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Part25:自分が持つ常識が通じないと気付いた瞬間を捉えたwww

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 今まで以上にびくびくしている勇者ちゃん。銀髪シルバー姉妹シスターズに囲まれながら、彼女達の家へと戻って来ました。姉妹達はしんどそうな顔をしつつも、勇者ちゃんに纏わり着きながら家へと入って行きます。

「お帰りなさい。……、早くない?」

 外から聞こえる声で勇者ちゃんの帰宅を察したのであろうイリスちゃん。玄関で待っていたら勇者ちゃんとスノォちゃんだけでなく、ローラちゃんとラミィちゃんも帰って来た事を不審がっています。

「それがね……」

 ラミィちゃんがダイニングテーブルに腰掛けて、イリスちゃんに説明をします。養成所で訓練を受けていると、周りの兵士達がばたばたと倒れて行った事。病気の類いではなさそうだけど、集団で倒れた事を危惧して今日は訓練を中止、各自帰宅の命令が出された事。そして帰る途中で勇者ちゃん達と一緒になった事。

「私とローラ姉様だけでなく、何故スノォまで同じ症状なのかしら」

 ラミィちゃんも椅子に座って一息ついています。スノォちゃんはとても体調が悪いようで、家に着いてお水を飲んだ後すぐに自分の足で個室へと入ってしまいました。
 勇者ちゃんに部屋まで連れて行ってとねだる元気もなかったようですね。

「スノォには後で部屋に何か持って行くとして、私達はお昼を済ませてしまいましょう」

 ラミィちゃんとイリスちゃんがお昼ご飯の用意をします。みんな体調が良くないようです。お昼ご飯は朝に用意してあったので、後は温めるだけ。

「1から作らないくていいから助かったわ……」

ラミィちゃんが思わず弱音をぽろりと零します。勇者ちゃんが何か手伝う事はないかと立ち上がりますが、向かいに座っていたローラちゃんに引き留められてしまいました。

「いいから、妹達に任せてゼノン様は座ってらして下さいな」

 ニコニコと笑顔のローラちゃんですが、どこか無理をしているような表情です。勇者ちゃんもそれに気付いているようですが、ローラちゃんがそれを隠している手前、何も言えないみたいですね。

「あの、この大陸では女性が男性を守るという慣習であるとお聞きしました」

 ただ座っているだけでは居心地が悪い。だからでしょうか、今日聞かされた話が真実であるかどうか、ローラちゃんに確認しようと思ったみたいです。

「慣習、ですか? 慣習というのかどうかは分かりませんが、男性に比べて女の方が体力も魔力もありますからね。女が男性を養う事の方が多いでしょう」

 そうですね、自分では当たり前のようになっている事柄を、改めて慣習だ習慣だ、風習だと言われると違和感を覚えるでしょうね。どちらにしても、スノォちゃんが勇者ちゃんに話した内容は間違いではなく本当であると分かりました。

「そうですか。実は……」

「これってもしかして逆プロポーズというヤツなのでしょうか!? あっ……」

 大きな声を上げながら勢い良く立ち上がるものですから、ローラちゃんが叫んだ後すぐにクラッと眩暈を起こし、椅子に座り込んでしまいました。

「体調が悪いのにバカな事言ってるから……」

 呆れたように言うイリスちゃん。温めた料理をテーブルへ運んで来ました。ラミィちゃんも料理を配膳し、みんなで食事を始めました。

「それにしてもゼノン様、どうして突然当たり前の事をおっしゃったのですか?」

 ラミィちゃんの言う当たり前の事とは、女が男を守るうんぬんの話ですね。銀髪姉妹にとっては当たり前の事。わざわざ確認するような事ではないのです。

「実は、俺が生まれた大陸では男の方が力が強く、男は女を守るもんだと言われて育って来たのです。ですから、みなさんが仰っている事がよく理解出来なかったんです」

「よく理解出来なかったとは?」

 食べる手を止めて、じっと勇者ちゃんの話を聞いていたイリスちゃんが質問をしました。
 イリスちゃんは口数が少なめの女の子。あまり感情を表に出さないタイプなのも相まって、じっと見つめられている勇者ちゃんはプレッシャーを感じながらもイリスちゃんに説明をします。

「えっと……、スライムを倒す必要はないとか、無理して元の大陸に帰る必要はない、私達が守ってあげるとか言って頂いていた意味が、やっと分かったという、か……!?」

 そこまで言って、やっと勇者ちゃんは姉妹達が本当に言いたかった言葉の裏に気付いたようです。ハッ! という表情を浮かべ、額には汗。
 そうです、銀髪姉妹が私達が守ってあげる、いつまでもこの家にいていいと言っていたのは、お婿さんにしてあげる結婚しましょうという事だったのですw
 上は15歳から下は9歳までの美少女姉妹から迫られていた事にやっと、ようやく、このタイミングで気付いた勇者ちゃんwww
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