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第一章 使徒王誕生
第6話
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「ほう、これは美味いな。これが麦を作った後の畑で作れるようになると言うのか」
「はい、お父様。これは王家の別荘の裏に自生していた稲というものから取れた実で米と言います。
これなら、収穫量は麦よりも少し多めになりますし、麦の後に植えることで今よりも丸々収穫量を増やすことが出来るのです」
「......ジバ、お前この知識をどこで?」
「実は、昏睡していた1年の間、夢を見ていたようなのです。
そこには僕よりも少し年上の見知らぬ世界の子供がいました。
彼等の世界は凄く進んでいて、僕達とは全く別次元でしたけど、彼が学習していた内容は僕達にも使えそうなものが多かったんです。
米は彼らの主食でしたので特に作り方や食べ方については学べたのです」
「うーん、そなたは以前より聡明であったが、幸か不幸か今の我が国に最も必要な知識を神から与えられたということだな。」
「ジバ、とっても美味しいわ。
特にわたしはこの『おにぎり』と言うのが気に入りました。
これなら戦場にいるあの子達にも届けてあげられるわね。」
自分が産んだジバを殺されそうになったのに、仇の子供達を気遣える優しさを持つ王妃を王が優しく抱き寄せる。
「ではお母様、このおむすびには何も入っていませんでしたが、おむすびの中に『ガズの実』を入れたものを用意します。
夢の中の世界では『梅』と呼んでおりましたが、我が国のガズがそれに近いと思いますので。
殺菌効果があって、日持ちがするようです。」
「殺菌効果というのはよく分からぬが、傷の化膿止めにもなるガズの実なら、そういった効果もあるやもしれんな。
ジバよ、料理長に調理方法を教えて、兄達に届けてやってくれ。
頼んだぞ」
「はい、お父様。早急に送ることにします。」
「うむ、それとスミセス!
この度の活躍、ご苦労であった。
この米というのもの、急いで栽培出来るように準備を頼む。
スラムの再開発については宰相に対応させる。」
「はっ、承知いたしました。
早速掛らせて頂きたく思います。」
こうして、ジバの発案による経済対策とスラムの浄化による治安の回復が進むのであった。
「はい、お父様。これは王家の別荘の裏に自生していた稲というものから取れた実で米と言います。
これなら、収穫量は麦よりも少し多めになりますし、麦の後に植えることで今よりも丸々収穫量を増やすことが出来るのです」
「......ジバ、お前この知識をどこで?」
「実は、昏睡していた1年の間、夢を見ていたようなのです。
そこには僕よりも少し年上の見知らぬ世界の子供がいました。
彼等の世界は凄く進んでいて、僕達とは全く別次元でしたけど、彼が学習していた内容は僕達にも使えそうなものが多かったんです。
米は彼らの主食でしたので特に作り方や食べ方については学べたのです」
「うーん、そなたは以前より聡明であったが、幸か不幸か今の我が国に最も必要な知識を神から与えられたということだな。」
「ジバ、とっても美味しいわ。
特にわたしはこの『おにぎり』と言うのが気に入りました。
これなら戦場にいるあの子達にも届けてあげられるわね。」
自分が産んだジバを殺されそうになったのに、仇の子供達を気遣える優しさを持つ王妃を王が優しく抱き寄せる。
「ではお母様、このおむすびには何も入っていませんでしたが、おむすびの中に『ガズの実』を入れたものを用意します。
夢の中の世界では『梅』と呼んでおりましたが、我が国のガズがそれに近いと思いますので。
殺菌効果があって、日持ちがするようです。」
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