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第八章

167:尚、気持ちがよさそう。そのうち、ここ、徹底的に開発してあげるね

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「それとなくね」
「それとなくって、何だよ。俺、妙な性癖を持ったド変態だと思われるって」
「ちょっと尚にはその気はある」
「ねえよ」
「きっと、今夜は僕に命令されて射精するよ」
「しません」
「します。あ、このラブローション、チョコレート味だって」
 時雨がボトルに手を伸ばし、キャップを開け、粘りのある液体を手のひらに垂らす。
「結局使うんかい」
「これ、僕が買ってきたんですけど?」
「この神様、嘘まで言い始め…んっ」
 乳首にラブローション付きの両手をぺたっと付けられて、その後、ペロペロと舐められる。
 その後、手は尚の性器に向かい、ぎゅっと掴んできた。
「もう始めんの?」
「愛し返す準備まで出来てるでしょう?」
「そうだけど、あ、それ、ヤバイって。ヤバイって!」
 ヌルヌルした手で完全に勃ち上がった性器を上下され、尚はすぐ耐えきれなくなる。
 射精できなかったことが嘘みたいに、もう出そうだ。
「足、そんなに閉じないで。ほら、広げてみよう?」
「無理だって。俺、一年ぶりだし」
「するつもりでバスルームから出てきたんでしょ?」
「そうだけど。もっと、ペース落として……ください」
 すると、時雨が尚を押し潰す勢いでのしかかってきた。
 でも、しっかり性器は掴んではなさない。
 時雨は尚の耳元で囁いてくる。
「僕ね、尚が、一瞬でMっぽくなるとこ大好き」
「俺がM?どこが?」
「自覚してないとこ、可愛いね」
 時雨は尚の下半身まで降りていき、何の声がけもないまま、ラブローションで濡れた性器を咥えた。
 柔らかな舌が、亀頭や竿を這い回る。
「ここも恵風くんに許した?」
「してねえって。キスだけだって」
「それだって許せない」
と低い声で言った時雨は、再び尚の性器を咥え込む。
「時間あるからさ、ゆっくりじっくりしよ?飛騨で時間が取れなかった分、こっちで延泊」
 くるっとひっくり返され、腹の下で枕を抱かされる。
 肩まで付くように上半身を下げさせられ、反対に尻は高く上げさせられた。
 これじゃあ、尻穴が丸見えだ。
「わあ。尚って猫が伸びするみたいに、セクシーな格好ができるね。まるで、クレさんみたい」
「え?それって翠雨さんのことだろ?!」
「彼らも今日しているかなあ。氷雨の部屋とかで」
 途端、翠雨に以前見せられた襟足の赤い痣が脳裏に浮かぶ。
 でも、それはすぐにかき消された。
 時雨の手技に溺れたからだ。
 緊張で固く閉じていた窄まりを時雨が舌や指を使って溶かしていく、
 自分も触れたことがない場所に他の誰かが、いや時雨が侵入してくるなんて。
「ふあっ、あああああっ」
 不意に指で押され場所に目がくらむ。
 抑えようとして、押され続ける限り変な声が出る。
「やめ、やめっ、やめろって、そこ、ダメ、あ」
「尚、気持ちがよさそう。そのうち、ここ、徹底的に開発してあげるね」
 徹底的という単語はわざと使われたのだろうが、尚はゾクリとしてしまう。
「射精出来ないのも悩まなくていいよ」
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