15 / 153
サラマンダー編
第15話 精霊ギルド
しおりを挟む
店の中に避難して数時間。
轟音が鳴り止んで、恐る恐る外に出てみると通りには矢が散らばっていたり、怪我人が倒れていたりと戦いの後が残っていた。
おばちゃんが救急セットを抱えて、怪我人の元へかけていく。慣れた様子で手当てを始めた。わたしも矢を拾って、少しだけ片づけを手伝う。
程なくすると、元の賑わいに戻っていったけれど、その頃にはもう夕方だ。
「宿を探そうか」
エルメラがそう言うけれど、宿がどこにあるか分からない。結局、またあのおばちゃんに聞いて宿に向かった。
そして一時間後。
「うーん。お風呂、最高!」
さすがは都の宿。綺麗な上に、お風呂もついていた。約一週間ぶりのお風呂で、髪も洗ってすごくサッパリした。
「しかも、地下から引いているってことは温泉ってことじゃない! 肌がツルツルしている!」
「わたし、温泉って初めて入った」
一緒に入ったエルメラも満足そうだ。
わたしは髪を拭きながら、鼻歌まじりに言う。
「明日はどうする? サラマンダーのところに行っちゃう?」
「イオたちを待たないといけないでしょ。それに、カカはユメノが行こうとしても、どうせ行けないって言っていたよね」
「なんだろ? でも、行ってみたら分かるかも」
「もう、しょうがないなぁ」
朝一番でシュウマ山に向かうことにした。
朝の腹筋や発声練習などのルーティンをこなして、わたしは宿を出る。
外は霧が少し出ていて、行き交う人々も少ない。道に少し迷いつつ、街に入って来た門へと向かった。すると、門は閉じている。
あんまり早く来てしまったのかと門を眺めていると、詰所から人影が出て来た。
「何奴! ……なんだ、昨日の嬢ちゃんか」
「あ。昨日、わたしを掴まえた兵士さん」
朝の門の警備をしていたのだろう。兵士さんは構えていた槍を下ろして、首を捻る。
「もしかして、連れの様子を見に来たのかい? ここにはいないよ」
「ううん。そうじゃなくて、門の外に行きたいの」
「なんでまた。ああ、修行しに行くんだな」
「ううん。サラマンダーのところに行こうと思って」
兵士さんは目を丸くした。そして、すぐに笑いだす。
「ハハハハハ! 冗談キツイよ! 君みたいな小さい子がサラマンダーのところに行くなんて、最近精霊使いになったばかりだろ?」
遠慮なく笑われてムッとする。確かにこの前精霊使いになったばかりだけど、わたしは一刻も早く元の世界に帰らないといけない。
「とにかく門を開けて」
滲んだ涙をぬぐいながら、兵士さんはかぶりを振った。
「通してもいいけれど、どうせサラマンダーのところには行けないよ」
「イオと同じことを言うのね。どうして?」
「山道の入り口にここと同じく警備がいるのさ。君みたいな無鉄砲者を止めるためにね」
なるほど。それで行けないわけだ。それでも、手がかりを得ようと食い下がる。
「でも、皆がみんな、止めているわけじゃないでしょ?」
「まぁ、そうだな。おっと、また誰か来た。すまないが、続きは別な人に聞いてくれ」
「え! 別な人って」
去り際、兵士さんは街の奥を指さす。
「この街には精霊ギルドがある。そこに行っていろいろと聞くといい」
「ギルド……」
精霊ギルド。
つまり精霊使いたちの組合ということだ。場所を人に聞くと、ギルドは街の中心部にあった。
ギルドの建物も街と同じように石造りだ。入り口の前に四体の巨大な彫刻が横並びに置かれていた。
さっそくエルメラが説明してくれる。
「本にも載っている四大精霊たちの像ね。一番右がノーム」
ノームは土の精霊だ。ひげの生えた小人が四体縦に重なっている。
「その次がウンディーネ」
ウンディーネは水の精霊。ウェーブがかった髪の長い綺麗な女性に見えた。
