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3章 偶然の再会

偶然の再会 12-1

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 陸矢りくやが俺の腰に手を添えて、ぐっと後孔に自身の欲望を押し当て、ゆっくりと挿入する。俺の呼吸に合わせるように、本当にゆっくりと。自分のモノのデカさを知っているからだろう。

 壊れないように、優しく。それがまるで大事にされているように思えて、内心嬉しく……同時に恐ろしくもあった。

「……う、ぁ……?」

 ――熱い?

「りく、ま……ッ、ァァああっ!」

 いつもと違う熱さを感じて、制止しようと声を掛けようとしたら、一気に挿れられた。ナカの感じるところを一気に擦られて、嬌声と共に白濁の液体が飛び出た。そのことに驚いたのか、陸矢の動きが一瞬止まったが、すぐにゆるゆると動き出す。

「ま、ァ、いま、イった、から……ぁ……」
「うん、イきましたね。嬉しい、流羽るうさん。もっと感じて」

 うっとりとした声だった。腰に添えていた手を前に移動させて、ぷっくりと主張している乳首を摘まみ、くにくにともてあそぶ。

 乳首に与えられる愛撫。最初のうちは変な感じがする、だけだったのに、いつの間にか性感帯に塗り替えられたようだ。

「ぁ、あっ、ああ……ッ」

 後ろと乳首、同時はダメだって……! と、心の中では叫んでいるのに、口から出るのはこれ本当に俺の声? なんて思えるくらい甘い喘ぎ声。

「乳首触ると、ナカ、締め付けてきて……。もっと、ってねだられているみたい」

 どこか嬉しそうにそう言われたけど、肯定も否定もできない。奥へ、奥へと進んでいく陸矢の欲望はとても熱くて、太く、長い。スキンを使わなかったのはわざとだろうか。

 彼のモノのデカさは、毎回驚かされる。そして、一番驚くのはそれが毎回俺のナカに入っているってことだ。人体の神秘、なんて思考を明後日の方向に向ける。そうじゃないと、快感に飲み込まれてしまいそうだったから。

「……大丈夫、ですか?」
「……ん、大丈夫だから……」

 不穏なことを言っていたわりに、陸矢はとても丁寧に、傷つけないように気を付けながら、俺のことを労わる言葉をくれる。……本当、なんでこんないい奴がフリーなのか、理解できない。……あ、今は俺が陸矢の家にいるから、作れないのか。

 ぴったりと背中にくっついている感覚に、そっと目を伏せた。

「……じゃあ、少し早く動きますね」

 ちゅ、と背中にキスを落されて、小さく肩を跳ねさせた。

 前に回っていた手が、再び腰に添えられる。

「あっあっあっ」

 宣言通りに早く動かれて、突かれるたびに声が出る。ぎゅっとシーツを握りしめた。ナカは陸矢の熱を欲しがり、彼のモノを締め付ける。

「――流羽さん……ッ」
「ぁ、ァアアアッ!」

 陸矢の欲望が一層大きくなり、奥に熱いものが注がれる感覚。

 そして、それと同時に俺も果てた……と、思う。確かに絶頂の感覚はあったのだが、出してはいない気がする……。

「……ぁ……?」

 ぐるぐると、快感が躰の中を巡る。イったはずなのに、なんで? と混乱している俺を、ぎゅっと抱きしめて耳の裏を舐められた。
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