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第八章
165:恵風とのキス?時雨さんの唇とは随分違うなって思ったよ
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「う、うん。そうだな」
尚は差し出されてもいないのに、強引に時雨の手を取った。
繋いだ手がぬるつく。
「あのさ、時雨さん」
ホテル前までやって来て、尚は言った。
大通りを観光客らがはしゃぎながら通る声が聞こえてくる。
だが、二人が立っている小道に人気はない。
「俺、本当は恵風とキスまでしたんだ。唇を合わすだけじゃなく、舌も使う方のキス」
「そう」
時雨の返事はシンプルだった。
手がきつく握りしめられることもない。
だまって、尚をホテルにつれていく。
フロントで預けた鍵を貰った時雨に変化はない。
エレベーターの中や廊下でも、至って普通だ。
でも、部屋に入った途端、鍵をベットに投げ出して尚を有無を言わさず風呂場に連れて言った。
汗びっしょりの浴衣を脱がされる。
バスタブに押し込まれ、最大限に出さたシャワーを身体に当てられる。水圧が痛いぐらいだ。
時雨も浴衣を脱いでバスタブの中には入って来る。
そして、身体全体を使って尚の背中を壁に押し付けてきた。
後頭部の髪を捕まれ上をむかされる。
「さっきの続きが聞きたいな」
冷たい目つきは嫌いじゃない。
だって目の奥に情念が灯っているのが尚には分かるからだ。
「恵風とのキス?時雨さんの唇とは随分違うなって思ったよ」
「冷静」
「うん。こうはなれなかった」
尚は充血した自分の性器に時雨の手を導く。
「試してみればよかったのに」
と言いながら時雨が唇を重ねてくる。
尚が待ち望んでいた唇はこれだ。
もっと体の内側に入ってくるような激しいキスが欲しくて、
「射精できないことも言った」
とさらに煽るようなことを言う。
「彼、なんて」
「疎雨は疎雨だって」
「いい男」
今度は時雨が尚を嫉妬させる。
尚は握られた性器の上に自分の手を重ねる。
「もっと」
「その前に、洗わなきゃ」
時雨がじらしてくる。
頷くと、時雨が全身で尚を泡だらけにしてくる。髪も足も、乳首も背中も、竿や双球だけじゃなく、尻の穴まで全部。
「前にした約束を覚えている?」
「……何っ?」
尚は時雨に乳首をつままれ、喘ぎながら答えた。
「男同士でセックスしようって言ったこと。僕の性器を尚のお尻の穴に入れて、気持ちいいこと」
「飛騨で言ったことか?あの時、本気だった?俺が忘れてしまうのが前提だったろ?」
「弄んじゃいけない身体だって分かっていたから、自重はしたけれど、脳内で思うのは自由だよね」
「何されたの、俺」
「ふふ」
と笑って先に時雨はバスルームを出ていく。
「尚はのぼせない程度にゆっくり入っていて」
と言われたので、身体についた泡を落とし、髪を洗う。
尚は差し出されてもいないのに、強引に時雨の手を取った。
繋いだ手がぬるつく。
「あのさ、時雨さん」
ホテル前までやって来て、尚は言った。
大通りを観光客らがはしゃぎながら通る声が聞こえてくる。
だが、二人が立っている小道に人気はない。
「俺、本当は恵風とキスまでしたんだ。唇を合わすだけじゃなく、舌も使う方のキス」
「そう」
時雨の返事はシンプルだった。
手がきつく握りしめられることもない。
だまって、尚をホテルにつれていく。
フロントで預けた鍵を貰った時雨に変化はない。
エレベーターの中や廊下でも、至って普通だ。
でも、部屋に入った途端、鍵をベットに投げ出して尚を有無を言わさず風呂場に連れて言った。
汗びっしょりの浴衣を脱がされる。
バスタブに押し込まれ、最大限に出さたシャワーを身体に当てられる。水圧が痛いぐらいだ。
時雨も浴衣を脱いでバスタブの中には入って来る。
そして、身体全体を使って尚の背中を壁に押し付けてきた。
後頭部の髪を捕まれ上をむかされる。
「さっきの続きが聞きたいな」
冷たい目つきは嫌いじゃない。
だって目の奥に情念が灯っているのが尚には分かるからだ。
「恵風とのキス?時雨さんの唇とは随分違うなって思ったよ」
「冷静」
「うん。こうはなれなかった」
尚は充血した自分の性器に時雨の手を導く。
「試してみればよかったのに」
と言いながら時雨が唇を重ねてくる。
尚が待ち望んでいた唇はこれだ。
もっと体の内側に入ってくるような激しいキスが欲しくて、
「射精できないことも言った」
とさらに煽るようなことを言う。
「彼、なんて」
「疎雨は疎雨だって」
「いい男」
今度は時雨が尚を嫉妬させる。
尚は握られた性器の上に自分の手を重ねる。
「もっと」
「その前に、洗わなきゃ」
時雨がじらしてくる。
頷くと、時雨が全身で尚を泡だらけにしてくる。髪も足も、乳首も背中も、竿や双球だけじゃなく、尻の穴まで全部。
「前にした約束を覚えている?」
「……何っ?」
尚は時雨に乳首をつままれ、喘ぎながら答えた。
「男同士でセックスしようって言ったこと。僕の性器を尚のお尻の穴に入れて、気持ちいいこと」
「飛騨で言ったことか?あの時、本気だった?俺が忘れてしまうのが前提だったろ?」
「弄んじゃいけない身体だって分かっていたから、自重はしたけれど、脳内で思うのは自由だよね」
「何されたの、俺」
「ふふ」
と笑って先に時雨はバスルームを出ていく。
「尚はのぼせない程度にゆっくり入っていて」
と言われたので、身体についた泡を落とし、髪を洗う。
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