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第十四章:結婚式に向けて
広告動画
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動画共有サービスが収益を得る方法として、視聴者に広告動画を見てもらえば見てもらうほど、広告出稿主から広告宣伝費が支払われる形になっている。
新たな動画共有サービスでは、その広告制作自体をVCスタジオで請け負う事で、新たな商機になる。
完成した広告動画は、ネット以外の媒体でも使用出来るので、製作費や四兄弟の使用料を得る事が出来るからだ。
「今でもテレビCMへの出演依頼来てるんやろ?
動画共有サービス用のCM作ったら、逆輸入的な感じでテレビでも流せるし、一石二鳥やん」
「なるほどなぁ。でも広告代理店がどう言うかな」
伊吹の零した疑問を受けて、智枝が会話に参加する。
「宮坂広告宣伝企画という会社が国内最大手の広告代理店になるのですが、向こうにとっても良い機会だと思います。
宮坂財閥系列ですので、意思疎通は簡単でしょう。恐らく福乃様へ四兄弟の使用許諾について、すでに申し入れがあるのではないでしょうか」
大手広告代理店について、あまり前世の知識からあまり良くない印象を持っていた伊吹だが、智枝の言葉を聞いて安心する。
宮坂家との関係が深ければ、勝手な事をされる事はないだろう。
「それは良かった。
広告にまで手が伸ばせないから、これを機にガンガン広告出演させていこうかな」
となると、VCスタジオの内部に広告制作班を用意してやる必要がある。声を当てる必要があるので、VCうたかたラボの協力も必須だ。
今までは四兄弟の生配信専属の会社のようなものだった二つの子会社が、VividColors以外からの収益を得る事になりそうだ。
「うちも安藤真智としてCMクイーン目指そかな」
くねくねとモデルのようにポージングするマチルダに、伊吹が話を戻して質問をする。
「で、ひろこさんとゆきえさんの提案は以上?」
「せめてツッコミくらいしてくれへんか!?」
「いや、だってその気になればCMクイーンになれそうだし。
滅茶苦茶忙しくなりそうだけど」
伊吹の言葉を聞いて、マチルダが嫌そうな表情を浮かべる。
マチルダは有名になりたい訳ではなく、あくまで自分のやりたい事がしたいだけなのだ。
自分がやりたい事以外の事を求められても困ってしまう。
「チャンネル登録の無料版と有料版に分けて、有料会員やないと見れへん動画を投稿するのはどうやって言うてたな」
「あ、メン限か。自分が入った事なかったから存在忘れてたよ」
「ネットに詳しいニキネキはこの世にない概念も言い当ててしまうんやなぁ」
メンバーシップ限定動画は、チャンネルの有料登録者にのみ見れる投稿動画や生配信が行えるシステムだ。
「正直あんまりやりたくないかなぁ。投げ銭も止めようかと思ってるくらいだし」
伊吹は自分自身が投げ銭も有料登録もした事がないので、それよりも手元に残るグッズなどを買ってもらった方がお互いに良いのではと考えている。
「あと思い付くのは、安藤家のアバターと『&uta』を使って個人制作の歌や踊りを公開出来るようにする、とかかな。
もちろんうちの動画共有サービス内のみで」
歌わせてみた、踊らせてみた、というこの世界では新しいジャンルの娯楽が見出された。
「何にしても、とりあえず強いサーバを用意すべきて言うてたよ。
競合他社に嫌がらせされてもビクともせんように準備せなアカンって」
「やっぱそうなるよなぁ。何て言ったっけ、Dio攻撃?」
「WRYYYYY!!
って違うやろ!!
DDR攻撃や」
「それはアイヤイヤだな。
DAMだったような……」
「カラオケの機種やな。
うちはJOY派やったけど」
「あー、選べるカラオケ屋だと助かるよね」
こうして、独自の動画共有サービスの開始へ向けてさらに資金投入される事となるのだった。
ちなみに二人はDDoS攻撃の事を言いたかったのだが、すでにどうでも良くなってしまっている。
新たな動画共有サービスでは、その広告制作自体をVCスタジオで請け負う事で、新たな商機になる。
完成した広告動画は、ネット以外の媒体でも使用出来るので、製作費や四兄弟の使用料を得る事が出来るからだ。
「今でもテレビCMへの出演依頼来てるんやろ?
動画共有サービス用のCM作ったら、逆輸入的な感じでテレビでも流せるし、一石二鳥やん」
「なるほどなぁ。でも広告代理店がどう言うかな」
伊吹の零した疑問を受けて、智枝が会話に参加する。
「宮坂広告宣伝企画という会社が国内最大手の広告代理店になるのですが、向こうにとっても良い機会だと思います。
宮坂財閥系列ですので、意思疎通は簡単でしょう。恐らく福乃様へ四兄弟の使用許諾について、すでに申し入れがあるのではないでしょうか」
大手広告代理店について、あまり前世の知識からあまり良くない印象を持っていた伊吹だが、智枝の言葉を聞いて安心する。
宮坂家との関係が深ければ、勝手な事をされる事はないだろう。
「それは良かった。
広告にまで手が伸ばせないから、これを機にガンガン広告出演させていこうかな」
となると、VCスタジオの内部に広告制作班を用意してやる必要がある。声を当てる必要があるので、VCうたかたラボの協力も必須だ。
今までは四兄弟の生配信専属の会社のようなものだった二つの子会社が、VividColors以外からの収益を得る事になりそうだ。
「うちも安藤真智としてCMクイーン目指そかな」
くねくねとモデルのようにポージングするマチルダに、伊吹が話を戻して質問をする。
「で、ひろこさんとゆきえさんの提案は以上?」
「せめてツッコミくらいしてくれへんか!?」
「いや、だってその気になればCMクイーンになれそうだし。
滅茶苦茶忙しくなりそうだけど」
伊吹の言葉を聞いて、マチルダが嫌そうな表情を浮かべる。
マチルダは有名になりたい訳ではなく、あくまで自分のやりたい事がしたいだけなのだ。
自分がやりたい事以外の事を求められても困ってしまう。
「チャンネル登録の無料版と有料版に分けて、有料会員やないと見れへん動画を投稿するのはどうやって言うてたな」
「あ、メン限か。自分が入った事なかったから存在忘れてたよ」
「ネットに詳しいニキネキはこの世にない概念も言い当ててしまうんやなぁ」
メンバーシップ限定動画は、チャンネルの有料登録者にのみ見れる投稿動画や生配信が行えるシステムだ。
「正直あんまりやりたくないかなぁ。投げ銭も止めようかと思ってるくらいだし」
伊吹は自分自身が投げ銭も有料登録もした事がないので、それよりも手元に残るグッズなどを買ってもらった方がお互いに良いのではと考えている。
「あと思い付くのは、安藤家のアバターと『&uta』を使って個人制作の歌や踊りを公開出来るようにする、とかかな。
もちろんうちの動画共有サービス内のみで」
歌わせてみた、踊らせてみた、というこの世界では新しいジャンルの娯楽が見出された。
「何にしても、とりあえず強いサーバを用意すべきて言うてたよ。
競合他社に嫌がらせされてもビクともせんように準備せなアカンって」
「やっぱそうなるよなぁ。何て言ったっけ、Dio攻撃?」
「WRYYYYY!!
って違うやろ!!
DDR攻撃や」
「それはアイヤイヤだな。
DAMだったような……」
「カラオケの機種やな。
うちはJOY派やったけど」
「あー、選べるカラオケ屋だと助かるよね」
こうして、独自の動画共有サービスの開始へ向けてさらに資金投入される事となるのだった。
ちなみに二人はDDoS攻撃の事を言いたかったのだが、すでにどうでも良くなってしまっている。
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