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サディアスの屋敷に行くルート
甘美な毒 前編
しおりを挟むその日はサディアスが休みで、朝から屋敷に居た。――正確にはニコロの部屋に居た。サディアスは朝からずっとニコロの躰を愛撫していた。こんなに何時間も掛けてニコロの躰を愛撫するのは初めてのことだ。
聖騎士団団長と言う仕事柄、中々自由な時間が取れずに満足にニコロを愛することが出来なかった。それが今日、ようやく丸々一日の休みが取れて、兼ねてから計画していたことをサディアスは実行していた。
「……ッ、ぁ……んッ」
じっくり、ねっとり、ニコロの躰を味わう。乳首を舐めて、甘噛みして、指でくりくりと捏ねて。乳首だけの愛撫をどれくらい繰り返したかわからない。ニコロの口から堪え切れずに漏れる声に口角を上げる。
「ゃ、も……下、さわ……」
「まだダメ。もっとここを愛したいんだ」
ぷっくりと赤くなったニコロの乳首だけを愛撫する。毎年、ニコロを抱いて来たが、こうやって時間を掛けて抱く機会なんて中々なく、ニコロがこの屋敷に来てからも聖騎士団に居た頃よりは時間を掛けられたが、乱れるニコロの姿を見てサディアスの我慢が効かずいつも思っていたよりも短い時間でニコロを抱いてしまう。
だが、今日のサディアスは違う。ある目的があって何時間も掛けてニコロの理性を溶かしていく。乳首しか愛撫していないのに、ニコロのモノはもうとろとろと先走りを流して蕾を濡らすほどまで溢れている。
「やだ、も、イきたい……ッ」
「だーめ」
ニコロはまだ乳首の愛撫だけではイけない。後ろではイけるようになっているから、きっとそのうち乳首だけでもイけるようになるだろう。でもそれは今じゃない。今はまだ、ニコロをイかせるわけにはいかない。手首を縛っておいて良かった。そうでなければニコロは自分のモノを扱いてイってしまっただろう。
それはそれで堪らないが、目的は達せられない。イきたくてもイけない今の状況は、とても心が読みやすい。サディアスは乳首を爪で弾く。ビクンとニコロの躰が跳ねた。何時間も乳首ばかりを愛撫する。わざとらしくぴちゃぴちゃと水音を立てて乳首を舐めると、ニコロはイヤイヤするように首を横に振る。ちゅうっと吸い上げると「ぁっ」とニコロの声が聞こえた。
「……やっ、さでぃあす、やだ……ッ」
「やだ? こんなに溢れているのに?」
ニコロをイかせない程度にサディアスは下半身に触れる。それだけでもイってしまいそうになる彼に、サディアスはぱっと手を離した。それから蕾へと手を伸ばして人差し指でくるくるとソコを撫でる。
「――ッ、あっ」
ローションを使わなくても、ニコロの蕾はサディアスの指を一本抵抗なく飲み込んだ。ニコロのナカはきゅうきゅうとサディアスの指を歓迎していて、それを自分でも感じ取っているのだろう、ニコロがサディアスから顔を逸らす。
決してイかせないように慎重に、ニコロのナカを解していく。わざとらしく感じるところを避けて解していくと、ニコロはもどかしそうに腰を動かす。それに気付きながらもサディアスは指を増やしてナカを解していく。前立腺に触れないように、慎重に、慎重に。
イきたくてもイけないニコロは、遂にはボロボロと涙を流してサディアスに懇願する。イきたい、イかせて、と。それでもサディアスはニコロをイかせないどころか、ナカを解していた指を引き抜く。物欲しそうにひくひくと収縮を繰り返す蕾を愛しそうに撫でてから、ニコロの涙を舐め取った。
(――もうちょっと)
優しく、優しく。ニコロの乳首に触れて、その弾力を楽しむ。快感を蓄積していったニコロは相当きつそうだったが、中々理性を手放してくれなかった。それが今、崩れかけていることをサディアスは感じ取り、仕掛けておいた録音機と録画機に魔力を込める。
「ゃだ、も、おねがい、……なんでも、する、からっ」
「――何でも?」
こくこくうなずくニコロに、サディアスの口角が上がる。
――やっとその言葉を引き出すことが出来た。
ニコロは理性が強いのか、こういう行為をする時に理性を失うことがなかった。声も我慢するし、何かに耐えるように目を閉じてやり過ごす。だからサディアスは、屋敷にニコロを連れてきてからずっと、彼の躰に快感を教え込むように抱いていた。
あまり時間を掛けられず、ニコロが理性を失うこともない情事だったが、抱かれる回数が増えるにつれてニコロの躰が変化していっているのに気付いた。表情も目を閉じて耐えていた頃からは比べ物にならないくらい、蕩けた表情を浮かべてサディアスの愛撫を受けていた。
「じゃあ、わたしと結婚してくれる?」
サディアスの問いにニコロは一瞬躰を硬直させた。うまく意味を理解出来なかったようなので、サディアスは彼の乳首をクリクリと捏ねながら、じぃっとニコロの顔を見つめて今度は楽しそうに声を弾ませて伝える。
「わたしのお嫁さんになるって言ってくれたら、イかせてあげる」
にこり、と微笑むサディアスを潤んだ瞳で見つめるニコロ。ニコロの口がわなわなと小さく震えて、「――……る、から……」と震える声を発する。サディアスは聞こえないとばかりに微笑みながら首を傾げた。
「なる……、さでぃあす、の、お嫁さん、なるからぁ……ッ」
「本当? 約束だよ、ニコロ。ふふ。じゃあイかせてあげる。どうやってイきたい? 選ばせてあげるよ」
ここで? と乳首を触り、それともこっち? とニコロの中心に少しだけ触れる。――ニコロが何を望んでいるかなんて、サディアスは既に知っている。それでもニコロの口から聞きたかった。
「……れて……」
「ん?」
小声で伝えるニコロに、わざと聞き返すサディアス。ニコロは早くイきたいからか、今度はサディアスの耳に届くように大きな声で懇願する。
「サディアスの、熱いの挿れてッ。奥までほし……ぁぁあああっ」
「挿れただけでイっちゃった? 可愛いね、ニコロ」
ニコロの言葉を最後まで聞かずに、サディアスはニコロの躰を一気に貫いた。待ち望んでいた快感にニコロのモノから白濁の液体が放たれ、ニコロの腹を濡らす。そのことに気付いて、嬉しそうに目元を細めるサディアス。彼の腰を掴んで、ピストンを始めた。
「ぁっ、いま、イった……ッ! イったから、まっ……!」
動きを止めて欲しくてニコロは首を横に振る。サディアスはそんなニコロの様子を愛しそうに見つめ、動きを加速させた。
「ひぁッ! あっ、ぁっ、さでぃ、あす、ゃ、ぁああっ」
「ニコロ、そんなに締め付けないで……」
きゅうきゅうとニコロのナカがサディアスの昂ぶりを締め付ける。これはすぐに果てそうだ、と予感して、激しく彼の奥へ欲望をぶつけた。案の定、サディアスはあっさりと果てた。ニコロの感じている姿を何時間も見て、自分も限界だった。サディアスがニコロのナカで果てるのを感じて、ニコロはまたイった。
荒い息をふたりは繰り返し、抜こうとしないサディアスにニコロは身を捩る。
「――まだ、だよ。ニコロ」
ニコロの手首の拘束を解き、サディアスは抜かずに彼の躰を起こす。一度果てたというのに、サディアスのモノはまだ硬くて、先程より深くニコロの奥へ入っていく。そのことにニコロの躰は喜ぶように跳ねた。
「今日はたくさん時間があるから、わたしに付き合ってね」
「ぇ……?」
ちゅっとニコロの唇に吸い付いて、ゆっくりとニコロのナカを突き上げる。いつもは一度か二度、どちらかが果てればそこでやめていた。ニコロの体調を気遣ったり、時間がなかったりと理由は様々だったが、今日はニコロの体調も良かったし何より時間がたっぷりとある。
使用人たちにはこの部屋に近付かないように言ってあるから、サディアスを止める者は誰も居ない。思う存分、ニコロの躰を味わえることに悦びを感じながら、サディアスはニコロの唇を舐める。
すると、いつも逃げるように顔を逸らそうとするニコロが、おずおずと唇を開いて舌を出す。サディアスの舌と自分の舌を絡めて息苦しそうに表情を歪めるが、離そうとはしなかった。
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