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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
282 勇者イキられたのでイキリ倍返しする
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さて、そのあとの流れは当然――。
どか! ばき! どごっ!
と、俺はその男に殴り返したわけなのだった。予告通り。
「ぐあっ!」
一瞬で俺にボコボコにされて男は白目をむいて倒れた。普通ならこれ以上殴っても無意味だが……無意味だが? 今日の俺は違った。なんせ、今この俺が持っている道具袋の中には、回復薬がたくさん入ってるからなァ。フフ。
「ほら、これで回復しろ」
俺は道具袋の中から回復薬を一つ取り出し、中身を男の口に流し込んだ。たちまち男のケガは癒え、元の無傷の体に戻った。
そして、そこで再び俺は殴るっ! 蹴る! 殴る! 普通の人間が死なない程度に手加減してあげながら!
「ぐあっ!」
またしても白目をむいて倒れる男。そこですかさず回復薬をその口に流し込む俺。
そして、さらに殴る! 回復! 殴る! 回復! 殴る! そう、回復薬がある限り、俺はこの男を殴り続けることができる! なんて効率的で無駄しかないコンビネーション! これが俺の「殴られたら殴り返す攻撃」だっ!
「あ、あの、トモキ様、それぐらいにしたほうが……」
と、五本目の回復薬を男の口に突っ込んだところで、ユリィが俺の服の袖を引っ張った。
「まあ、確かに、これ以上は回復薬がもったいないか」
俺はいったん振り上げた拳を引っ込めた。ちょうど五回目の回復を終えた男は、体を恐怖でプルプル震わせながら俺を見ていた。
「なあ、お前、他に俺に何か言うことある?」
俺はその男の前にしゃがみこみ、真っ青になっている顔をじっと見つめながら尋ねた、
「え、いや、ないで――」
「あるだろ?」
「え」
「変な難癖付けてごめんなさい、いきなり殴ってごめんなさいって言葉がよォ? アァン?」
角度をつけてメンチ切って言う俺だった。そうそう、ケジメって大事よね。
「あ、はい……、難癖付けたり、いきなり殴ったりしてすいやせんでした……」
「お前だけじゃない、他の連中もだっ!」
と、俺はそこで、男の仲間たちに振り返って怒鳴った。そいつらも恐怖で顔を青ざめながら顔で俺たちを見ていた。
「お前ら、こいつが俺に殴りかかるの止めなかっただろ? つまりは連帯責任だ! とっとと俺に詫びを入れろや! 俺に殴られたくなかったらなァ!」
「あ、はい……」
他の男たちもすぐに俺に「すいませんでした」と謝罪した。ふう、ケジメ完了か。本当は土下座でもさせたい気分だが、あいにくここは日本じゃなく異世界。土下座で謝罪する文化なんてないし、これで特別に許してやるか。俺、マジやさしー。
「うおー、さすがトモキだ。三下連中をシメるのマジかっけーな!」
と、後ろからザックのはしゃいだ声が聞こえた。どさくさに俺のことチンピラの親玉みたいに言うのやめて。
「お、お前、いったい何者だ……」
と、俺に何度も殴られた男が声を震わせながら尋ねてきた。
「あんな複雑な計算が一瞬でできるだけじゃなく、素材集めの腕もピカ一。おまけにめっぽうケンカも強い。どう考えてもお前、タダモノじゃねえ!」
「ああ、俺は元冒険者――」
「すごく強いのは当たり前ですよ。彼はなんせ、二つの国の武装集団を壊滅させた元死刑囚らしいですからね」
と、また後ろから声が聞こえた。泥だらけの男たちの一人の声だった。
「も、元死刑囚だと!」
男は再び強い恐怖を顔にあらわにした。男の仲間たちも同様だった。
「しかも二つの国の武装集団を壊滅させた、だと!」
「なんでそんなデタラメなやつがここにいるんだ!」
「お、俺たち、なんて相手にケンカ売っちまったんだろう……」
もはや恐怖のあまり体を寄せ合う男たちだった。むさくるしいことこの上ない。
「いや、その情報は忘れてもらって構わんのだが? つか、あんま大きい声で言わないでくれる?」
その件に関しては苦い記憶すぎて、俺としてはもう掘り起こしたくないので。黒歴史なので。
「な、なんでもします! だから俺たちのことはもう見逃してください!」
と、男たちはそろって俺に土下座しはじめた――って、この世界にもあったよ、土下座の文化!
「なんでもする、か。じゃあ、今使った回復薬の代金ぐらいは払ってもらうか。一本五千ゴンスで、五本使ったから二万五千か」
「え、なんか店で売ってるやつより高い……」
「これは特に効果の高い回復薬なんだよ。だから値段もそれなりに高いんだ。いいから、きっちり払え!」
「あ、はい……」
男たちは素直に俺に金を差し出した。うふふ、一本あたり二千ゴンスで買った回復薬が一本あたり五千ゴンスで売れたぞ。ちょっと儲かっちゃった、わーい。
「あ、あの、俺たちもう行ってもいいですか?」
「ああ、もう用はないし、どこにでも行け――」
と、言いかけたところで、俺ははっと思いついた。
「そういや、お前さっき、このベルガドの地元民アピールしてたよな?」
俺は再び殴りかかってきた男の前にしゃがみこみ、尋ねた。
どか! ばき! どごっ!
と、俺はその男に殴り返したわけなのだった。予告通り。
「ぐあっ!」
一瞬で俺にボコボコにされて男は白目をむいて倒れた。普通ならこれ以上殴っても無意味だが……無意味だが? 今日の俺は違った。なんせ、今この俺が持っている道具袋の中には、回復薬がたくさん入ってるからなァ。フフ。
「ほら、これで回復しろ」
俺は道具袋の中から回復薬を一つ取り出し、中身を男の口に流し込んだ。たちまち男のケガは癒え、元の無傷の体に戻った。
そして、そこで再び俺は殴るっ! 蹴る! 殴る! 普通の人間が死なない程度に手加減してあげながら!
「ぐあっ!」
またしても白目をむいて倒れる男。そこですかさず回復薬をその口に流し込む俺。
そして、さらに殴る! 回復! 殴る! 回復! 殴る! そう、回復薬がある限り、俺はこの男を殴り続けることができる! なんて効率的で無駄しかないコンビネーション! これが俺の「殴られたら殴り返す攻撃」だっ!
「あ、あの、トモキ様、それぐらいにしたほうが……」
と、五本目の回復薬を男の口に突っ込んだところで、ユリィが俺の服の袖を引っ張った。
「まあ、確かに、これ以上は回復薬がもったいないか」
俺はいったん振り上げた拳を引っ込めた。ちょうど五回目の回復を終えた男は、体を恐怖でプルプル震わせながら俺を見ていた。
「なあ、お前、他に俺に何か言うことある?」
俺はその男の前にしゃがみこみ、真っ青になっている顔をじっと見つめながら尋ねた、
「え、いや、ないで――」
「あるだろ?」
「え」
「変な難癖付けてごめんなさい、いきなり殴ってごめんなさいって言葉がよォ? アァン?」
角度をつけてメンチ切って言う俺だった。そうそう、ケジメって大事よね。
「あ、はい……、難癖付けたり、いきなり殴ったりしてすいやせんでした……」
「お前だけじゃない、他の連中もだっ!」
と、俺はそこで、男の仲間たちに振り返って怒鳴った。そいつらも恐怖で顔を青ざめながら顔で俺たちを見ていた。
「お前ら、こいつが俺に殴りかかるの止めなかっただろ? つまりは連帯責任だ! とっとと俺に詫びを入れろや! 俺に殴られたくなかったらなァ!」
「あ、はい……」
他の男たちもすぐに俺に「すいませんでした」と謝罪した。ふう、ケジメ完了か。本当は土下座でもさせたい気分だが、あいにくここは日本じゃなく異世界。土下座で謝罪する文化なんてないし、これで特別に許してやるか。俺、マジやさしー。
「うおー、さすがトモキだ。三下連中をシメるのマジかっけーな!」
と、後ろからザックのはしゃいだ声が聞こえた。どさくさに俺のことチンピラの親玉みたいに言うのやめて。
「お、お前、いったい何者だ……」
と、俺に何度も殴られた男が声を震わせながら尋ねてきた。
「あんな複雑な計算が一瞬でできるだけじゃなく、素材集めの腕もピカ一。おまけにめっぽうケンカも強い。どう考えてもお前、タダモノじゃねえ!」
「ああ、俺は元冒険者――」
「すごく強いのは当たり前ですよ。彼はなんせ、二つの国の武装集団を壊滅させた元死刑囚らしいですからね」
と、また後ろから声が聞こえた。泥だらけの男たちの一人の声だった。
「も、元死刑囚だと!」
男は再び強い恐怖を顔にあらわにした。男の仲間たちも同様だった。
「しかも二つの国の武装集団を壊滅させた、だと!」
「なんでそんなデタラメなやつがここにいるんだ!」
「お、俺たち、なんて相手にケンカ売っちまったんだろう……」
もはや恐怖のあまり体を寄せ合う男たちだった。むさくるしいことこの上ない。
「いや、その情報は忘れてもらって構わんのだが? つか、あんま大きい声で言わないでくれる?」
その件に関しては苦い記憶すぎて、俺としてはもう掘り起こしたくないので。黒歴史なので。
「な、なんでもします! だから俺たちのことはもう見逃してください!」
と、男たちはそろって俺に土下座しはじめた――って、この世界にもあったよ、土下座の文化!
「なんでもする、か。じゃあ、今使った回復薬の代金ぐらいは払ってもらうか。一本五千ゴンスで、五本使ったから二万五千か」
「え、なんか店で売ってるやつより高い……」
「これは特に効果の高い回復薬なんだよ。だから値段もそれなりに高いんだ。いいから、きっちり払え!」
「あ、はい……」
男たちは素直に俺に金を差し出した。うふふ、一本あたり二千ゴンスで買った回復薬が一本あたり五千ゴンスで売れたぞ。ちょっと儲かっちゃった、わーい。
「あ、あの、俺たちもう行ってもいいですか?」
「ああ、もう用はないし、どこにでも行け――」
と、言いかけたところで、俺ははっと思いついた。
「そういや、お前さっき、このベルガドの地元民アピールしてたよな?」
俺は再び殴りかかってきた男の前にしゃがみこみ、尋ねた。
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