5 / 5
※ 探良side
しおりを挟む
「なんでっ、あぁあっ!」
「えっ、ぅ、さっ。さぐっ、らぁっっ!」
なんだっけ、なんだっけ。
どうしてこんなことになったんだっけ。
息をするたびに吐き出される嬌声はもはや呼吸の対価のようで、どう頑張っても止められない。
いつの間にか下は脱がされていて、探良の、細長くごつごつした指に囚われている。
ふと探良がこちらを向いた。
目が、あった。
「…っ!」
背中がぞくぞくする。それを知覚したとたん、不思議と抵抗する気も失せていく。
飢えた獣のような双眸が、ここ最近の探良とは思えないほど生命力を持っている。
こんな探良、初めてだ。
「咥えるね」
「えっ、ぅあああああっ!」
まだ覚悟も同意もしないうちに、俺の逸物はぬくぬくとした温室の中に包まれる。
「気持ちい?」
「うぁっ、そこっでっ、しゃべっちゃだめっっ」
あろうことかその中を自由自在に動き回る、蛇のような舌。
「だめっ、やぁっぁああぁぁぁあぁっ!」
探良の顔は俺の股にうずめられていて、どういう表情かわからない。
次にどういう動きをするのか、その予測さえさせてくれないのが怖くて、無意識に体を左右によじって快楽を逃そうとしてしまう。
「マサ、逃げないで」
久しぶりに聞いた気がする。俺を「マサ」って呼ぶ声。
熱くなった探良の手のひらが、俺の身体を押さえつけて離してくれない。
からからの喉から発される声はひどく艶っぽくて、渋くて、それだけで俺の耳は孕みそうなほど熱くなる。
「にげようっとなんんって、してにゃぁぁあっぁっああああああぁぁぁぁっ!」
逃げようとなんてしてない、体が勝手に動いちゃうの、って、言いたかったのに。
言い切る前に探良は、俺の隆起したそれを蹂躙しきった。
すーっと、意識がフェードアウトしていく感覚。
「ふふっ、猫みたい」
痩せた顔で探良が笑う。
ぼーっとした頭と熱くなった脳みそは、さくらの声だけを知覚する。
さくら、さくら、さくら。
さくらのことだけで頭が満たされていく。
幼稚園の頃。
頼れるのがさくらしかいなかったあの頃の感覚に、少し近い。
さくら以外のすべてが全部背景で、さくらだけが有機物としてそこに存在しているような気がしていた、あの頃。
さくらのこと、本当に好きだよ。信じてるんだよ。
そう言うかわりに、俺は探良の身体に腕を回して抱き着いた。
探良の肩は俺よりも華奢で、俺を押さえつける力がどこにあるのか不思議なくらい。
壊れそうで、壊されそうな俺たちは、その日初めて同じベッドで眠った。
「えっ、ぅ、さっ。さぐっ、らぁっっ!」
なんだっけ、なんだっけ。
どうしてこんなことになったんだっけ。
息をするたびに吐き出される嬌声はもはや呼吸の対価のようで、どう頑張っても止められない。
いつの間にか下は脱がされていて、探良の、細長くごつごつした指に囚われている。
ふと探良がこちらを向いた。
目が、あった。
「…っ!」
背中がぞくぞくする。それを知覚したとたん、不思議と抵抗する気も失せていく。
飢えた獣のような双眸が、ここ最近の探良とは思えないほど生命力を持っている。
こんな探良、初めてだ。
「咥えるね」
「えっ、ぅあああああっ!」
まだ覚悟も同意もしないうちに、俺の逸物はぬくぬくとした温室の中に包まれる。
「気持ちい?」
「うぁっ、そこっでっ、しゃべっちゃだめっっ」
あろうことかその中を自由自在に動き回る、蛇のような舌。
「だめっ、やぁっぁああぁぁぁあぁっ!」
探良の顔は俺の股にうずめられていて、どういう表情かわからない。
次にどういう動きをするのか、その予測さえさせてくれないのが怖くて、無意識に体を左右によじって快楽を逃そうとしてしまう。
「マサ、逃げないで」
久しぶりに聞いた気がする。俺を「マサ」って呼ぶ声。
熱くなった探良の手のひらが、俺の身体を押さえつけて離してくれない。
からからの喉から発される声はひどく艶っぽくて、渋くて、それだけで俺の耳は孕みそうなほど熱くなる。
「にげようっとなんんって、してにゃぁぁあっぁっああああああぁぁぁぁっ!」
逃げようとなんてしてない、体が勝手に動いちゃうの、って、言いたかったのに。
言い切る前に探良は、俺の隆起したそれを蹂躙しきった。
すーっと、意識がフェードアウトしていく感覚。
「ふふっ、猫みたい」
痩せた顔で探良が笑う。
ぼーっとした頭と熱くなった脳みそは、さくらの声だけを知覚する。
さくら、さくら、さくら。
さくらのことだけで頭が満たされていく。
幼稚園の頃。
頼れるのがさくらしかいなかったあの頃の感覚に、少し近い。
さくら以外のすべてが全部背景で、さくらだけが有機物としてそこに存在しているような気がしていた、あの頃。
さくらのこと、本当に好きだよ。信じてるんだよ。
そう言うかわりに、俺は探良の身体に腕を回して抱き着いた。
探良の肩は俺よりも華奢で、俺を押さえつける力がどこにあるのか不思議なくらい。
壊れそうで、壊されそうな俺たちは、その日初めて同じベッドで眠った。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる