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第四章
65:何、落ち込んでんだ?オレがきつく物を言ったみたいじゃないか
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「るせ」
「名無しが持ってきてくれた香油、時間が経っても相当いい具合なんですね」
「え?あっ……何だって??」
今日のバットゥータは少し乱暴だ。
肉体の面ではなく、感情の面で。
「アドリー様のために特別に配合したって。薬商のじいさんに言われて持って行けってわざわざ持ってきやがったんですけど、俺にまでつけていきやがって。あっ!」
内部に侵入してきていたアドリーの指が急に止まった。
中の残液を出す作業のはずなのだが、切なさを感じていたアドリーは物足りなくなる。
「ど……した?うっあっ」
指が急に二本に増やされた。
難なく穴はそれを飲み込んだようだが、当人には衝撃が大きい。
二本の指が内部で広げられ空間を作る。
自分ですら見ることが出来ない秘部を、勝手に広げられて晒されるこの瞬間がいやらしくてたまらない。
しかも、そんなことを使用人にされているのだ、自分は。
「んんっ」
声を漏らすのと同時に、クプクプと残液が体外に出ていくのが分かる。
指を抜いたバットゥータが、アドリーを後ろから抱いてきた。
バットゥータの腹が背中にぴったりとくっつき、寝起きの熱い体温を感じる。
準備万端の穴に指以外のものを挿入してくるのかと期待したら、アドリーの雄に手が回って激しく扱き上げられた。
バットゥータの手には、名無しの持ってきた香油がたっぷりついていて痛くはない。
「バットゥータッ、なあっ」
喘ぎながら求めると、バットゥータは急にアドリーの背中に自分の額を押し付けながら性器の根本をきつく締め上げてくる。
「すっかり忘れてました」
声が、背中を伝ってアドリーの身体全体に響く。
「名無しに香油の金を払うのを」
珍しい。
その手のことは、神経質なほどきっちりしているはずなのに、
このところ、立て続けにバットゥータはミスをする。
どこかでちゃんと軌道修正はするのだろうが、それは明日なのか明後日なのか。
主としては、できれば早いに越したことはないのだが。
そのことを本人も充分自覚し苛立っているのか、ちょっと強引にアドリーをいかせた。
宿を出て立ち止まる。
背後には、叱られた子犬みたいな姿のバットゥータがいた。
「何、落ち込んでんだ?オレがきつく物を言ったみたいじゃないか」
「……俺、名無しのところに、払うものを払ってきます」
「それが、賢明だな」
「では、また館で」
バットゥータがアドリーの脇をすり抜けていくので、
「オレもついてこうか」
と声をかけた。
「って、何その不満そうな顔。オレが歩くの遅いから迷惑?」
さっさと名無しの用事をすませ、やり残している仕事に取り掛かりたいのかと思って気を使うと、
「そんなこと、一度も言ったこと無いじゃないですかっ!!」
と大声を出された。
「び、びっくりした。脅かすなよ。お前らしくない」
バットゥータがそっぽうを向く。
「アドリー様の方こそ、『今までで一番ゆっくり、腰をすすめて』って書き置きする男に興味があるんでしょ?最初は、あいつが歌えるかどうか気にしていたし」
「結局のところ、名無しは口無しで、歌は夢だろ?」
「……その通りですけど」
「お前とぶらぶら歩きながら話がしたいだけ」
「本当ですかっ?!」
「名無しが持ってきてくれた香油、時間が経っても相当いい具合なんですね」
「え?あっ……何だって??」
今日のバットゥータは少し乱暴だ。
肉体の面ではなく、感情の面で。
「アドリー様のために特別に配合したって。薬商のじいさんに言われて持って行けってわざわざ持ってきやがったんですけど、俺にまでつけていきやがって。あっ!」
内部に侵入してきていたアドリーの指が急に止まった。
中の残液を出す作業のはずなのだが、切なさを感じていたアドリーは物足りなくなる。
「ど……した?うっあっ」
指が急に二本に増やされた。
難なく穴はそれを飲み込んだようだが、当人には衝撃が大きい。
二本の指が内部で広げられ空間を作る。
自分ですら見ることが出来ない秘部を、勝手に広げられて晒されるこの瞬間がいやらしくてたまらない。
しかも、そんなことを使用人にされているのだ、自分は。
「んんっ」
声を漏らすのと同時に、クプクプと残液が体外に出ていくのが分かる。
指を抜いたバットゥータが、アドリーを後ろから抱いてきた。
バットゥータの腹が背中にぴったりとくっつき、寝起きの熱い体温を感じる。
準備万端の穴に指以外のものを挿入してくるのかと期待したら、アドリーの雄に手が回って激しく扱き上げられた。
バットゥータの手には、名無しの持ってきた香油がたっぷりついていて痛くはない。
「バットゥータッ、なあっ」
喘ぎながら求めると、バットゥータは急にアドリーの背中に自分の額を押し付けながら性器の根本をきつく締め上げてくる。
「すっかり忘れてました」
声が、背中を伝ってアドリーの身体全体に響く。
「名無しに香油の金を払うのを」
珍しい。
その手のことは、神経質なほどきっちりしているはずなのに、
このところ、立て続けにバットゥータはミスをする。
どこかでちゃんと軌道修正はするのだろうが、それは明日なのか明後日なのか。
主としては、できれば早いに越したことはないのだが。
そのことを本人も充分自覚し苛立っているのか、ちょっと強引にアドリーをいかせた。
宿を出て立ち止まる。
背後には、叱られた子犬みたいな姿のバットゥータがいた。
「何、落ち込んでんだ?オレがきつく物を言ったみたいじゃないか」
「……俺、名無しのところに、払うものを払ってきます」
「それが、賢明だな」
「では、また館で」
バットゥータがアドリーの脇をすり抜けていくので、
「オレもついてこうか」
と声をかけた。
「って、何その不満そうな顔。オレが歩くの遅いから迷惑?」
さっさと名無しの用事をすませ、やり残している仕事に取り掛かりたいのかと思って気を使うと、
「そんなこと、一度も言ったこと無いじゃないですかっ!!」
と大声を出された。
「び、びっくりした。脅かすなよ。お前らしくない」
バットゥータがそっぽうを向く。
「アドリー様の方こそ、『今までで一番ゆっくり、腰をすすめて』って書き置きする男に興味があるんでしょ?最初は、あいつが歌えるかどうか気にしていたし」
「結局のところ、名無しは口無しで、歌は夢だろ?」
「……その通りですけど」
「お前とぶらぶら歩きながら話がしたいだけ」
「本当ですかっ?!」
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