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第14章 そして神になった
13【異世界に米を1】
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<<ミリア視点>>
「あーあ、今日も残業かー。
優等生のわたしがこんなに苦労するとはね。
ホント召還ビンゴで大外れひいちゃったわよ。」
わたしは異世界管理局運営課の期待のプリティ新人ミリア。
最高学府である星立アルテミア大学を首席で卒業した自他共認める優等生よ。
頭も良くって、品行方正だし、皆が憧れる異世界管理局のそれも運営課に新卒で即配属なんて、最近ではわたしくらいじゃないかしら。
そんなわたしにも悩みがあるのよね。
まあ、悩みって程では無いんだけど、困っているのは初仕事のことなの。
わたしが任されたのは、ムーンっていう次元の狭間にある辺境の地。
元々はエレクトス星って星の一部だったんだけど、なんか訳あリみたいでその土地だけ次元の狭間に落ちたみたい。
なにがあったのかは誰も教えてくれないの。
噂によると昔運営課にいた人が、自分の失態を隠そうとして失敗したとか。
そんな変な場所なんだから、とんでもない未開地かと思ったんだけど、凄くしっかりとしてるのよ。
昔その世界に召還された転移者の功績みたいね。
でも彼の名前って全然伝わっていないのよ。
局内で不祥事があったのだし、辺境の地だから異世界管理局としても隠蔽しておきたいのかもね。
そんな地の仕事を、何故かわたしみたいなエリートが担当することになったんだけど、どうしてかしらね。
まあ放っておいても全然問題ないんだけどねえ、ちょっと気に入らないことがあるのよね。
結構高度な文明なのにさ、主食が虫なのよ。
分かる?そう虫を食べてるわけ。
充分に技術もあってその気になれば米も小麦もいくらでも作れるのに。
いや実際には米も麦も少しだけあるのだけどね、あまり食べられていないの。
元々この世界の人達の主食は虫だったらしいのね。
転移者もそれを良しとはせずに水辺に自生していた稲を品種改良して米を作ったらしいの。
一時期は米が主食になっていたみたいなんだけど、その転移者がいなくなって1000年も経つ頃には主食は虫に戻っていたみたい。
何回かの大きな旱魃により、米よりも手軽に手に入る虫を選んだんだと思うわ。
なんか嫌じゃない。
星のプレゼンをする時にプロフィールの主食欄に『虫』って書きたい?
エリートのわたしがよ、虫を主食にしている星を管理していますなんてみっともないじゃない。
だからその世界の守護者であるミケツカミに言ったの。『米』を主食にさせなさいって。
ミケツカミは狐の形をした星の守護神。この世界が星として誕生した時からずうっとここで守護者をしている。
普通守護者っていうと、星に崩壊の恐れが発生しでもしないと何もしない奴らが大半なんだけど、このミケツカミは無茶苦茶優秀なのよ。
自分で転移者を呼んで何度もこの世界の危機を救っているんだって。
さっきから出てきている転移者だってミケツカミが自分で呼び出したみたいなの。
わたしからの指示を聞いたミケツカミ、ちょっと苦笑いしていたのが腹ただしいけど、この世界に関して彼はエキスパートですからね。
優秀で生意気な部下を使いこなすのも優秀な上司の仕事だから、嫌な顔は見せずに笑顔でねぎらうことで包容力を見せつけるわよ。
「そろそろ、ムーンにも米が普及したかしらね。」
わたしは星を監視するためのモニターを見ながらティータイム。
「ミケツカミに任せておいたからもう終わっていると思うけど...うん?まだ水田が少ないじゃない。あーーー、まだ虫喰ってる!」
もうとっくに終わっていると思っていた主食の米化は全然進んでなかった。
ミケツカミを呼び出して、問い詰めてみる。
「どうしていまだに主食が虫なのよ。」
「あの世界で米を普及させるのはやめた方がいいと思うよーー。」
あー、この間延びした口調が煩わしい。
「どうしてよ。」
「あの世界の人達は豊富なたんぱく質がいるんだよねー。
米や小麦だと栄養が足りなくて、大変なのーー。」
「でも他の星じゃほとんど米や小麦が主食なの。わたしの管轄だけ虫ってみっともないじゃない。」
「そうは言ってもねーー。遺伝子レベルで大量のたんぱく質がいるんだよー。無理を言っちゃいけないんだぞーーー。」
守護者のくせにわたしに説教するのね。いい度胸だわ。
「わかったわ、あなたじゃ無理なのね。しようが無いわね。わたしが直々にやるわ。」
いくら優秀だって言われてたって所詮は守護者ね。
わたしは自分で召喚者を呼びだすことにした。
でも、召喚者は好きに呼び出せるわけじゃない。
年に1回、召喚ビンゴっていうのがあって、それで上手く引き当てられたら初めて呼び出せるの。
転移者って召喚ビンゴの景品みたいなものね。
あらかじめどんな人間が欲しいかを運営課員が書いてポストに入れておくとAIが自動であちらこちらの星から人をピックアップしてくれて、彼らが景品 失礼転移者になるのよ。
ビンゴの大当たり率は30パーセント位だからまあまあ当たる確率はあるわ。
