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season2
143話:サンタの贈り物
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――あれ、俺おっちゃんに名前言ってたっけ? まぁいいや。
「俺はパン男ロボが欲しい!」
「パンオトコロボ……どんな物じゃろうなぁ」
「見せてやるよ! ちょっと待っててくれ!」
俺は自分の部屋から、お気に入りのロボットアニメのおもちゃを持ってきた。
「こっちがRXで、こっちがDX。そんでこれがマークツーだ!」
「むずかしいのう……全部同じに見えるんじゃが」
「おっちゃん、よく見ろ。角の形とか武器の色とか違うんだ」
「ほぅほぅ……」
俺はパン男ロボがいかに大人気で、カッコいいロボットであるかを熱弁した。
あまりにもおっちゃんが楽しそうに聞いてくれるので、今から上映会を開こうと思ったのに、そうなる前に店のドアが開いてしまった。
「あの、外にトナカイとそりがあるんですけど。――あ、どうもいらっしゃいませ。ワタクシは店主のジェルマンでございます」
いつの間にか外は雪が降っていたらしく、ジェルはコートについた雪を軽く掃って店の中へ入ってくる。
「あの、アレク。そちらの方はもしかしてサン――」
「おもちゃ工場で働いてるトナカイが好きなゼツリンのおっちゃんだ!」
「すいません、何言ってるのかわかりません」
ジェルは俺と話すのを早々に切り上げて、おっちゃんの接客をし始めた。
「……それで、何をお求めでございましょうか?」
「このベルが欲しいんじゃよ。トナカイがどこかで落としたらしくて、ずっと悲しんでいたんでなぁ」
「そうでしたか。やはりあなた様は……ではベルをお譲りいたしましょう」
ジェルは「少々お待ちください」と軽くお辞儀をして、ベルを布で磨いてピカピカにするとおっちゃんに手渡した。
「すまんのう。お代はいくらかのう?」
「世界中の子ども達に夢を与えるあなた様から、お代をいただくわけにはまいりません。どうぞ、そのままお持ちください」
「そうかい、ありがとうなぁ。じゃあ早速トナカイに付けてやるとするかのう」
そう言っておっちゃんが店の外に出て行くので、俺たちも付いて行った。
いつの間にか、店の外には立派な角のトナカイと真っ赤なそりがある。
「すげぇ! トナカイだ!」
「ホッホッホッ、ワシの自慢の相棒じゃよ」
おっちゃんがトナカイの首にベルを付けてやると、トナカイはうれしそうに首を振り、ベルを揺らして澄んだ音を響かせた。
「――じゃあ早速、出発するかのう。アレクサンドル君、ジェルマン君、世話になったのう。ありがとうよ!」
おっちゃんが真っ赤なそりに乗り込むと、トナカイは暗くなり始めた空を見上げて進み始めた。
するとまるで飛行機が離陸するみたいにトナカイとそりが宙に浮かんで、そのまま夕暮れの空に消えていったんだ。
「おっちゃん、本物のサンタだったのか……」
それから数日後。
朝、目が覚めると、俺の枕元には木彫りのパン男ロボ、そしてジェルの枕元には木彫りのトナカイのブローチが置かれていた。
――あぁそうか、今日はクリスマスだな。サンタのおっちゃん、素敵なプレゼントありがとうな。
「俺はパン男ロボが欲しい!」
「パンオトコロボ……どんな物じゃろうなぁ」
「見せてやるよ! ちょっと待っててくれ!」
俺は自分の部屋から、お気に入りのロボットアニメのおもちゃを持ってきた。
「こっちがRXで、こっちがDX。そんでこれがマークツーだ!」
「むずかしいのう……全部同じに見えるんじゃが」
「おっちゃん、よく見ろ。角の形とか武器の色とか違うんだ」
「ほぅほぅ……」
俺はパン男ロボがいかに大人気で、カッコいいロボットであるかを熱弁した。
あまりにもおっちゃんが楽しそうに聞いてくれるので、今から上映会を開こうと思ったのに、そうなる前に店のドアが開いてしまった。
「あの、外にトナカイとそりがあるんですけど。――あ、どうもいらっしゃいませ。ワタクシは店主のジェルマンでございます」
いつの間にか外は雪が降っていたらしく、ジェルはコートについた雪を軽く掃って店の中へ入ってくる。
「あの、アレク。そちらの方はもしかしてサン――」
「おもちゃ工場で働いてるトナカイが好きなゼツリンのおっちゃんだ!」
「すいません、何言ってるのかわかりません」
ジェルは俺と話すのを早々に切り上げて、おっちゃんの接客をし始めた。
「……それで、何をお求めでございましょうか?」
「このベルが欲しいんじゃよ。トナカイがどこかで落としたらしくて、ずっと悲しんでいたんでなぁ」
「そうでしたか。やはりあなた様は……ではベルをお譲りいたしましょう」
ジェルは「少々お待ちください」と軽くお辞儀をして、ベルを布で磨いてピカピカにするとおっちゃんに手渡した。
「すまんのう。お代はいくらかのう?」
「世界中の子ども達に夢を与えるあなた様から、お代をいただくわけにはまいりません。どうぞ、そのままお持ちください」
「そうかい、ありがとうなぁ。じゃあ早速トナカイに付けてやるとするかのう」
そう言っておっちゃんが店の外に出て行くので、俺たちも付いて行った。
いつの間にか、店の外には立派な角のトナカイと真っ赤なそりがある。
「すげぇ! トナカイだ!」
「ホッホッホッ、ワシの自慢の相棒じゃよ」
おっちゃんがトナカイの首にベルを付けてやると、トナカイはうれしそうに首を振り、ベルを揺らして澄んだ音を響かせた。
「――じゃあ早速、出発するかのう。アレクサンドル君、ジェルマン君、世話になったのう。ありがとうよ!」
おっちゃんが真っ赤なそりに乗り込むと、トナカイは暗くなり始めた空を見上げて進み始めた。
するとまるで飛行機が離陸するみたいにトナカイとそりが宙に浮かんで、そのまま夕暮れの空に消えていったんだ。
「おっちゃん、本物のサンタだったのか……」
それから数日後。
朝、目が覚めると、俺の枕元には木彫りのパン男ロボ、そしてジェルの枕元には木彫りのトナカイのブローチが置かれていた。
――あぁそうか、今日はクリスマスだな。サンタのおっちゃん、素敵なプレゼントありがとうな。
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