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第14章 そして神になった
1【300年後】
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<<ランス視点>>
「お兄様、セウタ星との友好契約の件ですけど、この合意文書で大丈夫ですか?」
「イリヤ、いいんじゃないか。
いちおうお父様にも確認してもらったんだろ。」
「うん。いちおう見てもらったけど、そろそろ2人で判断したらって言われたよ。」
「お父様から星王位を譲られてそろそろ10年になるもんな。
たしかにいつまでもお父様に頼るわけにはいかないか。
よし、イリヤ。もう一度読み返して最終判断しよう。」
「はい、お兄様。」
シンゲン星との友好条約が結ばれて今年で300年目になる。
あの後、お父様は国際連合総会において、初代星王の地位についた。
星王とはこのラスク星の全ての国をまとめる王位のことで、シンゲン星や他の星との友好関係を築いていくために星を代表する王が必要ではないかとの発案により、国際連合総会で決まった称号だ。
その決議の場において満場一致で初代星王としてお父様が選出されたんだ。
この時採択された内容は以下の通り。
1.ラスク星を1つの国として考え、現在の各国はラスク星の自治政府として扱う。
2.元々お父様の直轄地であるマサル共和国はその星都としてラスク星全体の王都とする。
3.新たに星王の爵位を設け、ラスク星全体をまとめる王とする。
4.星王の役割としては全ての自治政府を統括して円滑に運営できるように指導する。
また、自治政府の王についても星王の任命により決定される。
5.各自治政府はこれまでの国としての運営を継続する。
以上5項目が300年経った今も継続されている。
そして10年前にわたしがお父様より星王の座を譲られ、イリヤと協力してこのラスク星を運営している。
お父様はもとより、神の加護を強く受けたわたしとイリヤ、そしてあの後すぐにマリス様より『神聖女』認定を受けたお母様の4人は1000年の寿命を頂いた。
300年の間に各国の王は世代がずいぶんと変わり、王政から共和制に変わったところや、合併・併合されたところもあるが、平和な世の中が続いていることは間違いない。
カトウ運輸も今では星営企業として、他星との交易にも大きな役割を果たしている。
わたし達4人は相変わらずだけど、お父様がマリス様から手伝いと称して呼び出されることが多くなったので、10年前に星王位がわたしに禅譲された形だ。
現在ラスク星の運営はわたしとイリヤが担当し、それをネクター王、ガード王、レイン皇帝のそれぞれの直系子孫である各自治領主3人が宰相として補佐してくれている形だ。
300年という年月の中でこの星の在り方は完全に浸透している。
各自治領間の技術・文化交流も当たり前となり、地域による格差も少なく文明も大きく進歩してきた。
また、シンゲン星以外の星ともコンタクトを取るようになり、友好条約を結んだ星も10以上を数える。
今日も新しい星との友好条約の内容についてイリヤと最終調整をしているところだ。
「お兄様、そろそろお茶にしません?お母様もお庭でお待ちのご様子ですわ。」
「よし、お待たせするのもあれだし行こう。」
ここは旧カトウ共和国、現在の星王都にある星王殿内にあるわたしの執務室。
元々政務庁舎のあったところだ。
セラフが好きだった桜は今も毎年春になると綺麗な花を咲かせている。
「お母様、お待たせしました。セラフ、待たせたね。」
そう、セラフは今ここで一緒に暮らしているんだ。わたしの妻として。
「お母様、セラフさん、美味しい紅茶が手に入ったそうですね。楽しみです。」
イリヤはお母様の隣りに陣取り、わたしはセラフの隣りに座る。
わたしとイリヤも300年前のお父様やお母様と同じくらいの背格好になって久しい。
お父様やお母様、もちろんセラフもあの頃からほとんど容姿は変わっていないから、こうして4人で座っていると同年代の友達同士のように見えるだろう。
現在お母様はラスク星のみならず友好星全ての政務アドバイザーとして様々な地域からの要請を受けて助言をしている。
お父様もお母様も既に神格化されているから、調整役や相談役として最もふさわしいと思う。
「お母様、お父様は今日もマリス様のところですか?」
「そうなのよ。あなたがセラフちゃんをこちらに呼んだから、マリス様の仕事が滞ることが多いみたいでね。
マリス様が育てたお父様が他の星をも巻き込んで文化発展させているから、マリス様もその成果を認められて神界で引っ張りだこの忙しさらしいの。ねえセラフちゃん。」
「ええ、お義母様。この前聞いた話しだとお義父様も講演会に駆り出されているみたいですよ。
最近では各星に召喚された人達相手に啓発セミナーもしておられるみたいですし。
もうすっかりマリス様の同僚どころか、マリス様がお付きみたいになっていることもあるみたいですよ。」
セラフもこっちの世界が長くなってきたのでだいぶ人間になじんでいるみたいで、言葉使いも変わってきている。
お父様の話しだと、お父様みたいに異世界召喚される人は年々増えていて、特にお父様の元同郷人が激増しているみたいだ。
地球の日本人って言ったかな。勤勉でお父様みたいな人が多いって聞いている。
でもお父様に言わせると「最近のやつらはなって無い!」らしいけど。
「お兄様、セウタ星との友好契約の件ですけど、この合意文書で大丈夫ですか?」
「イリヤ、いいんじゃないか。
いちおうお父様にも確認してもらったんだろ。」
「うん。いちおう見てもらったけど、そろそろ2人で判断したらって言われたよ。」
「お父様から星王位を譲られてそろそろ10年になるもんな。
たしかにいつまでもお父様に頼るわけにはいかないか。
よし、イリヤ。もう一度読み返して最終判断しよう。」
「はい、お兄様。」
シンゲン星との友好条約が結ばれて今年で300年目になる。
あの後、お父様は国際連合総会において、初代星王の地位についた。
星王とはこのラスク星の全ての国をまとめる王位のことで、シンゲン星や他の星との友好関係を築いていくために星を代表する王が必要ではないかとの発案により、国際連合総会で決まった称号だ。
その決議の場において満場一致で初代星王としてお父様が選出されたんだ。
この時採択された内容は以下の通り。
1.ラスク星を1つの国として考え、現在の各国はラスク星の自治政府として扱う。
2.元々お父様の直轄地であるマサル共和国はその星都としてラスク星全体の王都とする。
3.新たに星王の爵位を設け、ラスク星全体をまとめる王とする。
4.星王の役割としては全ての自治政府を統括して円滑に運営できるように指導する。
また、自治政府の王についても星王の任命により決定される。
5.各自治政府はこれまでの国としての運営を継続する。
以上5項目が300年経った今も継続されている。
そして10年前にわたしがお父様より星王の座を譲られ、イリヤと協力してこのラスク星を運営している。
お父様はもとより、神の加護を強く受けたわたしとイリヤ、そしてあの後すぐにマリス様より『神聖女』認定を受けたお母様の4人は1000年の寿命を頂いた。
300年の間に各国の王は世代がずいぶんと変わり、王政から共和制に変わったところや、合併・併合されたところもあるが、平和な世の中が続いていることは間違いない。
カトウ運輸も今では星営企業として、他星との交易にも大きな役割を果たしている。
わたし達4人は相変わらずだけど、お父様がマリス様から手伝いと称して呼び出されることが多くなったので、10年前に星王位がわたしに禅譲された形だ。
現在ラスク星の運営はわたしとイリヤが担当し、それをネクター王、ガード王、レイン皇帝のそれぞれの直系子孫である各自治領主3人が宰相として補佐してくれている形だ。
300年という年月の中でこの星の在り方は完全に浸透している。
各自治領間の技術・文化交流も当たり前となり、地域による格差も少なく文明も大きく進歩してきた。
また、シンゲン星以外の星ともコンタクトを取るようになり、友好条約を結んだ星も10以上を数える。
今日も新しい星との友好条約の内容についてイリヤと最終調整をしているところだ。
「お兄様、そろそろお茶にしません?お母様もお庭でお待ちのご様子ですわ。」
「よし、お待たせするのもあれだし行こう。」
ここは旧カトウ共和国、現在の星王都にある星王殿内にあるわたしの執務室。
元々政務庁舎のあったところだ。
セラフが好きだった桜は今も毎年春になると綺麗な花を咲かせている。
「お母様、お待たせしました。セラフ、待たせたね。」
そう、セラフは今ここで一緒に暮らしているんだ。わたしの妻として。
「お母様、セラフさん、美味しい紅茶が手に入ったそうですね。楽しみです。」
イリヤはお母様の隣りに陣取り、わたしはセラフの隣りに座る。
わたしとイリヤも300年前のお父様やお母様と同じくらいの背格好になって久しい。
お父様やお母様、もちろんセラフもあの頃からほとんど容姿は変わっていないから、こうして4人で座っていると同年代の友達同士のように見えるだろう。
現在お母様はラスク星のみならず友好星全ての政務アドバイザーとして様々な地域からの要請を受けて助言をしている。
お父様もお母様も既に神格化されているから、調整役や相談役として最もふさわしいと思う。
「お母様、お父様は今日もマリス様のところですか?」
「そうなのよ。あなたがセラフちゃんをこちらに呼んだから、マリス様の仕事が滞ることが多いみたいでね。
マリス様が育てたお父様が他の星をも巻き込んで文化発展させているから、マリス様もその成果を認められて神界で引っ張りだこの忙しさらしいの。ねえセラフちゃん。」
「ええ、お義母様。この前聞いた話しだとお義父様も講演会に駆り出されているみたいですよ。
最近では各星に召喚された人達相手に啓発セミナーもしておられるみたいですし。
もうすっかりマリス様の同僚どころか、マリス様がお付きみたいになっていることもあるみたいですよ。」
セラフもこっちの世界が長くなってきたのでだいぶ人間になじんでいるみたいで、言葉使いも変わってきている。
お父様の話しだと、お父様みたいに異世界召喚される人は年々増えていて、特にお父様の元同郷人が激増しているみたいだ。
地球の日本人って言ったかな。勤勉でお父様みたいな人が多いって聞いている。
でもお父様に言わせると「最近のやつらはなって無い!」らしいけど。
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