84 / 132
アシオ・シティを開発
今回はどうやら本気みたいです
しおりを挟む
ミーアからの通信が途絶えた直前、俺はアシオ・シティの上空を見て驚いた。
ミーアの言った通り巨大な目が街を見下ろしている。
次の瞬間、その目から激しい稲妻が放たれた。
そしてミーアの通信が途絶える。
「ミーアがやられた?!」
俺は後3重の結界を張って、ミーアの元へ向かった。
ギロリと目が睨んできたのが見えた。
直後俺のところにも稲妻が放たれる。
結界を張ってあるから大丈夫だと思うんだけど、下は街の外れで家もある。
俺は思い切って収納を試してみた。
俺に向けて放たれた稲妻は、見事に収納された。
一か八かの賭けだったけど、上手くいったようだ。
あんな電気の塊でも収納出来るなんて、この収納ってスキル便利優秀過ぎだよね。
ちなみに収納された書庫名には「電気1億ボルト、10万アンペア」ってなっている。
家庭用に換算すると…計算できねー。
ってこんなこと言ってる場合じゃ無い。
早くミーアを探さなきゃ。
何度も俺に襲いかかる稲妻。
そのたびに収納していく俺。
ようやくショッピングモールの駐馬車場に差し掛かったところでミーアを見つけた。
駐馬車場は落雷で大きな穴が空いているけど、ミーアは大丈夫そうだ。
「ミーア!大丈夫か!」
「うん、結界のおかげで大丈夫だよ。」
とりあえずは良かった。
このやり取りの間も俺を狙って稲妻は落ちて来る。
本当キリがない。
しかしあんな大きな目、どうやって戦えば良いんだろう。
俺が首を傾げていると、横でミーアも同じポーズをとっていた。
か、可愛い。
こんな状況じゃなかったら抱きしめてやるのに…
クソーあの目玉めー!
「オイオイ、俺の妹になんて目で見てるんだよ!
オイ、ヒロシとやら!」
突然現れて俺の胸ぐらを掴む男。
俺空飛んでるよね?
「アニキ~。久しぶり~。」
兄貴?
ミーアのお兄さんといえば、たしかシル、…シルベスタ、シルベスタ・シュナウザーか!
「シルベスタ…お兄さん?」
「お前にお兄さんなんて呼ばれたくないわ!」
盛大に頭を叩かれた。
結界があるから痛くないけどね。
「で、どうしてここに?」
「エレクトスの王家からミーアの嫁入りの打診が来ていたからな。
ヒロシとやらがどんな奴か見に来たんだ。
そしたらこんな状況だ。
こんなやつ早く倒して、お前と話しをつけてやる。」
シルベスタお兄さん、こんなやつって、あんな高いところにいるあんなデカいやつが相手ですよ。
どうにか出来るとでも?
「ヒロシ、お前さっき稲妻を取っただろ。
あれは出せるのか?」
「ええ、出せますよ。」
「じゃあ、そこに2つほど出してくれ。」
俺はシルベスタさんが指差す場所に稲妻を出す。
「いくぜ」
眩いばかり光を撒き散らす稲妻の塊を居合い抜きみたいに見えない剣筋が煌めくと、稲妻の塊が猛スピードで天に登り、稲妻を撒き散らしている目を直撃した。
「ギャー! な、何を!」
漆黒の空に浮かぶ稲妻を帯びた目の向こう側から悲鳴とも聞こえる音が響き渡る。
そして目の主であろうそれは、だんだんと遠ざかり、ついには闇に溶けていった。
その後あれだけ酷かった雨風は収まり、漆黒の闇には青空が戻って来たのだ。
「さあ、ヒロシ。話しを聞こうじゃないか。」
ミーアのお兄さんのシルベスタさんは無造作に数回剣を振るい、付いた雨滴を払った後、それを鞘に収めると、何事もなかったかのように俺に話しかけてくるのだった。
いったいあれはなんだったんだろう。
この数日、俺はシルベスタさんにミーアとのことを追求されたり、鉱山の片付けやショッピングモールの破損を片付けることに忙殺されていた。
そして今アシオ・シティの屋敷にある執務室で、目の前にいるシルベスタさんと一緒にあの時の目の主について考えている。
「シルベスタさん、あれはいったいなんだったんでしょうか?」
「分からんなあ。しかしおよそ人智の及ぶところではあるまい。
我ら魔人に伝わる記録で該当するとすれば神の怒りか。
たしか1万年前ムーン大陸の滅亡と時期を同じくして、神の怒りにより、大雨により地が水没し、稲妻により残った全てが焼き尽くされたという言い伝えがあるが。」
「状況としては今回と同じじゃないですか!」
「そうだな、そしてその時と違うのはヒロシとわたしがここにいたことだな。」
「その時はどうなったのですか?」
「魔人の一部と彼らが助けた少数の人族が残っただけのようだ。今の我々の子孫だな。
そしてミケツカミ神の助けにより、彼らはこの地に再び生を得たと伝えられている。」
俺はミケツカミ様にこの世界に連れて来られたし、ってことは、ミケツカミ様はあらかじめこうなることを想定して俺をこの世界に連れてきたってこと?
「ヒロシ様、よろしいでしょうか?」
「ランスさんどうしたんでしたんですか?」
「早急にお耳に入れておいた方が良いと思いまして。実は今わたしがスワリング共和国に放っております密偵より連絡が入りました。
スワリング共和国大統領ジャインが数日前から重篤な病気に罹って生死の境を彷徨っているとのこと。
病状については厳重に秘匿されており未だ不明ではありますが、看護に当たった侍女の話しでは、右目が焼き爛れたようになり、その状態は頭の中深くまで達しているようで口もきけない有様だとのことです。
なお、その前日には多くの兵士が集められ出兵の準備も行われていたようです。
ジャイン大統領の病により、出兵は延期されているようですが。」
「ヒロシ、これは何か匂うな。もし我らに伝わる言い伝えが事実であったとすれば、この世界を破壊しようとした神がジャインの体を使って、今再びこの世界を破壊しようとしているのかもな。」
「「そんな!(~!)」」
ランスさんとミーアが同時に驚きの声を上げる。
まあにわかには信じられないが、ミケツカミ様が実際にいるのだから強ち間違いとも言い切れないな。
ミーアの言った通り巨大な目が街を見下ろしている。
次の瞬間、その目から激しい稲妻が放たれた。
そしてミーアの通信が途絶える。
「ミーアがやられた?!」
俺は後3重の結界を張って、ミーアの元へ向かった。
ギロリと目が睨んできたのが見えた。
直後俺のところにも稲妻が放たれる。
結界を張ってあるから大丈夫だと思うんだけど、下は街の外れで家もある。
俺は思い切って収納を試してみた。
俺に向けて放たれた稲妻は、見事に収納された。
一か八かの賭けだったけど、上手くいったようだ。
あんな電気の塊でも収納出来るなんて、この収納ってスキル便利優秀過ぎだよね。
ちなみに収納された書庫名には「電気1億ボルト、10万アンペア」ってなっている。
家庭用に換算すると…計算できねー。
ってこんなこと言ってる場合じゃ無い。
早くミーアを探さなきゃ。
何度も俺に襲いかかる稲妻。
そのたびに収納していく俺。
ようやくショッピングモールの駐馬車場に差し掛かったところでミーアを見つけた。
駐馬車場は落雷で大きな穴が空いているけど、ミーアは大丈夫そうだ。
「ミーア!大丈夫か!」
「うん、結界のおかげで大丈夫だよ。」
とりあえずは良かった。
このやり取りの間も俺を狙って稲妻は落ちて来る。
本当キリがない。
しかしあんな大きな目、どうやって戦えば良いんだろう。
俺が首を傾げていると、横でミーアも同じポーズをとっていた。
か、可愛い。
こんな状況じゃなかったら抱きしめてやるのに…
クソーあの目玉めー!
「オイオイ、俺の妹になんて目で見てるんだよ!
オイ、ヒロシとやら!」
突然現れて俺の胸ぐらを掴む男。
俺空飛んでるよね?
「アニキ~。久しぶり~。」
兄貴?
ミーアのお兄さんといえば、たしかシル、…シルベスタ、シルベスタ・シュナウザーか!
「シルベスタ…お兄さん?」
「お前にお兄さんなんて呼ばれたくないわ!」
盛大に頭を叩かれた。
結界があるから痛くないけどね。
「で、どうしてここに?」
「エレクトスの王家からミーアの嫁入りの打診が来ていたからな。
ヒロシとやらがどんな奴か見に来たんだ。
そしたらこんな状況だ。
こんなやつ早く倒して、お前と話しをつけてやる。」
シルベスタお兄さん、こんなやつって、あんな高いところにいるあんなデカいやつが相手ですよ。
どうにか出来るとでも?
「ヒロシ、お前さっき稲妻を取っただろ。
あれは出せるのか?」
「ええ、出せますよ。」
「じゃあ、そこに2つほど出してくれ。」
俺はシルベスタさんが指差す場所に稲妻を出す。
「いくぜ」
眩いばかり光を撒き散らす稲妻の塊を居合い抜きみたいに見えない剣筋が煌めくと、稲妻の塊が猛スピードで天に登り、稲妻を撒き散らしている目を直撃した。
「ギャー! な、何を!」
漆黒の空に浮かぶ稲妻を帯びた目の向こう側から悲鳴とも聞こえる音が響き渡る。
そして目の主であろうそれは、だんだんと遠ざかり、ついには闇に溶けていった。
その後あれだけ酷かった雨風は収まり、漆黒の闇には青空が戻って来たのだ。
「さあ、ヒロシ。話しを聞こうじゃないか。」
ミーアのお兄さんのシルベスタさんは無造作に数回剣を振るい、付いた雨滴を払った後、それを鞘に収めると、何事もなかったかのように俺に話しかけてくるのだった。
いったいあれはなんだったんだろう。
この数日、俺はシルベスタさんにミーアとのことを追求されたり、鉱山の片付けやショッピングモールの破損を片付けることに忙殺されていた。
そして今アシオ・シティの屋敷にある執務室で、目の前にいるシルベスタさんと一緒にあの時の目の主について考えている。
「シルベスタさん、あれはいったいなんだったんでしょうか?」
「分からんなあ。しかしおよそ人智の及ぶところではあるまい。
我ら魔人に伝わる記録で該当するとすれば神の怒りか。
たしか1万年前ムーン大陸の滅亡と時期を同じくして、神の怒りにより、大雨により地が水没し、稲妻により残った全てが焼き尽くされたという言い伝えがあるが。」
「状況としては今回と同じじゃないですか!」
「そうだな、そしてその時と違うのはヒロシとわたしがここにいたことだな。」
「その時はどうなったのですか?」
「魔人の一部と彼らが助けた少数の人族が残っただけのようだ。今の我々の子孫だな。
そしてミケツカミ神の助けにより、彼らはこの地に再び生を得たと伝えられている。」
俺はミケツカミ様にこの世界に連れて来られたし、ってことは、ミケツカミ様はあらかじめこうなることを想定して俺をこの世界に連れてきたってこと?
「ヒロシ様、よろしいでしょうか?」
「ランスさんどうしたんでしたんですか?」
「早急にお耳に入れておいた方が良いと思いまして。実は今わたしがスワリング共和国に放っております密偵より連絡が入りました。
スワリング共和国大統領ジャインが数日前から重篤な病気に罹って生死の境を彷徨っているとのこと。
病状については厳重に秘匿されており未だ不明ではありますが、看護に当たった侍女の話しでは、右目が焼き爛れたようになり、その状態は頭の中深くまで達しているようで口もきけない有様だとのことです。
なお、その前日には多くの兵士が集められ出兵の準備も行われていたようです。
ジャイン大統領の病により、出兵は延期されているようですが。」
「ヒロシ、これは何か匂うな。もし我らに伝わる言い伝えが事実であったとすれば、この世界を破壊しようとした神がジャインの体を使って、今再びこの世界を破壊しようとしているのかもな。」
「「そんな!(~!)」」
ランスさんとミーアが同時に驚きの声を上げる。
まあにわかには信じられないが、ミケツカミ様が実際にいるのだから強ち間違いとも言い切れないな。
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜
和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。
与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。
だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。
地道に進む予定です。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生幼女の怠惰なため息
(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉
ファンタジー
ひとり残業中のアラフォー、清水 紗代(しみず さよ)。異世界の神のゴタゴタに巻き込まれ、アッという間に死亡…( ºωº )チーン…
紗世を幼い頃から見守ってきた座敷わらしズがガチギレ⁉💢
座敷わらしズが異世界の神を脅し…ε=o(´ロ`||)ゴホゴホッ説得して異世界での幼女生活スタートっ!!
もう何番煎じかわからない異世界幼女転生のご都合主義なお話です。
全くの初心者となりますので、よろしくお願いします。
作者は極度のとうふメンタルとなっております…
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
転生させて貰ったけど…これやりたかった事…だっけ?
N
ファンタジー
目が覚めたら…目の前には白い球が、、
生まれる世界が間違っていたって⁇
自分が好きだった漫画の中のような世界に転生出来るって⁈
嬉しいけど…これは一旦落ち着いてチートを勝ち取って最高に楽しい人生勝ち組にならねば!!
そう意気込んで転生したものの、気がついたら………
大切な人生の相棒との出会いや沢山の人との出会い!
そして転生した本当の理由はいつ分かるのか…!!
ーーーーーーーーーーーーーー
※誤字・脱字多いかもしれません💦
(教えて頂けたらめっちゃ助かります…)
※自分自身が句読点・改行多めが好きなのでそうしています、読みにくかったらすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる