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第二章
35.スエンに、お前の様子を見てきて欲しいと頼まれてな
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打つ手なしだ。
スエンが立ち上がり、手を差し出してきた。
「帰りましょう。他にいい手を考えますから」
その日から、スエンとは不協和音が生じてしまった気がする。
ウトゥは居座り、粘土板の運び出しを行ったり野草園にスエンと一緒になって 何かしら研究している。
そして、夜中は裸になって仲良くしているようだ。
用を足しに廊下に出ると、「ウトゥ。辛い。もっと優しく」というスエンのかすれ声が聞こえてくるから。
覗き見はもう止めた。
嫉妬しているみたいだから。
聖婚の話が出たのはあれきりで、振り回された自分が馬鹿みたいに感じる。
「全身、さっさと舐めてくれりゃあ終わるのさ。ひとまず、悪魔を家に飼ってないってことが証明できればいいんだから」
森羅は続けて呟く。
「寿命が伸びたら伸びた分だけ、先生と一緒にいられるのに。そう考えては貰えないのかな?だとしたら、オレ、相当なおじゃま虫?」
自分で言葉の刃を放ってしまった。それはブーメランとなって自分の心に突き刺さってくる。
「薬、取りにこう」
最近では、今に軟膏が用意されている。勝手に取っていけという意味なのだろう。
薬を取って部屋に戻ろうとすると、扉の前にウトゥが立っていた。腕組みまでしてどく気はさらさら無さそうだ。
「よう」
「ここ、オレの部屋です。ウトゥさんは、先生の部屋に帰って下さい」
「そうカリカリするなって」
ウトゥは、小動物でも小屋に押し込めるみたいにして森羅を部屋に。
体格差があるのでロクに抵抗できないのが悔しい。
「何しに来たんですか?まさか、間もなく調査団がやってくる?」
「いや。まだだ。スエンに、お前の様子を見てきて欲しいと頼まれてな。ん?手に持っているのはスエンの薬か?塗ってやろうか?」
「いらないです。先生から放置されてから一人でやってきましたので」
「相当ぶんむくれているなあ、お前」
ウトゥに鏡の前に連れて行かれた。窓ガラスと同じでかなり曇っているが、見えなくはない。
耳の辺りの毛を掻き上げられた。
「あれ、耳が元の肌の色に戻っている?」
「そういうことよ」とウトゥは兄貴風。
「大切な器官の火傷は寿命が伸びてしまっても治しておくべきと考えているらしい。あの堅物でも」
森羅は動揺。
「で、でも、オ、オレ、手当された覚えなんか」
「寝ている最中だからな。お前、いつも物凄くうなされているから」
スエンが立ち上がり、手を差し出してきた。
「帰りましょう。他にいい手を考えますから」
その日から、スエンとは不協和音が生じてしまった気がする。
ウトゥは居座り、粘土板の運び出しを行ったり野草園にスエンと一緒になって 何かしら研究している。
そして、夜中は裸になって仲良くしているようだ。
用を足しに廊下に出ると、「ウトゥ。辛い。もっと優しく」というスエンのかすれ声が聞こえてくるから。
覗き見はもう止めた。
嫉妬しているみたいだから。
聖婚の話が出たのはあれきりで、振り回された自分が馬鹿みたいに感じる。
「全身、さっさと舐めてくれりゃあ終わるのさ。ひとまず、悪魔を家に飼ってないってことが証明できればいいんだから」
森羅は続けて呟く。
「寿命が伸びたら伸びた分だけ、先生と一緒にいられるのに。そう考えては貰えないのかな?だとしたら、オレ、相当なおじゃま虫?」
自分で言葉の刃を放ってしまった。それはブーメランとなって自分の心に突き刺さってくる。
「薬、取りにこう」
最近では、今に軟膏が用意されている。勝手に取っていけという意味なのだろう。
薬を取って部屋に戻ろうとすると、扉の前にウトゥが立っていた。腕組みまでしてどく気はさらさら無さそうだ。
「よう」
「ここ、オレの部屋です。ウトゥさんは、先生の部屋に帰って下さい」
「そうカリカリするなって」
ウトゥは、小動物でも小屋に押し込めるみたいにして森羅を部屋に。
体格差があるのでロクに抵抗できないのが悔しい。
「何しに来たんですか?まさか、間もなく調査団がやってくる?」
「いや。まだだ。スエンに、お前の様子を見てきて欲しいと頼まれてな。ん?手に持っているのはスエンの薬か?塗ってやろうか?」
「いらないです。先生から放置されてから一人でやってきましたので」
「相当ぶんむくれているなあ、お前」
ウトゥに鏡の前に連れて行かれた。窓ガラスと同じでかなり曇っているが、見えなくはない。
耳の辺りの毛を掻き上げられた。
「あれ、耳が元の肌の色に戻っている?」
「そういうことよ」とウトゥは兄貴風。
「大切な器官の火傷は寿命が伸びてしまっても治しておくべきと考えているらしい。あの堅物でも」
森羅は動揺。
「で、でも、オ、オレ、手当された覚えなんか」
「寝ている最中だからな。お前、いつも物凄くうなされているから」
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