『番』という存在

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幸せな日常

結婚式

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「リアリー、準備はできたかい?」

コンコンと、ドアをノックして、とても素敵なタキシードをきたカインさんが控室に入ってきた。

「はい、大丈夫です。わぁ、カインさんかっこいい…」

「リアリーもとっても綺麗だね。見せびらかしたくはないほど綺麗だけど、やっと夫婦になれるね。」

「はい!」

「夫婦になるなら俺のことはカインって呼んでね。」

「…頑張ります…」

式直前の時間を2人で過ごしていると、控室の外からお父様の声がした。

「リアリー、はいるよ?」

「えぇ、大丈夫よ。」

お父様は控室に入ってきて私の姿を見るととても懐かしそうな顔をしていた。

「リアリー…綺麗だね。お前の母様…マリーに似ているな…」

「本当?それは嬉しいわ、お母様も天国で見てくれているかしら。」

「あぁ、見ているとも。だから、これから幸せになってお母様を安心させてあげるんだよ。」

「えぇ、お父様も今まで育ててくれてありがとう。大好きよ…お父様。」

「あぁ、真っ直ぐ元気に、美しく育ってくれてありがとう、リアリー、お父様もずっとリアリーのことを愛しているよ…。カイン殿下、これから娘のことよろしくお願いします。」

「もちろんだ、必ず2人で幸せになる。リアリーとの約束だしな。」

カインさんが私の方を見て幸せそうに微笑むと、真面目な顔をしながらお父様の方に向き直って口を開いた。

「こちらこそ、これからよろしくお願いいたします、お義父さま。」

「あぁ、こちらこそよろしく頼む。」

コンコンっとノックがされアンが入ってきた。

「失礼いたします。そろそろお時間ですのでカイン様は教会の方へお願いいたします。お嬢様と旦那様はこちらにお越しください。」


…ゴーン、ゴーン…

「リアリー、本当に結婚おめでとう。これからは、カイン殿下に幸せにしてもらうんだよ。」

「違うわ、お父様。私たちは2人で一緒に幸せになるのよ。近くでお母様と一緒に見ていてね!」

「あぁ、そうだったな。そうするよ。」

お父様に連れられて、教会の中へ進むとカインさんがこちらを向きながら立っている。これから私はカインさんと夫婦になるんだ。なんだかじわじわと実感が湧いてきて少し目がうるうるしてきた。

カインさんのそばまでやってきて、お父様からカインさんに私の手が移動してぎゅっと握ってくれた。

「「私たちカイン・ボルテとリアリー・リングドルクは、これから先ずっとどんな時でも相手を思いやり、お互いが一緒に幸せになれるような家庭を作ることを誓います。」」

一緒に考えた言葉を言って、指輪をはめて、キスをして、私はこれからカインさんと一緒に生きていく。カインさんが獣人で番である私を見つけてくれて、こんなに幸せな人生をくれてありがとうと伝えたい。

「カイン、私を見つけてくれてありがとう。愛してるよ。」

「っ!リアリー、俺と一緒に生きると決めてくれてありがとう。愛しているよ。もう…キスしたばっかりなのにまたしたくなっちゃうよ、本当に可愛いリアリー、俺の唯一……これからはずっと一緒だよ。」

2人で、愛を囁き合いながら結婚式は終了した。





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