【本編完結】一夜限りの相手に気に入られています!?

1章 一夜限りの相手

一夜限りの相手 4-2

　すっと俺の口元に指を向ける。

「……舐めて？」

　と、言われて素直に彼の指を口に含んだ。指を舐めさせられたこともない。

「知ってる？　口の中も性感帯があるんだよ」

　舌を使って舐めていると彼の指が上壁の口蓋に触れてくる。触れられると、なんだか不思議な感じがした。
　指が増えて、二本目を口の中に入れられる。二本の指で口内を弄まさぐられ、思わず指を吸った。

「そう、上手……。ここ、気持ちいい？　ちょっとマゾッ気あるのかな？」

　楽し気にざらざらとしたところを触られて、ゾクゾクと躰に快感が走る。
　……知らなかった、俺、口の中でこんなに感じることが出来るんだ……。

「気持ちいい？」

　こくこくとうなずく。舐めているうちに、頭の中がぼんやりとしてきた。

「……可愛いね。もっと可愛くなろうね」
「……ぁ……」

　指が口から引き抜かれて、物欲しそうな声が出た。
　代わりに、彼がローションを取り出して、たっぷりと俺の躰にかけた。冷たいローションの感触にびくりと躰が震えたけれど、彼の「大丈夫だよ」の声で躰の力が抜けた。

　後孔にもたっぷりと掛けて、さっき俺が舐めていた指を見せつけるかのようにゆっくりとした動きで、後孔に挿れていく。
　ゆっくりと、静かに、丁寧に。俺のナカを傷つけないように気をつけながら、指が入っていく感覚。

「ん、ぁ……」
「一本、根元まで入ったよ、わかる？」

　こくり、とうなずいた。そこから彼は、俺のナカを広げるように指を動かす。
　元恋人と一回きりの行為をしてから、後ろは触っていなかったから狭いだろうな、と思う。ぐるぐると円を描えがくように指が動いているのがわかる。

「もう一本増やすよ」

　一旦指を引き抜いてから、指二本を揃えて後孔に挿れていく感覚。

「ァ、ンッ！」

　指が、後ろの感じるところを掠めた。
　それに気付いた彼が、「さっきのはここかな？」と指を動かす。ぐにぐにとクルミ大のしこりを何度も何度も刺激されて、そのたびに自分でも聞いたことないような甘い喘ぎ声が出て、躰も跳ねてしまう。

「ここかな、前立腺。ここでちゃんと気持ち良くなれるんだね」

　なんて朗らかに言いながらも、ソコを責める手はやめない。ぐちゅぐちゅと後孔から卑猥な音が聞こえる。耳までおかしくなりそう。

「ぁ、ァああっ、も、良いから……ッ」
「だぁめ。もっと慣らしてからじゃないと、痛いだけだよ？」
「だって今まで……ッ、あぁああっ！」

　俺の考えは却下とばかりに指がナカを広げていく。三本目の指が入り、ぎゅうっと彼の指を締め付けてしまった。