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お喋りと推測
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飯田涼華の母親と仲良くなったのはいつからだっただろう。八重子はそう思った。
元々、菜摘と涼華が仲良くなって社交辞令のように付き合っていた仲だった。
しかし、ある日ふたりの少女はいなくなり、八重子は飯田と連絡を取り合いながら泣きわめき、ふたりを探した。
文句も言ったし、励ましもした。
そこから互いに本音で話すようになった。
結局、菜摘と涼華は秘密基地だと言って、隣町の公園の遊具から無事に発見された。
「ご主人が浮気…ですか?」
「可能性の話です。」
八重子はボソボソとした声で近所の喫茶店で飯田と話した。
「あの真面目なご主人がそんなことするとは思えません。」
「だとしたら何故部屋に手紙があったのか…。」
「一方的に想いを寄せられているんじゃないですか?だから手紙も捨てたんだと思いますよ。」
「そうですね。その可能性もありますね。」
「随分、思い詰めた顔をなさっておいでですけど、食事や睡眠は取れてますか?」
そう言って飯田は紅茶を飲む。
八重子はコーヒーに角砂糖を入れて、それらが溶けるのを待った。
「ご主人にカマをかけると言うのは…?」
「出来ません。あの真面目な主人のことです、許してくれないと思います。」
八重子はそう言って静かに涙を流した。
「子育てももうじき終わるこの時期にあの女が現れたんです。子育てが済んだら一緒になろうとでも言っているのかもしれません。」
「八重子さん、落ち着いて。」
飯田は八重子が落ち着くまで八重子が泣くのを見ていた。
「今度、苑田が現れたら私に電話してください。考えがあります。」
そう言って飯田は紅茶を飲み干した。
「涼華ー。お風呂どうする?一緒に入る?」
八重子の家には涼華が遊びに来ていた。
「菜摘の家のお風呂は広いもんねぇ…。」
そう言ってふたりは交代でネイルをしていた。
「棚田と付き合うの?」
「ないから。」
「だよね~。」
そう言ってふたりは爆笑する。
菜摘と涼華は双子のように背格好が似ている。もしかしたら、前世双子だったのかもね、とふたりは事あるごとに言っていた。
ふたりは明日はライブに行く。
真っ青なネイルを念入りにして好きなアーティストのライブに胸を高鳴らせる。
菜摘はキッチンに行って八重子に夕飯のメニューを聞く。
今夜は唐揚げだ。
ご飯の前にお風呂入っちゃいなさいと、八重子が言うと、ふたりは一緒にお風呂へ向かった。
佑はそれを見ながら、
「なつ姉ってレズなの?」
と言ったがふたりは気にせず風呂に入った。
佑はリビングのテーブルで勉強を続けた。
「母さん、俺、最近頭痛いんだよね。」
「明日は病院やってないから休日当番医探しておくわね。あとは今度からもっと早く言いなさい。」
八重子はそう言って唐揚げを揚げていく。八重子の家では唐揚げは醤油ベースの味付けだ。にんにくもしょうがもチューブではなくその都度、おろし金でおろす。
沢山の唐揚げが揚がり、菜摘と涼華は風呂からあがってきた。
「スキンケアはしとくのよ。若いうちからしとかないと。」
「えー揚げたて食べたい。」
「そんなに変わらないわよ。」
そう言って4人は夕飯を共にした。六郎が帰ってきたのは23時だった。
元々、菜摘と涼華が仲良くなって社交辞令のように付き合っていた仲だった。
しかし、ある日ふたりの少女はいなくなり、八重子は飯田と連絡を取り合いながら泣きわめき、ふたりを探した。
文句も言ったし、励ましもした。
そこから互いに本音で話すようになった。
結局、菜摘と涼華は秘密基地だと言って、隣町の公園の遊具から無事に発見された。
「ご主人が浮気…ですか?」
「可能性の話です。」
八重子はボソボソとした声で近所の喫茶店で飯田と話した。
「あの真面目なご主人がそんなことするとは思えません。」
「だとしたら何故部屋に手紙があったのか…。」
「一方的に想いを寄せられているんじゃないですか?だから手紙も捨てたんだと思いますよ。」
「そうですね。その可能性もありますね。」
「随分、思い詰めた顔をなさっておいでですけど、食事や睡眠は取れてますか?」
そう言って飯田は紅茶を飲む。
八重子はコーヒーに角砂糖を入れて、それらが溶けるのを待った。
「ご主人にカマをかけると言うのは…?」
「出来ません。あの真面目な主人のことです、許してくれないと思います。」
八重子はそう言って静かに涙を流した。
「子育てももうじき終わるこの時期にあの女が現れたんです。子育てが済んだら一緒になろうとでも言っているのかもしれません。」
「八重子さん、落ち着いて。」
飯田は八重子が落ち着くまで八重子が泣くのを見ていた。
「今度、苑田が現れたら私に電話してください。考えがあります。」
そう言って飯田は紅茶を飲み干した。
「涼華ー。お風呂どうする?一緒に入る?」
八重子の家には涼華が遊びに来ていた。
「菜摘の家のお風呂は広いもんねぇ…。」
そう言ってふたりは交代でネイルをしていた。
「棚田と付き合うの?」
「ないから。」
「だよね~。」
そう言ってふたりは爆笑する。
菜摘と涼華は双子のように背格好が似ている。もしかしたら、前世双子だったのかもね、とふたりは事あるごとに言っていた。
ふたりは明日はライブに行く。
真っ青なネイルを念入りにして好きなアーティストのライブに胸を高鳴らせる。
菜摘はキッチンに行って八重子に夕飯のメニューを聞く。
今夜は唐揚げだ。
ご飯の前にお風呂入っちゃいなさいと、八重子が言うと、ふたりは一緒にお風呂へ向かった。
佑はそれを見ながら、
「なつ姉ってレズなの?」
と言ったがふたりは気にせず風呂に入った。
佑はリビングのテーブルで勉強を続けた。
「母さん、俺、最近頭痛いんだよね。」
「明日は病院やってないから休日当番医探しておくわね。あとは今度からもっと早く言いなさい。」
八重子はそう言って唐揚げを揚げていく。八重子の家では唐揚げは醤油ベースの味付けだ。にんにくもしょうがもチューブではなくその都度、おろし金でおろす。
沢山の唐揚げが揚がり、菜摘と涼華は風呂からあがってきた。
「スキンケアはしとくのよ。若いうちからしとかないと。」
「えー揚げたて食べたい。」
「そんなに変わらないわよ。」
そう言って4人は夕飯を共にした。六郎が帰ってきたのは23時だった。
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