、永劫地縛霊なのじゃ」
「永劫で地縛霊なのかよ」
しょっぱなから死ぬほどめんどくさそうな相手だな、オイ!
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ? こいつも含めてここの魔物全部倒せって話だったのに、武器も魔法も効かねえんじゃ倒せねえじゃねえか」
「倒すのではなく、成仏させればよいのじゃ。そのための四人なのじゃ」
と、亀妖精はホールの壁にある四つの扉を指さしながら言った。
洞穴の中の空気はひんやりしていて、真っ暗だった。変態女の出した照明魔法の光を頼りに俺たちは奥に進んだ。今のところ特に変わったところのない普通の洞穴だ。本当に、この先にヤバイ魔物たちが封印されているんだろうか?
「……そういや、あんたらどういう知り合いなんだ?」
歩きながら、ふと気になったので、変態女とリュクサンドールに尋ねた。
「ああ。サキさんは、何年か前に、僕に呪い鑑定アプリ開発への協力を依頼してきたんですよ」
「ああ、あれか」
どうりでリュクサンドールの謎器具とエフェクトが似てるわけだ。開発者同じなんだからな。
「サンディーのおかげで、アプリの開発もずいぶんスムーズにできたわ。さすが呪術の専門家ね」
「いやー、それほどでも」
「きっとあれは、サンディーが呪術師として唯一人に誇れる功績ね」
「いやー、それほどでも」
と、皮肉ともとれるサキの発言も笑って流す男だった。呪術師として唯一人に誇れる功績ってなんだよ。唯一のって。まあ、どの通りすぎるけどさ。
「なーなー、サキちゃんっていっつもそんなエロい格好してるの?」
と、今度はバカが変態女に尋ねた。
「そうね。私はいつもこんな感じよ」
「マジか! すげーな! おっぱいさわってもいい?」
「だーめ」
「うーん、さわるのはダメかあ……」
と、何やら本気で落ち込んでいるバカだった。なぜこいつは、知り合ったばかりの女にこうもストレートに乳を触らせろと言えるのか。いくら格好が変態そのものだからってさあ。
やがて、そんなこんなで俺たちは洞穴の行き止まり、封印窟とやらの入り口らしきところに到着した。
そこの洞穴の岩肌には分厚い扉がはめ込まれていた。また、そのすみっこに小さく「必ず四人で入ること!」と注意書きが書かれていた。やはりここは四人でないとまずいらしい。
「よし、じゃあいくか!」
俺はただちにその扉を拳でぶち破り、みんなと一緒に中に入った。
中は、むき出しの岩肌が続いていた今までの洞穴とは違って、しっかりとした壁と天井があるようだった。また、俺たちが足を踏み入れた当初は真っ暗だったが、数歩進むと、急にあちこちに設置されている燭台に光がともった。人の気配を察知して作動するマジックアイテムだろうか。まるでスマート家電だぜ。
扉からはしばらくは狭い通路が続いていたが、やがて開けた場所に出た。丸いホールのようなところで、その中央には青白く光る奇妙な玉が置かれていた。また、ホールの壁には四つの扉が等間隔に設置されていた。
「……なんだ、ここは?」
と、俺が辺りを見回しながら言うと、
「ここはベルガド封印窟、第一の間。通称、怨念の間じゃ」
亀妖精が答えた。
「怨念? そういう恨めしい気持ちを抱いたやつが、ここに封印されているのか?」
「さよう。あれじゃ」
亀妖精はさらに中央の青白く光る玉を指さした。
と、その直後、その光は大きく揺らぎ、人の姿に形を変えた。
「……憎い。ああ、なんて憎いのだろう……」
突如俺たちの目の前に現れたその男は、膝を抱えてうずくまった態勢で床をじっと見つめながら、何やらブツブツつぶやいている。その体はやはり青白く光っている。
「はーん? こいつがここに封印されてる魔物ってやつか。ようは、これを倒せばいいんだな?」
俺はすぐにゴミ魔剣でその男に斬りかかった――が、その刃はむなしく男の体をすり抜けるだけだった。くそ、こいつ実体がないのかよ。
「おい、こいつには武器は効かねえ。魔法使いチームなんとかしてくれ」
「それは無理よ、勇者様」
「え」
「生半可な魔法でなんとかできる存在なら、こんなところに封印されていないと思うの」
と、サキは男を指さしながら言う。
「そうじゃ。こやつは、この世に残した恨みの念が強すぎるあまり、いかなる浄化の魔法も受け付けない存在となった、永劫地縛霊なのじゃ」
「永劫で地縛霊なのかよ」
しょっぱなから死ぬほどめんどくさそうな相手だな、オイ!
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ? こいつも含めてここの魔物全部倒せって話だったのに、武器も魔法も効かねえんじゃ倒せねえじゃねえか」
「倒すのではなく、成仏させればよいのじゃ。そのための四人なのじゃ」
と、亀妖精はホールの壁にある四つの扉を指さしながら言った。
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