25 / 40
Part25:自分が持つ常識が通じないと気付いた瞬間を捉えたwww
しおりを挟む
今まで以上にびくびくしている勇者ちゃん。銀髪姉妹に囲まれながら、彼女達の家へと戻って来ました。姉妹達はしんどそうな顔をしつつも、勇者ちゃんに纏わり着きながら家へと入って行きます。
「お帰りなさい。……、早くない?」
外から聞こえる声で勇者ちゃんの帰宅を察したのであろうイリスちゃん。玄関で待っていたら勇者ちゃんとスノォちゃんだけでなく、ローラちゃんとラミィちゃんも帰って来た事を不審がっています。
「それがね……」
ラミィちゃんがダイニングテーブルに腰掛けて、イリスちゃんに説明をします。養成所で訓練を受けていると、周りの兵士達がばたばたと倒れて行った事。病気の類いではなさそうだけど、集団で倒れた事を危惧して今日は訓練を中止、各自帰宅の命令が出された事。そして帰る途中で勇者ちゃん達と一緒になった事。
「私とローラ姉様だけでなく、何故スノォまで同じ症状なのかしら」
ラミィちゃんも椅子に座って一息ついています。スノォちゃんはとても体調が悪いようで、家に着いてお水を飲んだ後すぐに自分の足で個室へと入ってしまいました。
勇者ちゃんに部屋まで連れて行ってとねだる元気もなかったようですね。
「スノォには後で部屋に何か持って行くとして、私達はお昼を済ませてしまいましょう」
ラミィちゃんとイリスちゃんがお昼ご飯の用意をします。みんな体調が良くないようです。お昼ご飯は朝に用意してあったので、後は温めるだけ。
「1から作らないくていいから助かったわ……」
ラミィちゃんが思わず弱音をぽろりと零します。勇者ちゃんが何か手伝う事はないかと立ち上がりますが、向かいに座っていたローラちゃんに引き留められてしまいました。
「いいから、妹達に任せてゼノン様は座ってらして下さいな」
ニコニコと笑顔のローラちゃんですが、どこか無理をしているような表情です。勇者ちゃんもそれに気付いているようですが、ローラちゃんがそれを隠している手前、何も言えないみたいですね。
「あの、この大陸では女性が男性を守るという慣習であるとお聞きしました」
ただ座っているだけでは居心地が悪い。だからでしょうか、今日聞かされた話が真実であるかどうか、ローラちゃんに確認しようと思ったみたいです。
「慣習、ですか? 慣習というのかどうかは分かりませんが、男性に比べて女の方が体力も魔力もありますからね。女が男性を養う事の方が多いでしょう」
そうですね、自分では当たり前のようになっている事柄を、改めて慣習だ習慣だ、風習だと言われると違和感を覚えるでしょうね。どちらにしても、スノォちゃんが勇者ちゃんに話した内容は間違いではなく本当であると分かりました。
「そうですか。実は……」
「これってもしかして逆プロポーズというヤツなのでしょうか!? あっ……」
大きな声を上げながら勢い良く立ち上がるものですから、ローラちゃんが叫んだ後すぐにクラッと眩暈を起こし、椅子に座り込んでしまいました。
「体調が悪いのにバカな事言ってるから……」
呆れたように言うイリスちゃん。温めた料理をテーブルへ運んで来ました。ラミィちゃんも料理を配膳し、みんなで食事を始めました。
「それにしてもゼノン様、どうして突然当たり前の事をおっしゃったのですか?」
ラミィちゃんの言う当たり前の事とは、女が男を守るうんぬんの話ですね。銀髪姉妹にとっては当たり前の事。わざわざ確認するような事ではないのです。
「実は、俺が生まれた大陸では男の方が力が強く、男は女を守るもんだと言われて育って来たのです。ですから、みなさんが仰っている事がよく理解出来なかったんです」
「よく理解出来なかったとは?」
食べる手を止めて、じっと勇者ちゃんの話を聞いていたイリスちゃんが質問をしました。
イリスちゃんは口数が少なめの女の子。あまり感情を表に出さないタイプなのも相まって、じっと見つめられている勇者ちゃんはプレッシャーを感じながらもイリスちゃんに説明をします。
「えっと……、スライムを倒す必要はないとか、無理して元の大陸に帰る必要はない、私達が守ってあげるとか言って頂いていた意味が、やっと分かったという、か……!?」
そこまで言って、やっと勇者ちゃんは姉妹達が本当に言いたかった言葉の裏に気付いたようです。ハッ! という表情を浮かべ、額には汗。
そうです、銀髪姉妹が私達が守ってあげる、いつまでもこの家にいていいと言っていたのは、お婿さんにしてあげるという事だったのですw
上は15歳から下は9歳までの美少女姉妹から迫られていた事にやっと、ようやく、このタイミングで気付いた勇者ちゃんwww
「お帰りなさい。……、早くない?」
外から聞こえる声で勇者ちゃんの帰宅を察したのであろうイリスちゃん。玄関で待っていたら勇者ちゃんとスノォちゃんだけでなく、ローラちゃんとラミィちゃんも帰って来た事を不審がっています。
「それがね……」
ラミィちゃんがダイニングテーブルに腰掛けて、イリスちゃんに説明をします。養成所で訓練を受けていると、周りの兵士達がばたばたと倒れて行った事。病気の類いではなさそうだけど、集団で倒れた事を危惧して今日は訓練を中止、各自帰宅の命令が出された事。そして帰る途中で勇者ちゃん達と一緒になった事。
「私とローラ姉様だけでなく、何故スノォまで同じ症状なのかしら」
ラミィちゃんも椅子に座って一息ついています。スノォちゃんはとても体調が悪いようで、家に着いてお水を飲んだ後すぐに自分の足で個室へと入ってしまいました。
勇者ちゃんに部屋まで連れて行ってとねだる元気もなかったようですね。
「スノォには後で部屋に何か持って行くとして、私達はお昼を済ませてしまいましょう」
ラミィちゃんとイリスちゃんがお昼ご飯の用意をします。みんな体調が良くないようです。お昼ご飯は朝に用意してあったので、後は温めるだけ。
「1から作らないくていいから助かったわ……」
ラミィちゃんが思わず弱音をぽろりと零します。勇者ちゃんが何か手伝う事はないかと立ち上がりますが、向かいに座っていたローラちゃんに引き留められてしまいました。
「いいから、妹達に任せてゼノン様は座ってらして下さいな」
ニコニコと笑顔のローラちゃんですが、どこか無理をしているような表情です。勇者ちゃんもそれに気付いているようですが、ローラちゃんがそれを隠している手前、何も言えないみたいですね。
「あの、この大陸では女性が男性を守るという慣習であるとお聞きしました」
ただ座っているだけでは居心地が悪い。だからでしょうか、今日聞かされた話が真実であるかどうか、ローラちゃんに確認しようと思ったみたいです。
「慣習、ですか? 慣習というのかどうかは分かりませんが、男性に比べて女の方が体力も魔力もありますからね。女が男性を養う事の方が多いでしょう」
そうですね、自分では当たり前のようになっている事柄を、改めて慣習だ習慣だ、風習だと言われると違和感を覚えるでしょうね。どちらにしても、スノォちゃんが勇者ちゃんに話した内容は間違いではなく本当であると分かりました。
「そうですか。実は……」
「これってもしかして逆プロポーズというヤツなのでしょうか!? あっ……」
大きな声を上げながら勢い良く立ち上がるものですから、ローラちゃんが叫んだ後すぐにクラッと眩暈を起こし、椅子に座り込んでしまいました。
「体調が悪いのにバカな事言ってるから……」
呆れたように言うイリスちゃん。温めた料理をテーブルへ運んで来ました。ラミィちゃんも料理を配膳し、みんなで食事を始めました。
「それにしてもゼノン様、どうして突然当たり前の事をおっしゃったのですか?」
ラミィちゃんの言う当たり前の事とは、女が男を守るうんぬんの話ですね。銀髪姉妹にとっては当たり前の事。わざわざ確認するような事ではないのです。
「実は、俺が生まれた大陸では男の方が力が強く、男は女を守るもんだと言われて育って来たのです。ですから、みなさんが仰っている事がよく理解出来なかったんです」
「よく理解出来なかったとは?」
食べる手を止めて、じっと勇者ちゃんの話を聞いていたイリスちゃんが質問をしました。
イリスちゃんは口数が少なめの女の子。あまり感情を表に出さないタイプなのも相まって、じっと見つめられている勇者ちゃんはプレッシャーを感じながらもイリスちゃんに説明をします。
「えっと……、スライムを倒す必要はないとか、無理して元の大陸に帰る必要はない、私達が守ってあげるとか言って頂いていた意味が、やっと分かったという、か……!?」
そこまで言って、やっと勇者ちゃんは姉妹達が本当に言いたかった言葉の裏に気付いたようです。ハッ! という表情を浮かべ、額には汗。
そうです、銀髪姉妹が私達が守ってあげる、いつまでもこの家にいていいと言っていたのは、お婿さんにしてあげるという事だったのですw
上は15歳から下は9歳までの美少女姉妹から迫られていた事にやっと、ようやく、このタイミングで気付いた勇者ちゃんwww
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない
AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。
かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。
俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。
*書籍化に際してタイトルを変更いたしました!
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる