あなたはだあれ?~Second season~
“もう遅いよ……だって、好きになっちゃったもん”
今より少し先の未来のこと。人々は様々な原因で減ってしまった人口を補う為、IT、科学、医療などの技術を結集した特殊なアンドロイドを開発し、共に暮らしていました。
最初は、専業ロイドと言って仕事を補助する能力だけを持つロイドが一般的でしたが、人々はロイドに労働力ではなく共にいてくれることを望み、国家公認パートナーロイドという存在が産まれたのです。
一般人でもロイドをパートナーに選び、自分の理想を簡単に叶えられる時代。
そんな時代のとある街で出逢った遥と海斗、惹かれ合う二人は恋に落ちます。でも海斗のある秘密のせいで結ばれることは叶わず、二人は離れ離れに。
今回は、遥のその後のお話です。
「もう、終わったことだから」
海斗と出逢ってから二回目の春が来た。遥は前に進もうと毎日、一生懸命。
彼女を取り巻く環境も変化した。意思に反する昇進で忙しさとプレッシャーにのまれ、休みを取ることもままならない。
さらに友人の一人、夢瑠が引っ越してしまったことも寂しさに追い打ちをかけた。唯一の救いは新しく出来た趣味の射撃。
「遥さんもパートナーロイドにしてはいかがです? 忙しいなら尚更、心の支えが必要でしょう」
パートナーロイドを勧める水野。
「それも……いいかもしれないですね」
警戒していたはずなのに、まんざらでもなさそうな雰囲気の遥。
「笹山……さん? 」
そんな中、遥に微笑みかける男性の影。その笑顔に企みや嘘がないのか……自信を失ってしまった遥には、もうわかりません。
序章
第一章 思い出は霞む
第二章 思い出を辿りながら
第三章 思い出を超えて
第四章 幸せは思い出に
終章
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