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第二章
21:オ、ナ、ニー
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「寒みいだろうから、こんな風に」
足を開かされ、向き合うようにして、ジンの身体の上に乗せられた。
ジンの手が彼方の背中に回る。
開いた足の付け根に、ジンの性器の感触を感じた。
温かく、硬い。
彼が少し腰を揺った。
「あ、ちょっと」
いつか自分がジンを抱く。
そういうことで話がついているはずなのに、これじゃまるで逆だ。
「彼方の、少し、反応してる」
かすれ声が、妙に下半身にくる。
「フ、フッ」とジンの吐息がさらに彼方の反応を加速する。
「成長っていってもさ、いきなり挿入まで一足飛びじゃなくてもいいわけ」
「そう、なの?あっ……」
擦り上げられ声が出てしまった。
「くる。その声」
とジンが押し殺した声でいい、「安心した?」と聞いてきた。
「ん、んんっ。うん。正直言えばそう」
「ってことで、まだまだ先は長いだろうから、もし、夜中に俺が我慢できなくて、一人でしてたら見て見ぬふりして」
「え?一人で?何?」
「だから」
急に、ジンが彼方の耳に口を当ててきた。
「オ、ナ、ニー」
艶っぽい声で囁かれて、彼方はあ、ヤバいと思った。
昨夜みたいに、カプッと口全体を覆うようなキスをされたら……。
「んんっ」
ジンが卑猥な腰使いで先程より強く擦り上げてきた。
「あっ」と叫んだ声は、もう、ジンの口の中に吸い込まれていた。
まただ。
食べつくそうとするかのようなキス。
後頭部に優しく手が回って押し倒されて。
反射的にジンの胸に手を突っ張ると、唇が離れた。
「ごめん。拒んだつもりは」
言い訳を、ジンは聞こえないふりをしてくれたようだ。
「あーあ。俺、盛って、やっちゃった。彼方サン。あんた、怒ってまた明日の朝、出ていっちゃうな」
彼方は恥ずかしくなって、枕に横顔を埋めた。
こすられた股が熱い。
中途半端な刺激を覚えてしまった。
自分を慰める行為をしたことが数えるほどしかない。
部屋に常に誰かいて監視されているわけではないのに、小さい頃からのくせで、そういうことはしてはいけないんだとブレーキがかかる。
そのブレーキをジンは、上手に緩めさせようとしてくる。
同い年なのに、何なんだこの余裕は。
「でも、また、ジンが軽トラックでやってきて、道、逆だけどって言うパターンになるんだろ」
と彼方は言い返す。
「そう、永遠のループ」
ジンが足元の毛布を引き上げてきた。
昨日みたいに、「おつかれ。彼方サン」とからかうように言われる。
ジンは昼と夜では別人みたいだ。
いや、距離が近くなると、途端に優しくなる。
服を脱いだら、肌と肌を深いところまで合わせたら、もっと違う姿を見せてくれるのかもしれない。
彼方がもしジンを抱いたら、逆に、もし彼方が抱かれたら。
それはそれで別人の顔を見せる気がする。
その変幻自在さが、なんとなく悔しくて、
「おやすみ」
とジンの懐に潜り込みながら言うと、
「おう。おやすみ」
と少し嬉しそうな声色の返事が返ってくる。
ランプが消された瞬間、彼方は、ふっと思った。
「そういえば、初めてだ」
「何が?」
「おやすみって誰かに言ったのも、言ってもらったのも」
そう伝えると、「おやすみ」ともう一度言われ、さらに深く抱き込まれた。
足を開かされ、向き合うようにして、ジンの身体の上に乗せられた。
ジンの手が彼方の背中に回る。
開いた足の付け根に、ジンの性器の感触を感じた。
温かく、硬い。
彼が少し腰を揺った。
「あ、ちょっと」
いつか自分がジンを抱く。
そういうことで話がついているはずなのに、これじゃまるで逆だ。
「彼方の、少し、反応してる」
かすれ声が、妙に下半身にくる。
「フ、フッ」とジンの吐息がさらに彼方の反応を加速する。
「成長っていってもさ、いきなり挿入まで一足飛びじゃなくてもいいわけ」
「そう、なの?あっ……」
擦り上げられ声が出てしまった。
「くる。その声」
とジンが押し殺した声でいい、「安心した?」と聞いてきた。
「ん、んんっ。うん。正直言えばそう」
「ってことで、まだまだ先は長いだろうから、もし、夜中に俺が我慢できなくて、一人でしてたら見て見ぬふりして」
「え?一人で?何?」
「だから」
急に、ジンが彼方の耳に口を当ててきた。
「オ、ナ、ニー」
艶っぽい声で囁かれて、彼方はあ、ヤバいと思った。
昨夜みたいに、カプッと口全体を覆うようなキスをされたら……。
「んんっ」
ジンが卑猥な腰使いで先程より強く擦り上げてきた。
「あっ」と叫んだ声は、もう、ジンの口の中に吸い込まれていた。
まただ。
食べつくそうとするかのようなキス。
後頭部に優しく手が回って押し倒されて。
反射的にジンの胸に手を突っ張ると、唇が離れた。
「ごめん。拒んだつもりは」
言い訳を、ジンは聞こえないふりをしてくれたようだ。
「あーあ。俺、盛って、やっちゃった。彼方サン。あんた、怒ってまた明日の朝、出ていっちゃうな」
彼方は恥ずかしくなって、枕に横顔を埋めた。
こすられた股が熱い。
中途半端な刺激を覚えてしまった。
自分を慰める行為をしたことが数えるほどしかない。
部屋に常に誰かいて監視されているわけではないのに、小さい頃からのくせで、そういうことはしてはいけないんだとブレーキがかかる。
そのブレーキをジンは、上手に緩めさせようとしてくる。
同い年なのに、何なんだこの余裕は。
「でも、また、ジンが軽トラックでやってきて、道、逆だけどって言うパターンになるんだろ」
と彼方は言い返す。
「そう、永遠のループ」
ジンが足元の毛布を引き上げてきた。
昨日みたいに、「おつかれ。彼方サン」とからかうように言われる。
ジンは昼と夜では別人みたいだ。
いや、距離が近くなると、途端に優しくなる。
服を脱いだら、肌と肌を深いところまで合わせたら、もっと違う姿を見せてくれるのかもしれない。
彼方がもしジンを抱いたら、逆に、もし彼方が抱かれたら。
それはそれで別人の顔を見せる気がする。
その変幻自在さが、なんとなく悔しくて、
「おやすみ」
とジンの懐に潜り込みながら言うと、
「おう。おやすみ」
と少し嬉しそうな声色の返事が返ってくる。
ランプが消された瞬間、彼方は、ふっと思った。
「そういえば、初めてだ」
「何が?」
「おやすみって誰かに言ったのも、言ってもらったのも」
そう伝えると、「おやすみ」ともう一度言われ、さらに深く抱き込まれた。
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