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翌日

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私は次の日の朝、婚約指輪がはまっている事であれは現実だったのか、と橋口のことを思い浮かべた。
自分を出せる…。
私は橋口は友達の言っている言葉の意味を履き違えている気がした。
しかし指輪は既にはまっている。
まあ私も橋口のことは好きだったしね…そう思ったが年齢的にもブレーキがかかった。
確か1か月だけこちらで仕事をすると橋口は言っていた。
それまでには答えを出して欲しい、そうも言っていた。
婚約指輪はスルリと、はまったが全く抜けない。

「本条先輩なんで手袋してるんですぅ?」
「美に目覚めたのよ。ほらハンドクリーム塗ってこうすると良いって言うじゃない?」
まさか指輪がこうも抜けないとは思わなかった。家中のクリームと言うクリームは試したが抜けなかった。
橋口の呪いだ…。
私はそう思ったが呪いそのものがやってきた。
「橋口君だぁ~。」
「どちら様でしたっけ?」
「みかちゃんでぇーす。」
「ほら、金髪寄りの茶髪だったみかちゃんよ。今は真っ黒だけどね。」
「ああ、確かに。ところで本条先輩。昨日の件お願いしますね。」
「昨日の件ってぇ?」
「秘密です。ね、本条先輩。」
「社外秘だもんね、分かってるわよ。」
そう言うと橋口は爆笑した。
「そうですね。社外秘ですね。」
「ほら仕事戻って。」
くそう…不覚にもドキドキしてしまった。
私は思った。秘密にすればするほど余計に緊張してしまう。だからといってみかちゃんに言えば明日と言わず今日中に噂は回ることだろう。
あああ…。なぜ私なんだ橋口ぃぃぃ。
こんなときにお母さんが、浮かぶ。
きっと、話せば菓子折りを持って今日中に訪ねてくるだろう。
私は大きくため息をついた。
「橋口君さぁ、今日の合コン出てみない~?」
黙れ足谷…。
「ああ、僕婚約者出来たんで。」
「ええ?!どんな子?!」
「口が悪くて小さくて童顔で頭の回転が早い人です。」
「そんなんでいいの?!」
「可愛らしいじゃないですか?」
黙れ足谷…。黙れ橋口…。
「あ~あ。橋口君も結婚かぁ…。」
みかちゃんは大きなため息をついた。
「みんな、仕事するのよー!!」
私はそうして会話を終わらせた。
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