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おまけのバットゥータ

161:ここまで酒が残るなんて年かな?

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 目覚めたら血の匂い。
「あ~?何だ、こりゃ」
とバットゥータは呻く。頭がこれまでに経験したことがないぐらいガンガンした。
 ものすごく気持ちが悪い。
「俺、ロク飲んだっけ?」
 異教徒向けに売られている酒は、うっかり飲んでしまったという体で、たまに楽しむ。
 いくら西暦千六百二十二年になっても、褒められた行為では無い。
 スルタンはまた代わり、現在はオスマン二世。
 でも、今後、すぐに新たなのが担ぎ出されそうな雰囲気。
 スルタン独裁時代は完全に終わりを告げ、大宰相らが実権を握っているからだ。
 といっても、イスタンブール自体は異国から攻められること無く平和を保っていた。
「ここまで酒が残るなんて年かな?」
 バットゥータは首を傾げる。
 それもそのはず、もう三十二歳になっていた。
 半年をここイスタンブールで過ごし、半年を西洋で。買付けで様々な国を巡る。そんな生活を十年以上繰り返している。
 元主のアドリーは四十歳。
 そして、小鳥は三十八歳。
 なんと、あの小さかったスレイヤーはもう十四才になる。
 バットゥータは布団をめくった。
「スレイヤー様。起きて。さっさとご実家に帰って」
 昨夜、イスタンブールの港についた。
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