でも自分が欲しいと思った条件に当てはまっているかは賭けね。
直近の召喚ビンゴは来週の火曜日、頑張らなくっちゃね。
「あーあ、今日も残業かー。
優等生のわたしがこんなに苦労するとはね。
ホント召還ビンゴで大外れひいちゃったわよ。」
わたしは異世界管理局運営課の期待のプリティ新人ミリア。
最高学府である星立アルテミア大学を首席で卒業した自他共認める優等生よ。
頭も良くって、品行方正だし、皆が憧れる異世界管理局のそれも運営課に新卒で即配属なんて、最近ではわたしくらいじゃないかしら。
そんなわたしにも悩みがあるのよね。
まあ、悩みって程では無いんだけど、困っているのは初仕事のことなの。
わたしが任されたのは、ムーンっていう次元の狭間にある辺境の地。
元々はエレクトス星って星の一部だったんだけど、なんか訳あリみたいでその土地だけ次元の狭間に落ちたみたい。
なにがあったのかは誰も教えてくれないの。
噂によると昔運営課にいた人が、自分の失態を隠そうとして失敗したとか。
そんな変な場所なんだから、とんでもない未開地かと思ったんだけど、凄くしっかりとしてるのよ。
昔その世界に召還された転移者の功績みたいね。
でも彼の名前って全然伝わっていないのよ。
局内で不祥事があったのだし、辺境の地だから異世界管理局としても隠蔽しておきたいのかもね。
そんな地の仕事を、何故かわたしみたいなエリートが担当することになったんだけど、どうしてかしらね。
まあ放っておいても全然問題ないんだけどねえ、ちょっと気に入らないことがあるのよね。
結構高度な文明なのにさ、主食が虫なのよ。
分かる?そう虫を食べてるわけ。
充分に技術もあってその気になれば米も小麦もいくらでも作れるのに。
いや実際には米も麦も少しだけあるのだけどね、あまり食べられていないの。
元々この世界の人達の主食は虫だったらしいのね。
転移者もそれを良しとはせずに水辺に自生していた稲を品種改良して米を作ったらしいの。
一時期は米が主食になっていたみたいなんだけど、その転移者がいなくなって1000年も経つ頃には主食は虫に戻っていたみたい。
何回かの大きな旱魃により、米よりも手軽に手に入る虫を選んだんだと思うわ。
なんか嫌じゃない。
星のプレゼンをする時にプロフィールの主食欄に『虫』って書きたい?
エリートのわたしがよ、虫を主食にしている星を管理していますなんてみっともないじゃない。
だからその世界の守護者であるミケツカミに言ったの。『米』を主食にさせなさいって。
ミケツカミは狐の形をした星の守護神。この世界が星として誕生した時からずうっとここで守護者をしている。
普通守護者っていうと、星に崩壊の恐れが発生しでもしないと何もしない奴らが大半なんだけど、このミケツカミは無茶苦茶優秀なのよ。
自分で転移者を呼んで何度もこの世界の危機を救っているんだって。
さっきから出てきている転移者だってミケツカミが自分で呼び出したみたいなの。
わたしからの指示を聞いたミケツカミ、ちょっと苦笑いしていたのが腹ただしいけど、この世界に関して彼はエキスパートですからね。
優秀で生意気な部下を使いこなすのも優秀な上司の仕事だから、嫌な顔は見せずに笑顔でねぎらうことで包容力を見せつけるわよ。
「そろそろ、ムーンにも米が普及したかしらね。」
わたしは星を監視するためのモニターを見ながらティータイム。
「ミケツカミに任せておいたからもう終わっていると思うけど...うん?まだ水田が少ないじゃない。あーーー、まだ虫喰ってる!」
もうとっくに終わっていると思っていた主食の米化は全然進んでなかった。
ミケツカミを呼び出して、問い詰めてみる。
「どうしていまだに主食が虫なのよ。」
「あの世界で米を普及させるのはやめた方がいいと思うよーー。」
あー、この間延びした口調が煩わしい。
「どうしてよ。」
「あの世界の人達は豊富なたんぱく質がいるんだよねー。
米や小麦だと栄養が足りなくて、大変なのーー。」
「でも他の星じゃほとんど米や小麦が主食なの。わたしの管轄だけ虫ってみっともないじゃない。」
「そうは言ってもねーー。遺伝子レベルで大量のたんぱく質がいるんだよー。無理を言っちゃいけないんだぞーーー。」
守護者のくせにわたしに説教するのね。いい度胸だわ。
「わかったわ、あなたじゃ無理なのね。しようが無いわね。わたしが直々にやるわ。」
いくら優秀だって言われてたって所詮は守護者ね。
わたしは自分で召喚者を呼びだすことにした。
でも、召喚者は好きに呼び出せるわけじゃない。
年に1回、召喚ビンゴっていうのがあって、それで上手く引き当てられたら初めて呼び出せるの。
転移者って召喚ビンゴの景品みたいなものね。
あらかじめどんな人間が欲しいかを運営課員が書いてポストに入れておくとAIが自動であちらこちらの星から人をピックアップしてくれて、彼らが景品 失礼転移者になるのよ。
ビンゴの大当たり率は30パーセント位だからまあまあ当たる確率はあるわ。
でも自分が欲しいと思った条件に当てはまっているかは賭けね。
直近の召喚ビンゴは来週の火曜日、頑張らなくっちゃね。
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