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おまけのバットゥータ おかわり
178:こういう場合は、じゃあ、口付け一つで頑張れるからって言うもんですよ
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「実は俺もです。スレイヤー様の年頃は、そんなことばかり考えていた。もちろん、実行もしました。ある意味、同じ穴のムジナかな?」
「え??」
ボクは、バットゥータの告白に驚いた。
「さて、本気で寝ましょう」
と言う彼に、
「バットゥータ。バットゥータってば」
と呼びかける。
「寝ました」
「なら、独り言。ボク、まだ、バットゥータのこと好きでいていい?」
「どうぞご自由に。でも、早く心変わりしてくれることを願っています。十八歳も年の離れた男を思って時間を無駄にさせるのは申し訳ない」
「それは、バットゥータが決めることじゃないよ。二回とも散々だったけどさ、ボクにとっては今だって最高の思い出なんだから」
「あれが?」
「ヤバイ。薬を盛ったことが最高の思い出なんて言ったら、お父さんに怒られちゃう」
ボクが焦ると、バットゥータが喉を鳴らして笑う。
「貧相な思い出ですねえ。相手はあなたのことを思ってなかったっていうのに」
「それは一回目でしょう?二回目はちゃんとボクって認識してた」
「怒りの上でね」
「バットゥータ。もう寝たら?」
「これ、寝言なんで。早くいい人見つけてください」
「見つからなくても責任取らなくていいからね」
「当たり前でしょう?何言ってんの?」
バットゥータがくだけた調子になる。
「じゃあ、仮に、俺がスレイヤー様のことを本気で好きになって、あなたに飽きられたとします。与えるダメージ考えています?」
「バットゥータ。怖いんだ?」
「そうですね。だいぶ、初恋でえぐられましたので……って、煽りやがったな。クソガキ!」
「わ。本性出してきた。ね?ボク、あと一年半後に十六歳になる。立派な大人でしょう?それまでずっとバットゥータのことが好きだったら信じてくれる?」
「若者には一年半は長いですもんね。いいですよ。何か約束手形みたいなの、要ります?」
「そういう言い方、根っからの商人だなあ。別にそんなの要らないよ」
バットゥータが再び、ランプをつけた。
起き上がって寝台に腰掛け、ボクに側に来るように言う。
そして、船内が揺れるからと言ってボクを足の間に立たせた。
「やっぱりお子様ですねえ。スレイヤー様は」
ボクの後頭部にバットゥータが手を添えてくる。
「こういう場合は、じゃあ、口付け一つで頑張れるからって言うもんですよ」
「してくれるの?!」
「鼻息荒い」
「息止めるからちょっと待って」
「震えも止めてください。悪いことをしている気分。さあ、目を閉じて」
「嫌だ。勿体ない」
「なら、このままします。おい、だから、震えるなって」
バットゥータが首を傾け、顔を近づけてる。
息、止めなきゃ。
恥ずかしい。
ボク、意識のないバットゥータと何度も口付けしたのに。
ちゃんとした口付けって、する前からこんなにすごいものなんだ。
唇が重なって、ボクはさらに感動で震えてしまった。
それは触れるだけのものだったけれど、ボクには充分だった。
でも、バットゥータも似たようなものだったらしい。
ボクを暫く見つめていたのだが、やがてボクを抱えたまま枕にばたんと倒れた。
「からかってやっただけなのに、なんだ、このすげえ罪悪感は」
「い、一年半には薄まると思う」
「え??」
ボクは、バットゥータの告白に驚いた。
「さて、本気で寝ましょう」
と言う彼に、
「バットゥータ。バットゥータってば」
と呼びかける。
「寝ました」
「なら、独り言。ボク、まだ、バットゥータのこと好きでいていい?」
「どうぞご自由に。でも、早く心変わりしてくれることを願っています。十八歳も年の離れた男を思って時間を無駄にさせるのは申し訳ない」
「それは、バットゥータが決めることじゃないよ。二回とも散々だったけどさ、ボクにとっては今だって最高の思い出なんだから」
「あれが?」
「ヤバイ。薬を盛ったことが最高の思い出なんて言ったら、お父さんに怒られちゃう」
ボクが焦ると、バットゥータが喉を鳴らして笑う。
「貧相な思い出ですねえ。相手はあなたのことを思ってなかったっていうのに」
「それは一回目でしょう?二回目はちゃんとボクって認識してた」
「怒りの上でね」
「バットゥータ。もう寝たら?」
「これ、寝言なんで。早くいい人見つけてください」
「見つからなくても責任取らなくていいからね」
「当たり前でしょう?何言ってんの?」
バットゥータがくだけた調子になる。
「じゃあ、仮に、俺がスレイヤー様のことを本気で好きになって、あなたに飽きられたとします。与えるダメージ考えています?」
「バットゥータ。怖いんだ?」
「そうですね。だいぶ、初恋でえぐられましたので……って、煽りやがったな。クソガキ!」
「わ。本性出してきた。ね?ボク、あと一年半後に十六歳になる。立派な大人でしょう?それまでずっとバットゥータのことが好きだったら信じてくれる?」
「若者には一年半は長いですもんね。いいですよ。何か約束手形みたいなの、要ります?」
「そういう言い方、根っからの商人だなあ。別にそんなの要らないよ」
バットゥータが再び、ランプをつけた。
起き上がって寝台に腰掛け、ボクに側に来るように言う。
そして、船内が揺れるからと言ってボクを足の間に立たせた。
「やっぱりお子様ですねえ。スレイヤー様は」
ボクの後頭部にバットゥータが手を添えてくる。
「こういう場合は、じゃあ、口付け一つで頑張れるからって言うもんですよ」
「してくれるの?!」
「鼻息荒い」
「息止めるからちょっと待って」
「震えも止めてください。悪いことをしている気分。さあ、目を閉じて」
「嫌だ。勿体ない」
「なら、このままします。おい、だから、震えるなって」
バットゥータが首を傾け、顔を近づけてる。
息、止めなきゃ。
恥ずかしい。
ボク、意識のないバットゥータと何度も口付けしたのに。
ちゃんとした口付けって、する前からこんなにすごいものなんだ。
唇が重なって、ボクはさらに感動で震えてしまった。
それは触れるだけのものだったけれど、ボクには充分だった。
でも、バットゥータも似たようなものだったらしい。
ボクを暫く見つめていたのだが、やがてボクを抱えたまま枕にばたんと倒れた。
「からかってやっただけなのに、なんだ、このすげえ罪悪感は」
「い、一年半には薄まると思う」
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