37 / 40
Part37:勇者ちゃん、徐々に追い込まれているなう
しおりを挟む
「こほんっ。まずはゼノン様。昨日は危ないところを助けて頂きまして、ありがとうございます。ゼノン様が掛けて下さった状態異常回復魔法のお蔭で、私達姉妹、ひいては王都の全ての者が救われました。さすが勇者に選ばれたお方ですわ」
わざとらしい咳払いを1つした後、だらしなかった表情を一変させ、神妙な面持ちで礼を言うローラちゃん。あまりの雰囲気の変わりよう、そして告げられた内容に勇者ちゃんが身を固くしています。
「えっと、ローラさんにエスエスナースを使ったのは覚えています。ですが、王都の方々を救ったと仰るのは……?」
戸惑いを隠せない勇者ちゃんに、ローラちゃんが1から説明をします。
状態異常回復魔法でローラちゃんだけでなく銀髪姉妹全員が異常から回復出来た事。
そして王城の兵士養成所で起きた集団での体調不良も、状態異常から回復させる事で元に戻る事が分かった事。
その事を王城へ伝えに行く途中、王都の人々が同じ症状で苦しんでいた事。
王城へ対処方法を伝えた事で、苦しんでいる人々を救う事が出来た事。
そして王都を襲った重大な危機から救うきっかけを作ったのは、勇者ちゃんであるという事。
勇者ちゃんの目をじっと見つめながら、つらつらと淀みなく語るローラちゃん。その様子をただただ畏まって聞いていた勇者ちゃん。ベッドの上ですが、背筋がピンと伸びています。
「つまり、苦しんでいた人々は救われたという事ですね?」
「ええ、そうです。母に代わりまして、御礼申し上げます」
ローラちゃんが勇者ちゃんへ、深々と頭を下げます。言い方がやらしいw あえて母と言っていますね。これはもうローラちゃんのお母さんと細かい事まで含めて打ち合わせ済みなのでは?
もう勇者ちゃんは逃げる事が出来ない状況へと追い込まれているかも知れませんねwww
「お母上、ですか……?」
「……それにしても驚きましたわ。魔法を掛けて下さった後、私に覆い被さって来られ、なおかつあんな所やこんな所を触って来られたものですから……」
勇者ちゃんの反応を見て、まだ気付いていない事を確認したローラちゃん。まだネタバレする必要がないと判断し、即座に話を変えて来ました。
両手で自分の身体を抱き締めて、ほんのりと頬を赤く染めながら、上目遣いで勇者ちゃんを見つめます。
「ええっ!? そ、それは大変申し訳ない事を……!!
その、申し上げにくいのですが……、魔法を使った直後に何故か気を失ってしまいまして、何も覚えていないのです……」
何も間違った事は言っていません。勇者ちゃんは正直に話しているのですが、勇者ちゃんの中の常識、そして倫理観が強い罪悪感を呼び、そしてローラちゃんに対して悪い事をしてしまったという謝罪になっていきます。
ラッキースケベなのに覚えてないなんて勿体ない! という気持ちなど一切なく、どうしようとっても悪い事をしてしまったどうしたら許してもらえるだろうローラさんは傷付いていないだろうか、など様々な思いが込み上げて混乱に拍車が掛かります。
ある程度冷静であれば勇者ちゃんだって気付いたと思うのですよ。今までの姉妹の様子から、身体に触れたくらいでお嫁に行けないと泣くような女の子ではないって。だって勇者ちゃんの事をお姫様抱っこして家に連れ込むような人達ですよw
むしろ身体に触れられた事を盾にしてさらに迫るんじゃないかと想像出来るはずです。まさに今の状況がそうなんですが。
わざとらしい咳払いを1つした後、だらしなかった表情を一変させ、神妙な面持ちで礼を言うローラちゃん。あまりの雰囲気の変わりよう、そして告げられた内容に勇者ちゃんが身を固くしています。
「えっと、ローラさんにエスエスナースを使ったのは覚えています。ですが、王都の方々を救ったと仰るのは……?」
戸惑いを隠せない勇者ちゃんに、ローラちゃんが1から説明をします。
状態異常回復魔法でローラちゃんだけでなく銀髪姉妹全員が異常から回復出来た事。
そして王城の兵士養成所で起きた集団での体調不良も、状態異常から回復させる事で元に戻る事が分かった事。
その事を王城へ伝えに行く途中、王都の人々が同じ症状で苦しんでいた事。
王城へ対処方法を伝えた事で、苦しんでいる人々を救う事が出来た事。
そして王都を襲った重大な危機から救うきっかけを作ったのは、勇者ちゃんであるという事。
勇者ちゃんの目をじっと見つめながら、つらつらと淀みなく語るローラちゃん。その様子をただただ畏まって聞いていた勇者ちゃん。ベッドの上ですが、背筋がピンと伸びています。
「つまり、苦しんでいた人々は救われたという事ですね?」
「ええ、そうです。母に代わりまして、御礼申し上げます」
ローラちゃんが勇者ちゃんへ、深々と頭を下げます。言い方がやらしいw あえて母と言っていますね。これはもうローラちゃんのお母さんと細かい事まで含めて打ち合わせ済みなのでは?
もう勇者ちゃんは逃げる事が出来ない状況へと追い込まれているかも知れませんねwww
「お母上、ですか……?」
「……それにしても驚きましたわ。魔法を掛けて下さった後、私に覆い被さって来られ、なおかつあんな所やこんな所を触って来られたものですから……」
勇者ちゃんの反応を見て、まだ気付いていない事を確認したローラちゃん。まだネタバレする必要がないと判断し、即座に話を変えて来ました。
両手で自分の身体を抱き締めて、ほんのりと頬を赤く染めながら、上目遣いで勇者ちゃんを見つめます。
「ええっ!? そ、それは大変申し訳ない事を……!!
その、申し上げにくいのですが……、魔法を使った直後に何故か気を失ってしまいまして、何も覚えていないのです……」
何も間違った事は言っていません。勇者ちゃんは正直に話しているのですが、勇者ちゃんの中の常識、そして倫理観が強い罪悪感を呼び、そしてローラちゃんに対して悪い事をしてしまったという謝罪になっていきます。
ラッキースケベなのに覚えてないなんて勿体ない! という気持ちなど一切なく、どうしようとっても悪い事をしてしまったどうしたら許してもらえるだろうローラさんは傷付いていないだろうか、など様々な思いが込み上げて混乱に拍車が掛かります。
ある程度冷静であれば勇者ちゃんだって気付いたと思うのですよ。今までの姉妹の様子から、身体に触れたくらいでお嫁に行けないと泣くような女の子ではないって。だって勇者ちゃんの事をお姫様抱っこして家に連れ込むような人達ですよw
むしろ身体に触れられた事を盾にしてさらに迫るんじゃないかと想像出来るはずです。まさに今の状況がそうなんですが。
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる