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おまけのバットゥータ

166:またケツ切れた?血の匂いがする

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「馬鹿にしないで!ねえ、ボクじゃダメ?どうしてダメ?」
「あなたの育ての親だからです。あなたのこと、ゼロ歳から知っています。一線越えたらダメでしょ」
「どうやっても?」
「そう、薬盛ってもです」
 スレイヤーはまだ顔を上げない。
「ボク、どうして、あんなことしちゃったんだろう」
と呻くように言う。
「恋なんて、そんなもんです。自分が見えなくなって当然」
「バットゥータもそういう経験した?」
 涙を拭いながら、やっとスレイヤーが顔を上げた。チラッとこちらを伺ってくる。
 なんだ、余裕がありそうじゃないかとバットゥータは思った。
「まあ、そうですね」
 あまりにも苦しくて、自分から白旗上げて戦線離脱してしまった。
 スレイヤーが薬を盛って意のままにしようとしたのは卑怯だとは思うが、自分はもっとだ。
 頼れるのは自分しかいないとかつて主であった男に事あるごとに態度で示し、醜い足を見せられるのは自分しかいないと思い込ませた。
 姑息な努力は、いい結果を生まないと分かっているのに。
 だから、スレイヤーを見ているとこそばゆい。
 アドリーにだって、小鳥にだって多かれ少なかれそういう経験はあるだろうから、過去の自分を叱りたくなって、ついついスレイヤーに小言が多くなるのだ。
 そのことが分からないスレイヤーには、迷惑な話に違いない。
「バットゥータ」
 布団を敷いている側に、スレイヤーが甘えた声ですり寄ってくる。
「今夜、泊まっていっていい?」
「ダメに決まってるでしょ」
「じゃあ、一回帰るから、こっそり来ていい?」
「スレイヤー様。本当に、反省してます?こんなこと、他の人にやったら、一大事ですよ?いくらアドリー様の息子でも、牢屋行きだ」
「分かっているよ。馬鹿みたいなことしたって。ねえ、もうあんな卑怯なことしないからさ、ボクとちゃんと寝てみて。つまり、大人な意味で。今夜が無理なら明日でいいから」
「一年後だって嫌です。あなたみたいな子供となんか。金輪際ごめんです。あと、またケツ切れた?血の匂いがする」
「え?」
 立たせ反対を向かせると、長衣に鮮血が滲んでいる。
 バットゥータはスレイヤーの腹に片腕を回し拘束すると、嫌がるスレイヤーの裾をめくりあげ、下着をずり下げる。
「ぎゃあ」と悲鳴が上がった。
 スレイヤーを膝の上にうつ伏せにさせ、余っている布を尻の穴に押し付ける。
「逆らわないでくださいね。ケツから血を流させたまま、館に帰せませんから。窓から、この子、お尻丸出しいいいって叫びますからね」
「そんなあっ!!」
 バットゥータは真っ赤になるスレイヤーの首筋を見て、落ちる下せるために後頭部を撫でた。
「無理やり俺に入れられて、痛たくなかったですか?」
「ボクが乗ったの。薬でおかしくなっていても、なかなかバットゥータがしてくれなかったから」
 一瞬、バットゥータの脳裏に自分の腰にまたがり喘ぐスレイヤーの姿が浮かぶ。
 だが、すぐにそれを取り消した。
 尻を使ったこともないのに、快楽なんて得られる訳がない。
 相当無理したはずだ。
「血、止まりそうないですね。止血剤塗っときましょう」
 バットゥータは薬箱から止血剤を取り出し、スレイヤーの尻を割り開く。
 血まで流させといて悪いが、一欠片も欲情しない。
 薬の力とはいえ、固く閉じているこの尻穴にどうやって自分の雄をねじ込んだのだろう?
「嫌だあー!!こんな風にお尻を見られるのは嫌だあー!!」
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