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第四章:Vtunerデビューの準備
収益化申請に向けて
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夕食の少し前、京香がビルへと戻って来た。
男性保護省で精液採取器を提出して関係各所を回った後、伊吹や侍女達がこのビルで寝泊まりする為に必要なものを買い揃えていたと伊吹へ報告した。
「具体的なご報告は、夕食後にゆっくりとさせて頂きたいと思います」
京香がそう言うと、藍子と燈子がもうそんな時間か、と荷物を片付けだした。
「お二人はご自宅へ戻られるんですか?」
「ええ、ここから歩いてちょっと行ったところに、二人でマンションを借りているので」
あくまでこのビルはVividColorsが会社として借りているビルであり、藍子も燈子もここに住んでいる訳ではない。
「部屋に帰ってからイラストの清書をするから、また明日の朝に見せに来るね」
「分かりました。
そのイラストを元に河本さん達へアバター作成の依頼を出して、男性への100の質問を撮影して、編集してチャンネル開設。編集した動画を投稿してやっと第一歩って感じですね」
「そっか、最初は本当に男性だと分かる為に喉仏しか映してない動画を投稿するって言ってたもんね。
でもその次の動画を投稿するまでに間が空くのは良くないんじゃない?
こういうのって最初のひと月は毎日投稿して認知度を上げる必要があるんじゃないの?」
燈子が藍子を見ると、同じ考えなのか、伊吹に対して不思議そうな表情を向けている。
伊吹は二人へ向けて笑いながら説明する。
「認知度を上げる為に毎日投稿するのは有効な手法だと思いますよ。通常であれば、ですが。
喉仏がはっきりと映っている動画に対して、認知度を上げる為の工夫が必要だと思いますか?」
「「あー!!」」
藍子と燈子が納得の声を上げる。
「そっか、世界初の男性YourTunerなんて、世間が放っておく訳ないですもんね!
宣伝する必要もないし、待ってれば勝手にチャンネルの登録者通がどんどん増えていくって事ですか」
「なるほど……。つまり喉仏動画を投稿して、しばらく待ってるだけで収益化申請する基準を達成出来るって事ね」
「そうですね。
男性への100の質問の中で、現在はチャンネル開設の準備中なので生配信を一ヶ月後にしますって言っちゃうんですよ。
もしかしたら一ヶ月も必要ないかも知れませんけど、それだけあれば収益化申請が通ると思うので、生配信の時点で投げ銭が貰える状態で男性Vtunerとしてデビューが出来るはずです」
「一ヶ月もいらないと思うよ? あたしだって絶対にチャンネル登録するもん!」
「じゃあ、一ヶ月って言っておきながらも、収益化申請が通った次の日にでもすぐに生配信が出来るように準備しておきましょうか。
視聴者の皆さんが待ってくれているみたいなので、頑張って準備を早く終わらせました、なんて言ったら喜ばれるかも」
「とこちゃん、じゃあ少しでも早くイラスト仕上げないとダメなんじゃない?」
「あーちゃん今すぐ帰るよ! お兄さん、また明日ね!!」
「ちょっと引っ張らないで!! 失礼します、伊吹様」
藍子と燈子がバタバタと事務所を出て行ってしまった。
二人に笑顔で手を振る伊吹を、侍女である美子、京香、美哉、橘香は優しい表情で見つめている。
伊吹の祖母である心乃春が亡くなってから、伊吹が塞ぎ込んでいるのを心配していたので、生き生きとした姿を見て安心しているのだ。
Vtunerの活動が伊吹の実生活にどのような影響を与えるのか、四人にはまだ想像出来ていないが、伊吹本人が辞めると言うまでは支えていきたいと感じていた。
この日の夜、多恵子から藍子へ連絡が入った。
会社を去った四人から、自分達の株については全て会社に残っている四人に譲渡するとの返事があったそうだ。
四人は自分達が先抜けしてしまった事を負い目に感じていたようで、揉める事なく手続きを進めらる事となる。
男性保護省で精液採取器を提出して関係各所を回った後、伊吹や侍女達がこのビルで寝泊まりする為に必要なものを買い揃えていたと伊吹へ報告した。
「具体的なご報告は、夕食後にゆっくりとさせて頂きたいと思います」
京香がそう言うと、藍子と燈子がもうそんな時間か、と荷物を片付けだした。
「お二人はご自宅へ戻られるんですか?」
「ええ、ここから歩いてちょっと行ったところに、二人でマンションを借りているので」
あくまでこのビルはVividColorsが会社として借りているビルであり、藍子も燈子もここに住んでいる訳ではない。
「部屋に帰ってからイラストの清書をするから、また明日の朝に見せに来るね」
「分かりました。
そのイラストを元に河本さん達へアバター作成の依頼を出して、男性への100の質問を撮影して、編集してチャンネル開設。編集した動画を投稿してやっと第一歩って感じですね」
「そっか、最初は本当に男性だと分かる為に喉仏しか映してない動画を投稿するって言ってたもんね。
でもその次の動画を投稿するまでに間が空くのは良くないんじゃない?
こういうのって最初のひと月は毎日投稿して認知度を上げる必要があるんじゃないの?」
燈子が藍子を見ると、同じ考えなのか、伊吹に対して不思議そうな表情を向けている。
伊吹は二人へ向けて笑いながら説明する。
「認知度を上げる為に毎日投稿するのは有効な手法だと思いますよ。通常であれば、ですが。
喉仏がはっきりと映っている動画に対して、認知度を上げる為の工夫が必要だと思いますか?」
「「あー!!」」
藍子と燈子が納得の声を上げる。
「そっか、世界初の男性YourTunerなんて、世間が放っておく訳ないですもんね!
宣伝する必要もないし、待ってれば勝手にチャンネルの登録者通がどんどん増えていくって事ですか」
「なるほど……。つまり喉仏動画を投稿して、しばらく待ってるだけで収益化申請する基準を達成出来るって事ね」
「そうですね。
男性への100の質問の中で、現在はチャンネル開設の準備中なので生配信を一ヶ月後にしますって言っちゃうんですよ。
もしかしたら一ヶ月も必要ないかも知れませんけど、それだけあれば収益化申請が通ると思うので、生配信の時点で投げ銭が貰える状態で男性Vtunerとしてデビューが出来るはずです」
「一ヶ月もいらないと思うよ? あたしだって絶対にチャンネル登録するもん!」
「じゃあ、一ヶ月って言っておきながらも、収益化申請が通った次の日にでもすぐに生配信が出来るように準備しておきましょうか。
視聴者の皆さんが待ってくれているみたいなので、頑張って準備を早く終わらせました、なんて言ったら喜ばれるかも」
「とこちゃん、じゃあ少しでも早くイラスト仕上げないとダメなんじゃない?」
「あーちゃん今すぐ帰るよ! お兄さん、また明日ね!!」
「ちょっと引っ張らないで!! 失礼します、伊吹様」
藍子と燈子がバタバタと事務所を出て行ってしまった。
二人に笑顔で手を振る伊吹を、侍女である美子、京香、美哉、橘香は優しい表情で見つめている。
伊吹の祖母である心乃春が亡くなってから、伊吹が塞ぎ込んでいるのを心配していたので、生き生きとした姿を見て安心しているのだ。
Vtunerの活動が伊吹の実生活にどのような影響を与えるのか、四人にはまだ想像出来ていないが、伊吹本人が辞めると言うまでは支えていきたいと感じていた。
この日の夜、多恵子から藍子へ連絡が入った。
会社を去った四人から、自分達の株については全て会社に残っている四人に譲渡するとの返事があったそうだ。
四人は自分達が先抜けしてしまった事を負い目に感じていたようで、揉める事なく手続きを進めらる事となる。
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