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第3章 国際連合は活躍する
29 【ハーン帝国に起こった異変を探せ】
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<<モーグル王国サーゴス王視点>>
昨日から国際連合の緊急会議に出席している。
2ヶ月ちょっと前に話しは遡る。
国際連合の定例会議の席上、我が国から議題を持ち出したナーカ教国とハーン帝国に対する協力要請はスムーズに受け入れられ、国際連合加盟各国のハーン帝国との全面的な輸出入制限として身を結んだ。
カッパ宰相とハッカ外務大臣のお手柄だ。
これで、とりあえずハーン帝国は大陸各国から制裁を受けることになり、我が国への嫌がらせどころではなくなるだろう。
まだ安心は出来ないが、今後は国際連合の協力を得ながら粛々と対応していくとしよう。
実際に各国のハーン帝国に対する制裁が始まると、最初の頃は我が国へのバッシングが強かったが、次第に泣きついてくるようになった。
国際連合の指示通りに完全無視を貫くと、すぐに沈黙し何の反応もしなくなった。
あの国は、輸入に頼らなければ食料さえ調達出来ない国だから、今頃各国の輸出制限による効果で、国内は大混乱しているに違いない。
国民が革命でも起こして現帝政を倒してくれれば、もう少しマシな付き合いもできるであろうか?
いや、あの国民性だ。
どんな政府が後を継いだとしても変わらないかもしれないな。
そんなことを考えながら、いつも通り政務に励んでいた。
「陛下、少しお時間よろしいでしょうか。」
カッパ宰相の声に頭を上げる。
カッパ宰相の隣には軍服を着用した兵士が直立している。
「陛下、この者はハーン帝国との国境警備の任に就いているのですが、定例報告を持って参りました。
内容を確認致しましたところ、陛下にも直接お聞き頂いた方が良いと判断し、連れて参りました。」
「わかった。報告を聞こう。」
兵士は、緊張しながらもしっかりと報告する。
「陛下、謹んでご報告致します。
軍本部よりの命令で2ヶ月前からハーン帝国との国境の警備体制を強化し不測の事態に備えて参りました。
監視体制強化後、デモや抗議行動等これまでのものよりも若干強くなったような気はしますが、想定内として対応して参りました。
しかしながら、最近ハーン帝国側の警備体制が異常に強化され、ほとんどの通行者が入れない状態になっております。
また、向こう側から我が国に入ってくる者達も止められているようで、国境線は完全に膠着状態になっています。」
「ハーン帝国からは、何か言ってきているのか?」
「いえ、全くありません。
こちらから数度確認致しましたが、何の返答も返ってきませんでした。」
少し嫌な感じがする。
「カッパ宰相、制裁開始から1ヶ月ちょっと経つ。
そろそろ食料備蓄等が不足し、国民生活も困窮し出す頃だろうと思う。
この状況において、商人による物流まで止めてしまえば、食料不足が加速してしまい、自分の首を絞めるだけだと思うが如何か?」
「陛下のおっしゃる通りだと思います。
しかしながら、あの国のことです。
国民がいくら困窮しようと、自分達が問題なければ、弾圧してでも保身に走ると思います。
おそらく、城内には大量の食料をストックしているでしょう。」
「そうだな、あの皇帝はそういう男だったな。
国民が、雪崩れを打ったようにこちらに押し寄せて来なければ良いが。」
「そのための警備体制強化です。ただ、向こうまで強化してくるとは思いませんでしたね。
自国民を出さないつもりでしょうか?
もしかすると、自国の困窮具合を他国に知らせたくないとか。
無駄にプライドが高いですから。」
「うむ、カッパ宰相の言うとおりかもしれんな。
まぁ、もう少し様子を見てみるか。」
こんな会話をカッパ宰相としながら、国境警備隊の伝令を労っていたのだが、突然ハッカ外務大臣から緊急の目通り願いが入ってきた。
「陛下、大至急お伝えしたいことがありまして、お目通りを願いました。
ちょうどカッパ宰相もこちらにおられると聞き及びましたので。」
いつも慌てないハッカが緊急の報告と言うのだから、本当に大事なのだろう。
「ハッカ、報告をせよ。」
「はっ。ハーン帝国がナーカ教国に吸収され、消滅したとの情報が入りました。」
「それは確かな情報なのか?」
カッパ宰相がハッカ外務大臣に質問する。
「4、5日前から、そのような情報がちらほらと入ってきており、調査に当たらせておりました。
先程、国境警備隊から緊急伝令がまいりまして、ハーン帝国のスイツ元宰相が亡命してきたそうです。
どうやら、国境の砦から離れたところにある川を渡ってハーシマ王国側から我が国に入ってきたそうです。」
ハーン帝国のスイツ元宰相といえば、彼の国には珍しい普通の常識を持った良識者であった。
度重なる彼の国からの無理難題を、双方が合意できる落とし所を探りながら、上手く持って来おった。
こちらにもメリットが出る形での条件提示は、上手く丸め込まれているとわかっていても、好印象を持ったものだ。
ただ、その交渉が生温いと国民から非難を受け、無実の罪で軟禁されていたはずだ。
亡命されてこられたのであれば、手厚く保護してあげたい。
「それでスイツ殿は、今どうされている。」
「それが………
こちらで保護し、話しを聞いている途中で突然苦しみだされて…
数分後にお亡くなりになりました。」
「なに、お亡くなりになったと…………
スイツ殿は、何を話しておられたのか?」
亡くなったと聞いて驚いていたが、カッパ宰相の質問に我に返った。
「ハーン帝国はナーカ教国に飲み込まれる。
全てが失われてしまう。と」
この言葉は、何を意味するのか?
ナーカ教国がハーン帝国に攻め入ったか、あるいはあの皇帝が国を売ったか。
「陛下、あの男が国を売ったかナーカ教国が攻めたのかわかりませんが、どちらにせよ問題であることには変わりありません。
詳細についてはこれから調査が必要でしょうが、まずは国際連合に報告して、加盟国の一員として対応するのが、賢明な選択だと思います。」
「カッパ宰相、ハッカすまないが国際連合に連絡を取ってくれるか。」
それから2週間後、国際連合事務局からの緊急会議の招集があり、我々3名はキンコー王国にある国際連合に向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
昨日の会議では、当方からの経緯の説明が終わった後、窓からマサル殿が飛び出して行った。
彼の突拍子も無い行動には毎度のことながら驚かされる。
ただ、彼が動けばなんらかの解決策が見つかるに違いない。
わたしはそれを信じている。
そう思わせるだけの実績があるからだ。
彼はそう、モーグル王国の救世主なのだから。
昨日から国際連合の緊急会議に出席している。
2ヶ月ちょっと前に話しは遡る。
国際連合の定例会議の席上、我が国から議題を持ち出したナーカ教国とハーン帝国に対する協力要請はスムーズに受け入れられ、国際連合加盟各国のハーン帝国との全面的な輸出入制限として身を結んだ。
カッパ宰相とハッカ外務大臣のお手柄だ。
これで、とりあえずハーン帝国は大陸各国から制裁を受けることになり、我が国への嫌がらせどころではなくなるだろう。
まだ安心は出来ないが、今後は国際連合の協力を得ながら粛々と対応していくとしよう。
実際に各国のハーン帝国に対する制裁が始まると、最初の頃は我が国へのバッシングが強かったが、次第に泣きついてくるようになった。
国際連合の指示通りに完全無視を貫くと、すぐに沈黙し何の反応もしなくなった。
あの国は、輸入に頼らなければ食料さえ調達出来ない国だから、今頃各国の輸出制限による効果で、国内は大混乱しているに違いない。
国民が革命でも起こして現帝政を倒してくれれば、もう少しマシな付き合いもできるであろうか?
いや、あの国民性だ。
どんな政府が後を継いだとしても変わらないかもしれないな。
そんなことを考えながら、いつも通り政務に励んでいた。
「陛下、少しお時間よろしいでしょうか。」
カッパ宰相の声に頭を上げる。
カッパ宰相の隣には軍服を着用した兵士が直立している。
「陛下、この者はハーン帝国との国境警備の任に就いているのですが、定例報告を持って参りました。
内容を確認致しましたところ、陛下にも直接お聞き頂いた方が良いと判断し、連れて参りました。」
「わかった。報告を聞こう。」
兵士は、緊張しながらもしっかりと報告する。
「陛下、謹んでご報告致します。
軍本部よりの命令で2ヶ月前からハーン帝国との国境の警備体制を強化し不測の事態に備えて参りました。
監視体制強化後、デモや抗議行動等これまでのものよりも若干強くなったような気はしますが、想定内として対応して参りました。
しかしながら、最近ハーン帝国側の警備体制が異常に強化され、ほとんどの通行者が入れない状態になっております。
また、向こう側から我が国に入ってくる者達も止められているようで、国境線は完全に膠着状態になっています。」
「ハーン帝国からは、何か言ってきているのか?」
「いえ、全くありません。
こちらから数度確認致しましたが、何の返答も返ってきませんでした。」
少し嫌な感じがする。
「カッパ宰相、制裁開始から1ヶ月ちょっと経つ。
そろそろ食料備蓄等が不足し、国民生活も困窮し出す頃だろうと思う。
この状況において、商人による物流まで止めてしまえば、食料不足が加速してしまい、自分の首を絞めるだけだと思うが如何か?」
「陛下のおっしゃる通りだと思います。
しかしながら、あの国のことです。
国民がいくら困窮しようと、自分達が問題なければ、弾圧してでも保身に走ると思います。
おそらく、城内には大量の食料をストックしているでしょう。」
「そうだな、あの皇帝はそういう男だったな。
国民が、雪崩れを打ったようにこちらに押し寄せて来なければ良いが。」
「そのための警備体制強化です。ただ、向こうまで強化してくるとは思いませんでしたね。
自国民を出さないつもりでしょうか?
もしかすると、自国の困窮具合を他国に知らせたくないとか。
無駄にプライドが高いですから。」
「うむ、カッパ宰相の言うとおりかもしれんな。
まぁ、もう少し様子を見てみるか。」
こんな会話をカッパ宰相としながら、国境警備隊の伝令を労っていたのだが、突然ハッカ外務大臣から緊急の目通り願いが入ってきた。
「陛下、大至急お伝えしたいことがありまして、お目通りを願いました。
ちょうどカッパ宰相もこちらにおられると聞き及びましたので。」
いつも慌てないハッカが緊急の報告と言うのだから、本当に大事なのだろう。
「ハッカ、報告をせよ。」
「はっ。ハーン帝国がナーカ教国に吸収され、消滅したとの情報が入りました。」
「それは確かな情報なのか?」
カッパ宰相がハッカ外務大臣に質問する。
「4、5日前から、そのような情報がちらほらと入ってきており、調査に当たらせておりました。
先程、国境警備隊から緊急伝令がまいりまして、ハーン帝国のスイツ元宰相が亡命してきたそうです。
どうやら、国境の砦から離れたところにある川を渡ってハーシマ王国側から我が国に入ってきたそうです。」
ハーン帝国のスイツ元宰相といえば、彼の国には珍しい普通の常識を持った良識者であった。
度重なる彼の国からの無理難題を、双方が合意できる落とし所を探りながら、上手く持って来おった。
こちらにもメリットが出る形での条件提示は、上手く丸め込まれているとわかっていても、好印象を持ったものだ。
ただ、その交渉が生温いと国民から非難を受け、無実の罪で軟禁されていたはずだ。
亡命されてこられたのであれば、手厚く保護してあげたい。
「それでスイツ殿は、今どうされている。」
「それが………
こちらで保護し、話しを聞いている途中で突然苦しみだされて…
数分後にお亡くなりになりました。」
「なに、お亡くなりになったと…………
スイツ殿は、何を話しておられたのか?」
亡くなったと聞いて驚いていたが、カッパ宰相の質問に我に返った。
「ハーン帝国はナーカ教国に飲み込まれる。
全てが失われてしまう。と」
この言葉は、何を意味するのか?
ナーカ教国がハーン帝国に攻め入ったか、あるいはあの皇帝が国を売ったか。
「陛下、あの男が国を売ったかナーカ教国が攻めたのかわかりませんが、どちらにせよ問題であることには変わりありません。
詳細についてはこれから調査が必要でしょうが、まずは国際連合に報告して、加盟国の一員として対応するのが、賢明な選択だと思います。」
「カッパ宰相、ハッカすまないが国際連合に連絡を取ってくれるか。」
それから2週間後、国際連合事務局からの緊急会議の招集があり、我々3名はキンコー王国にある国際連合に向かった。
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昨日の会議では、当方からの経緯の説明が終わった後、窓からマサル殿が飛び出して行った。
彼の突拍子も無い行動には毎度のことながら驚かされる。
ただ、彼が動けばなんらかの解決策が見つかるに違いない。
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