「その隣がサラマンダー」
サラマンダーは火の精霊。羽の生えた竜が柱に巻き付いている。
「そして最後がシルフ」
シルフは風の精霊。こちらは透明な羽が生えた中性的な人物像だ。
わたしはその内の一体、サラマンダーの像を杖で指した。
「ふん。見てなさい、サラマンダー。わたしがすぐに会いに行って、異世界からの帰り方を吐かしてやるんだから」
杖でサラマンダーの像を指して宣言した。
「さっ。入りましょう」
立派な両扉の入り口を開ける。さぞや精霊使いたちがひしめいているかと思いきや、中は閑散としていた。並んでいるソファにぽつぽつと数人座っているだけだ。
「なんか、人が少ないね。どうしたのかな」
エルメラがキョロキョロしながら尋ねて来た。
「建物が大きいから、普段はもっと人がいるはずだよ。たぶん、事件のせいじゃないかな」
「あ! そっか」
イオだけではなく、かなり多くの精霊使い達が拘束されているというわけだ。
「でも、人がいるってことは、ギルドも一応機能しているってことでしょ。サラマンダーのところへの行き方を聞いてみないと」
奥に行くと、大きな掲示板とカウンターの受付が並んでいた。受付にいる白いブラウスを着た女の人に声をかける。
「こんにちは。お尋ねしたいことがあるのですが」
「はい。何でも聞いてね」
わたしを見ると、小さな子を見るような目線になる。また子供扱いにちょっとムッとするけれど、グッと堪えた。
「シュウマ山の山道に入りたいの。どうしたら、行けますか?」
「はい?」
受付のお姉さんはキョトンとした。でも、すぐにまた子供に諭すように話し始める。
「えーとね。シュウマ山に昇るには通行証がいるのよ」
「はい。だからその通行証はどうやったら出ますか?」
お姉さんは完全に困ったなという顔をするけれど、丁寧に説明をしてくれる。
「山を登るためにはサラマンダー討伐隊に入る必要があるわ」
「討伐? サラマンダーは何か悪さをしているの?」
「ええ。サラマンダーは山の麓に狂わせた火の精霊を気まぐれに解き放って、町や村を焼こうとして来るの。だから、定期的に力の強い精霊使いを募って山に登るのよ。でも、未だにサラマンダーと戦闘したのはごくわずかな人間しかいないわ」
「ふーん。じゃあ、その討伐隊に入るにはどうすればいいの?」
お姉さんがまだあきらめていないのかと言った表情をする。
それでも、丁寧に説明してくれた。
「討伐隊に入るためには、この精霊ギルドで功績を上げなきゃいけないわ。ここには精霊に関する依頼が集まってくる。その依頼を受けて報告することで、ランクが上がっていくの。難易度に応じてお金も貰えるわ」
ゲームの設定とよく似ている。
「サラマンダーに挑むためにはSランクにならないといけないの」
「ちなみに私は」
「あなたはまだギルドに登録してないのでしょう? Eランクからスタートね」
「Eランク……」
わたしはその場にしゃがみ込んだ。
ここまで来たからもうすぐだと思ったのに、こんなところで足止めだ。一日一ランク上がっても五日はかかる。さすがにそれほど早くランクは上がらないだろう。
肩を落としているそのとき、甲高い声がギルドに響き渡った。
「おーほっほっほ。やっぱりど素人さんはEランクですのね!」
背後を振り返ると、以前会った女の子が口元に手を立てて高笑いをしていた。
轟音が鳴り止んで、恐る恐る外に出てみると通りには矢が散らばっていたり、怪我人が倒れていたりと戦いの後が残っていた。
おばちゃんが救急セットを抱えて、怪我人の元へかけていく。慣れた様子で手当てを始めた。わたしも矢を拾って、少しだけ片づけを手伝う。
程なくすると、元の賑わいに戻っていったけれど、その頃にはもう夕方だ。
「宿を探そうか」
エルメラがそう言うけれど、宿がどこにあるか分からない。結局、またあのおばちゃんに聞いて宿に向かった。
そして一時間後。
「うーん。お風呂、最高!」
さすがは都の宿。綺麗な上に、お風呂もついていた。約一週間ぶりのお風呂で、髪も洗ってすごくサッパリした。
「しかも、地下から引いているってことは温泉ってことじゃない! 肌がツルツルしている!」
「わたし、温泉って初めて入った」
一緒に入ったエルメラも満足そうだ。
わたしは髪を拭きながら、鼻歌まじりに言う。
「明日はどうする? サラマンダーのところに行っちゃう?」
「イオたちを待たないといけないでしょ。それに、カカはユメノが行こうとしても、どうせ行けないって言っていたよね」
「なんだろ? でも、行ってみたら分かるかも」
「もう、しょうがないなぁ」
朝一番でシュウマ山に向かうことにした。
朝の腹筋や発声練習などのルーティンをこなして、わたしは宿を出る。
外は霧が少し出ていて、行き交う人々も少ない。道に少し迷いつつ、街に入って来た門へと向かった。すると、門は閉じている。
あんまり早く来てしまったのかと門を眺めていると、詰所から人影が出て来た。
「何奴! ……なんだ、昨日の嬢ちゃんか」
「あ。昨日、わたしを掴まえた兵士さん」
朝の門の警備をしていたのだろう。兵士さんは構えていた槍を下ろして、首を捻る。
「もしかして、連れの様子を見に来たのかい? ここにはいないよ」
「ううん。そうじゃなくて、門の外に行きたいの」
「なんでまた。ああ、修行しに行くんだな」
「ううん。サラマンダーのところに行こうと思って」
兵士さんは目を丸くした。そして、すぐに笑いだす。
「ハハハハハ! 冗談キツイよ! 君みたいな小さい子がサラマンダーのところに行くなんて、最近精霊使いになったばかりだろ?」
遠慮なく笑われてムッとする。確かにこの前精霊使いになったばかりだけど、わたしは一刻も早く元の世界に帰らないといけない。
「とにかく門を開けて」
滲んだ涙をぬぐいながら、兵士さんはかぶりを振った。
「通してもいいけれど、どうせサラマンダーのところには行けないよ」
「イオと同じことを言うのね。どうして?」
「山道の入り口にここと同じく警備がいるのさ。君みたいな無鉄砲者を止めるためにね」
なるほど。それで行けないわけだ。それでも、手がかりを得ようと食い下がる。
「でも、皆がみんな、止めているわけじゃないでしょ?」
「まぁ、そうだな。おっと、また誰か来た。すまないが、続きは別な人に聞いてくれ」
「え! 別な人って」
去り際、兵士さんは街の奥を指さす。
「この街には精霊ギルドがある。そこに行っていろいろと聞くといい」
「ギルド……」
精霊ギルド。
つまり精霊使いたちの組合ということだ。場所を人に聞くと、ギルドは街の中心部にあった。
ギルドの建物も街と同じように石造りだ。入り口の前に四体の巨大な彫刻が横並びに置かれていた。
さっそくエルメラが説明してくれる。
「本にも載っている四大精霊たちの像ね。一番右がノーム」
ノームは土の精霊だ。ひげの生えた小人が四体縦に重なっている。
「その次がウンディーネ」
ウンディーネは水の精霊。ウェーブがかった髪の長い綺麗な女性に見えた。
「その隣がサラマンダー」
サラマンダーは火の精霊。羽の生えた竜が柱に巻き付いている。
「そして最後がシルフ」
シルフは風の精霊。こちらは透明な羽が生えた中性的な人物像だ。
わたしはその内の一体、サラマンダーの像を杖で指した。
「ふん。見てなさい、サラマンダー。わたしがすぐに会いに行って、異世界からの帰り方を吐かしてやるんだから」
杖でサラマンダーの像を指して宣言した。
「さっ。入りましょう」
立派な両扉の入り口を開ける。さぞや精霊使いたちがひしめいているかと思いきや、中は閑散としていた。並んでいるソファにぽつぽつと数人座っているだけだ。
「なんか、人が少ないね。どうしたのかな」
エルメラがキョロキョロしながら尋ねて来た。
「建物が大きいから、普段はもっと人がいるはずだよ。たぶん、事件のせいじゃないかな」
「あ! そっか」
イオだけではなく、かなり多くの精霊使い達が拘束されているというわけだ。
「でも、人がいるってことは、ギルドも一応機能しているってことでしょ。サラマンダーのところへの行き方を聞いてみないと」
奥に行くと、大きな掲示板とカウンターの受付が並んでいた。受付にいる白いブラウスを着た女の人に声をかける。
「こんにちは。お尋ねしたいことがあるのですが」
「はい。何でも聞いてね」
わたしを見ると、小さな子を見るような目線になる。また子供扱いにちょっとムッとするけれど、グッと堪えた。
「シュウマ山の山道に入りたいの。どうしたら、行けますか?」
「はい?」
受付のお姉さんはキョトンとした。でも、すぐにまた子供に諭すように話し始める。
「えーとね。シュウマ山に昇るには通行証がいるのよ」
「はい。だからその通行証はどうやったら出ますか?」
お姉さんは完全に困ったなという顔をするけれど、丁寧に説明をしてくれる。
「山を登るためにはサラマンダー討伐隊に入る必要があるわ」
「討伐? サラマンダーは何か悪さをしているの?」
「ええ。サラマンダーは山の麓に狂わせた火の精霊を気まぐれに解き放って、町や村を焼こうとして来るの。だから、定期的に力の強い精霊使いを募って山に登るのよ。でも、未だにサラマンダーと戦闘したのはごくわずかな人間しかいないわ」
「ふーん。じゃあ、その討伐隊に入るにはどうすればいいの?」
お姉さんがまだあきらめていないのかと言った表情をする。
それでも、丁寧に説明してくれた。
「討伐隊に入るためには、この精霊ギルドで功績を上げなきゃいけないわ。ここには精霊に関する依頼が集まってくる。その依頼を受けて報告することで、ランクが上がっていくの。難易度に応じてお金も貰えるわ」
ゲームの設定とよく似ている。
「サラマンダーに挑むためにはSランクにならないといけないの」
「ちなみに私は」
「あなたはまだギルドに登録してないのでしょう? Eランクからスタートね」
「Eランク……」
わたしはその場にしゃがみ込んだ。
ここまで来たからもうすぐだと思ったのに、こんなところで足止めだ。一日一ランク上がっても五日はかかる。さすがにそれほど早くランクは上がらないだろう。
肩を落としているそのとき、甲高い声がギルドに響き渡った。
「おーほっほっほ。やっぱりど素人さんはEランクですのね!」
背後を振り返ると、以前会った女の子が口元に手を立てて高笑いをしていた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
GREATEST BOONS+
丹斗大巴
児童書・童話
幼なじみの2人がグレイテストブーンズ(偉大なる恩恵)を生み出しつつ、異世界の7つの秘密を解き明かしながらほのぼの旅をする物語。
異世界に飛ばされて、小学生の年齢まで退行してしまった幼なじみの銀河と美怜。とつじょ不思議な力に目覚め、Greatest Boons(グレイテストブーンズ:偉大なる恩恵)をもたらす新しい生き物たちBoons(ブーンズ)を生みだし、規格外のインベントリ&ものづくりスキルを使いこなす! ユニークスキルのおかげでサバイバルもトラブルもなんのその! クリエイト系の2人が旅する、ほのぼの異世界珍道中。
便利な「しおり」機能、「お気に入り登録」して頂くと、最新更新のお知らせが届いて便利です!
「羊のシープお医者さんの寝ない子どこかな?」
時空 まほろ
児童書・童話
羊のシープお医者さんは、寝ない子専門のお医者さん。
今日も、寝ない子を探して夜の世界をあっちへこっちへと大忙し。
さあ、今日の寝ない子のんちゃんは、シープお医者んの治療でもなかなか寝れません。
そんなシープお医者さん、のんちゃんを緊急助手として、夜の世界を一緒にあっちへこっちへと行きます。
のんちゃんは寝れるのかな?
シープお医者さんの魔法の呪文とは?
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
神の甲虫は魔法少女になって恩返しします
中七七三
児童書・童話
【児童書で小学校3年年生以上くらいを対象に考えた物語です】
いつか、どこか――
それは遠いむかしか未来か、どこの世界かは分かりません。
ただ、そこではアイウエ王国とカキクケ皇国の間で長い戦争が続いていました。
アイウエ王国の兵隊となったサシス・セーソは、タチツ峠にある要塞に向かいます。
要塞に向かう行進の途中でサシス・セーソは大きなどろ団子のような丸い玉を転がす甲虫に出会いました。
「このままでは、兵隊に踏みつぶされてしまう」
やさしいサシスは、甲虫を道のわきにどけてあげたのです。
そして、要塞にこもったサシスたちは、カキクケ皇国の軍隊に囲まれました。
しかし、軍勢は分かれ、敵の大軍が王国に向かっていくのです。
サシスは伝令となり、敵が迫っていることを王国を出て、山野を走りました。
そんなときでした。
「ボクが助けてあげる。ボクは魔法少女さ」
漆黒の髪をした美しく可憐な少女がサシスの前に現われたのです。
表紙画像は「ジュエルセイバーFREE」さんの画像を利用しました。
URL:http://www.jewel-s.jp/
異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!
克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。
少年騎士
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」ポーウィス王国という辺境の小国には、12歳になるとダンジョンか魔境で一定の強さになるまで自分を鍛えなければいけないと言う全国民に対する法律があった。周囲の小国群の中で生き残るため、小国を狙う大国から自国を守るために作られた法律、義務だった。領地持ち騎士家の嫡男ハリー・グリフィスも、その義務に従い1人王都にあるダンジョンに向かって村をでた。だが、両親祖父母の計らいで平民の幼馴染2人も一緒に12歳の義務に同行する事になった。将来救国の英雄となるハリーの物語が始まった。
大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。
takemot
児童書・童話
薬草を採りに入った森で、魔獣に襲われた僕。そんな僕を助けてくれたのは、一人の女性。胸のあたりまである長い白銀色の髪。ルビーのように綺麗な赤い瞳。身にまとうのは、真っ黒なローブ。彼女は、僕にいきなりこう尋ねました。
「シチュー作れる?」
…………へ?
彼女の正体は、『森の魔女』。
誰もが崇拝したくなるような魔女。とんでもない力を持っている魔女。魔獣がわんさか生息する森を牛耳っている魔女。
そんな噂を聞いて、目を輝かせていた時代が僕にもありました。
どういうわけか、僕は彼女の弟子になったのですが……。
「うう。早くして。お腹がすいて死にそうなんだよ」
「あ、さっきよりミルク多めで!」
「今日はダラダラするって決めてたから!」
はあ……。師匠、もっとしっかりしてくださいよ。
子供っぽい師匠。そんな師匠に、今日も僕は振り回されっぱなし。
でも時折、大人っぽい師匠がそこにいて……。
師匠と弟子がおりなす不思議な物語。師匠が子供っぽい理由とは。そして、大人っぽい師匠の壮絶な過去とは。
表紙のイラストは大崎あむさん(https://twitter.com/oosakiamu)からいただきました。
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる