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July
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ベッドに入ると、くるっと先生の方を向かされる。
顔、近い…。
「ねぇ、ゆう?」
「んん…。」
俺はもう眠いのに、ドキドキして緊張して、眠れない。
「なんでちょっと離れてるの。」
「えぇ…?」
こっちからしたら、なんでそんな拗ねた顔してるの、なんですけど。
そのうち先生の腕が伸びてきて、俺の頭を引き寄せる。
「こ、これ…。」
「ん。腕枕。」
「だ、大丈夫です…重い、し、先生疲れちゃいます…。」
「僕がしたくてしてるんだから、いいの。」
「そ、そんな…。」
授業中、チョークを使うとき。偉い先生と握手するとき。
先生の仕事をこなしているこの右手が、俺の下にある。
そうやって考えれば考えるほど、照れくさいような恥ずかしいような気持ちになる。
先生といると落ち着くはずなのに、いつまでもどきどきが止まらない。
ことあるごとに恥ずかしくなるし。
そのうち先生が完全にこっちを向いて、左手で頭を撫でられる。
先生の全身が俺にくっついてる。
守られてる感覚。
この家に一緒に住むことが決まったとき、先生が俺に言ってくれた、「何があっても守るよ」って言葉。こうやって同じベッドにいると、それって本当だったんだなってことが嫌と言うほどわからせられる。怖がりだけど。
俺がそんなことを考えていると、先生はうつらうつらし始めた。
睫毛ながっ…鼻筋たかっ…肌綺麗すぎる…
日本人の理想を詰め込んで彫刻にしました!って感じで、単に「イケメン」の一言で片づけてしまうのは絶対にもったいない。
俺だけがこれを見るの、申し訳ないな…。
先生の体がだんだんあったまってきて、俺に熱が伝わる。
ただでさえ体温高めな先生の体がよりあったまってくると正直言って暑い。
俺の方の布団だけちょっとはごうとしたんだけど、そのちょっとした動きで先生の目が開いた。
「っ、何やってるの…?」
「あっ、ちょっと暑くなってきたので布団を取ろうと思って…。」
寝ぼけてちょっとダウナーになった先生の声が俺の脳内に響いて、また心拍数が上がっちゃう。
背が高い割には高い先生の声、一般に言うイケボ。
「うぅん…。」
なんだかよくわからない声をあげて、先生は俺にくっついてくる。
いやだから、暑いんだって。
完全に寝ぼけた先生に脳内でツッコミを入れつつ、うまく布団をどかす。
先生自身が俺の布団みたいになってる。
あと俺の足に先生の股間が当たるのもよくない。
うわぁぁぁ、全然眠れない!!
眠たいのに。
先生が重くて動けないから今何時なのかもわからないけど。
多分俺にとっては夜更かしに入る時間になってるんだろう。
規則正しく聞こえてくる先生の寝息に集中して、俺もなんとか寝ようとする。
朝五時。先生が毎日セットしているアラームが鳴る。
あれ、そんな時間か。
…結局よく眠れなかった。
夜更かししちゃった罪悪感に打ちのめされていると、先生がもぞもぞ動き出した。
先生が起きてベッドが広くなる。ベッドの温度も下がる。
そうしてやっと、俺は快眠を手に入れた。
顔、近い…。
「ねぇ、ゆう?」
「んん…。」
俺はもう眠いのに、ドキドキして緊張して、眠れない。
「なんでちょっと離れてるの。」
「えぇ…?」
こっちからしたら、なんでそんな拗ねた顔してるの、なんですけど。
そのうち先生の腕が伸びてきて、俺の頭を引き寄せる。
「こ、これ…。」
「ん。腕枕。」
「だ、大丈夫です…重い、し、先生疲れちゃいます…。」
「僕がしたくてしてるんだから、いいの。」
「そ、そんな…。」
授業中、チョークを使うとき。偉い先生と握手するとき。
先生の仕事をこなしているこの右手が、俺の下にある。
そうやって考えれば考えるほど、照れくさいような恥ずかしいような気持ちになる。
先生といると落ち着くはずなのに、いつまでもどきどきが止まらない。
ことあるごとに恥ずかしくなるし。
そのうち先生が完全にこっちを向いて、左手で頭を撫でられる。
先生の全身が俺にくっついてる。
守られてる感覚。
この家に一緒に住むことが決まったとき、先生が俺に言ってくれた、「何があっても守るよ」って言葉。こうやって同じベッドにいると、それって本当だったんだなってことが嫌と言うほどわからせられる。怖がりだけど。
俺がそんなことを考えていると、先生はうつらうつらし始めた。
睫毛ながっ…鼻筋たかっ…肌綺麗すぎる…
日本人の理想を詰め込んで彫刻にしました!って感じで、単に「イケメン」の一言で片づけてしまうのは絶対にもったいない。
俺だけがこれを見るの、申し訳ないな…。
先生の体がだんだんあったまってきて、俺に熱が伝わる。
ただでさえ体温高めな先生の体がよりあったまってくると正直言って暑い。
俺の方の布団だけちょっとはごうとしたんだけど、そのちょっとした動きで先生の目が開いた。
「っ、何やってるの…?」
「あっ、ちょっと暑くなってきたので布団を取ろうと思って…。」
寝ぼけてちょっとダウナーになった先生の声が俺の脳内に響いて、また心拍数が上がっちゃう。
背が高い割には高い先生の声、一般に言うイケボ。
「うぅん…。」
なんだかよくわからない声をあげて、先生は俺にくっついてくる。
いやだから、暑いんだって。
完全に寝ぼけた先生に脳内でツッコミを入れつつ、うまく布団をどかす。
先生自身が俺の布団みたいになってる。
あと俺の足に先生の股間が当たるのもよくない。
うわぁぁぁ、全然眠れない!!
眠たいのに。
先生が重くて動けないから今何時なのかもわからないけど。
多分俺にとっては夜更かしに入る時間になってるんだろう。
規則正しく聞こえてくる先生の寝息に集中して、俺もなんとか寝ようとする。
朝五時。先生が毎日セットしているアラームが鳴る。
あれ、そんな時間か。
…結局よく眠れなかった。
夜更かししちゃった罪悪感に打ちのめされていると、先生がもぞもぞ動き出した。
先生が起きてベッドが広くなる。ベッドの温度も下がる。
そうしてやっと、俺は快眠を手に入れた。
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