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April
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若狭 朔
紺星大学に勤める教授。史上最年少で教授になり、話題になったが、メディアなどの露出は少なめ。高身長でイケメン、誰もが憧れるような肩書まであって、モテないはずがない。
永瀬 優馬
紺星大学一年生。学業は得意で本当はもう少し高い偏差値のところに進学することもできたが、若狭先生に師事したくて紺星に入学。将来は教授になりたいと思っている。
「ゆう~~~僕もう疲れた癒して」
俺の膝の上で溶けているのは一応大学教授。俺より10センチ以上高い身長のせいで、全く膝に収まりきれていない。こぼれ落ちそうで怖い。
「ゆうの膝落ち着く、ずっとここにいていいかな」
真顔で寝転がっているのにイケメンとは何事か。
こんな先生の姿を知ってるのは俺だけだっていう背徳感も、、ちょっとはある。
「頑張ってください」とりあえず、言ってみる。ちょっと口元がにやけてるのは、たぶんばれてない。
一介の大学一年生(かわいいわけでもイケメンなわけでもないただの凡人)が世界的に有名な教授に甘えられているこの状況、周りが見たらどう思うだろうか。
話は、俺が入学した四月にさかのぼる。
大学は勉強するところ。青春するところじゃない。サークル活動や恋愛なんてもってのほかだ。学問を極めるだけ。
別に照れ隠しとかじゃない。本当にこう思っていたんだ。
「初めまして。一年生の概論を担当します、若狭朔です。一年間よろしくお願いします。」
ついこの間まで高校生だった女子たちが、こんなイケメンを前に黙っているわけがない。一週間前に知り合ったばかりの友達たちと顔を見合わせている。教室は一気に喧騒に包まれた。
俺は別に興味ない。彼がイケメンだとか、高身長だとか。
彼の研究には興味あるけど、、
「初回はこれで以上になります。出席確認したいので、各自授業の感想を提出してね。うちの大学はどの授業でも感想書かされると思うので、字数とかはそんなに気にしなくていいよ~じゃあまた来週!」
別に優等生になりたいわけじゃなかった。でもこんなに魅力的な授業、他にない。
興奮のままに感想を書きなぐった。めちゃくちゃ書いちゃったけど、大丈夫だろうか。字数の上限とかは言っていなかったから、別に大丈夫だよな、、
一週間授業を受けてみても、若狭先生の授業は断トツで面白かった。
「はーい、概論始めます。まずは初回授業の感想を紹介したいと思います。みんなたくさん書いてくれてありがとうね!」
よかった、めちゃくちゃ感想書いていたのは俺だけじゃなかった。一人で胸をなでおろした。
二回目も三回目も、俺の書いた感想は毎回三千字を超えた。他の学生の出席率と感想の字数は減っていってるみたいだったけど、そんなこと俺には関係なかった。
変化が起きたのは、四回目の授業の時だった。授業後、一人で教室を出ていこうとする俺を止めたのは、若狭先生だった。
「君、永瀬君だよね?」
振り返った俺の表情を見て、先生はその予測が当たっていたことを理解したみたいだった。
「いつもたくさんコメントありがとう!この後授業なかったら、僕の研究室に来ない?」
興奮が最高潮に達した。
紺星大学に勤める教授。史上最年少で教授になり、話題になったが、メディアなどの露出は少なめ。高身長でイケメン、誰もが憧れるような肩書まであって、モテないはずがない。
永瀬 優馬
紺星大学一年生。学業は得意で本当はもう少し高い偏差値のところに進学することもできたが、若狭先生に師事したくて紺星に入学。将来は教授になりたいと思っている。
「ゆう~~~僕もう疲れた癒して」
俺の膝の上で溶けているのは一応大学教授。俺より10センチ以上高い身長のせいで、全く膝に収まりきれていない。こぼれ落ちそうで怖い。
「ゆうの膝落ち着く、ずっとここにいていいかな」
真顔で寝転がっているのにイケメンとは何事か。
こんな先生の姿を知ってるのは俺だけだっていう背徳感も、、ちょっとはある。
「頑張ってください」とりあえず、言ってみる。ちょっと口元がにやけてるのは、たぶんばれてない。
一介の大学一年生(かわいいわけでもイケメンなわけでもないただの凡人)が世界的に有名な教授に甘えられているこの状況、周りが見たらどう思うだろうか。
話は、俺が入学した四月にさかのぼる。
大学は勉強するところ。青春するところじゃない。サークル活動や恋愛なんてもってのほかだ。学問を極めるだけ。
別に照れ隠しとかじゃない。本当にこう思っていたんだ。
「初めまして。一年生の概論を担当します、若狭朔です。一年間よろしくお願いします。」
ついこの間まで高校生だった女子たちが、こんなイケメンを前に黙っているわけがない。一週間前に知り合ったばかりの友達たちと顔を見合わせている。教室は一気に喧騒に包まれた。
俺は別に興味ない。彼がイケメンだとか、高身長だとか。
彼の研究には興味あるけど、、
「初回はこれで以上になります。出席確認したいので、各自授業の感想を提出してね。うちの大学はどの授業でも感想書かされると思うので、字数とかはそんなに気にしなくていいよ~じゃあまた来週!」
別に優等生になりたいわけじゃなかった。でもこんなに魅力的な授業、他にない。
興奮のままに感想を書きなぐった。めちゃくちゃ書いちゃったけど、大丈夫だろうか。字数の上限とかは言っていなかったから、別に大丈夫だよな、、
一週間授業を受けてみても、若狭先生の授業は断トツで面白かった。
「はーい、概論始めます。まずは初回授業の感想を紹介したいと思います。みんなたくさん書いてくれてありがとうね!」
よかった、めちゃくちゃ感想書いていたのは俺だけじゃなかった。一人で胸をなでおろした。
二回目も三回目も、俺の書いた感想は毎回三千字を超えた。他の学生の出席率と感想の字数は減っていってるみたいだったけど、そんなこと俺には関係なかった。
変化が起きたのは、四回目の授業の時だった。授業後、一人で教室を出ていこうとする俺を止めたのは、若狭先生だった。
「君、永瀬君だよね?」
振り返った俺の表情を見て、先生はその予測が当たっていたことを理解したみたいだった。
「いつもたくさんコメントありがとう!この後授業なかったら、僕の研究室に来ない?」
興奮が最高潮に達した。
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