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アシオ・シティを開発

今回はどうやら本気みたいです

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ミーアからの通信が途絶えた直前、俺はアシオ・シティの上空を見て驚いた。

ミーアの言った通り巨大な目が街を見下ろしている。

次の瞬間、その目から激しい稲妻が放たれた。

そしてミーアの通信が途絶える。

「ミーアがやられた?!」

俺は後3重の結界を張って、ミーアの元へ向かった。

ギロリと目が睨んできたのが見えた。

直後俺のところにも稲妻が放たれる。

結界を張ってあるから大丈夫だと思うんだけど、下は街の外れで家もある。

俺は思い切って収納を試してみた。

俺に向けて放たれた稲妻は、見事に収納された。

一か八かの賭けだったけど、上手くいったようだ。

あんな電気の塊でも収納出来るなんて、この収納ってスキル便利優秀過ぎだよね。

ちなみに収納された書庫名には「電気1億ボルト、10万アンペア」ってなっている。

家庭用に換算すると…計算できねー。

ってこんなこと言ってる場合じゃ無い。

早くミーアを探さなきゃ。

何度も俺に襲いかかる稲妻。

そのたびに収納していく俺。

ようやくショッピングモールの駐馬車場に差し掛かったところでミーアを見つけた。

駐馬車場は落雷で大きな穴が空いているけど、ミーアは大丈夫そうだ。

「ミーア!大丈夫か!」

「うん、結界のおかげで大丈夫だよ。」

とりあえずは良かった。

このやり取りの間も俺を狙って稲妻は落ちて来る。

本当キリがない。

しかしあんな大きな目、どうやって戦えば良いんだろう。

俺が首を傾げていると、横でミーアも同じポーズをとっていた。

か、可愛い。

こんな状況じゃなかったら抱きしめてやるのに…

クソーあの目玉めー!

「オイオイ、俺の妹になんて目で見てるんだよ!

オイ、ヒロシとやら!」

突然現れて俺の胸ぐらを掴む男。

俺空飛んでるよね?

「アニキ~。久しぶり~。」

兄貴?

ミーアのお兄さんといえば、たしかシル、…シルベスタ、シルベスタ・シュナウザーか!

「シルベスタ…お兄さん?」

「お前にお兄さんなんて呼ばれたくないわ!」

盛大に頭を叩かれた。

結界があるから痛くないけどね。

「で、どうしてここに?」

「エレクトスの王家からミーアの嫁入りの打診が来ていたからな。

ヒロシとやらがどんな奴か見に来たんだ。

そしたらこんな状況だ。

こんなやつ早く倒して、お前と話しをつけてやる。」

シルベスタお兄さん、こんなやつって、あんな高いところにいるあんなデカいやつが相手ですよ。

どうにか出来るとでも?

「ヒロシ、お前さっき稲妻を取っただろ。

あれは出せるのか?」

「ええ、出せますよ。」

「じゃあ、そこに2つほど出してくれ。」

俺はシルベスタさんが指差す場所に稲妻を出す。

「いくぜ」

眩いばかり光を撒き散らす稲妻の塊を居合い抜きみたいに見えない剣筋が煌めくと、稲妻の塊が猛スピードで天に登り、稲妻を撒き散らしている目を直撃した。

「ギャー! な、何を!」

漆黒の空に浮かぶ稲妻を帯びた目の向こう側から悲鳴とも聞こえる音が響き渡る。

そして目の主であろうそれは、だんだんと遠ざかり、ついには闇に溶けていった。

その後あれだけ酷かった雨風は収まり、漆黒の闇には青空が戻って来たのだ。

「さあ、ヒロシ。話しを聞こうじゃないか。」

ミーアのお兄さんのシルベスタさんは無造作に数回剣を振るい、付いた雨滴を払った後、それを鞘に収めると、何事もなかったかのように俺に話しかけてくるのだった。




いったいあれはなんだったんだろう。




この数日、俺はシルベスタさんにミーアとのことを追求されたり、鉱山の片付けやショッピングモールの破損を片付けることに忙殺されていた。


そして今アシオ・シティの屋敷にある執務室で、目の前にいるシルベスタさんと一緒にあの時の目の主について考えている。

「シルベスタさん、あれはいったいなんだったんでしょうか?」

「分からんなあ。しかしおよそ人智の及ぶところではあるまい。

我ら魔人に伝わる記録で該当するとすれば神の怒りか。

たしか1万年前ムーン大陸の滅亡と時期を同じくして、神の怒りにより、大雨により地が水没し、稲妻により残った全てが焼き尽くされたという言い伝えがあるが。」

「状況としては今回と同じじゃないですか!」

「そうだな、そしてその時と違うのはヒロシとわたしがここにいたことだな。」

「その時はどうなったのですか?」

「魔人の一部と彼らが助けた少数の人族が残っただけのようだ。今の我々の子孫だな。

そしてミケツカミ神の助けにより、彼らはこの地に再び生を得たと伝えられている。」

俺はミケツカミ様にこの世界に連れて来られたし、ってことは、ミケツカミ様はあらかじめこうなることを想定して俺をこの世界に連れてきたってこと?




「ヒロシ様、よろしいでしょうか?」

「ランスさんどうしたんでしたんですか?」

「早急にお耳に入れておいた方が良いと思いまして。実は今わたしがスワリング共和国に放っております密偵より連絡が入りました。

スワリング共和国大統領ジャインが数日前から重篤な病気に罹って生死の境を彷徨っているとのこと。

病状については厳重に秘匿されており未だ不明ではありますが、看護に当たった侍女の話しでは、右目が焼き爛れたようになり、その状態は頭の中深くまで達しているようで口もきけない有様だとのことです。

なお、その前日には多くの兵士が集められ出兵の準備も行われていたようです。

ジャイン大統領の病により、出兵は延期されているようですが。」

「ヒロシ、これは何か匂うな。もし我らに伝わる言い伝えが事実であったとすれば、この世界を破壊しようとした神がジャインの体を使って、今再びこの世界を破壊しようとしているのかもな。」

「「そんな!(~!)」」

ランスさんとミーアが同時に驚きの声を上げる。

まあにわかには信じられないが、ミケツカミ様が実際にいるのだから強ち間違いとも言い切れないな。



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