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第14章 そして神になった

34【スタンピード3】

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<<シノブ視点>>

わたしとうとう異世界に来ちゃいました。

和也君を追いかけて交差点に入ったら光ってトラックが来て.......

もしかしたら死んじゃったのかな。よくある設定だよね。

お父さんお母さんにサヨナラを言いたかったけど、まっいいか。しようがないよね。


「.......や、やったーーー!ついについに異世界に来たんだーーー!
さあ無双するぞー!!!!」

異世界を実感してきたら、あんまり元の世界に執着が無くなってきたみたい。

思わず叫んじゃった。

和也君がちょっと引いているみたいだけど気にしないわ。

「ねえねえ和也君、魔王がいるの?それとも内政チート?いやあ文明を創るのかなあ!わたし料理は苦手だから無理よっ!」

どんなチートを貰えたのかなあ。ステータスも見たいし。

「ステータスオープン!!」

しーーーーん

何も起こらない。和也君「へっ」って顔してる。

もしかして和也君の元の時代って「ステータスオープン」って言わなかったのかな。

「ステータスオープン!!」

しーーーーん

何も出ないよ。どうして?

「和也君、わたしのステータスが出ないんだけど?」

「ステータスってなに?」

「ステータスって言ったら異世界物の常識でしょ。強さとか魔力とか使える魔法とか能力が一覧表示されるヤツよ。」

「そんなの無いよ。一応ね女神様から転移時に貰える力はあるんだけど、そのことかな?」

「たぶん、そうだと思う。でもステータスが見えなきゃ何を貰えたのか分かんないじゃない。」

「うーーーん。今回の転移時にはポーラ様の部屋を通らなかったみたいだから、その辺よく分からないなあ。

特にしのぶさんの場合、予定外についてきたからねえ。そんな能力って無いんじゃない?」

「えええええええーーーー!!そんなーーーーーー!!

女神さまーーーーーーー何かチートな能力下さーーーーーーーーーーい!!」

はたしてわたしの悲痛な叫びは天に届いたのか、目の前に女神様が現れた。

真っ白な何も無い空間の中、女神様はちょっと困り顔。

「カズヤさーーん、こっちへ来てってお願いしたけど、早速彼女連れてくるってどうなのよ!」

彼女だって。わたし和也君の彼女だって言われたわ。

「ごめんなさいポーラ様。しのぶさんは彼女じゃ「彼女です」...だそうです。

いやそうじゃなくて、彼女はたまたま俺の召喚に巻き込まれたというか、そう事故なんです。」

「そうねえ、見てたから知ってるわよ。でもね、もう彼女も死んだことになっちゃったからねえ、戻せないわよ。」

やっぱり死んじゃったんだ。

「ポーラ様、わたしのチート能力は何ですか?能力貰えたんですよねー。」

思い切って聞いてみる。だってせっかくの異世界なんだもの、チートの1つや2つ貰っておかないと話にならないじゃない。

「チートってよく分からないんですけど、カズヤさん、分かりますう?」

「どうやら彼女達の読んでいるラノベっていう本に書かれている凄い能力ってモノらしいです。

異世界に来たらそのチートとかで、無双するんだとか。」

「あー、そう言えば前にシールが言ってた気がする。たしかシールの時はこれとこれが欲しいって言われて困ったって言ってたっけ。

で、あなたは予定外だったから何も能力を与えてませんよ。
能力が欲しいのですか?」

「はい、欲しいです。いっぱい欲しいです。」

もちろん即答よ。当たり前じゃない。

「うーーーん、今のところこの世界も順調だし、カズヤさんもいますからねえ、あんまりかき混ぜたくないからなあ.......」

何か嫌な予感。

「あのお、とりあえず魔法を使いたいです。身を守れるくらいで良いですから。
それと出来れば頭に思っただけで現実に作り出せる能力とか。」

「うーーーん、まあ身を守る魔法ぐらいならこの世界の住人達でもある程度持ってるし.... でも創造の魔法はダメよ。

この前ユリアのところで言われるままに渡しちゃったら、大変なことになったんだから。

あの世界はまだ不完全だったから、まだ良かったけどここじゃ困るわ。

とりあえず魔法だけね。後はちょっと相談してからね。


ところでカズヤさん、つい先日戻ったばかりなのに呼び戻してごめんね。

ちょっとまずいことが起こったのよ。

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